要旨 北海道大学では、URA職の創設に向けてワーキンググループを設置して検討を進めている。ワーキンググループは総務・ 人事関係および研究支援業務担当の事務系職員を中心に、URAや運営部局の管理職、総長補佐などで構成され、URAの実 際の業務内容を元に事務的な手続きや規則に照らした形でURA職創設の検討を行っている。これらの議論の過程を検証す ることで、大学に新たな「職」としてURAを創設する際に必要な情報や課題について考察する。 1.URA職創設検討ワーキンググループ(WG) (任務) 北海道大学URA職創設検討 ワーキンググループ WGは、本学において、研 究者とともに研究活動の企 画・マネジメント及び研究 成果活用促進を行う専門 職としてのリサーチ・アドミ ニストレーター職(URA職) を創設するに当たり必要な 事項について検討を行い、 その検討結果を大学力強 化推進本部長に報告する ことを任務とする。 創成研究機構 URAステーション長 研究推進部 研究振興企画課課長補佐 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 創成研究機構 URAステーション特任教授・シニアURA 11 創成研究機構 副機構長 総務企画部 部長 研究推進部 部長 国際本部 副本部長 総務企画部 人事課長 研究推進部 研究振興企画課長 研究推進部 外部資金戦略課長 総務企画部 人事課課長補佐 検討事項 機能・役割・職務内容(学内における位置づけ・他職種との差別化等) 選考基準(必要な能力・資格等)・選考方法 組織体制(所属・指揮系統・他部署との連携等) 職階・キャリアパス 人事異動 規模・人員(本部・部局) 人件費(定員・教員ポイント・外部資金等) 給与体系(俸給表・年棒制) 労働時間(定時勤務・裁量労働制) 勤務評定・評定結果の活用 (給与等処遇への反映・任期更新・任期なしへの移行等) 教育・人材育成(研修) 2.WGのスケジュールと議題 WG 摘要 議論のポイント 第1回WG 検討事項の確認、検討事項の重要度・作業量を勘案し作 業スケジュール・分担を決定 学内におけるURAの位置づけ・他職種との差別化 ⇒URAステーションで実際に行っている業務の洗い出し 第2回WG 機能・役割・職務内容の報告、議論、決定 文部科学省のURAスキル標準資料に記載のURA業務と北大URAの業務との対応関係の整理 ⇒北大本部URAの職務内容の整理 第3回WG 機能・役割・職務内容の報告、議論、決定 既存の職群・職群分類基準との関係性の整理 ⇒既存の職群(学術専門職等)に組み込むか、新たな職群として整理するか 第4回WG 選考基準・選考方法の報告、議論、決定 職階ごとに求められる業務経験・能力等の整理 採用条件と業務経験・能力との関係整理 第5回WG 組織体制、職階・キャリアパス、人事異動 任期付与のルール(内部昇任・公募・流動性確保との関係性等) 選考方針(内部昇任・公募・その他)の決定方法 第6回WG 組織体制、職階・キャリアパス、人事異動 規模・人員、給与体系(俸給表・年棒制) 任期付与時とテニュア付与後の処遇(年棒制・俸給表との関係性等) 定年年齢の設定 第7回WG 組織体制、職階・キャリアパス、人事異動 規模・人員、給与体系(俸給表・年棒制) 労働時間(定時勤務または裁量労働制) シニアURA(教授相当)、主任URA(准教授相当)、URA(助教相当) 各職階の人数構成、配置換・昇任・職種間異動・学外との交流等の整理 職務内容と勤務体系の整合性・法律的な解釈との整合性・他の勤務体系適用の可能性検討 第8回WG 人件費 勤務評定・評定結果の活用 俸給表の選択(教育職または一般職)・基本給表と年俸制 全学共通の勤務評定へのURA業務・能力の対応関係の整理・URAステーション独自の評価方法 テニュア審査の評価方法 研修制度について・長期研修(学内出向・学外出向)について 本部URAの業務 呼称の付与・年俸制導入・労働時間の特例の導入・選考基準 第9回WG 教育・人材育成 WG検討結果の取りまとめ 大学力強化推進本部からの諮問事項 3.今後の検討課題 4.考察 1. URAと類似の業務を行う既存の職種との整理分類 2. URA職の円滑な業務遂行に資する呼称の付与 3. 厳正な評価制度によるインセンティブの付与 1. URA職創設の実務を担当する事務の方々にURA職の勤務実態と職務内容を丁寧に 説明し理解してもらう事が重要⇒その他の検討事項の全ての根拠となる。 2. 一方で、事務手続き上難しいと思われる案件(法律・労使関係)については慎重にな る傾向があるため、事務職員だけではなく、教員等他の立場からの意見も重要。 3. その結果、北大独自のURA職創設に係る基本方針案が示された。 URA職の創設は果たしてどうなるのか!結果は半年後!お楽しみに!
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