第5回 目からウロコの実戦テクニック物理編

目からウロコ 第5回目
~ヤングの干渉実験を解く~
例題
図のように,スリット S0 から出た波長 λ の単色光を,間隔が d の複スリットにあてて,距離 L だけ離れたスクリ
ーンの生じる光の明暗の縞模様を観察する。ここで,S1 と S2 は S0 から等距離にあり,スクリーン上の x 軸の原点
O は S1,S2 から等距離の点とする。ただし,L は d に比べて十分長いものとする。
(1) 単スリットの役割を答えよ
(2) スリット S1,S2 から点 P に達した回折光の光路差を求めよ
(3) 光路差がどのようになると点 P は明線になるか。m=0,1,2…として答えよ
(4) 光路差がどのようになると点 P は暗線になるか。n=0,1,2…として答えよ
(5) 原点 O は明線となる。それはどうしてか。
(6) 原点 O の明線を 0 番目とすると,m 番目の明線の位置 xm はどうなるか。
(7) 隣り合う明線の間隔を答えよ
(8) 隣り合う暗線の間隔を答えよ
(9) スクリーン上の干渉縞を表す図として適切なものを選べ
解説
今回はヤングの干渉実験です!波動の中でも一番むずかしい光波の問題ですね!まだまだ受験を諦めな
いぞ!そんな受験生のみなさんに,目からウロコでお応えします!!
手順 1
目からウロコ「単スリットの役割をおぼえておく!」
ヤングの実験ではナトリウムランプを使います!このランプは「色は一色だが,位相がバラバラ」とおぼえて
おいてください!かんたんに言えば,単スリットを通せば位相の揃った光が出てくると,そういうことです!
手順 2
目からウロコ「回折光の光路差をおぼえておく!」
それではちょっとだけ,理系館ではどのような授業をするのか御紹介してしまいましょう! (ステマみたいで
すみません^^)
理系館での授業
確認 1. 光路差は大きいですか?小さいですか?(みなさんも答えてみてください!)
⇒ものすごく小さいです(みればわかりますよね?感覚を大事にしてください!)
確認 2. 光路差に影響のあるものは何ですか?
⇒d,L,x
確認 3. それらを大きいものと小さいものに分けてください
⇒d,x はものすごく小さい,L はものすごく大きい
確認 4. ものすごく小さい光路差を作るには,分子になにを?分母になにをおけばいいですか?
⇒分母 L,分子 d×x
つまり
光路差=(d×x)/(L)
となります!どうですか?こうやって語呂合わせ的におぼえれば簡単ですよね!
実はこの問題,センター試験で実際に出た問題なのですが,実際の試験では(9)だけを答えさせるという問
題でした。つまり,(9)だけを解くことを目標にするのでなく,「
ある一定の流れ」というものが物
理では必ずあり,その流れを覚えておけば,どんな問題にも慌てずに対処できるということ。それが今回御
紹介してきた
目からウロコなのです!
スペースの関係で全部は御紹介できずすみません^^; でも・・・答えだけは紹介しておきます!(a)です!
それではみなさん残り僅かですががんばってください!