1.5 底質 1.5.1 調査実施状況 ・中海・宍道湖の湖底底質調査は、水質定期観測調査と同地点において 1 回/年(9 月)の頻度で、強熱減量、硫化物、T-N、T-P、COD および健康項目の調査を実施している。 ・平成 5 年度からは、湖内のおおよそ 1km 四方ごとの1点で、底泥堆積厚と底泥深さ別に含水比、強熱減量、硫化物、T-N、T-P、COD などの調査を実施している。 1.5.2 底質の状況 (1)底泥堆積厚の状況 ・宍道湖では、宍道湖西岸の斐伊川河口部から湖心にかけて、広範囲に 30~40cm 厚の黒色化底泥が堆積している。 ・中海では、湖心周辺の広い範囲で 20~30cm 厚の黒色化底泥が堆積している。飯梨川河口、荒島沖、中浦水門から米子湾にかけても、底泥堆積厚が大きくなっている。 図 1.47 底泥堆積厚の状況 1-16 出典:平成 3~5 年度音響探査測量 ・中海(平成 3 年)と宍道湖(平成 4 年)に音響探査により 200m ピッチ縦断の底泥堆積量調査を実施。 ・中海 101 地点、宍道湖 42 地点の合計 143 地点をコアサンプラーにより採取・調査を実施。(平成 5 年) ・音響探査結果を平成 5 年底泥調査結果により水域別に音響探査堆積厚の補正を行い、100m メッシュの 底泥堆積図を作成した。 (2)底泥の性状 ・強熱減量は、宍道湖内は 10~12%の範囲が多く、中海は大橋川との接合部付近では 10%未満となっているが、その他の水域は 12~16%が多い。 ・硫化物では中海・宍道湖の全域で 1.0mg/g 以上の地点が多くなっているが、斐伊川河口部付近では 0.6mg/g 未満と低く、米子湾では 2.0mg/g 以上と高くなっている。 ・COD は宍道湖西岸で 25mg/g と高く、宍道湖湖心では 15~25mg/g となっている。中海では、大橋川河口及び米子湾で高くなる傾向がある。 ・T-N は中海・宍道湖ともに 2.4mg/g 以上である。T-P は宍道湖西岸では 1.4~1.6mg/g と高くなっているが、そのほかの水域では 0.4~0.6mg/g となっている。 【強熱減量】 0% 20% 40% 60% 80% 100% 宍道湖 中海 米子湾 【硫化物】 0% 20% 40% 60% 80% 100% 宍道湖 中海 米子湾 20% 40% 60% 80% 宍道湖 中海 米子湾 【T-N】0% 20% 40% 60% 80% 宍道湖 中海 米子湾 【T-P】0% 宍道湖 中海 米子湾 (mg/g) 0~1.0 1.0~1.5 1.5~2.0 2.0~2.5 2.5~3.0 3.0~3.5 3.5~4.0 4.0~5.0 5.0~ 【強熱減量】 【強熱減量】 (%) 0 - 2 2 - 4 4 - 6 6 - 8 8 - 10 10 - 12 12 - 14 14 - 16 16 - 50 【硫化物】 20% 40% 60% 80% (mg/g) 0~5 5~10 10~15 15~20 20~25 25~30 30~35 35~40 40~ (mg/g) 100% 0~1.0 1.0~1.5 1.5~2.0 2.0~2.5 2.5~3.0 3.0~3.5 3.5~4.0 4.0~5.0 5.0~ (mg/g) 100% 0~0.2 0.2~0.4 0.4~0.6 0.6~0.8 0.8~1.0 1.0~1.2 1.2~1.4 1.4~1.6 1.6~ (mg/g) 【硫化物】 (mg/g) 0.0 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 5.0 【COD】 【COD】 0% (%) 0~2 2~4 4~6 6~8 8~10 10~12 12~14 14~16 16~ 100% - 0 - 2 (%) 2 - 4 4 - 6 6 - 8 8 - 10 10 - 12 12 - 14 14 - 16 16 - 50 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 5.0 10.0 0.0 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 5.0 - 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 5.0 10.0 (mg/g) 【COD】 0 - 5 5 - 10 10 - 15 15 - 20 20 - 25 25 - 30 30 - 35 35 - 40 40 - 80 (mg/g) 0 - 5 5 - 10 10 - 15 15 - 20 20 - 25 25 - 30 30 - 35 35 - 40 40 - 80 【T-N】 (mg/g) 【T-N】 (mg/g) 0.0 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 5.0 【T-P】 - 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 5.0 10.0 0.0 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 5.0 - 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 5.0 10.0 (mg/g) 【T-P】 (mg/g) 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 図 1.48 - 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 2.0 底質の分布状況と水域別頻度分布 1-17 ※各項目左上図は底質分布図より水域別に集計した頻度分布を示す。 凡例は分布図および頻度分布図で共通。 ※分布状況・頻度分布:平成 5~15 年底質メッシュ調査 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 - 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 2.0 1.5.3 底泥からの溶出負荷量 ・底泥からの窒素およびリンの溶出負荷量は、水温が高くなると増大する傾向にある。 ・直上水に酸素が十分に含まれる好気状態と酸素が少なくなる嫌気状態では、嫌気状態で溶出負荷量が増大する傾向にあり、水温が高いほどその傾向は顕著になる。 ・底質が悪化している安来港(中海)の溶出負荷量は、他の地点と比較しても大きな値になっている。 T-N<6℃> T-N<20℃> 120 嫌気 120 好気 100 60 40 20 80 60 40 20 0 米子2 安来港 彦名 米子2 安来港 彦名 宍道湖 米子湾口 米子1 T-P<20℃> 嫌気 好気 嫌気 (mg/m /day) (mg/m 2/day) (mg/m 2/day) 米子2 安来港 0 宍道湖 米子湾口 米子1 米子2 安来港 彦名 宍道湖 米子湾口 米子1 T-N 安来港 彦名 800 2000 600 1500 10 400 1000 5 200 500 0 0 宍道湖 米子湾口 米子1 米子2 安来港 彦名 0 宍道湖 米子湾口 米子1 図 1.50 米子2 安来港 彦名 宍道湖 米子湾口 米子1 米子2 安来港 彦名 出典:平成 4 年度中海底質調査 各地点泥質の状況 1-18 安来港 米子 1(未浚渫区域) T-P (mg/kg) 1000 2500 米子2 出典:平成 4 年度中海底質調査 窒素・リンの嫌気・好気別溶出速度 (mg/kg) 3000 15 彦名(窪地:浚渫跡地) 5 図 1.49 20 米子湾口 2 彦名 強熱減量 嫌気 10 0 宍道湖 米子湾口 米子1 彦名 15 5 0 好気 20 10 5 安来港 T-P<28℃> 15 10 米子2 25 20 15 (%) 25 40 0 宍道湖 米子湾口 米子1 25 好気 宍道湖 60 20 T-P<6℃> 25 20 嫌気 80 0 宍道湖 米子湾口 米子1 好気 100 2 80 嫌気 (mg/m /day) 好気 (mg/m 2/day) (mg/m 2/day) 100 T-N<28℃> 120 米子 2(既浚渫区域)
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