測定用語集 - イースタン電子工業のマイクロ・ビュー三次元測定機

技術情報
InSpec 測定ソフトウェア―
測定用語集
Micro-Vu 三次元測定機
CNC三次元測定機の用語
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マイクロ・ビューCNC三次元マルチセンサー測定機は世界最高クラスの高精度画像測定機です。ここでは世界最高水準の測
定ソフトウェアーInSpecで使用される各種用語の説明を行います。
用語
説明
LMC
最小実体状態(要素の実体が最小となるような許容限界寸法をもつ要素の状態。(Least Material Condition)
MCS
マシン座標システムは測定段階で定義されるXとY座標のシステムです。 ポイント(X=0、Y=0)は、システムに電源が入った時
あるいはインデックス・マークの位置が付けられた時、測定ステージがあった場所(ポイント)を意味します。 XとY軸は測定ス
テージの移動で直線整列されるので、斜行要素は全くありません。 MCSは、InSpec使用中は決して変更されません。 XとY
軸をDROでゼロ合わせすると、MCSではなく、PCSが変わります。 (Machine Coordinate System)
MMC
最大実体状態(要素の実体が最大となるような許容限界寸法をもつ要素の状態。(Maximum Material Condition)
PCS
部品座標システムは部品を測定する為に使用するXとY座標のシステムです。 それは、Xのゼロ位置、Yのゼロ位置、および
スキュー方向から成っています。 部分座標システムはマシン座標システムとは違います。 測定される部分が測定ステージに
平行でないなら、補正にスキュー機能を使用しなければなりません。 これが部分座標システムをセットアップします。 必要なら
幾つかの部品座標システムを使って部品を測定出来ます。(Part Coordinate System)
RFS
要素のサイズに影響されない実体公差方式。(Regardless of Feature Size)
RMS
平均二乗偏差。 統計値や確率変数の散らばり具合を表す数値の一種。(Root Mean Square)
エッジ検出
ビデオシステムに於いて、ビデオ画像から部品要素の物理的位置を正確に繰り返して見つける能力。
サーフェース照明
このアプリケーションでは、部品の上からの発光を言います。 光は断片の表面から反射します。 通常、サーフェース照明はレ
ンズの周りの何らかの形のリング光です。(又は落射照明)
シグマ
データポイント1セットが完全な形状を有する要素をどれくらいよく定義するかを測定します。 技術的には、測定要素に対する
データポイントの標準偏差です。
スキュー
測定ステージのXとY軸に整列していない部品を測定する方法。 座標システムを部品に整列させると、これが出来ます。
ツール
タスクを完成するルーチン。 役立つデータを部品プログラムに戻します。 要素は1個以上のツールを含むことができます。
データム
要素の姿勢公差、位置公差、振れ公差などを規制するために設定した、理論的に正確な幾何学的基準
デカルト座標
XとYの規則正しい数値の組み合わせを使い、場所と位置を表現する方法。 X座標は原点からX軸方向の位置迄の距離。 Y
座標は原点からY軸方向迄の距離。 X軸座標は通常、原点の右で正、左で負になります。 Y軸座標は通常、原点上で正、下
で負です。
ピクセル(画素)
ビデオ入力がデジタル化されると、イメージはピクセルと呼ばれる多くの離散断片に分かれます。 一つの領域で多くのピクセ
ルを使う事で、サブピクセルの繰り返し再現性を持つエッジ検出が統計手法で実現できます。
ビジョンツール
ビジョンツールはビデオ画像のある部分で役立つタスクを完成する簡単なルーチン。 例えば、自動ツールは指定領域内で強
力なエッジを高精度で簡単に選択します。
ビデオ倍率
対象物のサイズで割り算されたビデオモニターの画像サイズ。 この倍率の大部分は倍率をモニターするカメラチップによりま
す。 モニターのサイズが増加すると、この数字が増加します。 より多くのイメージ解像度や視野を与えずに、見かけの倍率が
増加します。
プロファイル照明
レンズ/カメラシステムに対向する部品背後(或いは下)からの発光。 この照明技術は平坦な部品には非常に良いが、より厚い
断片では、影を引き起こす傾向があります。(又は輪郭照明/透過照明)
ラッチポイント
ビジョンツールがエッジを見つけた後にポイントがラッチ(固定)されます。 縁ラッチポイントはスペースバーを押すことで幾何
計算に入れます。 手動ツールでは、ステージの現在の位置がいつもラッチポイントです。
極座標
原点から半径(距離)と角度を使って位置を表す方法。 半径がX正軸に位置合わせされていると、角度はゼロ度です。 角度は
反時計回りの方向で増えます。
形状
要素の形が完全な要素形からどう逸れているかの測定。 線の場合、形状は直線です。 完全な直線は誤差ゼロです。 半径や
直径の場合、形状は丸味です。
光学倍率
対象物のサイズで割り算されたカメラの画像サイズ。 これはレンズ素子に印刷されている数字です。
構成
本システムでは、ビデオ画像中の情報(コントラスト、詳細、粒状性)を言います。 本システムはこの情報を自動フォーカスに使
います。
座標システム
XとY座標位置を表示するシステム。 座標システムは原点(X=0、Y=0)と方向(曲がり角度)です。 InSpecは2種類の座標シス
テム、マシン座標システム(MCS)と部品座標システム(PCS)を使用します。
視界
カメラで写すことができる物理的なサイズ。
頂点
角度(又は2本線)の両脇が交差するポイント。
同軸照明
ビデオシステムでは、同軸照明は光軸に平行な光源を言います。 これは通常レンズとカメラ間の直角ビーム分離器で達成さ
れます。(又はスルーザレンズ照明)
被写界深度
同時焦点と考えられる光軸の物理的な距離。
冶具
本マニュアルでは、冶具は単にデバイスをある方向に固定し、検査過程で動かなくする部品です。
要素
要素は測定される部品の幾何特性です。 InSpecでは、要素(線、半径、角度など)は自動的にプログラムステップになります。
InSpec アイコンの説明
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マイクロ・ビューCNC三次元マルチセンサー測定機用測定ソフトウェアー、InSpecで使われる各種アイコンの説明を行います。
アイコンにより、プログラム作成や要素の測定がポイント・アンド・クリック方式で極めて簡単に、素早く行えます。
要素アイコン
作成アイコン
ビジュアルツールアイコン
プログラム作成に使用
他の要素を作成
実質的なデータの測定ツール
プログラムに使用する要素で、
作成アイコンは、一つの要素
ビジョンツールアイコンはカメラ
プログラムを作成するとき、ア
からのデータを使い、どの様
画面の隣にグループ化されて
イコンは有効状態から非有効
に他の要素を作るかを定義
います。 アイコンはグレーの背
状態に変化して、そのアイコ
付けするのに使われます。 ア
景で、緑のアクセントのついた
ンが使えるか、使えないかを
イコンはグレーの背景色で、
黒色です。 各アイコンは異なる
表示します。 表示アイコンは
赤のアクセントのついた黒色
サーチツールを表示します。
使える要素に限定されます。
です。 有効な構成はアクセン
ツールは画像からビデオデータ
トが付き、無効なものはグ
を収集します。 InSpecは点や
レーで消えます。 InSpecは
要素を作るツールで、データを
現行要素タイプに基づき、ど
要求通り分析します。
それぞれの要素タイプ、即ち
点、線、あるいは円は、一組
のデータ特性を有します。 次
の要素説明は各要素タイプに
対するデータ特性をリストした
ものです。
ちらの構成が有効かを決定し
ます。
要素アイコン
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要素アイコンを使い、測定したい要素を簡単に測定出来ます。全ての測定対象形状はアイコンで表示されています。アイコ
ンを選択し、マウスで測定したい形状をポイントするだけで測定が出来、且つプログラムが自動的に生成される、ポイント&
クリックプログラミング方式です。複雑煩雑なプログラミング作成が不要です。
アイコン
測定要素
説明
システム (System)
システムアイコンを使って座標システムを作成します。 適切な構成を選択し、現行要素を選択す
るか又は入力のツールとして使います。
点 (Point)
X-Y-Z位置を特定するのに使われます。 複数の点は、プログラムのスタート位置や、線、弧、お
よび円の交差点を特定するのに使われます。 フォーカスツールで使われる場合は、点はZ高を
示します。
線 (Line)
部品上のエッジを特定するのに最も頻繁に使われます。線は複数の要素、即ちラックの歯や鋸
の刃におけると同様、一列の円や一連の点からも作成されます。
円 (Circle)
円上に3点(又は、それ以上)を入力して円の位置と直径を測定します。
弧 (Arc)
弧に3点(又は、それ以上)を入力して半径とX-Y-Z位置の中心を決定します。
楕円 (Ellipse)
楕円に5点(又は、それ以上)を入力して位置、サイズ、楕円の方向を測定します。 メジャー軸(
長軸)、マイナー軸(短軸)と中心位置がサマリーダイアログボックスに表示されます。
距離 (Distance)
2点間又は要素間のパス長を測定します。 距離要素は図形画面中で破線として表示されます。
この方法で、側面やエッジの様な物理的な要素を区別することができます。
角度 (Angle)
2点を一方の線に、他の2点を他方の線に入力し、角度の大きさと頂点位置を測定します。
平面 (Plane)
平面は、入力に基づく中心位置、平面に直交する方向、そして入力として3ポイント以上又は複
数要素が使われた時の平坦度を持ちます。 距離測定は平面のX-Y-Zの中心から行われます。
間隙 (Gap)
直線と他要素の中心間の垂直距離です。 間隙は中心位置、幅、方向を持ちます。
矩形 (Rectangle)
矩形は、長さ、幅、中心位置を出力します。 それは、5つのポイント、直線と3つのポイント、ある
いは直線とポイントの組み合わせで定義できます。
溝穴 (Slot)
溝穴要素は、幅として等しい直径の丸い端を持つもの、と定義されます。 溝穴は中心位置、メジ
ャー軸(長軸)、マイナー軸(短軸)、および方向を持ちます。
スプライン(曲線) (Splines)
開曲線と閉曲線(オープンとクローズドスプライン)で、連続のパス長、周囲長、不規則要素の面
積が測定できます。 InSpecはスプラインのNURBS(非一様有理BスプラインNon-Uniform
Rational B-Spline) 定義を使用します。
O-リング (O-Ring)
最少6点により、O-リング要素はID、OD、およびデータポイントに対する平均の厚さを求めます。
球 (Sphere)
球は中心位置、直径、表面面積、体積を持ちます。 球を作成するには、最少4ポイントが必要で
す。
円柱 (Cylinder)
円柱は、軸の周りに投影される円によって定義されるものです。 直線の様に、円柱は軸方向に
無限に伸びます。 円柱は最少5個のポイントを要します。
円錐 (Cone)
円錐は、頂点と角度によって定義されます。 円錐は頂点から無限に伸びますが、測定された体
積のみが表示されます。
合成要素 (Composite Feature)
合成要素は複数要素を一つに組み合わせます。 幾つかの混ぜ合わされた円弧と線からなる穴
やエッジのグループは、位置やプロファイル用に、一つの要素として値を求める事が出来ます。
コマンドライン (Command Line)
InSpecと外部のアプリケーションとの通信を行わせます。 InSpecから、.cmd, .exe, .batファイ
ルの様な実行ファイルを開くことが出来ます。 又、計算結果を通し、引数としてこれらファイルに
情報を流すことが出来ます。
テキスト (Text)
テキスト機能はプログラムの注釈や追加情報、即ち会社名、ロット番号、オペレーター名、コメン
ト等をエクスポートします。 テキストと要素ラベルも又エクスポートできます。
プロンプト (Prompt)
プロンプト機能は、プログラムを走らせる時、オペレーターに入力情報を要請するものです。 プロ
ンプトラベル、テキスト、入力値がエクスポートできます。
計算機 (Calculator)
計算機能は、既測定データの算術計算と統計計算を実行させます。 計算結果はノミナル値と公
差で出ます。
要素作成アイコン
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作成アイコンは一つの要素のデータを使い、どの様に他の要素を作るかを決定するのに使われます。 有効な構成は
アクセントがつき、無効なものはグレーで消えます。 CNC三次元マルチセンサー測定機用測定ソフトウェアーInSpec
は、現行要素タイプに基づき、どちらの構成が有効かを自動的に決定します。
アイコン
要素作成
説明
追加入力
多数のポイントを追加することで、そのデータは円のサイズ、位置や形状のより良い特性を用意します。
最少入力と複数ポイントモード間を切り替えるのは、アイコンのクリックだけです。
自動
ユーテリティーナイフアイコンは「クイックフィット」モードのオン、オフをトグル(切り替え)するのに使われ
ます。 例えば、システム要素を作成し、直線を選択すると、クイックフィットは自動的に直線にスキューし
ます。
フィットセンター
選択された現行要素又は新要素を作成するツールのセンター位置を使います。 多くの場合、クイックフィ
ットモードは「フィットセンター」を自動的に使用します。例えば、ボルトパターンの直径を求めるには、「フィ
ットセンター」を使います。 まず円要素を作成し、 「フィットセンター」を選択して要素リストから穴を表す円
をピックアップします。 図形画面は円のグループから最適な円を表示します。
中心合わせ
中心合わせされた構造物は円や弧の作成に使われます。 円や弧は僅か2個の入力で済みます。これに
より、第一入力と第二入力間の距離に等しい半径を持った、最初の要素上に中心合わせされた円が作成
されます。
インターセクト
インターセクト(交点)は、2つの要素が交叉するところに生じる点を作ります。 要素リスト又は図形画面か
ら、交点したい2本の直線を選択します。 直線は図形上で交叉している必要は有りません。 InSpecが交
点を作成すべく、直線を投影します。
二等分線
二等分線は、他の2個の要素間に正確に置かれた直線やポイントの作成に用いられる構造物です。
二等分のアイコンを選択し、要素リスト又は図形画面から二分割したい2本の線を取り出します。
垂線
垂線構造物は他要素(一般的には他直線)に垂直な直線を作るのに使います。 これは測定でなく、構成
です。 これを用いて選択された線や要素に対し、正確に90度になる直線を作れます。
平行線
平行線構造物は他の要素(主に他の直線)に平行な直線を作るのに使います。 これは測定ではなく、構
造物です。 これで選択された直線や要素と同方向を有する直線が作れます。
接線
接線作成アイコンは円や直線を作成する時に使われます。2つの円に対する接線としては4つのソリュー
ションがあり、複数ソリューションダイアログが表示され、必要な接線が選択できるようになっています。
プログラムが再走する時に選択されたソリューションが使われます。
外接
外接は円作成に使われます。円は、どんな円にも、標準入力を必要とします。 視野円、プロファイル円、
あるいはベストエッジ、ファーストエッジ、最近接エッジの任意の組み合わせが、標準入力になり得ます。
内接
内接は円作成に使われます。円は、どんな円にも、標準入力を必要とします。 視野円、プロファイル円、
あるいはベストエッジ、ファーストエッジ、最近接エッジの任意の組み合わせが、標準入力になり得ます。
最小ゾーン
ゾーンは円作成に使われます。円は、どんな円にも、標準入力を必要とします。 視野円、プロファイル円
、あるいはベストエッジ、ファーストエッジ、最近接エッジの任意の組み合わせが、標準入力になり得ます。
システムレベル
システムレベルにより、ステージの焦点平面に平行でない複数平面上の複数要素を正確に関連付けるこ
とができます。 システムレベルは、表面上の複数フォーカスポイントや平面に対する単一基準点等の3つ
の入力を必要とします。 システムレベルを使用後、X-Y平面は選択された平面に平行になります。
システムスキュー
システムスキューはプログラムのX、Y計数方向をその部品の方向に向けます。 これにより、部品はステ
ージの軸に対し整列せずに測定できます。 スキューはX軸あるいはY軸を部品の直線に合わせます。
スキューX,Y
スキューは、特定されない限り、X軸あるいはY軸の近くに選択直線を位置合わせします。 XやYスキュー
を特定するには、スキューを選択後、直ちにXやY原点ボタンを選択し、次いで、直線を選択します。
システムオリジン(原点)
システムオリジン(原点)は、指定した要素あるいは指定した位置に、基準点(データム)ゼロのX, Y, Zを
作ります。 原点を設定するには、システム原点アイコンを選択し、インストラクションリスト又は図形画面
から要素を選択して下さい。
X-原点
X原点が、Y, Z原点とは別に設定されなければならない時があります。 システムXアイコンを選択し、次い
で、インストラクションリスト又は図形画面から要素を選択するかカメラ画面中のポイントを選択します。
Y-原点
Y原点が、他の原点とは別に設定されなければならない時があります。 システムYアイコンを選択し、次
いで、インストラクションリスト又は図形画面から要素を選択するかカメラ画面中のポイントを選択します。
Z-原点
Z原点が、他の原点とは別に設定されなければならない時があります。 システムZアイコンを選択し、カメ
ラ画面中のフォーカスポイントを使うかインストラクションリスト又は図形画面から要素を選択します。
リコール機能
リコールは通常、部品プログラムの最初のシステムに対するデータポイントとして、ステージ(REFSYS、
永久保存要素)のホームポジション(定位置)を「呼び出す」のに使います。 プログラムが一旦 X-Y-Z原
点を確立すると、使用すべき基準点を持ち、そして、次の要素を探し始める事ができます。
オフセット
これは、(座標システムのような)構成をノミナル値分だけオフセットし、回転します。要素をオフセットする
には、最初に要素を作成し、オフセットアイコンをクリックします。 次いで、変換距離と回転角度(時計回り
が正)を入力します。 それが済んだら、OKをクリックします。 すると、要素が図形画面に表示されます。
作業面
この機能は三次元対象物の測定を簡単にする為に使われます。 この「作業面」はシステム要素に対して
のみ使えます。 ボタンはXY、XZとYZ間の作業面を切り替えます。 「作業面」機能は平面に対するレベル
合わせとしても同様に機能します。 しかしながら、点群で平面を作り、平面を構成してレベル合わせをす
る代わりに、1~2回のクリックのみでXZとYZ作業面に切り替えができます。 変更はプログラムリスト中の
入力セクションに表示されます。
曲線の編集(ピックセク
ション)
曲線の編集(ピックセクション)は、開曲線又は閉曲線を別々の物に分解する為に使われる構造物です。
曲線の編集を使って、溝穴の曲線を2本線と2個の円弧に分離出来ます。 真直度、平行度、直線、位置、
円弧の真円度の値を求める事が出来ます。
ビジョンツールアイコン
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ビジョンツールは画像からビデオデータを収集します。 CNC三次元マルチセンサー測定機の測定ソフトウェアーInSpecは、
点や要素を作るこれらツールでデータを要求通り分析します。
アイコン
ツール名
説明
手動ポイントツール
手動ポイントツールは先進ツールで、上手く決定できないようなエッジ、例えば、要素の真ん中
を注視したり、非常に大きな位置的違いの有る要素を探索したりするのに有効です。 要素位置
を視覚で決めるのに、手動ポイントツールが使えます。
フォーカスポイントツール
このツールは選択されたX-Yにある表面又はエッジのZ値を決めるのに使用されます。 高さ測
定の為、エッジや表面にフォーカスするのに使うことができます。
ベストエッジツール
このツールは特定された探索範囲内のどの方向に置かれても、「最強」エッジを見つける為のツ
ールです。 このツールは最も簡単に使え、走行時間は最速です。 探索範囲内で最高コントラス
トを持つエッジを決定し、そのエッジの中心にある点を使います。
ファーストエッジツール
ファーストエッジツールはベストエッジツールよりも高度です。 このツールはエッジの前後のパタ
ーンを学習してツールをより有用なものにします。 ファーストエッジツールは学習したパターンに
マッチするエッジがあるエリアを検索します。 このツールは、それが例えコントラスト的により強
い他のエッジに近接していても、正しいエッジを選択します。
最近接エッジツール
最近接エッジツールは部品上の最大、最小ポイントを探すのに使われます。 ツールは最初にエ
ッジを見分け、次に、検索矢印の方向からそのエッジの最近接ポイントを見つけるという、2段階
を経由します。 検索ゾーンに複数のエッジがある場合、InSpecは検索矢印に最も近いエッジを
選択します。
最遠隔エッジツール
最近接ツールと同様、最遠隔エッジツールは部品上の最大、最小ポイントを探すのに使われま
す。 ツールは最初にエッジを見分け、次に、検索矢印の方向からそのエッジの最遠隔ポイント
を見つけるという、2段階を経由します。 検索ゾーンに複数のエッジがある場合、InSpecは検索
矢印に最も遠いエッジを選択します。
円プロファイルツール
円プロファイルツールは、プロファイル照明で照らされる小さいスルーホール用に設計されたも
のです。 これにより、穴が白に、そして部品が黒に見える、高コントラスト画像が作れます。 こ
のツールはエッジをトレースし、そのデータを用いて、ベストフィット円を作ります。
ラインツール
ライン視界ツールは、直線の位置と方向を測定できます。 このツールは、ファーストエッジツー
ルが行う様に、検索ゾーン内の直線をスキャンします。
弧ツール
弧の要素は、弧の位置、サイズ、方向を測定できます。 Fスキャン弧ツールは検索ゾーン内の
弧をスキャンします。
円ツール
円の要素は、円の位置、サイズを測定できます。 Fスキャン円ツールは検索ゾーン内の円をス
キャンします。
楕円ツール
楕円の要素は、楕円の位置、サイズ、方向を測定できます。 F-スキャン楕円ツールは検索ゾー
ン内の楕円をスキャンします。
O-リングツール
O-リングツールは、自動的にO-リングを測定します。 O-リングツールはプロファイル照明で照ら
される、円形断面のO-リング用に設計されています。 そのような条件に最適化されていますが
、部品上のツールの働きはO-リングと同様です。
閉プロファイルツール
閉(クローズド)プロファイルツールは、円、矩形、閉じた曲線の様な、閉じた要素に使います。
ツールは視界内にフィットする要素のみをトレースします。
クローズドフォーロアー
(閉プロファイルに従う)
クローズドフォーロアーは「視界」を越えるInSpecのダイナミックなツールの1つです。 プログラ
マーが一つのエッジに1個の制御ポイントを置くと、エッジが完全な円を作ってしまう迄、ツール
がエッジを追いかけます。 フォローアーツールは円、矩形、楕円、溝穴や閉曲線等の閉ざされ
た要素を測定するのに使われます。
オープンフォーロアー
(開プロファイルに従う)
オープンフォーロアーは視界外側の曲線要素をトレースします。 殆どの要素が測定出来、2回
使うことで角度と間隙が測定出来ます。 オープンフォーロアーは強力なエッジが求められ、それ
にはプロファイル照明が最適です。
ムーブスルー
ムーブスルーポイントは、測定せずに、オペレーターにステージを特定の場所に移動させるもの
です。 これは、ユーザーが部品周辺にあるレンズを安全に導き、衝突を防止させるものです。
又、部品を前に動かしたり、カメラを後退させたりして、部品のローディングやアンローディングを
軽減します。
実行
実行アイコンは要素リストの先頭から現在の測定プログラムをスタートさせます。 手動ポイント
及び最初のシステムを作るために測定された要素は、オペレーターの入力が必要です。
継続
継続アイコンはプロセスが保留されたり、停止されたりした後で測定を再開します。 継続アイコ
ンは現在の要素からプログラムをスタートし、プログラムリストの下方に向かって処理を進めて
行きます。 これにより、必要に応じてプログラムを停止したり、要素をスキップしたり、測定プロ
セスを再開したりできます。
ストップ
ストップアイコンはプログラムの測定を停止します。 停止した時、必要なら、測定された要素をチ
ェックしたり、再測定したりできます。 測定プロセスを再開するには、「継続」を使います。
減速
マイクロ・ビューシステムのあるものは、秒速100cmの速度能力があります。 高速では、オペレ
ーターは衝突に対し、僅かな反応しか出来ません。
これを解消するため、InSpecは減速用アイコンを持っています。 減速ボタンが押されると、
InSpecはマシンの最大速度を減速し、オペレーターに衝突を回避する為、プログラムを停止す
るに十分な時間を与えます。