保健医療経営大学紀要 № 2 27 ~ 33(2010) <その他:総説 (Review) > Havelok the Dane における代名詞の研究 —特に , I, YOU, SHE, THEY および ALL に関して— 佐藤 哲三 * 本編は , 平成 21 年 1 月に広島大学に学位申請論文として提出された「Havelok the Dane における代名詞の研究— 特に , I, YOU, SHE, THEY および ALL に関して—」の要旨である.参考までに , 要旨の後に , 学位申請論文の目次と Bibliography も添付しておく.なお , 学位論文は,近いうちに修正を加えたのち活字にする予定である. 論文の要旨 1300 年より少し前に East Midland 方言で書かれた Havelok the Dane ( 以下 , Havelok ) に現れる人称代名詞の中に は , 意図的に使い分けられている変異形を複数持つものがある. たとえば , 一人称単数主格形としてic, hic, ich, ihc, i, y, hi, ig の 8 語形 ( 以下 , この 8 語形を抽象した語形として small capital の I を使用 ) が現れ , 二人称単数主格形として þou, þu, (shaltow などの膠着形の一部として ) (t)ow, tu, te, ( 複数形ではあるが「敬称」を含意して ) ye, 複数主格形 としては ye のみ ( 以下 , 二人称代名詞の語形を抽象した語形として small capital の YOU を使用 ) で , 三人称女性単 数主格形としては scho, sho, sche, she の 4 語形 ( 以下 , この 4 語形を抽象した語形として small capital の SHE を使 用 ) が現れ , そして三人称複数主格形として he, hi, þei, þey の 4 語形 ( 以下 , この 4 語形を抽象した語形として small capital の THEY を使用 ) が現れる. さらに , 不定代名詞 ALL (small capital で al, alle の 2 語形を抽象した語形 ) には , 単数形 al と複数形 alle があり , ある程度規則的に使い分けられているものの , 何らかの意図で3人称代名詞複数形 he, hi には alle を , þei, þey には al を対応させている. ここで意図的と言ったのには理由がある. Havelok と同方言で 50 年ほど前に書かれた Floris and Blauncheflur では , 一人称単数主格形は i と y の新形のみ , 二人称単数主格形は þou のみで , 複数主格形は で ,「敬意」の複数形の使 用範囲は上位者に対してのみで , 他の場合は身分に関係なく複数人に対して使用されている. 三人称単数女性主格 形は she と三人称複数主格形 þey は確立している.不定代名詞の ALL は , 単数形 al と複数形 alle がほぼ本来的に使 用されている.このような事実から , Havelok が書かれたころには , England 全土では , いま述べた人称代名詞等は 発達過程にあったものの , East Midland 方言地域においては , すでにその発達過程は終息段階にあったと言える.そ れにもかかわらず , Havelok においては , 上述のような代名詞の意図的な使用がある.果たしてその意図とは一体何 であろうか.本論文ではこの意図の解明を試みている. Havelok に現れる人称代名詞の中で意図解明の議論の対象になるものは , 一人称単数主格形 , 二人称単数・複数形 , 三人称単数女性主格形それに三人称複数主格形である.他の屈折形の中で , 一人称単数斜格形 , 一人称複数形 , 三人 称男性単数形 , 三人称中性単数形に関しては , Modern English ( 以下 , ModE) の対応形の観点からも何ら問題は生じ ないし , 三人称複数斜格形 þ (= th)- 形は , Havelok にはまだ入って来ておらず , 本論の議論の対象にはならない.そ して , 本論の議論の対象として , 見落とせないのは不定代名詞の ALL である.ALL には , 単数形 al と複数形 alle があ り , ある程度規則的に使い分けられているが , 何らかの意図で三人称代名詞複数形 he, hi には alle を , þei, þey には al を対応させているからである. ここで , 本論の議論の対象になるものを手短にまとめると次のようになる.人称代名詞 I, * 保健医療経営大学保健医療経営学部 教授,博士(学術) E-mail:[email protected] ― 27 ― SHE, THEY は , 主として , 佐 藤 哲 三 新形と古形の使い分け , そして不定代名詞 対して , 人称代名詞 YOU ALL は1音節の単数形と2音節の複数形の使い分けが問題になる.それに は , 複数目的格 you の主格(単数・複数)使用 , 複数主格形 ye の目的格(単数・複数)使 用はあるのか , さらに ,「敬意」の複数形の使用範囲はどうなのかが問題になる. 一人称単数主格形は , ic, hic, ich, ihc, ig, i, hi, y の 8 種類の語形として現れる.hic は ic の , ihc は ich の , hi, ig, y はi の別形と考えられる.そして , ic → ich → i の発達の流れから , ic, ich は古形 , i, y は新形とみなすことができよう. ic から i への移行期にあったとはいえ , 何ゆえに一人称単数主格形を古形と新形に分けて使用する必要があったので あろうか. 第1章の一人称代名詞主格単数に関する考察から , 次のことが明らかになった.ひとつは , 小林 (1996 : 141) が指 摘している「ic, ich の古形の方は多く身分のある者が使い , i, y の新形の方は身分の低い者が多く使う」という傾向 は確かにある.第2は , 後続語が語頭母音語の場合 , 連音できることから , 原則として古形が使用される.第3は , haue なら古形 , shal なら新形といったように , 動詞の中には , 新形あるいは古形との相性の良し悪しがある.さらに , 小林が指摘するこの傾向からはずれるものは , 上述の第2と第3の使用傾向とその時点での心理的な要因が影響して そのようになったと解釈することができる. 二人称単数・複数形 YOU であるが , 単数形 (þou, þu とその他の屈折形 ) と複数形 (ye とその他の屈折形 ) の意味・ 用法 , 特に , Havelok において二人称複数目的格 you の主格使用はあるのか , それとは逆に二人称複数主格形 ye の目 的格(単数・複数)使用はあるのか , また ,「敬意」の複数形の使用範囲はどうなのか , さらに , 一人称単数主格形や 呼び掛け語や命令法が二人称代名詞の使用に影響を与えるのかどうかも明確にする必要がある. 第2章の二人称代名詞に関する考察から , 次のことがわかった.ひとつは , 上位者から下位者(個人)に言葉をか ける場合は , 必ず単数形が用いられるということである.第2は , Speaker が上位者であろうと同等の者であろうと 身分とは無関係に , Hearer が複数人いれば , 必ず複数形を使うということである.第3に , Havelok においては , 二 人称目的格複数形 you の主格使用および主格複数形 ye の目的格使用は観察されないということもわかった.第4に , 「敬意」の複数形の使用範囲が , 本来の上下関係にかかわらず , その時点での立場が下位の者が上位の者にへりくだっ て懇請する場合に制限されていることがわかった.この点は , Canterbury Tales で調査された結果と大いに異なって いる.その調査によれば , 騎士の生活や上流社会 , 特に courtly romance を扱った話においては , 恋人同士や夫婦間 で相手に呼びかける時に使われる二人称代名詞は複数形である.Franklin’s Tale (『郷士の話』) では , 個人を指すの に使用される二人称代名詞の4分の3が複数形である.この Havelok と Canterbury Tales における「敬意」の複数 形の使用頻度の違いは , 恐らく次のような理由からであろう.個人に対して「敬意」の複数形を使用する習慣はラテ ン語の用法に由来すると言われるが , OED によると , その初例は 1297 年である.ということは , Havelok が書かれ た頃は「敬意」の複数形を使う習慣が England に入ってきた当初で , その習慣がまだ一般化していなかったと考えら れる.そういうわけで , Havelok では「敬意」の複数形の使用が限定的でその頻度が低いのであろう.1786 行の ye の1例のみが ,「敬意」には取れそうにないが , 結局 , これも「敬意」の複数形であることには違いない.もっとも本 心からではないが.つまり , 売り言葉に対する買い言葉の冒頭では , 憤りを抑えて穏やかな敬語を使用するが , すぐ その後で堪えきれずに本心から粗野な言葉を使っている.しかし , 二人称の単数形と複数形の交代移行を安易に無差 別な使用であると判断してしまわないで , 話し手の中で単数形と複数形を交錯することによって , 話し手の複雑な心 理を伝えていると解釈したい.さらに , 呼び掛け語の二人称代名詞使用への影響は , 無いと言える.個人に対しては 単数形のみが使用されているからである.命令法も強調で個人に対して主格単数形 , 複数人に対して主格複数形が使 用されるのみで , 二人称代名詞使用には影響を与えないこともわかった.最後に , 一人称主格単数形の古形 ic , ich と 新形 i, y が二人称代名詞使用に影響を与えたという小林の主張に関して , 傾向は否定できないが,逆の使用や古形と 新形の混用が少なからず見受けられることから , その影響については明言できない. 三人称代名詞主格形は , Old English ( 以下 , OE) の単数女性主格形 heo , 男性主格形 he と複数形 hie が , 語尾の水 平化あるいは弱音形の場合の発音の類似による混同回避のために , Middle English ( 以下 , ME) 前期に3つとも he で 現れる場合が生じた.そこで , 単数女性主格形として , 他と区別するために [ʃ]- 形が生まれた. Havelok が書かれた ころは , ME 後期以降の標準形 she への発達過程にあったこともあって , scho, sho, sche, she の4語形が現れている. Havelok の作者は古形 s(c)ho と新形 s(c)he を使い分けることによって , どのような効果をもたらそうとしたのであろ うか.あわせて英語史における s(c)ho と s(c)he の位置づけを考察した. 第3章の三人称代名詞女性主格単数に関する考察から , 次の知見が得られた.小林 (1993 : 124) が「年長者の方には , 特に古い語形の sho を使わせ , 若者には新しい語形の she を好んで使わせている」と指摘するような使い分け傾向 ― 28 ― Havelok the Dane における代名詞の研究 はあるが , 例外もいくつか見られる.この例外は , 小林説では全く言及されなかったが , 成句 (til þat she), 文体的変 奏 (Hweþer she /sho sholde), 表現内容と表現形式との一致 (So fayr so she), および脚韻 (do : sho) という観点から説 明可能であることがわかった.なお , このように考えれば , 小林 (1993 : 124) は Havelok を「sho → she の発達過程 で現れた作品」ととらえているが , 実際には , s(c)ho はこの作品の成立以前から古語であったと推論される.Havelok と同時代に同方言で書かれた Robert Mannyng of Brunne の Handlying Synne や 同方言で Havelok の 50 年ほど前 に書かれた Floris and Blauncheflur に s(c)ho は現れないという事実も併せて考えれば , s(c)ho は 1300 年ごろの East Midland 方言においてはすでに古語であった可能性が高い. ME 前期に単数女性主格形 , 男性主格形と複数形が3つとも he で現れる場合が生じた結果 , 三人称複数主格形も 他と区別するために Old Norse ( 以下 , ON) から Þ (= th)- 形が借用された.ModE で使用されている標準形 they 確 立までの長い交代過程の中にあった Havelok の中に , 古形 he , hi と新形 þei , þey の4語形が現れても不思議なことで はないが , Havelok の作者はこの4語形というよりも古形と新形の 双方を何ゆえに使ったのであろうか. 第4章の三人称代名詞主格複数に関する考察から , 次のことがわかった.ひとつは , 新形の使用回数の絶対数が少 ないことと , 対話における新形の使用がほとんどないことである.次に , 古形は使用頻度の多寡はあるが長幼 , 階級 に関係なく誰を指す場合にも使用されるが , 新形は年少および長幼混成の双方の下位者を指す場合に多く使われて いる.上位者に対してはほとんどが Denmark 人すなわち外国人を指す場合にしか用いられておらず , 使用の際のた めらいが感じられる.換言すれば , Havelok においては , 新形はまだ ON に由来する新参語として位置づけられてい るようで , 特に , 対話で誰もが制限なく使えるほどには地歩を固めていないように思われる.さらに , 新形の使用理 由に次のような解釈が得られた.まず , 単数男性主格と複数主格を明確に区別する場合に新形 þei (þey) が用いられ る.つまり , 単数形と複数形の取り違え防止に新形が効果的に使用されている.次に , 外国人を強く意識する場合に も新形が使用される傾向がある.特に , 上位者の外国人に対する外来語の新形使用の割合が高い.そしてもうひとつは , ALL と三人称代名詞複数主格形の一致に関する慣用がある.つまり , Havelok においては例外なく , 複数形 alle は , 古 形 he , hi で受けるか又はそれと同格に用い , 単数形 al は , 新形 þei , þey で受けるという原則が確立している. Havelok の不定代名詞 ALL には , 単数形 al と複数形 alle があるが , 使用上 , 果たしてどの程度まで単数形と複数 形の区別がついているのであろうか.そして , どういう意図で三人称代名詞複数形‘he’には alle を , そして‘þey’ には al を対応させているのであろうか. 第5章の不定代名詞 ALL に関する考察から , 次のことが明らかになった.ひとつは , Havelok における ALL には , 形容詞用法 , 代名詞用法 , 副詞用法の3用法があり , 形容詞用法と代名詞用法には , 単数形 al と複数形 alle の区別が あるが , 副詞用法には単数形 al のみしか現れないことが明確になった. ふたつ目は , 集合名詞 folk ( 人々 ) は ferd ( 軍 隊 ) や of-spring ( 子孫 ) のように単数扱いで al と結びつくが , Bi Crist, þat alle folk onne leues (2105) では , alle と結 びついている.この場合の alle は al の corruption ( 転訛 ) であり , それは meter の要請による.さらに , 複数名詞と 単数形の al の結びつきは , 複数名詞の前に置かれた単数の his(e) に呼応させるためだとも想定されるが , 実はこの場 合も meter が関係している.もうひとつは , ModE の標準形 they の意味の‘he’と‘þey’の使い分けに ,‘all’ (al ま たは alle )の語形が深く関っていることである.つまり , 複数形 alle は‘he’と結びつき , 単数形 al は‘þey’と結びつ いている.これは , alle を‘he’と共に使用させて「彼ら全員」という意味にし ,‘he’が単数ではなくて複数の ModE の標準形 they の意味であることを示すための目印にする一方で , 複数の意味しか持たない‘þey’には , あえて複数形 の alle と呼応させずに ,“everyone”の意味を持つ単数形の al を対応させて「彼らの一人ひとり」の意味にしたから であると言っても過言ではないだろう. 以上のことから , 本論文の議論の出発点になった「Havelok に現れる人称代名詞の中には , 意図的に使い分けられ ている変異形を複数持つものがあり , 不定代名詞 ALL には , al と alle があり , ある程度規則的に使い分けられている ものの , 何らかの意図で3人称代名詞複数形 he, hi には alle を , þei, þey には al を対応させている.果たしてその意 図とは一体何であろうか」という疑問に対する答えが導き出される.まず , SHE の検討章より , East Midland 方言地 域では , 三人称女性単数主格の古形‘sho’は Havelok の成立以前から古語であったと推論されたが , 一人称単数主格 の古形‘ich’, 三人称複数主格の古形‘he’も‘sho’と同じことが言えそうだ. 先にも触れたが Havelok と同方言 で 50 年ほど前に書かれた Floris and Blauncheflur では , 新形 (i , y ; þou , の複数形の使用範囲は上位者に対してのみで , ALL ; she ; þey) しか使用されず , また「敬意」 は , 単数形 al と複数形 alle がほぼ本来的に使用されている. こ のような事実から , Havelok が書かれたころには , 同方言地域においては , すでに人称代名詞等の発達過程は終息段 階にあったと推測がつくからである. それにもかかわらず , Havelok において , 人称代名詞 I, ― 29 ― SHE, THEY では , 新形 佐 藤 哲 三 に加えて , お蔵入りしていた古形をわざわざ出してきて , YOU では , 単数形と複数形を巧みに使い分けたのは , 上下 関係 , 老若関係 , 出身国の如何等にめり張りをつけることを意図したからであって , さらに , 不定代名詞 ALL を三人称 代名詞複数主格形と絶妙に組み合わせたのは , 複数の古形‘he’と単数 he との区別を明瞭にするとともに , その複数 の古形‘he’と新形‘þey’の第4章の結果で見たようなそれぞれの役割遂行を容易にすることを意図したからであっ たと言えるのではないだろうか. 目 次 謝 辞 序 論 第1章 一人称代名詞主格単数 I 1.1 I について 1.2 I の諸形 1.3 I の諸形と使用傾向 1.4 I の諸形の使用傾向に対する例外と考察 1.5 まとめ 注 第2章 二人称代名詞 YOU 2.1 YOU について 2.2 YOU の発達と用法 2.3 YOU の諸形と使用傾向 2.4 YOU の諸形の使用傾向に対する例外と考察 2.5 まとめ 注 第3章 三人称代名詞女性主格単数 SHE 3.1 SHE について 3.2 SHE の起源に関する諸説 3.3 SHE の諸形と使用傾向 3.4 SHE の諸形の使用傾向に対する例外と考察 3.5 まとめ 注 第4章 三人称代名詞主格複数 THEY 4.1 THEY について 4.2 THEY の諸形の分布と使用傾向 4.3 THEY の新形出現に関する考察 4.4 まとめ 注 第5章 不定代名詞 ALL 5.1 ALL について 5.2 ALL の諸形の分類と使用傾向 5.3 ALL の使用傾向に対する例外と考察 5.4 まとめ 注 結 論 Bibliography ― 30 ― Havelok the Dane における代名詞の研究 Bibliography Texts Earle, John, (ed.) 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