Lact。baciーーus bifidus に関する研究

328
金沢大学十全医学会雑誌 第77巻 第2号 328−334 (1968)
Lactobacillus bifidusレて関する研究
〔1〕 各種環境下における穎粒体存続と菌生存能との関係
金沢大学医学部微生物学講座(主任 西田尚紀教授)
高 村 保 徳
(昭和43年8月22日受付)
Lactobacillus bifidusは乳幼児のnormal flora
た.分離培地に発育した集落の内,その性状及びグラ
の主たる成分を構成するものであることはひろく知ら
ム染色並びにNeisser染色の所見より本四集落と思
拠ているが最近Haenelら1)は成人のnormal flora
われるものを選び,1.0%ブドウ糖・0.3%粉末酵母
としてもE.coliに匹適するか或はそれ以上に存在す
エキス・0.1%寒天加brain heart iufusion培地
ることを示している.L. bifidusは腸管に共存する
(pH=6.8)(以下B培地と省略)に穿刺培養した.以
他のLactobaciUusと形態的生物性状の上で大きく
後この培地にうえ継ぎ菌株を確保した.
異るので最近の分類ではActinomycesに入れるか2)
II.同定法:本菌を同定する上に必要な生物学的性
或はBifidobacteriumとして3)1つのnew genus
状は未だ一定していないが,諸家の成績を要約した次
を作りここに入れる傾向がつよい.この菌群の形態的
の如き基準に従った.1.偏性嫌気性である事,2.
特徴としてその名前の示す如き尾部が2つに分岐する
多形性でL.bifidusの名にふさわしく尾部の分岐し
性質の他にその作るclub shapeはMycobacterium
た独特の菌形態を有し通常グラム染色陽性であるか,
Corynebacterium,或は Actinomycesのclub
時に顯学部を除く菌体蔀分が陰性に染ることがあり,
shape と著しく似ている. Corynebacterium や
また菌体内に1ないし数ケのグラム強陽性の畑町を有
Mycobacteriumのclub shape或はその先端の大
する事,3.胞子を作らず運動性のない事,4.カタ
ぎな下下に関しての研究は数多く行われMudd 4)に
ラーゼ反応陰性で硝酸塩を還元しない事,4.につい
よってひろく綜説されているがし,bifid飴のそれに
ては成績記載10)の如く行った.糖分解用培地として
関しての報告は全くないといって良い.著者の同僚の
次の如き組成11)のものを使用した.
石田ら5)寺本6)は Cbrynebacterium の club
Proteose peptone(Difco)
2.09
shape或は所謂oval granuleについて検討しこれ
NaCl
0.59
がこの菌の生存にあっかる耐久形であることを主張し
Sodium thio91ycollate
0。19
か.著者らはし.bifidusが保存しにくい菌である
粉末寒天
0.19
ことを考え,この菌の穎粒と生存力との問題について
各種糖液
1.09
検討したいと考え本実験を行った.
0.2%B.T, B.
1.2m1
蒸溜水
100m1
実験方 法
pH=6.8 115。C
15分丁子
1.分離培養法:本菌の分離培地としてPetuely
糖分解を行う場合,
予め菌を0.1%寒天加brain
培地7)及び20%母乳寒天培地8)を使用した.生後
heart infusion培地に37。C 48時間穿刺培養してお
7日ないし5カ月の天然栄養児9例,混合栄養児3
例,入工栄養児2例,1年ないし3年の幼児3例の合
で採り,糖分解用培地の中に穿刺した.37。Cの艀卵
計17例より,なるべく新鮮な糞便を採取しプこれを適
器に入れ10日間連日菌の発育状態と培地の色の変化を
当に稀釈して分離培地に塗布し,ピロガロール・炭酸
観察した.
ソーダ法9)により嫌気性とし,370Cで48時間培養し
皿.菌の生存試験法:本実験に使用した菌株は
き,発育の盛んな菌を直径約8mmの渦巻型自金耳
Studies on Lσo’o∂oo〃1%εβヴゴ4〃ε〔1〕Some Correla士ions betweell the Granule
Formation in Different Environments and the Survival of this Species. Yasunori
Takamura, Department of Bacteriology (Director;Prof. S. Nishida), School of
Medici且e, Kanazawa University.
329
Lactobacillus bifidusに関する研究 〔1〕
表1 分離菌株の糖分解能成績
0.5%寒天加brain heart infusion培地(pH=6.8)
ぎ巳凶
十十十十十十十十十十十十十十十十
十
一U
№nけOωΦ・
れに対してなした定義に従った.グラム強陽性に染ま
十
Oεooooo十十十十十十十十十十十十十十十十
は,寺本2)がCorynebacterium diphtheriaeのそ
十十十十十十十十十十十十十十・十十十
V.・穎粒体存続の判定法: まず顯粒体の定義として
十±
使用に供しなかった.
1
1⊥ーユー
た.尚一話語話した保存培地はそのまま放棄し次回の
十十十
面に菌の発育の認められるものを菌生存陽性と判定し
十±十
発育の有無を観察した.その結果・穿刺線に沿って一
十
閑鋤hh一昌OωO
をすくい上げ,直ちにB培地に穿刺し37。C 48時間
培養した.菌の生えの悪い場合は72時聞迄培養し菌の
十十十一十 十、十十十十±十
IV.菌の生死の判定法:各保存培地より毎月1回前
記白金耳で,なるべく培地底部より穿刺線に沿って菌
国下口Oω①
び37。Cに保存した.
十十十十十十十十十
37。C 36時間培養後ゴムキャップで密栓し0∼4。C及
十一
E十±十±十±十
に穿刺培養した.
一 一 一 [ 一 一 ︻ 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一
天高層培地の各々につき10本ずつそのなるべく中心部
‘■一−⊥−ニーユー
養した菌を上記白金耳ですくい上げ,直ちに各種軟寒
12345678123456789
LLLLLLLLLLLLLLLLL
した.これらの培地は中試験管に・約10m1つつ注入
し高層培地として用いた.B培地に37。C 48時間培
×覧。ωΦ
ヘモグロビン0.5%,血球10%に加えたものを使用
菌株名
更にBHI軟寒天培地に,それぞれ血液10%,乾燥
糖
︾同①げ一昌OωO
(以下BHI軟寒天培地と省略)に良く慣れ,良好な
発育を示したので,保存培地としてこれを使用した.
±
+1+
るclub−shape或は「oval granule」で, vegetative
を示した.即ち37。C 48時間嫌気性培養後の集落は直
phaseの菌体に見られる「顯粒部が上体を膨隆させ
ていないもの」と区別した.一方また,穎粒体でもグ
径約0.5∼2.Ommの種々の大きさのものが見られた
が,乳白色を呈し半球状で軟かく不透明で特に著しい
ラム染色性がvegetative cellより橿化したものは
光沢はなかった.集落が小さい時はやや扁平で灰白色
除外した.このような際には穎粒は大きく膨化し,そ
であったが,集落が大きくなるに従い白磁色となり半
の限界が不鮮明となる傾向を示した. (図1,及び図
球状に盛上るのが認められた.それらの集落をグラム
3参照.即ち,図3の(a)並びに図1の(b)はそれ
染色し鏡検すると,通常グラム陽性の桿状ないしは菌
ぞれグラム強陽性に染まる典型的なclub−shape並
一三は菌側よりY字状に分岐した形態が認められ『た
びに「oval granule」を示し,図1の(c)はグラ
(図2).また常にNeisser染色により所謂異染小体
ム染色性のすでに感化し膨化したものを示す。)
染色標本を鏡検し数=視野の菌合計約1000ケ中の訓諭
を菌体内に1∼3ケ認めた.時にグラム陽性のclub−
shape或は「ovale granule」を示すものも認められた
点数を計算した.尚同様な実験を2旧くりかえして計
(図3).また,天然栄養児由来のものにグラム染色で
3回の平均値即ち約1000ケの菌体中の穎粒体の数を求
一体は淡赤色で核様体だけが黒紫色に染まり菌端が細
めた,乱心体を全く認めないものを一,1∼9ケのも
くなった桿菌状の形態を示すものをしばしば認めた
のを±,10∼99ケのものを+,100ケ以上のものを十
(図4).
と定め,そのうち+以上のものを穎粒体存続陽性と判
分離し得た菌株17株を選び生物学的検査を行った.
定した.
全株共胞子を作らず運動性は認められなかった.また
W.写真:Nikon F型カメラ並びに同写真装置
カタラーゼ反応陰性で,硝酸塩を還元しなかった.B
(拡大力率1:2)を使用した.
培地培養4日目の培地のpHは,いつれも3.4∼3.8
であった.6∼7種の糖について行ったが糖分解の結
実 験 成 績
1.分離所見
Petuely培地でも母乳寒天培地でも大体同様の所見
果は表1の如くであった.
以上の生物学的性状の結果並びに偏性嫌気性である
こと,集落の性状及びグラム染色により独特の菌形態
330
村
高
を有する事より,全株共L.bifidusと同定した.こ
に保存したものは平均2.4、カ月生存し,頬粒体の存続
の17株の菌を使用し以下の実験を行った.
は平均1.3カ月であった.
皿.BHI軟寒天培地及び10%血液加BHI軟寒天
従って0∼4。Cに保存した場合,培地の血液の有無
培地における保存温度の穎粒体存続並びに菌生存期間
にかかわらず穎粒体の存続と菌の生存期間との間に何
に及ぼす影響
本実験に入る前に予備試験として,寒天濃度0%,
に保存したものが,その他の条件のものに比較して一
0.1%,0.5%,1.0%とした各BHI培地を作り,そ
番生存力が強く,また穎粒体の存続と菌の生存期間と
れぞれに菌を培養し25。Cに保存した.そして1カ
の関係も著しく密接である事が判明した.
月後に穎粒体形成度並びに菌生存度を検討した結果,
皿.0.5%乾燥ヘモグロビン加BHI軟寒天培地にお
らの関係も見出されなかったが,血液加培地で37。C
0.5%にしたものが最も条件が良いように思われたの
ける保存温度の穎粒体存続並びに菌生存期間に及ぼす
で,以下の実験には寒天濃度0.5%の培地を主とし
影響
て使用した.
乾燥ヘモグロビンは容易に手に入るので,血液の代
経験上血液を加えた培地の中では亭亭体の形成が良
りにこれを加えた培地で同様の実験を行った.結果は
い事が判っていたので,BHI軟寒天培地と共に10%
表3の如くであった.
血液加BHI軟寒天培地を使用し両者を比較対照し
37。Cに保存したものは平均3.5カ月生存し,0∼
た.
4。Cに保存したものは平均2.8カ月生存した.明ら
さて各保存培地に発育盛んな種々の菌を37。C 36時
かに37。Cでは0∼4。Cに比較して長く生存した.
間培養後,37。C及び0∼4。Cに保存したが,菌株に
また二丁体は37。Cに保存したものは平均3.7カ月
よりその時すでにclub−shape或はoval granule
存続し,0∼4。Cに保存したものは平均1.5カ月存続
をとるものが見られた.
した.従ってここでも0∼4。Cでは穎粒体の存続と
結果は表2の如くであった.BHI軟寒天培地で
菌の生存期間との間に何らの関係も見出されなかった
37。Cに保存したものは,1カ月以内に死滅しまた願
が,37。Cの場合両者の関係は著しく密接である事が
粒体の存続も平均0.4カ月と極めて悪かった.一方,
判明した.
0∼4。Cに保存したものは平均2カ月生存し,二二体
また,本実験と皿の実験との成績は,大体同様の
の存続は平均0.6カ月であった.
結果を得たので,血液の代りに乾燥ヘモグロビンでも
これに比浸,10%血液加BHI軟寒天培地で37。C
充分代用し得ると考えられた,
に保存したものは平均3,1カ月生存し,穎粒体の存続
]V.種4の糖分解能を示す菌株を用いての0.5%乾
は平均3.6カ月と比較的良好であった.また0∼4。C
燥ヘモグロビン加BH:1軟寒天培地における雲粒体存
表2 BHI軟寒天培地(1)及び10%血液加BHI軟寒天培地(皿)における
保存温度の穎粒体存続並びに菌生存期間に及ぼす影響
0∼4。C
37。C
2.0
山粒体
002229]−
*越中数字は雨粒体の存続並びに菌生存月数を示す.
0.6
生 存
QUOJ9臼0δ−漏噌■喧■
3.1
霊山体
0001占ームー占−
3.6
生 存
621460∩δ
0
顯粒体
ρ02噌⊥47・200
0.4
00000︵UO
均
000ーム■11←0
一 一 一 一 一 一 一
噌⊥24FOρ07‘8
LエエLLLL
平
生 存
1
1.3
生 存
4333212
穎粒体
:皿
]1
1
2.4
331
Lactobacillus bifidus lこ関する研究 (1〕
続と菌生存期間との関係,
月生存した.また,穎粒体形成も良好で平均4カ月存
実験 2)3)に使用した菌株はすべてDhenert
続した,従って本実験でも忌地体の存続と菌の生存期
分類12)のV群に属すると思われるものであった.そ
間との関係は著しく密接である事が判明した.尚,本
こで更に種4の糖分解能を示す菌株(皿群,IV群と思
実験では各菌株の群の種類と生存力との間に特別の関
われるものを含む)を使用して,保存温度37。Cで
係を認める事ができなかった.
同様の実験を行った.培地は0.5%乾燥ヘモグロビ
V.10%血球加BHI軟寒天培地における保存温度の
ン加BHI軟寒天培地を使用し,対照としてBHI軟
顧粒体存続並びに菌生存期間に及ぼす影響.
寒天培地を併用した.
結果は表5の如くであった.0∼4。Cに保存したも
結果は表4の如くであった.乾燥ヘモグロビン加培
のは平均2.5カ月生存し,穎粒体は平均0.8カ月存
地では対照と比較し,生存力は極めて強く平均3、8カ
続した.また37。Cに保存したものは平均3.3カ月
生存し,穎粒体は平均3.3ヵ月存続した。本実験では
表3 0.5%乾燥ヘモグロビン加BHI軟寒
天培地における保存温度の二二体存続
並びに菌生存期間に及ぼす影響
37。C
37。Cに保存の場合,穎粒体の存続と菌の生存期間と
は全く一致した.
VI,血液ブイヨン培地における穎粒体存続と菌生存期
間との関係
0∼4。C
本菌はある菌株を除き血液ブイヨン培地には極めて
穎粒体
422423
1.5
3.5
米表中数字は表2参照.
生 存
0034凸20
3.7
穎粒体
2342ハ04
*
234274
一 一 一 一 一 一
ーム9臼nδ∠て︻08
LLLLLL
平 均
生 存
2.8
発育が悪く,直接培養する事は困難だったので,予め
0。1%寒天加brain heart infusion培地に37。C 48
時間培養した菌を用意しておき,駒込ピペットで約
0.2mrづう血液ブイヨン中に注入し,ゴムキャップ
で密接後直ちに25。Cに保存した.尚,本実験には
5株を使用し同様の実験を4回行った.
結果は表:6の如くであった.各回の穎粒体存続と菌
生存期間との一致率を見るに,それぞれ88%,91%,
89%,94%であり,ここでも両者の関係は著しく密
接である事が判明した.
察
考
表4 BHI軟寒天培地(1)及び0.5%
乾燥ヘモグロビン加BHI軟寒天培地
(皿)における頼粒体存続と菌生存
期間との関係(保存温度37。C)
1
L−16
L−17
L−18
L−19
平 均
0,4
亡霊体
0
*表中数字は表2参照.
4.0
∼16)がある.例えば石原17)はwarm stage obser・
表5 10%血球加BHI軟寒天培地に
生 存
354472234
365463234
L−15
生 存
000000000
L−13
L−14
*
し−11
L−12
010100011
穎粒体
皿
L.bifidusの発育形式に関しては従来多くの報告13)
3.8
おける保存温度の穎粒体存続並びに
菌生存期間に及ぼす影響
菌株名
0∼40C
37。C
保存
温度
粗粒体
生 存
顎口体
生 存
L−1
3*
3
0
3
L−2
3
3
0
2
L−5
4
4
3
3
L−8
3
3
0
2
平 均
3.3
3,3
*表中数字は表2参照.
0.8
2.5
332
高
村
vationにより,初期の分岐糸状発育;期とこれに続く
たので,菌の生存にあっかるのはグラム強陽性の比較
桿状細菌発育期の極めて特異な二相生の発育形式を確
時小さなものでないかと推察された.しかしながら,
認した.このような発育過程における種々の形態は,
更に恥しい細胞化学的検索が必要と思われた.これは
著者の実験の途中においてもしばしば観察されたが,
後報で更に述べたい.
この事は本菌の発育形式はActinomycesのそれに非
論
結
常に類似しており,真性細菌とは異なるものを持って
いるように思われた.
1.L. bifidusは10%血液加BHI軟寒天培地
さて,L. bifidusの定型的な形態としてY字状に
において,370Cに保存のものは0∼4。Cに保存のも
分岐した桿菌様形態があげられるが,同一菌株でも上
のよりも明らかに生存期間が長かった.またタ0.5%
述した如く発育の時期の相違や四境条件により,しば
乾燥ヘモグロビン加BHI軟寒天培地でも同様の結果
しば棍棒状や球形等の多彩な形態を示す.これらの形
を示した.
態変化を起す原因として,培地の種類,pH,塩類の
2.各種培地において且つ頼粒体形成能力の異なる
影響,酸素分圧の差異,或はdegeneration等あげら
菌株を用いての実験の結果,L. bifidusの糸粒体存
れる3)18)19)が,未だ明らかでない.
続は菌の生存期間と極めて密接な関係がある事が判明
所で,著者が本研究でなした如く,L. bifidusの
した.
陳旧化した培地でしばしば認められる顯粒状構造と菌
稿を終るにあたり,御指導と御校閲下さいました西田尚紀教授
の生存能との関係について追求した報告は他に接して
に衷心より感謝申し上げます.
いない.これは本四が,栄養要求の極めて厳しい菌で
あり,また偏性嫌気性である為,培地条件や酸素の浸
献
文
入等によりすみやかに死滅するので,一定の二二下に
中期月も保存し,逐次形態的な変化を観察するのが困
1)Haene1, H., K:6hler, F.,:Mertsc11ヅH,&
i平な事も一因と思われた.ともあれ著者の研究は,前
Pardeman皿, Ch.:Zb1. Bkt., Abt.1,つrig.,
に寺本がC.diphtheriaeで証明した如く,本丁の
177,41 (1940). 2) Rosebury, T.= Biacteria
丁丁培地で最:も現われ易い「oval granule」(club−
indigenous to man, in R, Dubos ed. Bacteria
s坤peの尾部はグラム陰性化して先端膨隆部のみ残
&mycotic infections of man 4 th ed. p.326
る)即ち一粒体が,この菌の生存にあずかる代謝冬眠
J.B. Lippincott Co., Philadelphia.(1965).
ともいうべき状態の一種のrest formである事を暗
示した.尚,著者ぶ使用した培地で本丁を長く保存し
3)Pr6vot A.&Fredette. V.3Manual for
the classification and determination of the
た場合,種々の大きさの穎粒体が認められたが,大き
anaerobic Bacteria l st ed. p.361 Lea&Febi。
く膨隆したも.のは大きさを増すにつれグラム染色性が
ger Co., Philadelphia.(1965). 4)
悪くなり,ついに陰性化し崩壊していくのが認められ
Mudd, S.:Annual Rev..Microbiol.8,1
表6 血液ブイヨン培地における穎粒体存続と菌生存期間との関係(保存温度25。C)
実験回数
菌株名
第1回
越智体
第2回
第3回
第4回
生 存
穎粒体
生 存
穎粒体
生 存
穎粒体
生 存
L−1
6*
5
6
6
5
5
5
4
L−2
3
3
6
6
4
3
4
4
L−3
5
4
3
2
3
2
2
2
L−4
4
3
3
3
4
4
4
4
L−8
6
6
4
3
2
2
2
2
3.6
3.2
平 均
4.8
*表中数字は表2参照.←
4.2
4.4
4.0
3,4
3.2
Lactobacillus bifidusに関する研究 〔1〕
333
(1954). 5)石田宗治・寺本友一・西田尚紀3
13)Weiss,」』.&RettgerジL.F.:J. Bact.,
医学と生物学,63,146(1962). 6)
28,501(1934). 14)Hayward, A. C.,
寺本友一3十全医会誌,69,55(1963).
Hale, C. M. F.、&BissetジK:. A.: J. gen.
7)Petuely, F.= Zb1. Bkt, Abt.,雪1,0rig.,
microbio1.,13,292(1955). 15)
166,95(1956). 8)門平 浩3日小会誌,
Gyllenberg, H. G.: J. gen. microbiol.,13,
66,284(1963). 9)中川正明・山岸高由・
394(1955).‘ 16)根岸章:日小会誌,
63,187(1959). 17)石原裕=日小会誌,
西田尚紀=メディヤサークル,No,53,17(19
64). 10)谷 友次:医学微生物学,第4
63,1007(1959). 18)Norris, R. F.,
版,288頁,南山堂,東京(1957). 11)
Flanders, Tl., Tomare11i, R. M.&Gy6rgy,
Willis, A,. T.:Anaerobic Bacteriology in
P.: J.Bact.,60,681(1950). 19)
Clinical Medicine,2nd ed. Butterworth, Lo・
本間道・太田淳・新井四郎=小児科臨床,
ndon (1963). 12) IDehnert,」. :
13, 1274 (1960).
Zbl. Bkt., Abt.1,0rig.,169,66(1957).
Abstract
Lαo’o∂σ6〃1πs∂ヴゴ4%scultured in braill heart ir面sioll half fhlid medium colltai・
ning 10%blood survived definitely longer lat 37。C than at O to 4。C. The same
result was obtained also when the blood was replaced by O.5%霞haemoglobin. 一
Furthermore,.L.ゐヴ∫4%3 strains differing ill the ability to form granules we■e
examined as for surval and it was demonstrated that the granule formation was
closely ass‘⊃ciated with the ability to survive.
高
謝
村
図1 Lbifidus, L−6株,×2500,
10%血液加工BHI軟寒天培地,37。 C 5カ月培
図2 Lbifidus, L−13株,×2500,
養,グラム染色.
色.
20%母乳寒天培地,37。C48時間培養,グラム染
b=oval granule
c.グラム陽性のうすれた膨隆した穎粒
顯、
図3 L.bifidus, L−6株,×2500,
図4 Lbifidus, L−12株, x2500,
20%母乳寒天培地,37。C48時問培養,グラム染
20%母乳寒天培地,370C48時間培養,グラム染
色.
色.
a=oval granule
鵜
1臨
.義義螺
轟嘩縫 翻
撫論
難
彊㍉声