日程F_(中学生

〈F〉 3月 14日・15日(土・日) 大阪府立大学 (中学生対象)
1. 簡単な電波望遠鏡を作って電波の実体を調べてみよう
小川 英夫〈大阪府立大学大学院理学系研究科物理科学専攻〉
テレビ、
ラジオ、携帯電話、電子レンジ等に使われている電波は今や私達にとってなくてはならないものですね。今や
電波なくしては生活ができません。
しかしながら、なかなかその実体がわかりません。そこで電波を集める電波望遠鏡
を作って電波の性質を知ることにしましょう。電波は波です。波は反射、屈折、回折、干渉などの現象を起こします。科学
塾ではこれらの実験をするために平面のフレネルアンテナや簡単なパラボラアンテナを作り、電波の実体を学びます。
作った電波望遠鏡で太陽やBS放送などの電波を受信する実験も行います。無事受かるでしょうか。
2. 微生物を探せ!
田島 朋子〈大阪府立大学大学院生命環境科学研究科獣医学専攻〉
中澤 昌美〈大阪府立大学大学院生命環境科学研究科応用生命科学専攻〉
微生物の働きによってつくり出される発酵食品は、昔から私たちの食生活と健康に大きく関わってきました。
ブルー
チーズやフナずしのように少しクサイもの、みそやしょうゆのように日本人には馴染みの深い調味料など、みな、体には
とてもやさしい食べ物です。
このような食べ物を作り出してくれる、微生物たち、
どんな姿をしているか、実際見たことの
ある人は少ないでしょう。
ここでは、身のまわりの食べ物の中に隠れている微生物たちを染めだして、顕微鏡の下で観察
します。美味しいヨーグルト、漬物、納豆・・いったい、
どのような微生物たちが頑張って作ってくれているのでしょうか。
「
もやしもん」に出てくるような可愛い姿ではないけれど、丸っこいのや長細いのや、いろいろいますよ。
3. おいしくて体にうれしい化学反応 大関 知子〈大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科栄養療法学専攻〉
生命体は様々な栄養素を身体に取り入れ代謝して、その生命を維持しています。私たち人間は、栄養素を取り入れる
ときに、通常、食べ物を調理します。調理は歴史や文化を背景に、食べ物を組み合わせておいしく美しく整えます。それと
同時に、熱や化学反応により味や香り、硬さなどを変化させて、嗜好性や栄養効率を高めています。普段見慣れた調理
の過程で、
どのような反応が起きているのか、確かめてみましょう。
4. 挑戦! 1億分の1メートルの膜作り 岩住俊明・安齋太陽〈大阪府立大学大学院工学研究科電子・数物系専攻〉
私たちの生活は真空を利用した製品に囲まれています。例えば、真空パックされた食べ物は、酸素に触れることが少
なくなるため鮮度が長持ちします。魔法瓶は、内側と外側の筒の間を真空にして、熱を伝える気体を取り除くことで保温
しています。本実験では、国際宇宙ステーションが周回する高度 400 km の真空状態を地上で再現し、1億分の1メー
トルという非常に薄い金属膜の作成に挑戦します。不純物となる気体分子を取り除いた環境で、歪みのない高品質な
膜を作ってみましょう。
5. LEGO®で学ぼう工場の生産管理 岩村 幸治〈大阪府立大学大学院工学研究科機械系専攻機械工学分野〉
工場の生産方式として、ロボットや作業者が決められた作業を繰り返し行い、流れ作業により製品を完成させるライ
ン生産方式があります。
この生産方式は、100年以上前にアメリカのフォード社がモデルTという自動車を生産する時
に考えられた生産方式ですが、現在でも自動車や電化製品など大量に製品を生産する場合に利用されています。本実
験では、LEGO®ブロックで組み立てるおもちゃを工場の製品として、組み立てを行う皆さんを工場の作業者と考えて、。
ライン生産方式により製品の生産(LEGO®のおもちゃの作成)を行います。
この時、短時間で大量の製品を生産するた
めにはどのような工夫が必要でしょうか?LEGO®を用いた実験を通して、工場の生産管理の方法を学びましょう。
6. 人工イクラをつくろう! 児島 千恵〈大阪府立大学大学院工学研究科物質・化学系専攻応用化学分野〉
みなさん、イクラを食べたことありますか?一度、お寿司屋さんなどでじっくりと味わってみてください。イクラの表面
には薄い膜があり、
プチっとかんでみると、中からトロッとした液体が出てきます。つまり、イクラは液体を内包したカプ
セルになっているわけです。
この実験では、海藻のヌメヌメの成分(高分子)を使って人工イクラを作ります。
また、異な
る条件で人工イクラを作ることで、人工イクラのカプセルの正体を探ります。いろんな色、いろんな大きさ、いろんな形
の人工イクラを作ることができれば、あなたもイクラ職人に!?食用の人工イクラも出回っていますが、本実験で作製す
る人工イクラは食べることができませんので、あしからず。なお、
このようなカプセル化技術は、最先端のバイオテクノ
ロジー分野においても利用されています。