2014 (医)慶実会研修会 摂食に関する解剖用語 1 摂食嚥下に関する基礎知識 摂食嚥下障害の 検査方法 喉頭蓋 梨状陥凹 喉頭蓋 昭和大学歯学部スペシャルニーズ口腔医学講座 口腔衛生学部門 上方から見た図 大岡 貴史 後方から見た図 1 摂食に関する解剖用語 1 摂食嚥下に関する基礎知識 2 3 1 VEで観察した咽頭の様子 摂食嚥下障害への対応 1 摂食嚥下に関する基礎知識 後 貯留した液状食品 声帯 口腔内診査:歯列咬合、口唇・舌の可動域、異常運動、麻痺部位 口腔乾燥、口腔衛生状態 ↓ 臨床判断 一次スクリーニングテスト:RSST、頸部聴診、MWST(改訂水飲みテスト) 、 各種刺激による嚥下誘発テスト、咳の有無 ↓ 機能評価 食道入り口 (閉じている) 左 右 気管 喉頭蓋 1 摂食嚥下に関する基礎知識 医療面接:日常生活状態、食事量・時間・不快事項、介助状態 摂取食物内容、服薬、身長、体重、等 ↓ 一般診査:身体所見、全身状態、神経学的所見、意識障害程度、 ROM(頸部、顎関節)、姿勢(上肢、下肢、体幹)、 前 4 摂食嚥下機能の評価 精密検査・評価:VE 、VF、US ↓ 機能観察評価(摂食状況):摂食動作評価(食事前・中・後)、 口腔運動機能評価、パルスオキシメータ ↓診 断 口腔のケア:プロフェッショナルケア、ホームケア 歯科治療対応:機能援助装置(義歯、PAP等) 訓練指導対応:食環境、食内容、機能訓練(間接的訓練、直接的訓練) 嚥下検査の特徴 1 摂食嚥下に関する基礎知識 ①医療面接 主訴,ADL,嗜好, 本人や介護者の協力度など 咬合歯・顎位の安定性 舌や顎の異常運動 義歯の様子 口腔粘膜の過敏 口腔清掃状態 2内視鏡検査の特徴 VF VE 被曝・場所の制約 有 無 実際の摂食評価 不可 可 食物の特殊加工 必要 ほぼ不要 三次元的評価 不可 可 準備期・口腔期の評価 可 推測可 咽頭期の評価 可 可 食道期の評価 可 不可 誤嚥の評価 可 一部可 項 目 ③スクリーニング RSST,MWST 段階的FT VE / VF ②口腔内診査 5 ④摂食・嚥下の評価 テーブル・椅子(高さ,位置) 姿 勢;体幹の安定性,頸部の角度, 股関節の角度,膝関節の角度 摂食動作;口と手の協調性,巧緻性 食具と食器の形態 食物形態;固さ,大きさ,粘張性 6 7 2 内視鏡の視野① 内視鏡の視野② 2内視鏡検査の特徴 High position 2内視鏡検査の特徴 Low position ●軟口蓋 ●舌根部 ●咽頭~喉頭 ●喉頭・声門 ●梨状陥凹 8 内視鏡の適応 9 内視鏡の検査食 3検査の方法と判断基準 嚥下障害の疑いがあれば適応は広い (第一選択ではない) × 体動が多い・拒否強い(ケアも困難) × 鼻腔の器質的異常(経鼻経管は○) △ 食思不振 3検査の方法と判断基準 造影剤が不要で、普段の食事を使用できる × 赤みの強いもの × 透明な液体(唾液と識別困難) △ 付着性の強いもの(VEに張り付く) ◎ 青・緑のもの 10 11 3 内視鏡の評価事項 内視鏡の評価事項 3検査の方法と判断基準 3検査の方法と判断基準 ●食塊形成の確認 ●咽頭部(梨状陥凹・食道入口部)の残留 ●声門の異常(喉頭侵入) ●鼻咽腔閉鎖機能 ●形態異常 ●咽頭から喉頭の分泌物 →ケアが優先? 13 12 内視鏡の評価事項 終わりに 3検査の方法と判断基準 【嚥下前】 ●Stage II transport ●食塊形成の程度 ●喉頭侵入の有無 ●食塊形成の確認 ●反射惹起のタイミング 【嚥下後】 ●咽頭部の残留 ●喉頭侵入の有無 (誤嚥の推定) ●咳払いの確認 ●可能なら発声 14 ① 嚥下機能検査は「誤嚥発見」が目的では ありません。 ② 主訴→検査の必要性→実施→機能評価 対応(結果)は画一的にはなりません。 ③ 機能は変化するので再評価が重要 ④ 「不安定」は「嚥下の不安定」に ⑤ 口の清潔さは咽頭の清潔さ 15 4
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