原案をご覧になりたい方は、ご連絡ください [email protected] 2014年 J I S 原 案 J A S O 案 テクニカルペーパ案 審議報告書 制 改 月 日 定 正 小改正 1.規格番号・規格名称 JIS K 2390 自動車燃料-混合用脂肪酸メチルエステル(FAME) 2.適用範囲(スコープ) この規格は、自動車又はこれに類似の内燃機関に用いる軽油に、質量分率で5 %を超えない範囲で混合し て用いる混合用脂肪酸メチルエステル(FAME)について規定する。 3.審議経過 分科会: 部 会: バイオディーゼル燃料 分科会 活動期間: 2014年 5月 ~ 2014年 10月( 2回開催) 材料 部会審議 2014年 11月 規格委員会審議:2014年 12月 4.制定・改正の目的 日本国内では、バイオディーゼル燃料の普及はそれほど進んでいないが、東南アジア地域での導入が加速 している。これらの地域でのバイオディーゼル燃料の品質向上に、日本は主導的に関わってきた。EAS-ERI A(東アジア・アセアン経済研究所)ガイドラインは、K2390をベースに、東南アジアで使用される多様な 原料油脂に対応できるように検討が加えられてきた。そのガイドラインの最新版(2013年)との整合を図る ことによって、今後も、これらの地域での品質向上に関わってゆくとともに、これらの地域からの日本への 輸入に対しても推進が図れる。 5.制定・改正の主眼点(ポイント) ・原料油脂の多様性に対応するため、動粘度、引火点、及びヨウ素価の規定を緩和する。 ・低温始動性に関連した、モノグリセライドの規定を厳しくし、低温流動性に関連した項目の試験法(曇り 点と目詰まり点)を明示する。 ・後処理装置の触媒被毒に関連した、リンの規定を厳しくする。 ・酸化安定性の規格値を明示する。 6.制定・改正の期待効果(ベネフィット) ・より多様な原料油脂の採用が可能になり、海外からの輸入が容易になる。 ・低温始動不良への歯止めが図れる。 7.制定・改正の緊急性・必要性 JIS定期見直しの結果、今後、東南アジア地域での品質向上及び、将来的な日本への輸入に備え、改正が必 要と判断された。 8.規格の構成(本文、附属書(規定)、附属書(参考)、解説等) 本文:1.適用範囲、2.引用規格、3.要求事項、4.試料採取方法、5.試験方法、6.表示、解説 9.98協定/58協定との関連 無 1/2 10.その他関連する法規 (1) 関連国際法規 無 (2) 関連国内法規 無 11.関連する規格 (1) JISの場合:対応国際規格番号・整合性コード(IDT, MOD, NEQ) (2) 国内規格:JIS, JASO 他、業界規格等 (3) 外国規格:DIN, SAEなど EN 14214 ASTM D6751 (4)国際規格:(1)以外のISO, IEC 12.関連分野との連携・協業 (自工会、部工会、車工会、及び規格協会以外の団体等) 石油連盟、(一社)日本有機資源協会、全国バイオディーゼル燃料利用推進協議会、 (一社)日本海事検定協会 13.審議中の問題点/課題 ・酸化安定性―揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)の省令によって混合後の軽油として定め られており、混合前のFAMEは、当事者間の合意によるとしていた。一方、諸外国では、FAMEの規格 に酸化安定性が定められており、日本でもFAMEとしての酸化安定性を示すことが求められている。今 回、EAS-ERIAガイドラインの酸化安定性の規定を採用することとした。品質規格に具体的な数値を示 すと、必要不可欠なものと受け取られかねないが、このようなことを考慮しても、酸化安定性に関する 数値を示すメリットが大きいと判断した。この規格の利用者が、品確法と離れて判断を下さないよう、 要求品質表の枠内に注を示すこととした。 ・低温時の始動不良―欧州で問題となっており、日本でも東京都が東南アジアから輸入したFAMEで、規 格に適合しているにも関わらず、始動不良が発生した。欧州では、この対応として、曇り点、目詰まり 点、モノグリセライド含有量を複雑に組み合わせた方法で規定している。日本では、それほどFAMEの 流通が進んでおらず、複雑な規定を設定しても、製造者がそれに対応できるとは限らないため、“モノ グリセライド含有量で2グレードを定める”にとどめ、低温性能については、試験法を欧州でも採用して いる曇り点及び目詰まり点とするが、規格値は、従来通り、“受け渡し当事者間の合意による”とした。 14.国際提案(規格/基準)の可能性 無 15.規格の要旨/アブストラクト(500文字以内) この規格は、FAMEを軽油に質量分率5%以下の割合で混合した燃料を、既販車も含めたディーゼル車に 適用した場合に、安全性、排出ガス性能などの悪化を招くことなく、従来の軽油と同様に使用できるように するために、混合用FAME品質を規定した。東南アジアでFAMEの使用が進んでいる。この規格は、これ らの地域で使用されている多様な原料油脂に対応できる。海外からの輸入も含め、供給の可能性が広がる。 バイオ燃料の導入によるCO2低減に寄与するとともに、燃料品質に起因する問題を未然に防ぐ。 以上 2/2 Copyright (C) 2014 The Society of Automotive Engineers of Japan (JSAE) All Rights Reserved.
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