Development of Inverse Dynamic Controller for Industrial robots

Summary for Reading group: control (2014/5/12)
Development of Inverse Dynamic Controller for Industrial robots
1.序論
産業用ロボットなどでは従来,PD 制御や PID 制御といった簡単なフィードバック制御
が利用されてきた.しかし,マルチリンクな対象の場合,姿勢や動作によって必要なトル
クが大きく変わるため,よりつい目標値への追従性を求めるならば,ダイナミクスを考慮
しての制御が必要となる.本論文では,ダイナミクスを考慮して設計された制御器である
CTM 制御器と DFF 制御器に着目し,シミュレーション上で PID 制御器と比較しての性能
評価を行った.
2.制御対象
制御対象は Fig.1 に示す直列 4 自由度のロボットアームとした.
Fig.1 直列 4 自由度ロボットアーム
対象のモデルは,SimMechanics を用いて製作した.また,ニュートン・オイラー法によ
って得たモデルと比較することでモデルの妥当性を確認した.
3.制御器
利用した制御器を Fig.2,Fig.3 に示す.
Fig.2 CTM 制御器
Fig.3
DFF 制御器
Fig.2 に示す CTM 制御器は,サンプリングデータから逆ダイナミクスモデルを用いてオ
ンラインで必要トルクを計算する.フルダイナミクスは以下の式(1)で示される.
  Dˆ ( )(d  K v (d   )  K p ( d   ))  Cˆ ( ,)  Gˆ ( )
…(1)
Fig.3 に示す DFF 制御は,
オフラインで逆モデルを用いて大まかな入力トルクを計算し,
PD 制御器によって誤差を補正する.フィードフォアードでの入力トルクを式(2),フィード
バックでの入力トルクを式(3)に示す.実際の入力トルクはそれぞれのトルクの和である.
 ff  Dˆ ( d )d  Cˆ ( d ,d )d  Gˆ ( d )
…(2)
 fb  Kv(d  )  K p (   )
…(3)
4.制御シミュレーション
シミュレーション上で,各制御器ごとの経路追従性と,不確かさに対するロバスト性の
検証を行った.
4.1 経路追従
対象となるロボットアームを用いて,Fig.3 に示す奇跡を追従させ,各制御器での性能を
比較した.
Fig.4 目標軌跡
Fig.5,Fig.6 に関節角度の最大誤差,奇跡の最大誤差を示す.
Fig.5 最大関節角度誤差
Fig.6 最大軌跡誤差
図中の PPI は PID の誤植である.
Fig.5,Fig.6 の結果から,CTM,DFF 制御では PID に比べて大きく誤差を減らすこと
ができることが確認できた.
4.2 不確かさに対するロバスト性
ロボットアームの先端に有効積載量の-50%~から 20%までの負荷を与え,ロバスト性へ
の影響を調べた.
Fig.7 にそれぞれの荷重での最大関節角度誤差を示す
Fig.7 各荷重での最大関節角度誤差
Fig.7 から,PID 制御では負荷による荷重の影響は小さいが,CTM,DFF 制御器では負
荷の大きさに比例してパフォーマンスが低下することが確認できた.
5.実験
Fig.8 に実験装置を示すまた,Fig.9 に装置の構成を示す.
Fig.8 実験装置
Fig.9
装置構成
5.1 軌跡追従実験
Fig.9 に示すロボットアームで所定の軌跡を追従させる実験を行った
Fig.10 に各関節角度の最大誤差と軌跡の最大誤差を示す.
Fig.10 関節角度および軌跡の最大誤差
Fig.10 から,シミュレーションと同様の結果を得ることができた.
5.2 ロバスト性の検証実験
Fig.9 に示す装置の先端に 1~6kg の負荷を与え,負荷の影響を検証した.Fig.11 に結果
を示す
Fig.11 荷重の変化によるロバスト性の検証
5.1 節と同様に,シミュレーション結果と同じ結果を得ることができた.
6.結論
シミュレーションと実験により,CTM と DFF のパフォーマンスとロバスト性の評価を
した.長方形の経路追従特性と有効搭載量におけるパフォーマンスの変化をテストし,設
計した制御器が有効かつ実用的であることが示された.しかし,最高のパフォーマンスを
得るためにはパラメータの正確な情報が必要となる.今後は,パラメータの不確かさに関
わらずロバスト安定性とパフォーマンスを持つ制御器を開発する.候補は H 無限大制御ア
ルゴリズムである.