ランダムな点から線分, 多角形までの最近隣距離のモーメント

2
5
総合都市研究特別号
1
9
8
9
ランダムな点から線分,
多角形までの最近隣距離のモーメント
l.はじめに
2
. 線分までの最近隣距離の確率密度関数
3
. モーメントの算出
4
. おわりに
古川
徹*
要 約
この論文の目的は,ある区域にいくつかのあらかじめ固定された線分や多角形があると
きに,ランダムな点からもよりの線分や多角形までの最短距離(最近隣距離)の確率密度
関数の高次モーメントを求めることである。このため,まず区域内に線分のボロノイ図を
生成し,そのボロノイ図を 4種類の単位領域に分解する。最近隣距離の確率密度関数はお
のおのの単位領域に対応する項の和であることが知られている。続いてこの各項の式をも
とにして,積分によってモーメントを求める。最後に境界の取り扱い方について触れる。
はじめに
メントは,公園配置計画の評価指標として使うこ
とができる O たとえば,確率密度関数の平均値
この論文の目的は,ある区域にいくつかの線分
(1次モーメント)は,このニュータウンの住宅
や多角形があるときに,ランダムな点からもより
地から公固までの平均距離であるので,住宅地か
の線分や多角形までの最短距離の確率密度関数の
ら公園へのアクセシビリティーの指標となる O ま
高次モーメントを求めることである。
た 分 散 (2次モーメントから求められる)が大き
都市,地域の研究では,ある地域のなかで,ラ
い場合には,公固までのアクセシピリティーが場
ンダムな点から,もよりの駅,道路,川,公園,
所によっておおきく違っていると考えられ,その
湖など(点,線,多角形で表わされる)までの最
公園配置計画は公平の観点からは望ましくない。
短距離(最近隣距離とよばれる)について分析す
ランダムな点から固定された点,線分,多角形
る機会が少なくない(たとえば伊理他(19
8
6
)を
までの最近隣距離については,いわゆる N
e
a
r
e
s
t
参照されたい)。たとえば,ニュータウンの公園
N
e
i
g
h
b
o
rD
i
s
t
a
n
c
eMethod (たとえば Uptonand
配置計画の評価問題を考えてみよう。このとき,
F
i
n
g
l
e
t
o
n(
19
8
5
) を参照)のなかの P
o
i
n
t
.
P
l
a
n
t
ニュータウンの住宅地にランダムに落とされた点
D
i
s
t
a
n
c
eの問題として,地理学を中心に多くの研
(公園利用者の住居にあたる)から公固までの最
究が行なわれてきた。とくに,ランダムな点から
近隣距離の分布を調べることによって,公園配置
固定された点まで最近隣距離については,確率密
計画を評価することができる。
度関数が Okabea
ndM
i
k
i(
19
8
1
)(
19
8
4
) によっ
とくに,この最近隣距離の確率密度関数のモー
*東京都立大学都市研究センター・工学部
て求められている O さらに,実際に計算するとき
2
6
総合都市研究特別号
1
9
8
9
に問題になる境界の取り扱いについて谷村他
(
19
8
6
) のくわしい分析がある。また,確率密度
関数のモーメントは Okabe (
19
8
7
) によって漸化
式の形で求められている。
これに対して,ランダムな点から固定された線
分,多角形に対する最近隣距離について研究が行
なわれるようになったのはより最近である。この
場合の確率密度関数については,まず Okabeand
F
u
j
i
i(
19
8
4
) が線分で構成されたネットワーク
に対する最近隣距離の確率密度関数をスプライン
関数を用いて計算する方法を提案した。続いて吉
)
11 (
19
87
)
, Okabe,F
u
j
i
i,OikawaandY
(
)
s
h
i
k
a
w
a
(
19
8
8)によって,一般の線分および多角形に対
する最近隣距離の確率密度関数を数式の形で正確
に求める方法が提案された。しかし,この確率密
図 1 与えられた線分(太線)とランダムな点 (P)
度関数のモーメントについてはまだ求められてい
ない。そこでこの論文では,このモーメントを求
A(x)
F(
x)= "~'二工
4EA
このため,まず第 2章ではモーメントの計算に
下である確率を F (x) と書くと,
)
(
めることを目的とする。
必要な準備として,吉川(19
8
7
), Okabe,F
u
j
i
i,
OikawaandYoshikawa (
1
9
8
8
) に従って確率密
である。ただし,
度関数を定式化する。さらに第 3章ではこの確率
A(x):区域内で,母線分から距離が x以下
密度関数をもとにモーメントを計算する。最後に
である区域(図 1の影のついた部
第 4章で今後の課題をのべる O
なお,多角形までの最近隣距離のモーメントを
分)の面積
A加 tal 区域の全面積
求める計算においては,多角形の辺を線分の集合
である。この式から, F(x)を求めるためには A
と見なせば,線分と同じやりかたで計算すること
ができる。さらにつながった線分と,おたがいに
(x)が必要であることがわかる。 A(x)を求める
ためには,図 1の区域を,どの母線分に最も近い
離れている線分はほぼ同じ取り扱いができる。そ
)
かによって分けておくとつごうがよい(図 2。
こでこれからはおたがいに離れている線分に限っ
このような図はふつうボロノイ線図とよばれる。
て議論を進めることとする。
点のボロノイ線図は線分だけでできているが,線
分のボロノイ線図では線分(ここからはボロノイ
2 線分までの最近隣距離の確率密度関数
線分とよぶ)だけではなくて放物線(ここからは
ボロノイ放物線とよぶ)が含まれるのが特酸であ
2
. 1 確率関数とボロノイ図
る(小久保(19
8
5
)。
)
例として,図 lに示すように,ある区域の中に
5本の固定された線分が存在する状況を考えよう。
ここからはこの線分を母線分とよぶことにする。
2
. 2 単位領域
図 2をくわしく調べると,線分のボロノイ線図
区域内にランダムに落された点(図 1の p)から,
はつぎの 4種類の領域(単位領域とよぶことにす
もよりの母線分までの最短距離(最近隣距離)は
る)の集合体であることがわかる(小久保
図 1の xp で表わされる。この最近隣距離が x以
(
1
9
8
5
)、吉川 (
1
9
8
7
)
)。
吉
川1
:ランダムな点から線分,多角形までの最近隣距離のモーメント
2
7
ヤ一
一
一
一
一
ー
一
ノ
/
/
/
,
v
図 2 線分(太線)のボロノイ線図(細線)
一
」
L一
一
」
u,
図 4 TYPE-2の単位領域
まれた領域である。ボロノイ放物線が放物線の頂
v
.
点を含んでいる場合(図 5)は、頂点を通って母
線分に垂直な線分で左右の 2個の単位領域に分け
れば図 4の形になる。
なお,ボロノイ放物線の準線は母線分であり,
焦点は反対側の母線分の端点である。そこでここ
からは,焦点から母線分の延長上におろした垂線
u
図 3 TYPE-1の単位領域
の足を原点 Oとし,原点から母線分の方向に
U
軸
,
焦点の方向に v軸をとる。さらにつぎの記号を使
う(図 4。
)
.TYPE-1 (
図 3)
Ul
母親分(図 3の太線),母線分に垂直な 2本の
線分(一点鎖線:端線とよぶことにする)と,ボ
端までの距離
Uz
ロノイ線分(細線)で固まれた領域である。なお,
ここからは,この単位領域のいろいろな寸法を表
U軸上で原点から単位領域の近い方の
U 軸上で原点から単位領域の遠い方の
端までの距離
r
)
わすのにつぎの記号を使う(図 3。
V
軸上で原点から放物線の頂点までの
距離(原点から焦点までの距離の半分
U
母線分のうち,単位領域の辺となって
いる部分の長さ
Vl
短い方の端線の長さ
Vl
短い方の端線の長さ
Vz
長い方の端線の長さ
Vz
長い方の端線の長さ
に等しい)
これらによって,ボロノイ放物線の式はつぎの
式で表わされる(小久保(19
8
5
)
。
)
.TYPE-2 (
図 4)
母線分(図 4の太線),母線分に垂直な 2本の
端線(一点鎖線),ボロノイ放物線(細線)で囲
uZ
4 r
V =ーァ一一十
r
(
2
)
2
8
総合都市研究特別号
1
9
8
9
v軸
¥u
寸一一一ーム
輔
r
図 6 TYPE-3の単位領域
v,
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
u軸
O
図 5 TYPE-2の単位領域(左右に分割する例)
ノ
/
ー一~
leL/
」│一
I
v,
l
.TYPE-3 (
図 6)
母線分(太線)の端点をとおる 2本の辺(一点
鎖線)とボロノイ線分(細線)で固まれた三角形
である。これは,点のボロノイ図を分割したとき
にでてくる形とおなじものである
(Okabe
(
19
87)を参照)。この単位領域では,母線分の
--1
01
u軸
u,
u,
図 7 TYPE-4の単位領域
端点からボロノイ線分の延長上におろした垂線の
足を原点 Oとし,ボロノイ線分方向に
U
軸,母線
分の端点方向に v軸をとると取り扱いがやさしく
なる。
.TYPE-4 (図7)
TYPE-3と似ているが,ボロノイ線分ではな
く,ボロノイ放物線が境界線になっている。この
さらに,つぎの記号をつかう。
単位領域は TYPE-2の領域と対になっているの
W]
短い方の辺の長さ
で,記号としては TYPE-2とおなじものを使う。
W2
長い方の辺の長さ
ただし,角度についての記号をあわせて使うと取
Vo
母線分の端点と原点 Oの距離
り扱いがやさしくなる。
U]
原点からボロノイ線分の近い方の端点
θ V
軸と近い方の端線がなす角
までの距離
θ V
軸と遠い方の端線がなす角
U2
原点からボロノイ線分の遠い方の端点
までの距離
θ V
軸と近い方の辺がなす角
θ2
V 軸と遠い方の辺がなす角
2
. 3 確率密度関数とモーメント
図 Iのボロノイ線図を 2
. 2節の 4種類の単位
領域に分けたとすると,
2
. 1で示した確率関数
吉 )
1
1:ランダムな点から線分,多角形までの最近隣距離のモーメント
式の両辺に x0 を掛け
(
3
)
(1)式はつぎの通りに書き直せる。
2
9
xについて Oから xの
最大値(つまり,区域内の任意の点からもよりの
よJ×
母線分までの距離の最大値,以下では x+で表わ
F(x)=
す)まで積分すればよい。したがって, (
3
)
式より,
1
2
1A11(x)+ZA21(x)
ヱA3i(X)+l A4d x)I
n次モーメントを f
n
(x)とすれば,
)
=
辻
マ
(
2
)
f
n
(x
ただし,
A k i(X ): TYPE- kの第
1 番目の単位領域
4種類の単位領域について
つぎの積分を求めれば, f
n(x)が求められること
図 3の影部)
がわかる。
﹄
Lua
x
﹄
n
詞
:TYPE-kの単位領域の数
d
)
X
(
である。この式から
a
で,母線分までの最近隣距離が x
以下である部分の面積(たとえば
X
+
xo
F
l'
1
ffik
(
4
)
1121ffxh
ぃ(x)制
(
5
)
である。
2
)
式を xで微分すれば,確率密度関数が得
この (
られる。これを f(x)とすれば,
そこで,ここからは,それぞれの単位領域につい
て(
5
)
式を求める。
f(x)=tz×
3
圃
2 TYPE-lの単位領域での積分
TYPE-1の領域では,
Ali(X)=
lZ1a11(x)+Ea21(x)+
(0三
五 x三
五 v1
)
• ux
ヱ1a31(x)+ヱ1a41(x)│
(
3
)
U(x-v1
)
2(V 2- V 1) -;-ux
である。ただし,
(Vl十 V2
)u
2
dAk i(x)
k d x)
一
一
一 dx
である。
(V 1孟
x三
五
V2)
(V 2三
五
x)
(
6
)
である(吉川(1987
))。従って,
aldx)=
3 モーメントの算出
U(
x- V 1) ,
3
. 1 モーメントの算出法
確率密度関数のモーメントには,原点のまわり
(V2-Vl
) ,-
•
(V 1三
五
ハU
のものと母平均のまわりのものがあるが,ここで
(0三
五 x三
五 V1
)
• u
ある。
原点のまわりの n次モーメントを求めるには,
x)
(
7
)
は原点のまわりのものを求めることにする。これ
母平均のまわりのモーメントは求められるからで
V 2)
(V 2三
五
は
, (
3
)
式からは原点のまわりのものの方が求めや
すいことと,原点のまわりのモーメントがあれば
x三
五
である。
これよりつぎの式が求められる。
nX a1i(x)dx=
+
0
3
0
総合都市研究
)
一
1-
u一
2
↑
(W 2孟
u
•
(V2-Vl)(n+l)(n十 2)
u
つ
一
(
一ハ
リ-
V一
U(V2n+2_Vln+2)
1
9
8
9
特別号
x)
M
(
8
)
である(吉川(1987
))。従って,
3
. 3 TYPE-2の単位領域での積分
TYPE-2の単位領域では,
a3dx)=
• x(82- 81)
Azi (x)
苧)
五x三
五W
z)
(W
l
:
:
:
:
(W
2
:
:
:
:
五x)
x(82-arccos
(0三
五 x三
五 V1
)
• X(U2-Ul
)
A _
(0壬 x壬 Wl)
1
/2
.0
(
1
3
)
" 3
. 土十一(x- r)
3
/
2ー とL
3
である。
1
2
-rUl+U2X
(V 1三
五
奇数かによって結果が異なる。
nが偶数の場合には,
3
3
( U2 - U 1 )
• r(UZ-Ul)+
x孟 V2)
nが偶数か
X n をかけて積分した場合,
これに
x)
(V 2三
五
1
2r
(
9
)
である(吉川 (
8
7
))。従って,
19
n= 2pー 2
(p孟 1)
とおけば,
n
+
a2dx)=
Xna3i(X)dx=
)
一
1!
・
L 一
J
)
一
s 一内4
0
一一・ 1
1
J、、l
z
,
.9三/L
一
す
臼
pJ
一)
1:
:﹄
)ー一
;
p
。
任
2二
x)
n
v一のL
一
一
271
V2)
一
、
目 nL
x三
五
(V 2~五
(V 1三
五
.0
p
r' 一
(0三
五 x孟 V1
)
• U 2 -U 1
・-2rI/Z(X - r)1/2+U 2
2
2
1U2
(U2
+ V0
)j一
となる。
2
p2
j-1
Ul(U12
+ V02
)
j1 Vo
これよりつぎの式が求められる。
(
14
)
f f xna21(x)dx=
1
一方
,
ヰ1( n+ 1¥rn+1-2i
n+l i三1
J
n
+
xna3dX)dx=
(
n
)
(2p- 1)
!
!
(2p+l)(2p)
分
積
の
で
苦闘同十
SFl
域
P
JB
PU3
一単
位で
単域
の領
3 位
U 一U
9 白 一 nvh
+
一
+
U一
u
ハ
U一ハU
十
一
+
V 一V
0
u
nv
2
+
(0孟 x三
五W
l)
+
AO一
)
一
1
-
ワ臼一
2+ V0
2)
1U2(U2
i+1/2_
2
2
U1
(U1+ V0)i+
1
/
2
1
,
。vnu
ワω
E つ=
2一
p u l l βυ 一
Y3x
(
一
T -パ
X一
・T
4mHA
qd
( 2 j)!2p-2i-1
[~ l
0 ( 2j+1
)
!
!
j
-:
2)ν2_uJI
Vo I
(
X2_V0
(
1
5
)
+
なお,この結果は Okabe (
19
8
7
) の結果として
.
.
2
~( ()z-a悶osニ~)
6
(p孟 1)
とおけば,
2
i+1_U
(U2
'
1
2
i+1
2
U'
I
i
(2i+1
)22
•
nが奇数の場合には,
n=2p-l
X
(W j三
五
x三
五 W2)
得られた漸化式と等価な式である。
三』
口
川:ランダムな点から線分,多角形までの最近隣距離のモーメント
3
1
'qE
守
量
頁
分
で
の
晋回目キ﹂
2Fl
域
位で
単域
の領
5
z
PU4
4 位=
一単
陀の刈
Y4/tk
T 一
5WA
JW
・T
内ペ
X
2
(
02
-01)
(0三
五 x三
五 v1
)
2
千代+
2r)(x- r)1/
3
U1
r U1
2
a
2
4r
b
図 8 境界線の処理
4102-uccJf-1)│
(V 1~五 x 三五 v 2)
3
3
(U2 - U1 )
r(U2-U1)
2
4r
2
すべて線分で表わされているとして, その取り扱
い方を検討する。
(V 2三
五
x)
(
l
6
)
まず,図 8-aのように境界線(細線)の外側
(影の部分)が母線分(太線)の側を向いていな
い場合には,境界線をボロノイ線分と見なせば,
確率密度関数に関して TYPE-1,TYPE-3と
である(古川(19
8
7
))。従って,
a
4
i (x)
• x(O2- 01)
まったく同じ取り扱い方で計算できる(古川
(0三
五 x三
五 v1
)
(
19
8
7
))。したがって,モーメント計算のための
積 分 (3
. 2節
,
• x
i
O21ccos(2ZL-1)│
(V 1三
五
.0
3
. 4節)もそのまま使える。
一方,図 8-bのように境界線の外側が母線分
x三
五 v2)
(V 2~五
x)
カ
仕
の側を向いている場合には,そのまま境界線をボ
ロノイ線分と見なして単位領域をつくると,複数
の単位領域が重なることになる。ランダムな点か
ら固定された点までの最近隣距離の確率密度関数
については,谷村他(19
8
6
) によって,境界線の
である。
外側が母線分の側を向いている単位領域だけは符
これよりつぎの式が求められる。
号を負にすればよいことが証明された。ランダム
X n
1
a4i(x)
d
x=
,
二l/n+l¥rn+1-2i
+2 '
:
'
0
n
な点から固定された線分,多角形までの最近隣距
離の確率密度関数についても同じ取り扱いをすれ
J(
2
(uli+1_U12i+1
- u1
十
ばよいことが吉川(19
8
7
) によって証明されてい
1)21
るO このことから,モーメントを計算するときに
M
も,境界線の外側が母線分の側を向いている単位
領域は符号を負にすればよいことがわかる。
3
. 6 境界線の処理
これまでに述べたことから,ランダムな点から
4 おわりに
線分,多角形に対する最近隣距離の確率密度関数
3
. 2から 3
.
5に示す式の和として求められることがわかる O
ただし,領域の境界線(図 1の外側の線)沿い
に対する最近隣距離の確率密度関数の原点のまわ
では多少の変更が必要になる。そこで,境界線が
また境界線も厳密に取り扱えることが示された。
の原点のまわりのモーメントは,
この論文では,ランダムな点から線分,多角形
りのモーメントは,数式の形で求めることができ,
総合都市研究特別号
3
2
これからの課題として,この結果をもとにした
1
9
8
9
OkabeA
t
s
u
y
u
k
i
x
a
c
tH
i
g
h
e
rMomentso
ft
h
eN
e
a
r
e
s
tN
e
i
g
h
b
o
r
1
9
8
7 “E
実証研究があげられる。
,
D
i
s
t
a
n
c
e
"J
o
u
r
n
a
lo
ft
h
eF
a
c
u
l
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yo
fE
n
g
i
n
e
e
r
i
n
g
謝辞
TheU
n
i
v
e
r
s
i
t
yo
fTokyo(
B
)3
9:1
6
この論文をまとめるにあたっては,東京大学工
OkabeA
t
s
u
y
u
k
i,F
u
j
i
iA
k
i
r
a
学部都市工学科の阿部篤行助教授から多くの示唆
The S
t
a
t
i
s
t
i
c
a
lA
n
a
l
y
s
i
st
h
r
o
u
g
h aC
o
m
p
u
t
a
1
9
8
4 “
をうけた。また研究の過程で,小久保岩生氏によ
t
i
o
n
a
lMethodo
faD
i
s
t
i
b
u
t
i
o
no
fP
o
i
n
t
si
nR
e
-
る線分のボロノイ線図生成プログラムと,東京大
l
a
t
i
o
nt
oi
t
sS
u
r
r
o
u
n
d
i
n
gN
e
t
w
o
r
k
"E
n
v
i
r
o
n
-
学地震研究所の瀬瀬一起氏,鷹野澄氏による
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伊理正夫(編)
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谷村秀彦,梶秀樹,池田三郎,腰塚武志
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研究科都市工学専門課程修士論文。
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