ソリューションブリーフ「人間vs.コンピュータ」

ソリューションブリーフ
Muse Invent
人間 vs. コンピュータ
Muse Inventでは、リード化合物が同定および最適化されると同時に、
化合物の妥当な合成経路が提案されます。
製品の特徴
• Muse Invent は、Muse に合成
化学の概念を統合させることに
よって新しい価値を付加した、
サターラ社の提供する、最先端
の分子設計ソフトウェアソリュ
ーションです。
• Muse Invent では、生成され
た化合物デザインに対し、「仮
想」の合成経路が提案されま
す。
創薬研究チームは、コンピュータを利用した医薬品設計(computer aided drug design;
CADD)と医薬品化学研究室における現実との間に存在するギャップのために、プロジェ
クトにおいて課題に直面することが、よくあります。CADD研究者が有望と思われる化合
物デザインを同定しても、医薬品化学者にとって合成不可能なデザインであることが後
に明らかとなる事例が、頻繁に見られます。
サターラ社(Certara®)の提供する Muse® Invent® は、CADDに合成化学を融合させる
ことによってCADDと合成化学的検討の同時実施を可能にした、初の市販ソフトウェアで
す。この製品の最大の特長は、新規の構造、スキャフォールドもしくは側鎖を持つ医薬
品化合物候補の作成を支援するだけでなく、その化合物の合成の可否を判定し、合成経
路も提案することです。
• 化学者は、Muse Invent の提案
する合成経路を「妥当性が高
Muse Invent では、分子進化過程を通じて化合物デザインを作成することができます。
い」と評価しており、現実的か
この手法では、スコアが最適化され、かつ、設計基準も満たされるように、化合物デザ
つ研究室での成功確率の高い提
インを進化させます。さらに、Muse Inventに備わっているSynthesis Mode機能では、
案であると感じています。
• サターラ社による比較実験で
は、化学者は、Muse Inventの
仮想の合成反応を検討することができます。その結果、提示される全ての化合物デザイ
ンに仮想の合成経路が含まれるため、合成の実現可能性を評価することができます。
提案する仮想の合成経路と文献
で提唱された合成経路とを区別
することができませんでした。
化学者は人間の知見とコンピュータによる予測とを区別できる
か?
化学者は、「現実」の合成化学スキームと「仮想」の合成化学スキームとを区別する
ことができるでしょうか? Muse Invent は、2014年の米国化学会年会に出展されまし
た。この学会で我々は、有望と考えられる医薬品候補の合成経路が示された4種類の反応
スキームを、13名の化学者に提示しました。そして、各反応スキームについて、その出
処が文献もしくはMuse Inventのいずれであるかを化学者に回答してもらいました。その
結果、以下のような結果が得られました。
• 文献から引用された「現実」の反応スキームを現実のものとして正しく回答することが
できたのは、調査対象となった化学者の38%でした。この正答率は、ランダムに回答
する場合よりも低いと考えられます。
• Muse Inventから得られた「仮想」の反応スキームを仮想のものとして正しく回答する
ことができたのは、59%でした。この割合は、ランダムに回答した場合よりもやや高
い正答率でした。
• 4種類の化学スキームの出処を全て正答できた化学者は、13名中1名のみでした。
以上の評価実験の結果をまとめると、化学者はMuse Inventから得られた仮想の合成化学
と文献を参照した現実の合成化学とを適切に区別できないという結論になります。
Muse Inventの仮想合成経路の妥当性は高い評価を得ています
サターラ社の研究者は、ある大手化学企業の化学者グループに対し、Muse Invent のデ
モンストレーションを行いました。化学者らは、この強力かつ操作性の高い分子モデリ
ングソリューションに非常に高い関心を示しました。この化学者グループからは、Muse
Invent に対して以下のようなコメントが寄せられました。
• 「Muse Invent の、2個の反応体を結合させる反応を実行できる点や、1つの操作で環
状構造を作成できる点が気に入りました。Muse Inventでは、数多くの複雑な化学構造
を迅速に構築できます。」
• 「化合物デザインの段階で合成経路が提案されることは素晴らしいことです。たとえ予
想していた合成経路とは異なる合成経路が提案されたとしても、反応スキームを確認で
きることや、複数の合成経路が提案されることは素晴らしいことです。」
• 「Muse Invent から得られる反応スキームの実現可能性の高さを、強く確信していま
す。」
このように、Muse Inventの提案する仮想合成経路については、妥当性が高く、研究室に
おける実現可能性が高いという評価が、熟練の化学者らから得られました。さら
に、Muse Inventの提案する仮想合成経路の実現可能性を、「現実」の化学と比較して相
対的に定量化するために、上述の化学者グループに対し、以下の条件で18種の合成経路
を評価することを依頼しました。
• 18種中10種の合成経路は、Muse Invent が提案した一連の合成経路から選択されまし
た。
• 残りの8種は、文献にて報告されている、既知の薬物の合成経路から選択されました。
• 評価スケールは1~10に設定しました。
• 1 = この合成スキームを、どのように修正しても、研究室での合成は実現しない
• 10 = この合成スキームは、ほぼ(全く)修正しなくても実施可能である
どのような評価結果が得られたと思いますか? 文献から引用された化学反応経路に対す
るスコアの平均値が8.2で標準偏差が1.6だったのに対し、仮想化学反応経路に対するス
コアの平均値は7.5(標準偏差=2.0)でした。
Muse Inventをインスピレーションの源に
サターラ社のMuse Inventは、組織内で現在使用されているCADDソフトウェアソリュー
ションの活用を強化し、より効果的な予測モデルを構築し、より多くの化合物デザインを
考案することを可能にします。Muse Inventは、合成の可否を判定すると同時に、リード
化合物を同定および最適化することによって、研究室において合成可能な物質という現実
世界の制約と、in silicoにおける医薬品設計との間にあるギャップを橋渡しします。
詳細については、以下の連絡先までお問い合わせください。
サターラ合同会社
Eメール: [email protected]
ウェブサイト: www.certara.com / www.certara.co.jp
© Copyright Certara 2014
Produced in the United States of America
September 2014
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SB0914-US-01