平成26年度 事業計画の概要 1 方 針 (1)基本課題 わが国経済は、アベノミクス効果により景気が緩やかに回復しつつあるが、製パン 業界では円安による原料高と消費者の低価格志向への対応に追われ、厳しい経営環 境が続いている。 政府輸入小麦売渡価格は、一昨年4月には15%の引下げが行われたものの、 10月には3%の引上げ、更に昨年4月には9.7%の引上げに引き続き、10月に も4.1%の引上げが行われるなど、円安を背景に輸入原材料価格が押し並べて上昇 した。また、原油価格の上昇や原子力発電所の稼働停止に伴う電力料金の値上げ等 により製造コストが上昇した。 また、この4月には消費税が5%から8%に引き上げられる。消費税率引上げ分 を転嫁できなければ、製パン業界に大きなダメージを促す事態を招くことから、当 会は消費税の円滑かつ適正な転嫁を促進するとともに、価格交渉を本体価格で行う ため、日本パン公正取引協議会として消費税の転嫁及び表示カルテルを結成し、1 月17日に公正取引委員会に実施届出を行った。 このような状況を乗り越えて、21世紀のわが国の食生活の一翼を担うパン産業の さらなる発展のための基盤づくりを進め、会員企業の健全な発展、パン産業の地位 向上に努める。また、製パン技術の一層の前進と販売面におけるサービスの向上・ 技術開発を進め、国民の生活スタイルの動向を反映した食生活の変化と消費者のニ ーズに応え、国民の健康の保持増進に寄与するとともに、新たな食文化の創造に資 する。 このため、最近の厳しい経済環境下におけるパン産業のあるべき姿について検討し、 21世紀のパン産業の基盤づくりを推進する。また、パン食の普及啓発及び消費拡 大に努めるとともに、品質の維持・向上、新製品の開発、パン産業の近代化・合理 化等に資するよう努める。 (2)重点事項 ア TPP交渉の進展に伴う関税制度及び政府小麦売渡制度等の見直し、政府輸入小 麦売渡価格の改定等に対する製パン業界としての対応策について協議する。 イ 食品表示に関する課題について製パン業界の意見を取りまとめるとともに、適切 な対応を協議する。 ウ 消費税増税に伴う価格への適正な転嫁を実現するために、日本パン公正取引協議 会が実施届出を行ったカルテルの適切な運営を図るとともに、国民生活への影響を 緩和するために食品に対する軽減税率の適用が図られるよう、その対応策について 1 協議する。 エ 食品の安全性確保、品質管理に関する対策等の推進のため、AIBの指導・監査 システムの推進に取り組むとともに、これらに関する適切な情報の提供、意見交換 等に努める。なお、細菌面における衛生管理の強化については、各社が自主的に取 り組む。 オ 厳しさを増す環境対策、省資源・省エネルギー対策に関する情報の提供、製パン 業界の意見の取りまとめ、対策の検討を各委員会において協議し、適切な対応に努 める。 カ 物流改善に関する情報の提供、意見の集約等に努める。 キ 阪神・淡路大震災、東日本大震災等の大災害の経験に鑑み、緊急時の危機管理対 応体制の整備・強化に努める。 ク 一般社団法人日本パン技術研究所、日本パン公正取引協議会、全日本パン協同組 合連合会等との連携の強化を図り、製パン技術の発展及びパン類に関する表示の適 正化並びに製パン業界の発展に努める。 2 事業計画 (1)重点事項の具体的な取組みの推進 (2)主原料及び原材料対策 (3)パン食普及協議会を中心とするパン食の普及啓発及び消費拡大 (4)パン産業及び企業の発展等に資する調査・研究 (5)関係行政機関及び関係業界団体との連携による取組み (6)組織の強化に関する事業 (7)その他製パン業界の発展に必要な事業 2
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