補足9 半無限平板上の境界層に対する積分プロフィル法 解くべき 方程式 第2項にy成分の速度 v y が入っており,まともに解く方法はかなり面倒で,実際不可能! ∂v x ∂v x ∂ 2v x vx + vy = ν 2 ∂x ∂y ∂y vx vy しかし,対象としている系では や の変化は平板近傍に限定されていると考えるこ とができる。ここが要点で,境界層を導入できる拠り所になっている。 € では境界層を設定しよう(速度に対する境界層) バルク 境界層は定常であるがδが V € x の関数となっている vy V € x =0 € € 境界層 vx δv (x) 半無限平板 € 境界層内の変数の変化,この v x の変化 0 → V x を正規化して φ (= v / V ) の v x 場合は流速 変化が € 0 →1 € € xの微分は合成関数 の微分を適用して v x = Vφ v € € 3 1 3 φ v = ηv − ηv 2 2 vx V φv = 1 φv = δv (x) ηv = 0 を使う。 € € φv = 0 € € € € φv は ηv の関数で,ηv は y と δv の関数で,さらに δv は x の関数 € ! $ ∂vx ∂φ (η ) dφ (η ) ∂ηv dδv y dδ € ! η $ dδ =V v v =V v v = V φv ' # − 2 & v = V φv ' # − v & v ∂x ∂x dηv ∂δv dx " δv % dx " δv % dx ∂2 v x ∂φv ' ∂φv ' ∂€ ηv 1 1 = V = V = V φv '' 2 2 ∂y ∂y ∂ηv ∂y δv δv ∂vx ∂φ (η ) ∂φ (η ) ∂ηv 1 =V v v =V v v = V φv ' ∂y ∂y ∂ηv ∂y δv 同様にyの微分も y δv ηv = 1 ηv = プロフィールの決定 となるので 解くべき微分方程式の各構成要素を書き下す。 € € まず,定義より € ここで dφv = φv ' dηv dφv ' = φv '' dηv v y はどうするのか? に関する方程式を持ち出すのか? それでは複雑になるばかりで,ここでは連続の式を使う。 vy v x を代入して 境界層は薄く変数が分離 上の vy = 0 なので y では =0 連続の式(2成分) できるとして ηv η y # ∂v ∂vy ∂vx ηˆ dδ dδ v ∂v ∂v & ∂v dvy = ∫ V φv ' v v dy = V v ∫ ηˆvφv 'dηˆv + =0 % y =− x( v y = − ∫ x dy dvy = − x dy δv dx dx 0 ∂y ∂x ∂x ' € $ ∂y ∂x 0 0 ∂x € ηv 1 dδv ηv ν V 元の方程式 2 2 1 dδ v ˆ ˆ ˆ ˆ V − η φ φ '+V φ ' η φ 'd η = ν φ '' − η φ φ '+ φ ' η φ 'd η dx v v v v ∫ v v v v v v v ∫ v v v (δ v dδ v ) = φ v '' 2 v に代入 V δv δv dx δv dx 0 0 € この段階では変数は分離できているものの,y方向(境界層の厚さ方向)に変数は分布しており,偏微分方程式が複雑なこ とになっている。境界層が薄いということで,yすなわちηに関する関数(分離されている)だけを, 境界層にわたり ( 0 → y → δv , 0 → η v 定積分することにより,y方向への分布(y方向に変化しているはずの分)を定数とすることができる。 € € →1 ) これが積分プロフィール法の特徴,偏微分方程式を近似的に解く方法の1つとして修得するべき! 1 # 1 ηv & ν 1 % ∫ φv ' ∫ ηˆvφv ' dηˆv dηv − ∫ ηvφvφv 'dηv ( (δv dδv ) = ∫ φv ''dηv dx V 0 $0 ' 0 0 プロフィールを代入し て定積分値を求める 定積分なのでそれぞれ を定数としてまとめる ( B − A) (δv dδv ) = δに関する単純な微分方程式 1 1 ν Cdx V 31 3# 4 1 & 9 A = ∫ ηvφvφv 'dηv = ∫ ηv2 (3− ηv2 )(1− ηv2 )dηv = %ηv3 − ηv5 + ηv7 ( = 40 4$ 5 7 '0 35 0 1 ηv 1 " 1 % 3 9 1 9 )2 3 1 , 33 B = ∫ $φv ' ∫ ηˆvφv 'dηˆv 'dηv = ∫ φv ' ηv2 (2 − ηv2 )dηv = ∫ ηv2 (2 − 3ηv2 + ηv4 )dηv = + ηv3 − ηv5 + ηv7 . = 8 16 0 16 * 3 5 7 -0 280 & 0 # 0 0 1 2 δv = € V 0 2C νx B− A V 最初の問題設定に戻って バルク € V ! 3 2$ 3 ηv & = − 2 %0 2 ∫ (−3ηv )dηv = #"− δv = x € δv −1/ 2 = 4.64Rex x ! ν$ δv = # 4.64 & x V% " Rex = Vx ν vx vy プロフィールを使って と の分布を描く 冒頭で描いていた境界層の厚さの変化はお およそ正解で,境界層理論ではx平板先端 からの距離のルートに比例することがわ € かった。 δv (x) 境界層 2C νx 280 νx = B− A V 13 V 1" € € η 0 δの微分方程式 を積分して 1 1 C = ∫ φv ''dηv = € 0.5" 半無限平板 € € 0" 0" € 0.5" v/V 1" イメージとしては 流れが平板によっ て上下に分かれて 広がってゆくが全 体の流れに押され てある程度までし か広がらないとい う状況
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