基礎動脈硬化学講座 Arteriosclerosis and Vascular Biology 准教授 篠崎 昇平 (1)教育 高齢化と食の欧米化に伴って、わが国でも動脈硬化性疾患が増加している。近年、動脈硬化発症の基盤として慢性炎 症が注目されており、動脈硬化病変の初期には炎症が深くかかわっていることが明らかになっている。多くの炎症が 動脈硬化の発生に係ることが明らかにされる一方で、一般的な抗炎症薬を用いた動脈硬化治療は成功しておらず、炎 症と血管病変発生の間には解明されていない機序が介在していると考えられる。本講座は動脈硬化発生の病態解明を 目指す基礎研究の技術を習得することを教育の基本方針としている。 (2)研究 ・ 動脈硬化の病態を解明し、動脈硬化の予防方法および新規治療法について研究する。 ・ メタボリックシンドロームのメカニズムを、分子生物学的手法を用いて明らかにする。 ・ 慢性炎症に着目し、S-ニトロソ化によるシグナル伝達系を解析することにより、疾患の発症メカニズムを解明す る。 (3)研究業績 [原著] 1.Shinozaki S, Chiba T, Kokame K, Miyata T, Kaneko E, Shimokado K. (2013). A deficiency of Herp, an endoplasmic reticulum stress protein, suppresses atherosclerosis in apoE knockout mice by attenuating inflammatory responses. PlosOne. 28;8(10):e75249. 2.Sips PY, Irie T, Zou L, Shinozaki S, Sakai M, Shimizu N, Nguyen R, Stamler JS, Chao W, Kaneki M, Ichinose F. (2013). Reduction of cardiomyocyte S-nitrosylation by S-nitrosoglutathione reductase protects against sepsisinduced myocardial depression. Am J Physiol Heart Circ Physiol. 15;304(8):H1134-46. 3.Kaneki M, Fukushima Y, Shinozaki S, Fukaya M, Habiro M, Shimizu N, Chang K, Yasuhara S, Martyn JA. (2013). iNOS inhibitor, L-NIL, reverses burn-induced glycogen synthase kinase-3β activation in skeletal muscle of rats. Metabolism. 62(3):341-6. [研究助成金] 1.篠﨑昇平(代表) :文部科学省科学研究費補助金、若手研究(B) 「メタボリックシンドローム病態形成における S-ニトロソ化の役割」 (429 万円) 2.篠﨑昇平(代表) :武田科学振興財団、医学系研究奨励「メタボリックシンドローム病態形成と慢性炎症を結ぶミ ッシングリンクの解明」 (200 万円) 3.篠崎昇平(代表) :加藤記念バイオサイエンス振興財団、第 25 回研究助成「S-ニトロソ化によるメタボリックシ ンドロームの発症メカニズムの解析」 (200 万円) 4.篠崎昇平(代表) :東和食品研究振興会、平成 26 年度学術奨励金「機能性食品によるメタボリックシンドローム の予防効果の検証」 (100 万円)
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