Page 1 Page 2 Page 3 Page 4 Page 5 Page 6 Page 7 あり” また中間

氏
名(本
学 位
,学
の 種
位 記
ぬ ま
ざわ
みつ
て る
沼
沢
光
輝
類
薬
学
博
士
号
薬
籍,
番
博
第40号
学位授与年 月 日
昭 和47年3月24日
学 位 授 与 の 要件
学 位 規 則 第5条
研究科専門課程
東北 大 学 大学 院 薬 学研 究 科
(博
学 位 論 文 題 目
士 課 程)薬
第1項
該 当
学 専攻
3-Deoxyestroneの
体 内代 謝 に 関
す る研 究
(主
論 文 審 査 委 員
教授
査)
南
原
一41一
利
夫
教授
内
山
教授
竹
本
充
常
松
旨
論
内 因 性estrogenが
acti。
内
文
容
要
顕 著 な 低 コ レ ス テ ロ ー ル 作 用 を示 す こ と か らnOn-en
、docrine
且の み を期 待 して 種 々化 学 修 飾 を 施 し た 変 形 ス テ ロ イ ドが 数 多 く工 夫 さ れ る に い た つ て い る 。
3-deoxyes霊rone(DOE)は
こ の よ うな 目的 に 沿 つ て 開 発 さ れ た 代 表 的 な脱 コ1/ス テ ロ ー ル
剤 の 一 つ で あ り現 在 臨 床 に 広 く便 用 さ れ て い る 。
内 因 性 メ テ ロ イ ドの 体 内 代 謝 は 今 日そ の 様 相 が ほ ぼ 明 らか に され て い る が 変 形 ス テ ロ イ ドの そ れ
は か な ら ず し も充 分 とは い い難 い 。 ス テ ロ イ ド剤 の 生 体 内 挙 勲
牲 の評 価 に きわ め て:重要 で あ り,著
運 命 の 観 察 は 薬 物 の 有 効 性 と安 全
者 は こ の よ う な観 点 か らDOEの
体 内 代謝 に関 す る研究 に着手
した 。
L3・
一Deoxyes重rOne代
estro鐸enの
謝産 物標 品の 合成
体 内 変 換 に 論 い て16位
酸 素 化 は そ の 重 要 性 が す で に 指 摘 さ れ て 訟 り,6位
,化 雪 よ くみ ら れ る 代 謝 様 式 で あ る 。 ま た,家
つ こ と炉 知 ら れ て い る 。 そ こでDOE代
兎 尿 中 の 主 た るestrogenは17α
酸素
水 酸 基 構造 を も
謝 産 物 を 同 定 す る た め の 標 品 と して そ れ ら化 合 物 な らび に
誘導 体 の合成 を試 み た 。
ま ず 。GaUagherら
に ょ り開 発 さ れ た 方 法 に 準 じ16,17℃xygenatedestraoす
tol転
な わ ちg△
16 -e恥lacetate(1)を
移 を 利 用 し て16α,1718-dihydroxy体(5),1
(g).,・16β
は △16体
.6沈
一hydroxy-17-oxo体(19)を
ぐ・6)の
基 幹 物 質 と しke-tfienesの
合成 を行 なつ だ
工7β 一dihydroxy体
製 し だ 。cis-16(∼17α
四 酸 化 オ ス ミ ウ ム酸 イヒに よ り,・7α
一g監yco童(17)
一hyd,。xy体(22,26)は
・7β 一
tosylate、(21,25)をWaideロ
反 転 さ ぜ て得 た 。 ま た6-hydrσxy体(34,43)は
れ ぞ れ6-Oxo体(29)の}拍BH4還
元 な ら び にPtO2を
そ
用 い る 接 触 還 元 に ょ り合 成 した
(Chart1,2)0
2.3-DeoxyesuOneの
家 兎尿 中代 謝 産物
家 兎 に 澄 け るestrogenの
が な さ れ て い る。 最 近,抱
代 謝 と りわ け 抱 合 に つ い て はす で にLay匝e一
派 に よ り広 範 な研 究
合 体 は 必 ら ず し も最:終産 物 で は な く薬 理 作 用 発 現 上 重 要 な役 割 を 演 ず る
場 合 の あ る こ と が 見 出 さ れ 注 目 を あ び て い る 。 また,芳
shiftぞ
・
香 環 の酵 素 的 水 酸 化 に 誇 い て"NIH
と呼 ば れ る現 象 が 見 出 さ れ 水 酸 化 機 構 に 関 して 重 要 な 示 唆 が 与 え ら れ る に い た つ た 。 著 者 は
これ ら の 事 実 に 注 目 しDOEの
家 兎 尿 中 代 謝 物 とそ れ らの 抱 合 様 式 の検 討 な ら び に 芳 香 環 水 酸 化 機
構 の解 明 を試 み た 。
一42一
0
OAc
Otlc
、.、
・0'ξ
1
一
ノ
一
、メ.
1
DOE
ム
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2
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脇
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19
,
r
20:R=H
21:R=Ts
3 .,
4
﹂覗
15
、
""OR
儀
卍
27=R=C(i,C6H5,R'=Ac
28:R=CH£
崎1{5,R'=H
Chart1
一43一
C
HA
0⊥
26:R」H,R'まAc
,R'一H
キ。
25:R=CH二C6H⊃,R'=Ts
ac=CHaCO一
X正
RO
RoX.
2朝R=C}1、C,1{,
Ts=p-CHaCaHcSOr
11
=
一
● .
ORσ
●
9:R嵩H
lO:R二Ac
=
=
・ ●
C
EA
=
● φ
RR .
・3 ・4 α
17:R=H
18=R=Ac
O
︿
一
22:R=H
23:R=Ae
RR
OR
亀覧
一
)6
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ー
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1
OR
、
78
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OB
0
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i
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DO居
0
37:R=H
38:R嵩Ac
ox
OR
明 s
測甲
= ぞ 二 =
H 飴 轟 co
冠 ﹂㏄ 鴇
5
ニ
R R R R
H
=
=
ぶ曙
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3333
ニ
H 廊 轟 co
、 ヒ ㏄巳
RRC R
R R R C R-
0
弩㎝ 壌 駅 歌 歌
融
9 01 2
冒 .
3 44 4
7
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畠
0
強VIIg
ox
ox
34:R=H
35:R=Ac
36;R=COC6R5
43:R二H
44:R=COC6H5
Ac=CH3CO一
Char七'2
1)3-Deoxyestrone代
DO露
謝 産 物 の 単 離 と構 造
を 成 熟 雄 性 家 兎 に 経 口 投 与 後 摘 集 した 尿 を 常法 通 り,8-glUCUronidase水
solvolysisに
付 し ア ル ミナ ク ロ マ ト グ ラ フ イ ー翁 よびTLCを
代 謝 産 物 の 構 造 はKMR,mas馬IR,ス
に 呈 色 反 応,誘
併 用 して 主 代 謝 産 物 を 分 離 した 。
ペ ク トル な らび に ⑦LC,GLGな
導 体 生 成 な ど の 化 学 的 手 法 に よ り確 認 し た 。 そ の 結 果Chart3に
産 物 の 構 造 を 明 らか に す る こ とが で きた 。
一44一
解,
どの物 理的 手 法 さ ら
示 す8種
め代 謝
OH
ococxe
OH
OH
HO
HO
HO
皿
I
a/
O
u
一一
HO
VI
一
一
0
HO
V
rv
。
\
OH
OH
oK
VII
VIII
II
Chart3
2)3-Deoxyestrone代
1)と
謝 産 物 の抱 合形 式
同 様 にDOEを
揖一
与後 捕 集 し た 尿 をn一
SephadexLH-20を
りacetate一
用 い て 分 離,精
膿ethylest町
プ タ ノ ー ル で 抽 出 し抱 合 体 画 分 を 得 た 。 まず,
製 を 行 な いKを
結 晶 状 に 単 離 した 。 他 の 抱 合 体 は 常 法 通
に 誘 導 して ア ル ミナ ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー な ら び にTLCに
分 離 し た 。NMR,mass,IRス
ベ ク トル さ らに 酵 素 水 解,呈
よ り
色 反 応 な どの 結 果 か らChart4
に 示 す 抱 合 体4種 の 構 造 を 明 らか にす る こ と が で き た 。
3)3-Deoxyestrone芳
香 環:水酸 化 に 誇 け る 標 識 重 水 素 の 転 移
重 水 素 を 標 識 した2-deuterio一
な ら び に3-deuterio-DOEを
家 兎 に 経[]投.与 した 。 主 代 謝 産 物,2-hydroxy-DOE細
重 水 素 の 保 持 率 とそ の 標 識 位 置 をmass,NMRス
2位 水 酸 化 で は3位
に,一
方3位
合 成 し1)と
よ び17α
一estradiolを
同様 に
単離 し
ペ ク トル よ り精 査 した 。 そ の 結 果 標 識 重 水 素 は
水 酸 化 で は2,4位
確 認 さ れ た(TableI)。
一45一
に 約5:2の
割合 で そ れ ぞれ 転移 ナ る ことが
O ー ー1
ヨ
R
恥R
L馬
4融
手 r
0
GOONa
・%深
0
。
oH
.X 鴬恥
R10
α
蕊
X X
鰭
OR
X工:R=G
X工
㍗R嵩G『
G
繊
α
了
畷 轟
C
HA
= =
2 2
R R
G G
R R
と ﹁F
V診
叢 ∬
Char七4
Tablei.Retcn`ion,,:i)euteriuminthePhenolicMeta-
b・Hte・f・r…
byぬ
磁fr・mDeuteτated3つeoxyestr・ne
画
・Hア
登…
γ1・ti・
、
・i・R・bbit
Retentionof
Sub$trateき
∫etabollte
deuterium(%)
2-DeuYerio-DOE2-hydroxy-DOEC-3
_47
{
17a-estradiolC-281
3-Deuterio∼DOE2-hydroxy-DOEC-381
{
17a-estradiolC-2c「.50
t
C-40α.20
DOEは
主 と し て ま ず3位
に水 酸 化 を う け た の ち 内 因 性
を う け る こ と な ど が 明 ら か と な つ た 。 ま た,極
θstrOgenと
性 化 を 伴 う6位
同 様 の 経 路 に よ り変 換
水 酸 化 は 従 来 抱 合 の 代 償 機 構 と推
測 さ れ て き た が 著 者 の 結 果 か ら み て こ の 種 の 説 明 は 普 遍 性 に とぼ
しい こ と が 判 明 し た 。
酸 化 的 薬 物 代 謝 酵 素 と ス テ ロ イ ド水 酸 化 酵 素 と の 間 に 多 く の 類 似 点 の あ る こ と が 指 摘 さ れ て い るQ
DOEの
芳 香 環 水 酸 化 に 翁 い て も"MHshi丘"が
み ら れ た こ と は こ れ を 強 く支 持 す る もの で
一46一
あ り,ま た 中 間 体 と して2,3-oxldeの
3.3-Deoxyestroneの
・
estrogenは
ラ ッ ト尿 中 代 謝 塵 物
ラ ツ トに 訟 い て2位
が報 告 さ れ て 澄 り,e6trogenの
DOEの
関一
与 が 示 唆 され た 。
水 酸 化 を うけ た 後 あ る 条 件 下 で グ ル タ テ オ ン と抱 合 す る こ と
新 し い 代 謝 型 式 と して 注 目 さ れ て い る 。 著 者 は ラ ツ トに 溢 け る
水 酸 化 に 着 目 し 生 体 内運 命 と くに ペ プ チ ド抱 合 体 の 生 成 に つ い て 検 討 した 。
DOE-6,7-3Hを
腹腔 内投 一
与後 尿 中 の91ucuronide,sulfateを
し,遊 難 ス テ ロ イ ドを 抽 出,分
離 した 結 果Chart5に
示す 代 謝産 物 が同定 され た 。 非水 解性 画 分
(ペ プ チ ド抱 合 体)はAmberliteXAD-2,SephadexG-25を
ィ ー に 付 し,さ
らにDNP誘
る 水 解,RaneyNiに
用 い る ク ロマ トグ ラ フ
導 体 に導 き 精 製 した 。 こ こに 得 ら れ た ペ ブ テ ド抱 合 体 は6N塩
よ る脱 硫 反 応 な ど の 結 果 か らChart6に
び にestradio1に
前 述 の 通 ρ水 解
酸に よ
示 す ご と くestroneな
ら
グ ル タ テ オ ンが イ オ ウを介 し て 結 合 した 構 造 で あ る こ とが 確 認 さ れ た 。
ox
O
HO
ζ1
0
HO
ζ1
HO
X■ 工工
(!
XIV
ox
XV
OH
0
H
H
ζl
ζ1
ζ1
OH
XV工
XVI工
XVI工
Chart5
ー47一
■
R
す で に 報 告 さ れ て い るestroge'nの
グル
タ テ ォ ン抱 合 に っ い て は2-hydroxyestrogenを
中 間 体 とす る機 構 が 考 え られ
て い る 。 しか し,DOEの
HO
場 合XIX,XXの
生 成 は この 機 構 で は 説 明 さ れ ず こ れ とは 異 な
CO坦CH2S
る 新 しい 抱 合 機 構 の 関 与 が 推 測 さ れ る 。
認HCH幻H、CONHさH
l
CONHCH£02H
X工X:R冨
4,ラ
ツ ト肝 ミク ロ ゾ ー ム に よ る3-
Deoxyestroneの
ぐ"H
ノOH
水 酸 化 と そ れ に 凄 よぼ す 薬
物 前投 与 の影 響
XX:R零O
あ る 種 の 薬 物,多
核 芳香 族 炭化 水 素 あるい
Char七6
は 輩 虫 剤 な どを 動 物 に 投 与 す る と そ の 肝 ミク
ロ ゾ ー ム(M.s)に
局 在 す るNADPH依
性 酸 化 酵 素 の 活 性 に 変 化 を 来 す が,こ
存
の 種 ゐ 乳'
誘 導 現 象 は 薬 物 代 謝 酵 素 の研 究 上 一 つ の:重要 な 命 題 と な つ て い る。 そ こ で 代 表 的 な 誘 導 剤 フ エ ノ バ
ル ビ タ ー ル ぐPB),3一
メ テ ル コ ラ ン ス レ ン(Mc)の
前 投 与 がDOEの
へ
を 検 討 した 。
ま ず,雄
性 幼 若 ラ ツ ト肝 よ り得 ら れ だMs画
酸 素 の 存 在 下DOE-6,7-3Hと
られ2,3細'よ
つ い でMG澄
び6β
イ シ キ ユ ペ ー トした 。 そ の 結 果5種
よびPBを
の 代 謝産 物 の生 成 が認 め
前 投 与 した 雄 性 幼 若 ラ ツ ト肝MsとDOE-S,7-3Hを
ら び に6位
化 は ほ とん ど影 響 を うけ ない が6β
前 述 と同 様
水 酸 化 活 性 を 測 定 し た 。 そ の 結 果PB投
水 酸 化 は 対 照 群 に 比 し200%上
投 与 で は 芳 香 環 水 酸 化 は 対 照 群 に 比 して270砺
与 の 場 合芳 香環 水 酸
昇 が み と め ら れ た 。 他 方MG
上 昇 し2位 水 酸 化/3位
水 酸 化 は 約2倍
とな つ た
水 酸 化 に 対 す る 影 響 は ほ とん ど観 察 さ れ なか つ た 。
PBとMCに
よ る 誘 導 現 象 の こ の よ うな 差 異 は 異 な る 水 酸 化 酵 素 系 の 存 在 を 示 唆 し興 味 深 い もの
が あ る 。 最 近2種
P-450とP-448が
450が
分 を 用 いNADPH-ge肥ratingsystem,
位 に水 酸化 の起 る ことが確 認 さ れた 。
イ ン キ ュ ベ ー ト し2,3な
が6β
水 酸 化 に 澄 よぼ す 影 響
他 方MCに
の 肝 ミク ロ ゾー ムGO-bindiロgpigmentす
な わ ちcytochrome
存 在 し これ らが 相 互 に 異 攻 る 酵 素 活 性 を 有 す る こ と,塵
よ りP-4ξ8が
たPBに
よ りP-
特異 的 に誘導 され る こ とが明 らかに さ れ てい る。著 者 の結 果
は こ れ ら の 事 実 を 支 持 す る もの で あ り,ス
テ ロ イ ド水 酸 化 反 応 に 異 な る酵 素 系 が 関 与 し て い る こ と
が示 唆 された 。
一48一
審
査
結
果
の
本研 究 は 脱 コ レ ス テ ロ ー ル 剤3-deoxyestrone(DOE)の
咳 の 変 換,新
規 抱 合 体 の 生 成,芳
要
旨
体 内 代 謝 を 検 討 し.,ス テ ロ イ ド
香 核 水酸 化 の 機 構な らびに 他薬 剤前 投与 の水酸 化 酵 素活 性 にお よぼ
す 影 響 を 明 らか に した もの で あ るQ
ま ず,代
謝 産 物 同 定 の た め の 標 品 と して16,17一
hydroxy誘
導 体 の 合 成 を 行 な つ たoっ
の 購 造 を 物 理 的 手 法,微
い でDOEを
。xygenated,6-hydr・xyお
よび17α
一
家 兎 に 経 口 投 与 後 分 離 した 尿 中 代 謝 産 物8種
量 化 学 反 応 を駆 使 して 推 定 し,合 成 標 品 と の 直 接 比 較 に よ つ て 確 認 した 。 一
方 これ ら の 抱 合 形 式 を 明 らか に す る た め ブ タ ノー ル 抽 出 物 を ゲ ル 濾 過 に 付 し,aCetate-methyl
esterに
誘 導 し て4種
glUCur・nldeと
のglucur・nideを
分 離 した 。 こ の と き ユ6,17-epiestri・
正がdi-
して 捕 捉 さ れ た こ と は 注 目 に 値 す る 。
さ らにDOEの2,3位
に 芳 香 核 水 酸 化 が み られ る こ と か ら あ ら か じ め これ ら の 位 置 を 重 水 素 標 識
した 基 質 を 含 成 し,家
のmass,NMRス
兎 に 投 与 後 単 離 した 尿 中代 謝 産 物2-hydr・xy-DOE,17α
一estradiol
ペ ク トル を 測 定 し た 。そ の 結 果 水 酸 化 に 伴 な い 標 識 重 水 素 が 隣 接 炭 素 に 転 移 す る
い わ ゆ る'気NIH・bift"の
生 起す る こ とが 証 明 さ れ た 。 こ の 事 実 は ス テ ロイ ド水 酸 化 酵 素 と 薬
物 代 謝 酵 素 の 類 似 性 を 支 持 す る も の で あ るc
つ ぎ に ラ ツ ト尿 中 に み られ るDOEの
estr・ne,estradidのA環
抱 合 型 代 謝 産 物 を 精 査 し,グ ル タチ オ ソ が イ オ ウ 原 子 を 介 し ・
に 結 合 した 新 規 抱 合 体 を 証 明 し た 。 カ テ コー ル 型 でな い グル タ
チ オ ン抱 合 体 は これ が 初 め て で あ り,・
最 後 に ラ ッ トに お け る2,3,6β
一キ ノ ン を 経 由 しな い 生 成 機 構 の 関 与 が 示 唆 され る。
位 水 酸 化 に お よぼ す フ エ ノバ ル ビ タ ー ル,3一
メチ ル コラ ンス レ
ン の 影 響 を 検 討 した 。 す な わ ち こ れ ら誘 導 剤 を 前 投 与 し た ラ ツ トの 肝 ミク ロ ゾー ム とDOEを
イ ンキ
ユ ベ ー ト し,前 記 水 酸 化 物 の 生 成 量 を 対 照 群 と比 較 し た 。 そ の 結 果 フ エ ノ・ミル ビ タ ー ル で は6β
化 の み が 上 昇 す る一 方,3一
水酸
メ チ ル コ ラ ン ス レ ン 投 与 で は 芳 香 核 水酸 化 酵 素 が 特 異 的 に 誘 導 され る こ ・
とが 判 明 した 。
以 上 本 論 文 は 薬 物 の 有 効 性,安
全 性 の 評 価 に き わ め て 璽 要 な 生 体 内 連 命 を 明 ら か に した ば か りで な
く変 形 ス テ ロイ ドの 代 謝 形 式 に 関 し数 々 の 新 知 見 を 加 え た も の で あ り,掌 位 を 授 与 す る.に値 す る も の
と認 め る 。
一49一