3.数値計算 有効数字と誤差の波及 テキストP32~ 数量の表現と誤差 a.誤差と近似値 π 3.14159… → 3.14 √3 1.732 05… → 1.732 近似値 1/3 0.333333 … → 0.333 Xを真の値, x を近似値とすれば イプシロン 誤差 ε= X-x ε/xを相対誤差,|ε|を絶対誤差とよぶ. また,|X-x|≦ α となるような α の値を 誤差の限界という. • 近似値として意味のある数を有効数字といい, その桁数を有効桁数という. • たとえば, ・ ・・・・ 位取り の0は含 まない 1.4142 ・・・ 0.0123 0.0120 ・・ 0.012 は有効数字5桁 は有効数字3桁 も 有効数字3桁 は有効数字2桁 である. アルファ 12.3 12.3? 4.56 + 7.89 4.5? × ??? 5+? 24.75 615 492 .35+??? 55.35 有効数字のまとめ • ① 加法,減法のときは,その中で一番小数点 以下の桁数の少ないものにそろえなくてはな らない.例3の場合,24.75→24.8 • ②乗法,除法のときは,その中で一番有効数 字の桁数の少ないものにそろえなくてはなら ない.例4の場合,55.35→55 • ただし,このことは最終的な答えを出すとき のことであって,途中の計算では、原則として 四捨五入しない. 例題1 2辺の長さx,yがそれぞれ23.45-0.05(m)≦x< 23.45+0.05(m),87.63-0.05(m)≦y<87.63+0.05(m)の 長方形の土地がある.周囲の長さおよび面積を求め,誤 差を評価せよ. (1)周囲の長さ:(23.45+87.63)×2=222.16 (m), 誤差の限界:(0.05+0.05)×2=0.20(m) ∴ 周囲の長さは222.16 (m)で,誤差は±0.20(m)以内で ある. ↑意味のある0 (2)面積:23.45×87.63=2054.9235(㎡), 相対誤差の限界:0.05/23.45+0.05/87.63 ≦0.002132…+0.0005705…=0.002702… 誤差:2054.9235×0.002702…=5.55… ∴ 面積は有効数字4桁で2.055×103(㎡),誤差は1 の位で 切り上げて±6(㎡)以内である. 有効桁数を明示するために,○×10△の表記にする 誤差の限界 問1 2辺の長さx,yがそれぞれ58.263-0.005(m)≦x< 58.263+0.005(m),87.346-0.005(m)≦y<87.346+ 0.005(m)の長方形の土地がある.周囲の長さおよび面 積を求め,誤差を評価せよ. |X-x|≦αとなるようなαの値 周囲の長さ:小数点以下3桁 αを丸めるときは切り上げしないと上 式が成立しない(四捨五入して切り捨 てると成立しなくなる) 2055≦ 5.55 … 切り上げ 2055≦ 6 → ±6 問3 下底x, 上底yおよび高さhがそれぞれ23.45-0.05(m)≦x<23.45+ 0.05(m),15.38-0.05(m)≦y<15.38+0.05(m), 87.63-0.05(m)≦h<87.63+ 0.05(m) の台形の土地がある.面積(x+y)h/2を求め,誤差を評価せよ. [ヒント:まず足し算の部分(x+y)を評価して、 それとhのかけ算の部分を評価する] 誤差の限界:小数点以下3桁 面積:5桁 ×5桁だから答えも5桁 (6桁目を四捨五入) 誤差の限界:面積の最小桁にあわせて切り上げ P34~ 1階の常微分方程式の初期値問題 1階の常微分方程式 dz = f ( x, z ) dx z ′ = f ( x, z ) 初期条件( x=0のときz=a)を解くには, 次週は、「常微分方程式の数値計算」予習してお いてください (P.34~) z ( xk +1 ) = z ( xk ) + xk +1 ∫x k f ( x, z )dx 近似計算を する k = 0,1, 2," オイラー法 z(x)のテーラー展開は cf.テキストP.3 z(x+h)=z(x)+hz'(x)+h2z"(x)/2!+… であるが,右辺第3項以下を無視すると z(x+h)≒z(x)+hz'(x) 題意よりz'(x)= f(x,z)だから z(x+h)=z(x)+h f(x,z) となる. xj=x0+j h=xj-1+h に zj= z(xj) (ただし,j=0,1,…)を対応させれば z1=z0+h f(x0,z0) z2=z1+h f(x1,z1) : zj+1=zj+h f(xj,zj) これは「微分を差分で置き換えたもの」 で,幾何学的には,「解曲線を,その接 線で置き換えたもの」である.したがっ て,かなりの誤差が生じることになる.
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