Title 陽極酸化法により形成されたTi, Zr, Hf, Nb及び

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Author(s)
陽極酸化法により形成されたTi, Zr, Hf, Nb及びTa金属酸
化皮膜の電気的及び光学的特性
伊藤, 英男
Citation
Issue Date
Text Version none
URL
http://hdl.handle.net/11094/28566
DOI
Rights
Osaka University
< 7>
英円
男
氏名・(本籍)
伊
学位の種類
理学博士
学位記番号
第
学位授与の日付
11百示日 39 '
i
f3 月
学位授与の要件
理学研究科物理実験学
藤
476
号
25 日
学位規則第 5 条第 1 項該当
陽極酸化法により形成された Ti , Zr , Hf , Nb 及び
学位論文題目
Ta 金属酸化皮膜の電気的及び光学的特性
(主有)
(l:îJj査)
教授浅田常三郎教授沢田昌雄教授村橋俊介
論文審査委員
陽極唆化法 l とより Ti,
内
巴宍ヨ
信長
要
論文
の
1
:
:
:
:
.
田
Zr, Hf, Nb 及び Ta 金属の表面上に酸化皮肢を形成せしめ,その電気的及び光
学的特性を測定した。又,
1ft休金属より酸化皮膜を剥離せずにその厚さを測定する方法を考案し,
成電圧 220 volt 迄,順次,化成を施した試料について測定した結果,
厚さは何れも化成電圧と略々,
線比例関係にあり,大体, 3
000--5000A の酸化皮Jl莫が形成されることが判った口又,
0
の値から可視傾域における般化皮膜の屈折率が求められ,その一例として,
直
皮膜の光学的厚さ
Ti022
.
2
4
(
a
t 4900A) , Zr02
2
.
1
6(
a
t 5470A) , Hf021
.88 (
a
t 4200A) , Nb2
0
"2
.
2
4
(
a
t 5300A) , Ta2
05 2
.
5
6(
a
t 5500A)
4000--7400A の可視河出%では,
最大化
波長が大となるに従い屈折率は僅かに小となるが,
が得られ,
その差は小で殆ど一
定の値に近い。
又,酸化 Ta 箔の円筒を用いて 2700--6000A の単色光 lとより測定した屈折率は 3000A 以下の紫外伯
域で著しく増加した。
化成電解液中(室市D ,
47.09 , Ta2
0
1kc/s で測定した誘電率は, Ti02 66.08 , Zr02 31
.02 , Hf0241
.07 , Nb2
0i)
25.18 であった。
又,酸化皮肢の光感度特性そ調ベナこ結果,
t
i
o
n に影響するととが判り,
Ta 2 0;j 皮膜では,
一定の印加高圧のもとでは,
3000A 以下の短波長の光が photoconduc­
照射光の強度と光電流は直線比例関係にあっ
ナこ口
論文の審査結果の要旨
陽極酸化法により形成される
Ti,
Zr , Hf, Nb 及び Ta の金属酸化皮膜の生成状況及び皮膜の電気的
光学的諸性質に関しては,従来卜分に明らかにされていなかった。伊藤君の論文は, (
1
) 陽極酸叱法によ
- 17-
る金属酸化膜の形成は,
Ta,
Nb では或る一定の膜厚迄は加えた電気量に対して 100% の効率で酸化膜が
形成され,それ以後は膜厚の増加がみられない事,及び Ti,
Zr, Hf では 100% の効率の酸化膜の形成はみ
られない事を見出した。
(
2
) 上記,金属酸化膜の厚さの測定では,
基体金属に附着されたままの状態で干渉顕微鏡を用いて測定
する方法を考案し,最大化成電圧 220 volt 迄,順次,
化成を施した試料について測定した結果,
何れも化成電圧と略々,直線比例関係にあり,
3000--5000A
大体,
厚さは
の厚さの酸化皮膜が形成される事が
判った。
(
3
) 上記,
金属酸化膜の屈折率の測定法を考案し,
2700--6000A の光に対する屈折率を連続的に測定
した。可視領域における屈折率の測定結果の一例として,
Ti022
.
2
4(
a
t4400A) , Zr022
.
1
6(
a
t5470A) ,
Hf021
.88 (
a
t4200A) , Nb2
05 2
.
2
4(
a
t5300A) , Ta2
05 2
.
5
6(
a
t5
5
0
0A)
の屈折率のうち,
Z
r
0
2
'Hf0 2 は
Zr0 2 , Hf0 2 の結品の屈折率と夫々,
(
4
) 上記,金属酸化膜の誘電率を 1 KCjsec で測定し,
47.09 , Ta205 25.18
略々,
が得られ,
乙れらの酸化膜
一致する乙とを見出した。
Ti0266.08 , Zr0231. 02 , Hf0241. 07 , Nb2
05
を得た。
以上のように,乙の論文は陽極酸化法によって形成される Ti,
Zr , Hf ,
の電気的,光学的特性について基礎的な新しい知見を加えたものであり,
あるものと認める。
- 18-
Nb および Ta 金属の酸化皮膜
理学博士の論文として十分価値