工業力学 補足・復習スライド
Industrial Mechanics
第12回:衝突,仕事
おさらい
角運動量 (angular momentum)
 並進運動の勢いを示す運動量と同様に,回転運動の勢いを
示す量として 角運動量 (angular momentum) を以下
のように定義する.
L
I
(I:慣性モーメント,w:角速度)
 角運動量は物体がトルクを受けることで変動する.その変
化の法則性は角運動方程式から導出できる.
d(I ) dL
d
N I
I
dt
dt
dt
 つまり,角運動量の時間変化率は,受けているトルクに等
しい.
 この式の両辺を時間に関して積分すると…
角衝撃量 (angular impulse)
t
o
N dt
I (t )
I (0)
L(t )
L(0)
L
 すなわち,時刻 0 から t までトルク N(t) を受けた結果起こ
る角運動量変化の合計はトルク N(t) の時間積分値に等しい.
トルクが時間変化せず一定値 N である場合は DL = Nt で
ある.
 このトルクの時間積分値を 角衝撃量 (angular impulse)
または,角力積,力積のモーメント と呼ぶ.
運動量保存則
 質量 m1, m2 の物体 A, B がそれぞれ v1, v2 の速度で同一方
向に運動しており,衝突時に時間 Dt の間 A が B に一定力
F を加え,結果それぞれの速度は v1, v2 に変化したとする.
v1
v2
 (運動量変化) = (力積) であるから,
m1v1 m1v1
F t
A
B
m2v2 m2v2 F t
 両辺足しあわせて整理すると,
m1v1 m2v2 m1v1 m2v2
 左辺は衝突前の運動量の合計であり,
右辺は衝突後の運動量の合計.
 つまり,衝突の前後で運動量の合計は
変化していない.
F
A
B
-F
v1 v 2
A
B
運動量保存則・角運動量保存則
運動量保存の法則 (law of conservation of momentum)
物体群にかかる外力の和が 0 であるとき,物体間に衝突など
の相互作用が起こって物体ごとの運動量が変動したとしても,
運動量の合計は一定値に保たれる:
mi vi
mi vi
 同様の法則性は回転運動についても言える.
角運動量保存の法則 (law of conservation of angular
momentum)
物体群にかかる外力のモーメントの和が 0 であるとき,物体
間に相互作用が起こって物体ごとの角運動量が変動したとし
ても,角運動量の総和は一定値に保たれる:
Ii
i
Ii
i