シェアハウス市場調査 2013 年度版 2014 年 1 月 日本シェアハウス・ゲストハウス連盟 株式会社シェアシェア 協力:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 本レポートに関するお問い合わせ ■本レポートは、著作物であり、著作権法に基づき保護されています。著作権法の定めに従い、引用する 際は、必ず「出所:一般社団法人 日本シェアハウス・ゲストハウス連盟 株式会社 シェアシェア」と 明記してください。 ■レポートの全文または一部を転載・複製する際は著作権者の許諾が必要ですので、以下までご連絡く ださい。 ■その他、本レポートの内容に関してのお問い合わせは以下までお願いいたします。 一般社団法人 日本シェアハウス・ゲストハウス連盟 http://www.jgho.org/ TEL:03-5411-2182 (株式会社アクシズポイント内) 担当:高橋(ゲストハウスこよみ屋) 株式会社 シェアシェア http://share-share.jp TEL:03-5835-5633 担当:板倉 三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社 http://www.murc.jp/ TEL:03-6733-1022 担当:政策研究事業本部 公共経営・地域政策部 関・花輪 目 次 1. 調査概要 ............................................................................................................................ 1 2. わが国のシェアハウス市場 .............................................................................................. 2 (1) シェアハウスの立地状況 ........................................................................................................... 2 (2) シェアハウス運営事業者の状況 .............................................................................................. 3 (3) シェアハウス入居希望者(問い合わせ時点)の特徴 ............................................................ 7 (4) シェアハウス入居者の特徴.................................................................................................... 10 3. シェアハウスの運営・管理の状況................................................................................. 13 (1) 事業手法 .................................................................................................................................. 13 (2) 入居マネジメント ...................................................................................................................... 16 (3) 入居後の管理 .......................................................................................................................... 19 (4) 物件の管理 .............................................................................................................................. 21 (5) 入居者の生活状況 ................................................................................................................. 22 (6) 運営上のトラブル .................................................................................................................... 24 (7) 今後のシェアハウス事業の見通し ........................................................................................ 25 1. 調査概要 本レポートは、以下の調査結果に基づき、わが国のシェアハウス市場の動向を明らかにしたものであ る。 (1)全国におけるシェアハウス物件の立地状況調査 ● 2013 年 8 月 31 日現在、シェアハウス専用ポータルサイトやシェアハウス運営事業者が開設す るウェブサイト等を通じて把握可能な物件情報を収集し、都道府県別に物件数を集計した。 (2)ポータルサイトへの問い合わせデータの集計・分析 ● シェアハウス専用ポータルサイト「シェアシェア」(http://share-share.jp/)に 2013 年 7 月 1 日~ 8 月 31 日までに寄せられた掲載物件への問い合わせデータ(延べ 5,660 件)を活用し、問い合 わせ者の属性や問い合わせ内容を集計した。 (3)シェアハウス運営業者へのアンケート調査 ● 2013 年 6 月 15 日~8 月 31 日にかけて、日本シェアハウス・ゲストハウス連盟とシェアハウス 専用ポータルサイト「シェアシェア」の共同により、アンケート調査を実施した。 ● 実施にあたり、本連盟から、本連盟会員(25 社)へ協力依頼を行ったほか、本連盟及びシェア シェアから非会員事業者へ調査協力を依頼し、計 63 社から回答を得た。 (4)シェアハウス入居者に対するアンケート調査 ● 2013 年 11 月 20 日~30 日にかけて、日本シェアハウス・ゲストハウス連盟会員が運営するシェ アハウスに概ね1ヶ月以上入居している入居者に対するアンケート調査を実施した。調査票は物 件管理者が配布・回収し、261 名から回答を得た。 なお、集計するにあたり対象とする「シェアハウス」は日本シェアハウス・ゲストハウス連盟の定義に 則り、「最短の契約期間を 1 ヶ月以上とする、中~長期型滞在向け賃貸物件であること」とする。旅行者 を対象とする短期宿泊施設(ゲストハウス)は含まれない。 ※集計協力:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 1 2. わが国のシェアハウス市場 (1)シェアハウスの立地状況 ・2013 年8月末現在、全国におけるシェアハウス運営事業者は 598 社にのぼる(日本シェアハウス・ゲ ストハウス連盟調べ)。 ・首都圏、特に東京都内、なかでも 23 区内に全国物件数の大半が供給されている。 図表 1 全国におけるシェアハウス物件の立地状況(2013 年8月末現在) 10件以下 11~50件 51~100件 101~200件 201件以上 1,000件以上 全国2,744件のうち、4分の3 (2,057件)が東京都内に立地。 東京都内の物件のうち9割以上 (1,932件)が23区内に集中。 ※2013年8月末現在 東京都 注)日本シェアハウス・ゲストハウス連盟調べ。 東京 2057 茨城県 2 石川県 1 滋賀県 1 岡山県 2 佐賀県 1 北海道 10 栃木県 2 福井県 0 京都府 37 広島県 4 長崎県 0 青森県 岩手県 0 群馬県 1 山梨県 1 大阪府 97 山口県 1 熊本県 1 宮城県 秋田県 1 4 埼玉県 129 長野県 3 兵庫県 18 徳島県 1 大分県 1 千葉県 65 岐阜県 1 奈良県 0 香川県 1 宮崎県 0 2 0 神奈川県 244 静岡県 2 和歌山県 0 愛媛県 1 鹿児島県 1 山形県 福島県 2 新潟県 0 富山県 6 愛知県 31 鳥取県 0 高知県 1 沖縄県 1 5 三重県 2 島根県 0 福岡県 6 【解説】 10 年ほど前まではほぼ首都圏中心、それ以外では大阪にいくつか存在するだけでしたが、「シェアハ ウス」という新しい居住形態が世間に浸透するにつれ、少しずつですが他の地域でも増加の傾向にあり ます。 東京を含む大都市はシェアハウスに入居する重要条件のひとつである「家賃を抑える」という効果が 大きいですが、それ以外の地方都市はそもそも(ワンルームのアパートなど)一人暮らし用の家賃が低 く、価格よりも「シェアハウス」という言葉から連想される「他の入居者と仲良く暮らせる」という部分で入 居者を惹き付けている面も大きいと思われます(実際、周囲のアパートなどよりも高い家賃設定のシェア ハウスもあります)。 (2)シェアハウス運営事業者の状況 《事業開始時期》 ・2006 年以降、新規参入する事業者が大幅に増加している。 図表 2 主なシェアハウス事業者数の推移 ( 1999年時点の事業者数を 1とした場合) 25 20 15 10 5 0 1999年 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 (年) 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 【解説】 マスコミで取り上げられること(ドラマや映画など含む)が多くなり、一般に「シェアハウス」という名前が 浸透すると同時に、様々な事業者が「今、若者に人気のシェアハウスは大きな利益を産む」とうたってセ ミナー等を開催し、投資家を呼び込んだ背景があります。 3 《事業参入のきっかけ》 ・シェアハウス事業の開始の動機として、投資等の新規事業とともに、空物件の有効利用や社会貢献 を挙げる事業者が多い。 図表 3 主なシェアハウス事業をスタートした動機(複数回答) (n=63) 0 0.1 マスコミ等報道でシェアハウスを知り、運営に興味を 持ったので 0.2 0.3 0.4 0.5 9.5% 新規事業として(投資を含む) 52.4% 知人・友人に勧められたから 4.8% 空物件の有効利用として 36.5% 社会貢献 25.4% その他 無回答 0.6 12.7% 0.0% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 《現在の稼働状況》 ・稼働率が 90%以上の事業者は全体の半数を超え、1割が 100%稼動している。 図表 4 主なシェアハウス事業者運営物件の現在の入居稼働状況 無回答 0.0% 守秘義務により未回答 4.8% 100% 11.1% (n=63) 1〜10% 1.6% 21〜30% 1.6% 11〜20% 1.6% 31〜40% 0.0% 41〜50% 1.6% 51〜60% 0.0% 61〜70% 6.3% 96〜99% 15.9% 71〜80% 9.5% 81〜90% 20.6% 91〜95% 25.4% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 4 《主な広告手段》 ・ほぼ全ての事業者がポータルサイトを活用するほか、自社サイトや Facebook により入居者を募集し ている。 図表 5 主なシェアハウス事業者の広告手段(複数回答) 0% 20% 40% 60% ポータルサイト 95.2% SEO 20.6% リスティング広告(Yahoo) 9.5% リスティング広告(Google) 17.5% Facebook 42.9% twitter 22.2% mixi 7.9% その他掲示板 19.0% 自社サイト 雑誌、新聞等の紙媒体 61.9% 3.2% 口コミ 19.0% 学校や企業からの紹介 15.9% その他 無回答 80% (n=63) 100% 6.3% 0.0% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 5 図表 6 主なシェアハウス事業者が利用しているシェアハウス専用のポータルサイト(複数選択可) (n=63) 0% 10% 20% 30% 40% 50% シェアシェア 70% 80% 58.7% ひつじ不動産 69.8% ゲストハウスバンク 42.9% eゲストハウス 39.7% TOKYOSHAREHOUSE 28.6% シェアパレード 9.5% シェア生活.com 39.7% 学シェア 11.1% 利用せず 3.2% その他 無回答 60% 9.5% 0.0% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 【解説】 以前は口コミや学校、外国人用の無料冊子、インターネットの掲示板に頼ることが多かったのです が、この数年はシェアハウス専用のポータルサイトの比重がとても大きくなっています(シェアハウス専 用のポータルサイトも毎年いくつか新しくオープンしています)。 ただし、ほとんどのシェアハウスが専用ポータルサイトに広告を出す中で、その差別化は難しく、「入 居希望者の取り合い」になっている感は否めません。 今後は、自社の物件の魅力や、入居にあたっての条件や留意点を入居希望者に分かりやすく伝え、 安心して入居してもらう環境を整える必要があるでしょう。 6 (3)シェアハウス入居希望者(問い合わせ時点)の特徴 ・シェアハウスポータルサイトへの問い合わせの3分の2が女性、6割が 20 歳代。 ・国籍別にみると日本人が8割超、アジア諸国が1割程度。 ・問い合わせのうち、会社員が3割弱、学生が1割強、パート・アルバイトが1割弱。 ・入居希望時期は、「物件を見たい」が6割強、「空室を知りたい」「今すぐ入居したい」が1割強。 《性別》 図表 7 シェアハウスポータルサイトへの問い合わせ者の男女比率 (n=5660) 男性 33.9% 女性 66.1% 注)同一人物による複数回の問い合わせ含む。 《年齢》 図表 8 シェアハウスポータルサイトへの問い合わせ者の年齢構成 50~59歳 1.6% (n=5660) 60歳以上 0.4% 20歳未満 5.3% 40~49歳 6.4% 30~39歳 22.5% 20~29歳 63.7% 注)同一人物による複数回の問い合わせ含む。 7 《国籍》 図表 9 シェアハウスポータルサイトへの問い合わせ者の国籍 フランス 0.1% イタリア 0.2% オセアニア 0.1% アメリカ・カナダ 0.4% その他アジア 1.4% ドイツ 0.1% その他ヨーロッパ 0.2% ブラジル 0.5% その他南米 0.1% アフリカ 0.2% その他・不明 0.4% (n=5660) 台湾 2.3% 中国・香港 4.2% 韓国 3.3% 日本 86.4% 注)同一人物による複数回の問い合わせ含む。 《職業》 図表 10 シェアハウスポータルサイトへの問い合わせ者の職業 (n=5660) 学生 12.7% 不詳 42.9% 会社員 28.9% その他 0.2% パート・アルバイト 7.7% 主婦 0.0% 無職 1.9% 専門職 1.5% 公務員 0.3% 自営業・自由業 3.7% 会社経営・役員 0.2% 注)同一人物による複数回の問い合わせ含む。 【解説】 シェアハウスは「地方から上京し職探しをする」(つまり入居希望の時点では無職)時の「とりあえずの 滞在先」になる場合も少なくありません。 8 《入居希望時期》 図表 11 シェアハウスポータルサイトへの問い合わせ者の問い合わせ理由 (n=5660) その他 7.0% 今すぐ入居したい 12.6% 空室を知りたい 15.7% 物件を見たい 64.7% 注)同一人物による複数回の問い合わせ含む。 9 (4)シェアハウス入居者の特徴 ・現入居者の男女比は、全事業者の4分の1が女性のみの一方、男女比が同程度(各 40~60%)は 全事業者の4割強を占める。 ・国籍別にみると、外国人が1~2割程度の事業者は全体の半数弱で、韓国人、アメリカ人、中国人が 多い。一方、入居者が日本人のみの事業者が全体の4分の1を占める。 ・入居理由としては、「初期費用が安いから」、「外国人や経歴の異なる人々と交流できそうだから」、 「家具・家電付きの物件だから」が多く、費用を抑えて入居できる点や入居者間の交流を期待し、シ ェアハウスへの入居を選択する傾向がみられる。 《性別》 図表 12 現在の入居者の男女比率 無回答 0.0% すべて女性 25.4% (n=63) すべて男性 1.6% 女性が1~3割 7.9% 女性が4~6割 46.0% 女性が7~9割 7.9% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づき、各事業者が運営する物件の全体的な傾向について 回答。 10 《国籍》 図表 13 総ベッド数に占める外国人入居者数の割合 80%程度 1.6% 90%程度 3.2% 100% 0.0% 70%程度 1.6% 60%程度 3.2% 無回答 0.0% 50%程度 6.3% 0% 25.4% (n=63) 40%程度 6.3% 30%程度 4.8% 20%程度 15.9% 10%程度 31.7% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づき、各事業者が運営する物件の全体的な傾向について 回答。 図表 14 入居している外国人の国籍 (複数選択可) 0% 10% 20% 30% 日本人のみ 40% 50% 28.6% 中国 41.3% 韓国 55.6% 台湾 39.7% アメリカ 47.6% イギリス 28.6% オーストラリア 27.0% ドイツ 27.0% フランス 36.5% スウェーデン 14.3% スペイン 9.5% インド 4.8% ブラジル 4.8% その他 無回答 (n=63) 60% 30.2% 0.0% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づき、各事業者が運営する物件の全体的な傾向について 回答。 11 《入居理由》 図表 15 シェアハウスに入居しようと考えた理由 (複数選択可) (n=261) 0% 10% 20% 30% 40% 他の人と暮らせることによる楽しさや安心感が得られそ うだから 50% 60% 39.5% 外国人や経歴の異なる人々と交流できそうだから 47.5% 友達を作りたいから 22.6% 家具・家電付きの物件だから 44.4% リビングやキッチンなどが充実しているから 24.5% 初期費用が安いから 48.7% 保証人が不要のため 31.8% 家賃が安いから 35.6% その他 6.1% 注)日本シェアハウス・ゲストハウス連盟会員が運営するシェアハウスに概ね1ヶ月以上入居している入居者に対する アンケート調査結果 12 3. シェアハウスの運営・管理の状況 (1)事業手法 《運営方法》 ・全事業者の6割強がサブリース方式を採用。4割強が業務受託方式と、物件を自己所有せずに運営 するケースが多い。 図表 1 シェアハウス物件の運営方法(複数選択可) 0% 10% 自己が所有している物件を自分で運営(自己運営) 30% 40% 50% (n=63) 60% 70% 38.1% 自分が所有している物件を業者に運営委託(業務委 託) 3.2% 他人が所有している物件を運営受託(業務受託) 44.4% 他人が所有している物件を一括賃貸して運営(サブリー ス) 63.5% その他 無回答 20% 3.2% 0.0% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 13 《物件のコンセプト》 ・シェアハウス事業や、個々のシェアハウス物件に対しコンセプトを有する事業者は全体の8割近くに 達する。 ・物件の内装についても、こだわりを持っている事業者が 6 割に達する。 図表 2 運営するシェアハウスのコンセプト設定 (n=63) その他 3.2% 無回答 0.0% 各シェアハウスごとに コンセプトがある 33.3% コンセプトはない 22.2% 一貫したシェアハウス 事業のコンセプトがある 41.3% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 図表 3 シェアハウス物件の内装へのこだわり (n=63) こだわっていない 25.4% 無回答 0.0% こだわって内装を行っ ている 61.9% 設計会社に一任してい る 12.7% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 14 《ターゲットとする入居者像》 ・全事業者の8割弱が社会人、6割が外国人をシェアハウスの運営上のターゲットとして重要視してい る。 図表 4 今後、シェアハウスを運営していく上でターゲットとして重要視する入居者層(複数回答) (n=63) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 社会人 80% 90% 76.2% 学生 33.3% シングルマザー 12.7% 高齢者 12.7% 外国人 58.7% 特になし 4.8% その他 0.0% 無回答 0.0% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 【解説】 「外国人と共同生活を送り、英語会話力を上達したい」と考える層は多く、外国人を顧客とすることで、 日本人入居希望者の集客アップにつながる面もあります。一方、近年では「外国人は文化の相違によっ て管理が難しい」という運営者も多く、「日本人のみ入居可能」という物件もあります。 《重要視する部屋のタイプ》 ・全事業者の9割以上が、部屋タイプとして個室を重要視している。 図表 5 今後、シェアハウスを運営していく上で重要視する部屋のタイプ(複数回答) (n=63) 0% 20% 40% 個室 80% 100% 92.1% ドミトリー 14.3% 小型個室 7.9% 大型個室(複数入居可能) 特になし 60% 9.5% 3.2% その他 0.0% 無回答 0.0% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 15 (2)入居マネジメント 《入居時の契約形態》 ・入居時の契約として、定期借家契約が全事業者の8割以上に達し、1~6ヶ月、6ヶ月~1年未満が それぞれ3割程度を占める。 図表 6 入居時の契約形態(運営事業者ごとの全体的な傾向) マンスリー契約 0.0% (n=63) その他 1.6% 無回答 0.0% 普通賃貸借契約 14.3% 定期借家契約(1年以 上) 12.7% 定期借家契約(1ヶ月 未満) 6.3% 定期借家契約(6ヶ月 以上1年未満) 31.7% 定期借家契約(1ヶ月 以上6ヶ月未満) 33.3% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 《入居者の審査》 ・」全事業者の半数以上が居者の年齢を制限し、8割以上が入居審査を実施。主に内覧時等の面談・ 面接や本人確認書類の提示により行われている。 ・全事業者の6割強が入居拒否を行うことがあるとしており、具体的な理由としては、「コミュニケーショ ン能力に問題がある」、「既存の入居者との性格的な相性があわない」、「入居期間が短い」、「高齢 のため」が多くなっている。 図表 7 入居者の年齢制限 (n=63) 無回答 0.0% なし 47.6% あり 52.4% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 16 図表 8 入居審査の有無 (n=63) 状況による 12.7% 無回答 0.0% 無い 1.6% 有る 85.7% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 図表 9 入居審査の項目(複数回答) (n=63) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 面接(内覧時に面談) 礼金の徴収 81.0% 4.8% 本人確認書類(住民票や運転免許証等)の提示 履歴書提出 77.8% 0.0% 連帯保証人又は保証会社の利用要求 その他 無回答 17.5% 3.2% 9.5% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 図表 10 入居拒否の有無 (n=63) 無回答 0.0% 状況による 34.9% する 63.5% しない 1.6% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 17 図表 11 入居拒否の具体的な理由(複数回答) (n=51) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 職に就いていない 保証会社の審査が通らない 13.7% 3.9% コミュニケーション能力に問題がある 84.3% 既存の入居者との性格的な相性があわない 54.9% 賃料の支払能力がない 37.3% 入居期間が短い 入居期間が長い 52.9% 0.0% 若年層のため 19.6% 高齢のため 52.9% その他 無回答 5.9% 0.0% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 【解説】 「共同生活」ということを考えれば、他に住んでいる住人の安心や安全を守るためにも、入居時の審査 は必須であり、運営者、入居者お互いのためにも、可能であれば面接を兼ねた内覧を行った方が良いと 思われます。 18 (3)入居後の管理 《入居者とのコミュニケーション》 ・全事業者の半数弱がシェアハウス内でのイベントを積極的に開催するほか、ほぼすべての事業者 が何らかの形で入居者とのコミュニケーションを取っている。 図表 12 運営事業者が主催するシェアハウス内のイベント(パーティ等)の開催状況 (n=63) その他 3.2% 開催しない 3.2% 入居者の自主開催に 任せる(イベントに関し て貴社は携わらない) 27.0% 無回答 0.0% 主体となり積極的に開 催する 47.6% 入居者からの要望があ れば開催する 19.0% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 図表 13 入居者とのコミュニケーションのとり方 無回答 0.0% ほとんど取っていない 3.2% 取らない 1.6% 適度な関係でコミュニ ケーションを取っている 68.3% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 19 (n=63) 積極的にコミュニケー ションを取っている 27.0% 《入居にあたってのルール》 ・全事業者の半数がシェアハウス内でのルールを定めて管理を徹底する一方、入居者との話し合い で随時変更する事業者も4割強を占める。 図表 14 ハウス内のルール(運営事業者ごとの全体的な傾向) これといった運営方法 はない 1.6% (n=63) その他 0.0% 無回答 0.0% 基本的なルールは決め ているが入居者との話 し合いで随時変更をし ている 42.9% ハウスルール等を決 め、徹底管理した運営 をしている 50.8% 入居者にルールは任せ た運営をしている 4.8% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 20 (4)物件の管理 《共用施設》 ・すべての事業者が入居者共用のスペースを設けており、全体の4分の3で物件規模に合わせて設 置している。また、共同キッチンも全事業者が設置している。 図表 15 リビングスペース(ラウンジ)の整備(運営事業者ごとの全体的な傾向) (n=63) 無回答 0.0% 用意せず(ない) 0.0% 大型なものを用意する 22.2% 小型なものを用意する 3.2% ハウスの大きさに合わ せて用意している 74.6% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 【解説】 従来、「住人間の交流」はシェアハウスの重要な部分でしたが、昨今では「共用スペース」を提供して いないハウスも存在します。これらを「シェアハウス」と称していいものかどうか、これから議論されるべき でしょう。 21 (5)入居者の生活状況 《入居者の人間関係》 ・シェアハウス入居者にとって、同居している入居者の存在は、「友人」が 3 割以上を占め、「家族ほど ではないが、普通の友人よりは親しい存在」、「家族と同様の存在」と合わせると、7割近くの回答者 が、入居者と友人以上の関係を構築している様子がうかがえる。 ・実際にシェアハウスに入居して満足している点として、「他の人と暮らすことによる楽しさや安心感が 得られた」、「外国人や経歴の異なる人々と交流できる」が半数を超えている。 ・また、入居理由(図表 15)と実際に入居して満足している点を比較すると、「友達を作りたいから」 (22.6%)から「友達を作ることができた」(39.8%)のほか、「リビングやキッチンなどが充実している から」(24.5%)から「リビングやキッチンなどが充実していること」(32.2%)へと回答割合が上昇して いる。このことからも、入居者が、一定期間の入居を通じて、共同生活による親密な人間関係の構 築や、共用設備・施設の充実といったシェアハウスの魅力を実感できていると考えられる。 図表 16 シェアハウス入居者にとっての同居者との人間関係 その他 1.5% 全くの他人 6.9% 友人ほど親しくはない が、顔見知り程度の存 在 23.4% (n=261) 家族と同様の存在 8.0% 家族ほどではないが、 普通の友人よりは親し い存在 24.9% 友人 35.2% 注)日本シェアハウス・ゲストハウス連盟会員が運営するシェアハウスに概ね1ヶ月以上入居している入居者に対する アンケート調査結果 【解説】 昨今の「違法貸しルーム問題」の中で、「民間が運営するシェアハウスは、隣に誰が住んでいるかよく 分からない場合もあり、もしものときに声を掛けあうかどうかは疑問で、安全基準を高める必要がある」 という論調がありますが、これらのアンケート結果から、実際に住んでいる人たちにとってシェアハウス の中では「ただの隣人」よりもお互いの結びつきが強いことを示しています。 22 《シェアハウスに満足している点》 図表 17 シェアハウスに入居しようと考えた理由 (複数選択可)【再掲】 (n=261) 0% 10% 20% 30% 40% 他の人と暮らせることによる楽しさや安心感が得られそ うだから 50% 60% 39.5% 外国人や経歴の異なる人々と交流できそうだから 47.5% 友達を作りたいから 22.6% 家具・家電付きの物件だから 44.4% リビングやキッチンなどが充実しているから 24.5% 初期費用が安いから 48.7% 保証人が不要のため 31.8% 家賃が安いから 35.6% その他 6.1% 注)日本シェアハウス・ゲストハウス連盟会員が運営するシェアハウスに概ね1ヶ月以上入居している入居者に対する アンケート調査結果 図表 18 シェアハウスに実際に住んでみて満足している点(複数回答) (n=261) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 他の人と暮らすことによる楽しさや安心感が得られた 51.0% 外国人や経歴の異なる人々と交流できる 51.0% 友達を作ることができた 39.8% 家具・家電付きであること 44.8% リビングやキッチンなどが充実していること 32.2% 初期費用が安かったこと 49.4% 保証人が不要だったこと 30.3% 家賃が安かったこと その他 60% 33.0% 4.6% 注)日本シェアハウス・ゲストハウス連盟会員が運営するシェアハウスに概ね1ヶ月以上入居している入居者に対するアン ケート調査結果 23 (6)運営上のトラブル 《入居後のトラブル》 ・シェアハウス内でたまにトラブルが起きると回答した事業者は全体の4分の3を占める。 ・このうち、「入居者間または管理側との人間関係」、「掃除、ゴミの問題」を挙げる事業者がそれぞれ 全体の5割。「家賃の滞納」や「鍵の紛失」も3割を超える。 図表 19 シェアハウス内のトラブル(運営事業者ごとの全体的な傾向) 無回答 0.0% (n=63) 頻繁にトラブルが起き る 0.0% 起きない 23.8% たまにトラブルが起きる 76.2% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 図表 20 シェアハウス内のトラブル内容(複数回答) (n=47) 0% 10% 20% 30% 40% 家賃の滞納 36.2% 近隣との揉め事 23.4% 入居者間または管理側との人間関係 退去時(契約の終了時) 51.1% 2.1% 設備品の故障、破損 21.3% 鍵の紛失 31.9% 盗難 8.5% 害虫・害獣 25.5% 外部の人間の無断宿泊 25.5% 掃除、ゴミの問題 特にない 48.9% 2.1% その他 無回答 50% 8.5% 0.0% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 24 60% 《物件の閉鎖》 ・過去に閉鎖した物件があると回答した事業者は全体の4割弱。 図表 21 過去に閉鎖した物件の有無 今後予定をしている 1.6% (n=63) 無回答 0.0% ある 36.5% ない 61.9% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 (7)今後のシェアハウス事業の見通し 《今後の事業展開》 図表 22 自社のシェアハウス事業の展開の方向性 完全撤退したい 0.0% 縮小したい 1.6% 無回答 0.0% (n=63) 積極的に拡大していき たい 19.0% 現状維持 23.8% よい物件があれば拡大 していきたい 55.6% 注)シェアハウス運営事業者アンケート回答(計 63 社)に基づく。 【解説】 このアンケートは 2013 年 9 月 6 日の国土交通省通知前のものであり、「シェアハウスは建築基準法の 寄宿舎の用途に該当する」とされた以降は各社の展開も大幅に変更されている可能性があります。 25
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