⎠ ⎞ ⎝ ⎛ - = 1 1 1 mn R 3 9 1 1 1 = ⇔ = ∙

11回目
量子力学II 演習問題
学年
学籍番号
氏名
演習1 n=1への遷移であるライマン系列において、水素プラズマからの発光輝線が=102.518 nmの深
紫外線領域で観測された。ただし水素原子における主量子数mからnへの遷移での発光波長は
1 
 1
 R 2  2 

n m 
1
(R~1.0973731568549×107 [m-1])
で与えられる。次の問に答えなさい
(1) mはいくらか?
(2) B=10.0[T]を加えたとき、発光輝線はどうなるか?ただし必要であればボーア磁子μBは以下の値と

なる。 B  9.274 10 24 [ J / T ]
(1)
1
1
1


m2 n2 R  
m2  9  m  3
(2) 主量子数3なのでd軌道まで存在⇒l=0,1,2
⇒最大5つに分裂
ml=0のときが=102.518[nm] =12.0939[eV]
エネルギー
ml=2
2
1
0
-1
-2
B=0のとき Bを加えたとき
エネルギ 分裂の大きさはBB
エネルギー分裂の大きさは
 B B  9.274 10 24 [ J / T ] 10[T ]
 5.789 10  4 [eV ]
ml=2
12.0951[eV]⇒102.508[nm]
ml=1
12.0945[eV]⇒102.513[nm]
ml=0
12.0939[eV]⇒102.518[nm]
ml=-1
12.0933[eV]⇒102.523[nm]
ml=-2
12.0927[eV]⇒102.528[nm]
量子力学II 演習問題
学年
学籍番号
11回目
氏名
演習2 電子の軌道角運動量が存在せず、スピン角運動量だけが存在している場合に、磁界を加えたとき、
スピン電子は図2-1のように分裂する。このとき、外から図2-2のようにエネルギーの分離幅に等しいエネ
ルギ を持つ電磁波が共鳴的に吸収される現象を電子スピン共鳴(El t
ルギーを持つ電磁波が共鳴的に吸収される現象を電子スピン共鳴(Electron
S
Spin
i R
Resonance : ESR)と
呼ぶ。磁束密度が1.0[T]の磁界中でのESRの波長と周波数を求めなさい。電磁波の種類は何か?
B=9.274×10-24[J/T]
異常ゼーマン効果によるエネルギー分裂
磁界なし
図2-1
2   B  B  h 
  2.80 1010 [ Hz
H ]  28.0[GHz
GH ]
=c/=10.7[mm]
マイクロ波帯
磁界あり
電磁波
hν
図2-2
表1 電磁波の種類の分類
B
11回目
量子力学II 演習問題
学年
学籍番号
氏名
演習3 水素原子で考える。水素原子のn=2の状態はスピン軌道相互作用によってどのように分離する
か? ただし、スピン軌道相互作用によって変化するエネルギーは下記の式(1)で解けるとして解きなさ
い
E 

2
 2  j  j  1-l l  1-ss  1 ・・・(1)
n=2の状態はl=1,0の状態がある。スピン-軌道相互作用を考えないと、下左図のように8重縮退してい
る。スピン軌道相互作用によって、l=1の状態はj=3/2, 1/2に分裂する。一方l=0の状態はj=1/2となるだ
けで、スピン軌道相互作用がないのでそのままになる。これをまとめると右下図のようになる。した
がって水素原子のn=2の状態は右下図のように3つのエネルギー状態に分離する。
2P
3/2
8重縮退
l  0, s 
1
2
l  1, s 
1
2
3 1 1 3
mj   , , ,
2 2 2 2 4重縮退
2S
1/2
l  0, s 
ml  1,0,  1
1 1
ms   , 
2 2
2重縮退
2P
1/2

2
j
2
3
2
1
2
1 1
mj   ,
2 2
 λ 2
j
2重縮退
1
2
11回目
量子力学II 演習問題
学年
学籍番号
氏名
演習4. NaのD線は下の図のように589.592nmおよび588.995nmの二つに分離して観測される。下記の
問に答えなさい。ただし、スピン軌道相互作用によって変化するエネルギーは下記の式(1)で解けるとし、
N のD線は3 軌道から3 軌道の遷移によ て得られる発光であると言うことを利用して計算しなさい
NaのD線は3p軌道から3s軌道の遷移によって得られる発光であると言うことを利用して計算しなさい。
発光スペクトルを波長分解
589.592[nm]
E 

 2  j  j  1-l l  1-ss  1 ・・・(1)
2
① 2p軌道がどのように分離するのかを図を用いて説明しなさい。
② NaのD線の分離幅は何eVか?
③ 励起準位のスピン軌道相互作用パラメ
励起準位のスピン軌道相互作用パラメータを求めなさい。
タを求めなさい。
588.995[nm]
波長
①
2p軌道は、スピン軌道相互作用がない場合、6重縮退して
いるが、スピン軌道相互作用によって、4つの状態と2つの
状態に分かれる。また、分離するエネルギーは下記のよう
になる
② 588.995[nm] ⇒ 2.10503 [eV]
589.592[nm] ⇒ 2.1029 [eV]
E=2.10503-2.1029=2.13[meV]
m j   j,
j  j  1,    ,jj
エネルギーは同じで量子状
ネ ギ は同じ 量子状
態が異なる6個の状態
3 1 1 3
=6重縮退
m j   ,  , , 4重縮退
2
1
l  1, s 
2
ml  1,0 ,  1
1 1
ms   , 
2 2
スピン軌道相互作用がな
いと仮定した場合(=0)
2 2 2

2
j
2
③
3
2
2重縮退
重縮退
2
1 1
m j   ,  λ
2 2
j
1
2
スピン軌道相互作用がある
場合(≠0))
1 2
3
λ  ( λ 2 )  λ 2  2.13[meV ]
2
2
=2.05×1046 [1/Js2]