Auto-shim XLとは?

1.Auto-shim XLとは?
Auto-shim XLとはベッセルと膜とアダプター間の隙間を、装置が稼働中でも外側から調整出来る第2世代の
特許製品です。
原水側のHeadAssyに装着する事で、システムに圧力がかかっていない状態でも膜を一定の負荷で
透過水側のスラストコーンへ固定することが出来ます。
一定の負荷をかけるとベッセル内の隙間を減らすことが出来、水質の悪化へつながるシールの摩耗や
シールの脱落を防ぐことが出来ます。
Auto-shim XLは8inchベッセルの特別付属品であり、現在16inch用の開発も進めております。
Auto-shim XLが適さないシステムには、ベッセルの両側に標準の透過水ポートを付属することが出来ます。
2.Auto-shim XLの原理
Auto-shim XLには高圧バネが組み込まれております。外部の調整ネジでそのバネ荷重を調整します。
バネに加えられた荷重にてアダプターと膜集水管を接続しているシールを静止位置に設置します。
これにより、圧力によるベッセルの膨張と膜の伸縮寸法の埋め合わせを行います。
作成者:リックス(株)
3.Auto-shim XLの運用
原水側の透過水ポート位置にAuto-shim XLを取り付け、従来通りに膜を挿入します。
装置を通常運用圧力にて20分から30分稼働させた後、Auto-Shim XLの調整ネジをバネの抵抗が
感じられるまで時計回りに回します。(素手では回しにくいので手袋をつけ、ネジにタオルなどを巻いて作業下さい)
抵抗を感じたら、バネにあらかじめ負荷をかける為、調整ネジをモンキーなどの工具を使い、さらに調整ネジを
2~3回転回します。
この負荷の量は、膜本数、運転圧、流量などで変わってきます。調整が終わったらロックナットで固定します。
注記
・調整ネジはいかなる場合でも相談なしに4回転以上回してはいけません。
過度の負荷は膜、及びアダプターの破損に繋がります。
HEAD Assyを取り外す際は、調整ネジを完全に緩めてから取り外して下さい。
装置を再加圧する際は、上記の手順を最初から繰り返して下さい。
6~12ヶ月毎に膜の圧縮具合をみて再調整が必要な場合は調整ネジを締めて下さい。
・膜によっては膜本数の長さが若干長かったり、短かったりします。
Auto-shim XLの総合的な機能を保つ為に、Auto-shim XL 1つに対してスペーサーを2個
つけることにしました。スペーサーはPVCで出来ており、厚みは5mmあります。
Auto-shim XL 内のプランジャーとアダプターの間に設置して隙間を調整します。
スペーサーはMAX4枚使用することが出来ます。
4.Auto-shim XLの制限
Auto-shim XLへたった一つの制限はベッセルの原水側(上流側)へ取り付けないといけないと言うことです。
Auto-shim XLを使用する場合、透過水は下流側から回収されないといけません。
作成者:リックス(株)
5.装着手順
Auto-shim XLを装着する為の準備
Auto-shim XLは各ベッセルに付き一つのHead Assyに含まれています。
Auto-shim XLは組み立てられた状態でPVC製のプランジャーと共にユニットの片方に
組み込まれており、反対側が調整ボルトになっています。
シール類や内部部品は工場で組み込まれております。
保証が無効になりますのでAuto-shim XL Asemmblyは分解しないで下さい。
Auto-shim XL は原水側(上流側)アダプターとセットになっております。
Auto-shim XLアダプターは片側がプランジャー、反対側が膜へフィットする様な機構です。
Auto-shim XLアダプターをプランジャーに挿入する前にスペーサーを2枚取り付ける必要があります。(下記参照下さい)
アダプターにシールが装着されているのを確認した上で適切な潤滑剤を使用して取り付けて下さい。
システムの組立
(1)膜を挿入する
各膜メーカーの推奨方法に基づき膜を挿入ください。
(2)透過水側(下流側)のHeadAssyを装着する。
Protec ArisawaのHead装着手順に基づき、スラストリングと透過水側(下流側)のHead Assyと
膜アダプタを装着して下さい。
(3)膜を押し込む
透過水側(下流側)のHead Assyが装着されたら、透過水アダプタへ完全にかみ合うまで
膜に注意をしながら押し込んでいきます。
作成者:リックス(株)
(4)原水側(上流側)のHead Assyの隙間を確認する。(Head assyにHeadsealは装着しない状態で作業します)
Head AssyにHead sealを装着していない状態で、組み立てられたAuto-shim XLが付いた原水側
(上流側)のHead Assyをベッセル本体へ装着して、適切にフィットするか確認します。
ベッセル本体のHead用retaining溝があらわになるまで押し込む事が出来たら適切にフィットしている
事になります。(調整ボルトはMAXまで緩めておいてください)
もしこの状態にならなかった時、Auto-shim XL内のプランジャーとアダプター間のシムを1個取り除く
必要があります。
Head用retaining溝の奥までHead Assyがしっかり入るまで何度もこの作業を繰り返します
ベッセル本体にHead Assyを装着後Retaining ringを装着して下さい。
そして調整ボルトを軽い抵抗が感じられるまで時計回しに締めていきます。
メジャーや定規などでAuto-shim XLのプラスチック部分からボルトが伸びているか測定します。
さらにボルトをかなり抵抗が感じられるまで時計回りに締めます。
もう一度調整ネジの長さを測定します。
5mm以下であればスペーサーを1枚加える必要があります。
スペーサーが足らない場合はRIX(株)アクア膜事業部(03-5212-2773)へご連絡ください。
*ボルトを締める際は手袋を付けボルトにウエスかタオルを巻き締めて下さい。
(5)原水側(上流側)のHead Assyの装着
隙間を適切に調整した後、Head Sealを装着しHead Assyを取り付けます。
(6)システムの組立を完了する。
システムを稼働できる状態まで組み立てて下さい。
(7)システムの稼働
通常通りにシステムを稼働させて下さい。
Auto-shim XLを調整する前にシステムが正しく安全に稼働しているか確認して下さい。
(8)Auto-shim XLの調整
システムを加圧した後、バネの抵抗が感じられるまで調整ネジを時計回りに締めて下さい。
これは内部の隙間が排除されたことを示します。
この作業が完了すれば、Auto-shim XLに希望の負荷がかけることが出来ます。
この負荷は各ベッセル内の膜本数により変わります。
ほとんどの装置は1回転半くらいの調整が最適とされますが、各メーカーにより違う為
装置メーカーの判断に任せています。
長期的な性能を考慮しますとバネ張力が最小の方が良いので、調整ネジを回す回数は
出来るだけ少なくして下さい。
調整後、調整ネジのロックナットを締めて固定して下さい。
(9)長期的なシステムの運用
装着作業が完了しましたら、運用を開始します。
膜の押し込み具合を確認する為に6~12ヶ月/1回調整ネジの確認をして下さい。
Head Assyを取り外す際は必ず、調整ネジを揺るめてから取り外して下さい。
作成者:リックス(株)