オーフス大学交換派遣留学生 Kさん(文理学部ドイツ文学科 4

オーフス大学交換派遣留学生 Kさん(文理学部ドイツ文学科 4 年)
2015 年 1 月 3 日
新年明けましておめでとうございます。ここデンマークのオーフスでは厳しい寒さが続
いていますが、風邪をひくこともなく、無事に新年を迎えることができました。今は来週
に控えた筆記の試験に向けて、その準備に追われる毎日です。
今回はデンマークのクリスマスと新年の過ごし方についてお話ししたいと思います。11
月から街はクリスマスムードに包まれていたように、デンマークのクリスマスはとても長
い間祝われます。12 月に入るとアドベントキャンドルという 4 つのキャンドルを毎週日曜
日に 1 本ずつ点火していきます。
これはオーデンセという街の様子です。デンマークは至る所でイルミネーションがされて
います。
12 月 24 日がクリスマス本番でこの日は家族全員が集まり、カモや豚肉、ライスプディン
グなどのクリスマスディナーを食べます。そのあとはクリスマスツリーの周りを歌いなが
らまわったり、手をつないで踊りクリスマスをお祝いします。最後にツリーの下に集めた
たくさんのプレゼントを一斉に開けるというのがデンマークのクリスマスのお決まりのよ
うです。プレゼントは日本のように子ども達だけに送られるものではなく、家族や親戚み
んなが全員分のプレゼントを用意することが通常のようで、ツリーの下に積まれた色とり
どりのラッピングは心躍らせます。私も今年はデンマーク人の友人宅にお邪魔させてもら
い、一緒にデンマーク語のクリスマスソングを歌ったりプレゼント交換をしたりと、とて
も楽しいクリスマスを過ごすことができました。24 日が過ぎた後もコールドランチといっ
てお昼から夜にかけて一日中ご飯を食べながら家族で談笑するという風習があります。料
理は主にニシンの酢漬けやレバーペースト、紫キャベツを甘く煮たものを穀物のパンにの
せて食べます。もちろんこれらの行事には、ビールやジャガイモから作られる蒸留酒のス
ナップスというお酒が欠かせません。家族団らんで過ごすクリスマスこそデンマークの
hygge な文化を一番よく表している行事ではないでしょうか。
クリスマスディナーの写真と、クリスマスツリーです。ツリーはどの家も毎年本物の木を
使うようで、このサイズでも小さい方だというから驚きです。
これ全て一人分のプレゼントです。
首都コペンハーゲンにあるチボリ公園のイルミネーションは必見です。毎年多くの旅行者
がクリスマスシーズンにここを訪れます。
変わって新年は、友人や恋人同士でパーティーをして賑やかに過ごすデンマーク人が多
いようです。夕方になると女王のスピーチがテレビで放送され、それが終わるとシャンパ
ンで乾杯、12 時を過ぎるころにはダウンタウンでたくさんの花火が上がるのを見ることが
できます。デンマークでは新年のみ個人で花火を打ち上げることが許されており、日本に
いたら見ることのできない量の花火が所かまわず打ちあがっています。31 日には多くの店
が閉まり静まっていた中心街も、年が明けると多くの人がバーやクラブで行われるパーテ
ィーに出掛けていました。ただし日本のように正月休みがあるわけではなく 2 日から仕事
始めという人も多いようです。通常、学生は 1 月が試験期間となり、2 月から新学期が始ま
りますので新年を迎えるとすぐに試験という学生も多いようです。
今月に控えた試験は 4 時間の筆記試験なのですが、12 月に受けた試験は口頭試験という
全く未知の方法でした。試験官とのディスカッションの場面では自身の英語力の至らなさ
をまだまだ痛感するばかりでした。私の場合、北欧におけるヴァイキングの歴史や文化と
いった内容についての口頭試験だったのですが、その中でもヴァイキング時代の言語であ
るルーン文字で表された歴史上の人物や書物の名前、地名を暗記し発音することが最難関
でした。日常で使わないアカデミックな単語の場合、それ自体を把握していなければ内容
の理解度は落ちてしまいます。英語だけでなく、その分野における専門用語を事前に把握
しておくことは留学先で授業をとる際大きな助けとなるでしょう。この試験方法はプレゼ
ンテーションやディスカッション能力だけでなく、自身の新たな弱点を把握するきっかけ
にもなったので、とても有意義なものでした。
留学期間もそろそろ中盤に差し掛かってきました。今年はさらに濃く充実した日々を送
れるように日々楽しんで過ごしたいと思います。