工業力学
11回
12月3日
小テスト
落口の高さh=100m,幅b=2m,深さa=0.8m で,水の
速さv=6m/sの滝の水のエネルギーを機械効率hを
40%で利用できればいくらの動力Pが得られるか.
ただしg=9.80m/s2, 水の密度rは自分で考える.
落口の高さh=100m,幅b=2m,深さa=0.8m で,水の速さv=6m/sの
滝の水のエネルギーを機械効率hを40%で利用できればいくらの動力Pが
得られるか.ただしg=9.80m/s2, 水の密度rは自分で考える.
1秒間当たりの水の質量m (kg/s) は密度をrとすると
m  r V  r  a  b  v
①
1秒間当たりの水の質量m (kg/s)がhだけ落下するので
位置エネルギーUp (J/s)は
U P  mgh  rabvhg
②
したがって得られる動力Pは
P  hU P  rhabvhg  37632  103 (J/s)
 37600kW
③
運動量と力積
v0
t秒後
v
F=ma
m
質量mの物体がv0の速度で運動しているとき,その物体に
一定の力Fを時間tだけ働かせて速度vにさせる場合
v  v0
a
t
 v  v0  1
F  ma  m
  (mv  mv 0 )
 t  t
 Ft  mv  mv 0
運動量mv:運動の激しさを表す量 kgm/s
力積 Ft :Ns=kgm/s2×s= kgm/s
運動量の変化はその間に作用した力積に等しい
例題:質量m=500kgの錘を落として,くいを打ち込むとき,
錘がくいに当るときの速度v=10m/sで,当たって静止するまで
t=0.4秒かかった.くいの受けた力Fを求めよ
Ft  mv  mv 0
ここでv0  10m/s, v  0, m  500kg, t  0.4 s
 0.4F  500  (10)
F  12500(N)
くいは反作用として, 進行方向に12.5kNの力を受ける
角運動量と角力積
慣性モーメントIの物体がw0 の速度で運動しているとき,その物
体に一定のトルクTを時間tだけ働かせて角速度をwにさせる場合
w0
w
t秒後
w  w0
a
t
 w  w0  1
T  Ia  I 
  ( Iw  Iw0 )
 t  t
 Tt  Iw  Iw0
T=Ia
角運動量Iw:回転運動の激しさを表す量
角力積 Tt
kgm2/s
:Nms=kgm/s2×m×s= kgm2/s
注意:単位は運動量,力積とは異なる
角運動量の変化はその間に作用した角力積に等しい
例題:n=300rpmで回転しているはずみ車に一定のトルクT を
与えてt=30秒間に停止させるにはいくらのトルクが必要か.
ただしはずみ車の慣性モーメントはI=150kg・m2とする.
Tt  Iw  Iw0
2
ここでw0 
 300  10
60
w  0, I  150kgm2 , t  30 s
 30T  150  (10)
 T  157(Nm)
回転方向と反対方向に157Nmのトルクを加える
運動量保存の法則
vA
mA
接触前
vB
t秒間
vA’
vB ’
mB
+F -F
mA
mB
mA
mB
接触後
接触
接触時に物体Aが物体Bにt秒間力+Fを加え,接触後速度はvA’, vB’に
変化する.一方Bは反作用としてAにt秒間力-Fを加えたことになる
物体A: Ft  m Av A  m Av A
'
物体B: Ft  m B v B  m B v B
両式を加えると
'
'
m Av A  m Av A  m B v B  m B v B  0
接触前後で分離整理すると
'
'
m Av A  m B v B  m Av A  m B v B
'
二つの物体が互いに力を作用しあって速度が変化しても
二つの物体の運動量の和は接触の前後で変化しない
⇒運動量保存の法則
例 題 : 質 量 m1=400kg の 鎚 を 高 さ h=5m か ら 落 と し て , 質 量
m2=150kgのくいをs=0.2mだけ打ち込んだ.地面の抵抗力Fを
求めよ.
m1
h
v1
v’m2
s
F
鎚がくいに当たる瞬間 の速度v1は
1
2
m1 gh  m1v1  v1  2 gh  10 g
2
鎚はくいに当たった後 ,くいと一体となって 進むので
そのときの速度を v’とすれば,運動量の変化はないので
m1
(m1  m 2 )v '  m1v1  v ' 
2 gh  7.2m/s
m1  m 2
v’がs  0.2m だけ進む間に速度 0になるのだから, 加速度aは
2
0  v '2
m1 gh
a 

2s
s (m1  m 2 ) 2
したがってこの加速度を生じさせる力 Fは
2
m1 gh
F  (m1  m 2 )a  
 71.3kN
(m1  m 2 ) s
IA
IB
角運動量保存の法則
接触前
wA
wB
接触時に物体Aが物体Bにt秒間トルク
+Tを加え,一方Bは反作用としてAにt
秒間トルク-Tを加えたことになる
物体A: Tt  I Aw A  I Aw A
-T
'
物体B: Tt  I B w B  I B w B
両式を加えると
t秒間接触 I w '  I w  I w '  I w  0
A A
A A
B B
B B
接触前後で分離整理すると
'
'
I Aw A  I B w B  I Aw A  I B w B
'
+T
wA’
wB’
接触後
分離
回転運動に関しても
並進運動と同様に
角運動量保存の法則が成立
例題:静止している円板Aに,角速度wBで回転している円板B
がクラッチで連結された.連結後の両円板の角速度wを求めよ.
また連結により失われたエネルギーUを求めよ.
ただし円板A,Bの慣性モーメントはIA,IBとする.
A
wB 連結前の角運動量と連結後の角運動量は等しいので
B
w
IB
I B w B  ( I A  I B )w  w 
wB
I A  IB
つぎに連結前の運動エ ネルギーU Iは
1
2
U I  I B w B
2
連結後の運動エネルギーU IIは
1
U II  ( I A  I B )w 2
2
よってU I  U II  Uより
2


1
1
I
2
B
U  I B w B  ( I A  I B )
w B 
2
2
 I A  IB

1 I AIB
2

wB
2 I A  IB
演習
・p.147 問題11,p.148 問題16
・静止している質量m1=80kgのボートから体重m2=50kgの人が水平に
v=2m/sで水に飛び込んだとき,ボートはどんな運動をするのか.