確率モデル論・応用解析学 レポート心得 1. 基本的には, 出題された「数学の問題を解く」ことが求められる. 2. レポート課題なのだから, ブラインドで解くことは前提としていない. むしろ, 文献等を利用して徹 底的に勉強しながら問題を解くことが推奨される. 3. 友人と議論することも構わない (ルーツを同一とみなされるレポート(コピー)は 0 点!議論をとも にすることと、レポートを写すことは似て非なるもの). 4. しかしながら, その気になれば, ネットや文献等で類題を検索して, その解答をコピペできるかもしれ ない. 質問箱に書き込んで誰かが教えてくれることを期待してもよい. 問題はすべてオリジナル (他 所からの引き写しではないという意味) であるが, なにせ基本的な概念を確認するレベルであるから, それなりの専門家なら誰でも似たような問題に行き着くだろう. 5. 以上の状況を一切踏まえた上で, 本レポート課題では 1 題 25 点満点で採点する. ※ 採点基準を例示する. レポート問題:サイコロを 2 個投げたとき, 出た目の和を X, 積を Y とする. このとき, X, Y の 相関係数を計算せよ. 典型的な解答はたぶんこんな感じ: (1) 結合分布 P(X = x, Y = y) を表に書く. むろん, x, y の可能な値だけを考えればよい. (2) 上の表で周辺分布を計算して, P(X = x), P(Y = y) の一覧表を得る. (3) 準備した確率分布をもとに, E[X], E[X 2 ], V[X], E[Y], E[Y 2 ], V[Y], E[XY] を次々に計算して, 最後に, Cov (X, Y) Cov (X, Y) = E[XY] − E[X]E[Y], ρ(X, Y) = √ √ V[X] V[Y] を求める. 1. ここまで, 正しく計算できれば, 20 点は獲得することになる. 2. 計算ミスや説明文が不足していれば, 相応に減点されるが, 筋がよければ 10∼15 点位は大丈夫. 3. 逆に, 本質的におかしい場合, 概念を理解しているとは思えない展開などがあれば, 限りなく 0 点に 近くなる. ※ 正しい答えを導くだけでは, 満点に 5 点足りない. 何をさらに要求するのか? 1. 途中に, 気の利いた論理や計算の工夫があれば加点する. ただし, これはオプションである. 上の例題 なら, サイコロの出目を Z1 , Z2 として, X = Z1 + Z2 , Y = Z1 Z2 とおいて, 問題の統計量を計算するなど. 2. 得られた答に対して, 自分ならではの解釈・視点・発展などを述べた部分に対して加点する. ※ 上記の例で言えば, 次のようなことを議論すれば, その出来に従って加点する. 1. 得られた相関係数をより実感のあるものと比較する. たとえば, 英語と数学の得点の相関係数, 身長 と体重の相関係数,... (ただし, 出典を明記しない引用は不可). 2. 6 面体のさいころではなくて N 面体のサイコロならどうなるか? 一般の N が難しければ, 具体的な N で計算する. 相関係数は N とともにどう変化するか? 3. サイコロ 2 個ではなく, サイコロ N 個振ったときの和 X と積 Y の相関係数. 一般の N が難しければ, 具体的な N で計算する. 相関係数は N とともにどう変化するか? 4. サイコロの目は離散型確率変数である. 連続型でも考えることはできるだろうか? たとえば, [0, 1] か らランダムに 2 個の数を選び, 和を X, 積を Y とする. このとき, X, Y の相関係数を調べる.
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