平成25年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状

Ⅰ.平成25年度マンション総合調査結果からみた
マンションの居住と管理の現状
居住 管
現
Ⅰ 平成25年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状
注) 〔 〕は調査結果の該当表番号を記している。
〔管〕は管理組合向け調査、〔区〕は区分所有者向け調査を表す。
1.マンション居住の状況
(1)世帯主の年齢〔区1〕
平成11年度から平成25年度の変化をみると、60歳代、70歳代以上の割合が増加、50歳
代以下の割合が減少しており、居住者の高齢化の進展がうかがわれる。平成25年度は60歳
代以上が50.1%、40歳代以下が26.8%となっている。
世帯主の年齢
1.2
0.8
0.2
13.2
11.9
7.6
1.6
100%
90%
19.2
18.9
80%
70%
22.9
25.8
30歳代
22.8
60%
40歳代
24.1
50%
40%
30歳未満
27.9
50歳代
28.0
25.1
60歳代
31.1
70歳以上
26.4
30%
20%
18.4
10%
7.3
21.5
0.5
10.2
不明
18.9
13.0
0.2
0.9
0.3
0%
平成11年度
N=12,383
平成15年度
N=4,795
平成20年度
N=4,599
平成25年度
N=4,896
(2)賃貸戸数割合〔管2①〕
平成20年度と平成25年度を比較すると、賃貸戸数割合0%超~20%のマンションの割合が
増加しており、平成25年度は59.6%となっている。
賃貸戸数割合
%
70.0
62.0
62.8
65.4
60.0
59.6
53.1
55.7
50.0
40.0
30.0
26.3
22.4
20.0
10.0
14.9
21.1
18.6
18.2
13.2
13.0
12.5
8.7
10.5
15.2
0.0
昭和62年度 平成5年度 平成11年度 平成15年度 平成20年度 平成25年度
N=1,036
N=980
0%の管理組合
N=907
N=1,058
0%超~20%の管理組合
1
N=2,167
N=2,324
20%超の管理組合
(3)空室戸数割合〔管2②〕
平成20年度と平成25年度を比較すると、空室がないマンションの割合が増加しており、平成25
年度は45.7%となっている。
空室戸数割合
%
60.0
52.9
52.3
50.0
47.0
43.9
40.0
45.7
43.8
40.5
40.1
40.7
39.6
30.0
20.0
10.0
0.6
0.0
0.7
平成5年度
N=980
0.7
1.0
0.8
平成11年度
平成15年度
平成20年度
平成25年度
N=907
N=1,058
N=2,167
N=2,324
0%の管理組合
0%超~20%の管理組合
20%超の管理組合
(4)永住意識〔区4②〕
昭和 年度から平成 年度の変化をみると
昭和55年度から平成25年度の変化をみると、マンション居住者の永住意識は高まる傾向にあ
シ 居住者の永住意識は高まる傾向にあ
り、平成25年度は52.4%の区分所有者が、現在居住しているマンションを終の棲家として考え
ている。
永住意識
60.0
57.0
49.9
50.0
43.7
41.4
41.1
31.1
31.0
40.0
39.0
31.5
30.0
20.0
52.4
24.2
19.4
21.7
17.6
10.0
0.0
昭和55年度 昭和62年度 平成5年度 平成11年度 平成15年度 平成20年度 平成25年度
N=7,431
N=13,498
N=15,693
永住するつもりである
2
N=12,383
N=4,795
N=4,599
いずれは住み替えるつもりである
N=4,896
2.マンション管理の状況
(1)長期修繕計画の作成〔管24①(1)〕
昭和62年度から平成25年度の変化をみると、長期修繕計画を作成している管理組合の割合
は増加傾向にあり、平成25年度は89.0%のマンションで長期修繕計画を作成している。また、
長期修繕計画を作成していない管理組合の割合は減少傾向にあり、平成25年度は8.0%と
なっている。
長期修繕計画の作成
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
89.0
65.5
80.5
78.1
14.0
16.0
89.0
72.8
28.6
22.4
8.6
昭和62年度
N=1,036
平成5年度
8.0
平成11年度 平成15年度 平成20年度 平成25年度
N=980
N=907
N=1,058
作成している
N=2,167
N=2,324
作成していない
(2)月/戸当たり修繕積立金の額〔管19(6)、管19(9)〕
平成11年度から平成25年度の変化をみると、月/戸当たりの修繕積立金の額、駐車場使用
料等からの充当額を含む修繕積立金の総額ともに増加傾向である。平成25年度の月/戸当た
りの修繕積立金の額の平均は10,783円、駐車場使用料等からの充当額を含む修繕積立金の
総額の平均は11,800円となっている。
月/戸当たり修繕積立金の額
円
12,000
11,877
10,000
10,967
9,184
8,000
6,000
10,898
11,800
10,783
9,066
7,378
4,000
2,000
0
平成11年度
N=873
修繕積立金
平成15年度
N=764
平成20年度
N=2,021
平成25年度
N=2,167
駐車場使用料等からの充当額を含む修繕積立金
3
(3)修繕積立金の算出根拠〔管19①〕
平成5年度から平成25年度の変化をみると、長期修繕計画に基づいて修繕積立金を算出して
いるマンションの割合は増加している。
修繕積立金の算出根拠
%
80.0
60.0
79.5
77.8
77.1
68.1
64.7
40.0
12.6
20.0
10.5
6.2
2.1
1.4
1.1
7.0
8.7
2.4
1.9
0.0
平成5年度
平成11年度 平成15年度 平成20年度 平成25年度
N=859
N=839
長期修繕計画の必要額から算出
N=764
管理費の一定割合
N=1,924
N=2,069
(N:不明を除く)
近隣の他のマンションの例を参考に決定
(4)計画期間25年以上の長期修繕計画に基づき修繕積立金の額を設定している割合〔管24①(4)〕
成 年度から 成 年度 変化を ると 計 期間 年 上 長期修繕計
基づ
平成15年度から平成25年度の変化をみると、計画期間25年以上の長期修繕計画に基づい
て修繕積立金の額を設定しているマンションの割合は増加している。平成25年度は46.0%で、
平成20年度の36.6%に比べ高くなっている。
計画期間25年以上の長期修繕計画に基づき修繕積立金の額を算定している割合
%
50.0
40.0
46.0
36.6
30.0
20.0
19.7
10.0
0.0
平成15年度
N=1,058
平成20年度
N=2,167
4
平成25年度
N=2,324
(5)管理費等の額に対する意識〔区13、14〕
管理費の徴収額については、「妥当である」が84.4%、「徴収しすぎである」が10.3%、「不
足している」が4.8%となっている。修繕積立金の積立額については、「妥当である」が77.6%、
「積立しすぎである」が5.9%、「不足している」が16.0%となっている。
不足している
4.8%
管理費の徴収額の妥当性
不明
0.5%
N=4,896
徴収しすぎである
10.3%
妥当である
84.4%
修繕積立金の積立額の妥当性
不明
0.5%
不足している
16.0%
積立しすぎである
5.9%
妥当である
77.6%
5
N=4,896
(6)耐震診断・耐震改修の実施状況〔管27①、管27②、管27③〕
旧耐震基準に基づき建設されたマンションのうち耐震診断を行った管理組合が33.2%、行ってい
ない管理組合が58.0%である。
耐震診断を実施したもののうち「耐震性がないと判断された」割合は32.6%であり、このうち耐震
改修工事を「実施した」が33.3%、「まだ実施していないが今後実施する予定」が47.6%、「実施する
予定はない」が19.0%となっている。
不明
8.8%
旧耐震マンションの耐震診断実施状況
N=388
耐震診断を実施し
た
33.2%
耐震診断を実施し
ていない
58.0%
旧耐震マンションの診断結果
耐震性がないと判
断された
32.6%
さらに詳細な耐震診
断を実施する必要
があると判定された
18.6%
N=129
耐震性があると判
断された
48.8%
耐震性がないと判定されたマンションの耐震改修の実施の有無
実施する予定はない
19.0%
まだ実施していない
が今後実施する予定
47.6%
6
実施した
33.3%
N=42
(7)マンションの老朽化問題についての対策〔管28①、管28②〕
マンションの老朽化問題についての対策の議論を行っている管理組合は35.9%となっており、
そのうち「建替えの方向で具体的な検討をした」が2.6%、「修繕・改修の方向で具体的な検討を
した」が62.0%、「議論はしたが、具体的な検討をするに至っていない」が30.5%となっている。
マンションの老朽化問題についての対策の議論の有無、及び議論の方向性
建替えの方向で
具体的な検討をした
2.6%
不明
7.6%
修繕・改修の方向で
具体的な検討をした
62.0%
議論を行っていない
56.5%
議論を行っている
35.9%
議論はしたが、具体
的な検討をするに
至っていない
30.5%
不明
4.9%
N=834
N=2,324
3.管理組合の運営等
(1)管理者の選任〔管4〕
管理者の選任状況をみると、88.2%が区分所有者の理事長であり、区分所有者以外の第三者
が管理者となっているマンションは6.0%となっている。
管理者の選任
N=1,891(N:管理組合法人を除く)
マンション管理士
0.0%
マンション管理業者
5.7%
管理者を選任して
いない
1.0%
分譲業者
0.1%
その他
0.2%
不明
4.4%
理事長以外の
区分所有者
0.4%
理事長
88.2%
7
(2)専門家の活用状況〔管14〕
専門家を活用しているマンションは48.1%であり、活用した専門家は、建築士が24.4%と最
も多く、次いで弁護士が18.7%、マンション管理士が16.4%となっている。
専門家の活用状況
%
50.0
45.0
40.0
35.0
30.0
25.0
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
N=2,324
45.4
24.4
18.7
16.4
4.6
2.6
1.7
6.5
4.3
(重複回答)
(3)大規模災害への対応状況〔管12〕
平成20年度と平成25年度を比較すると、いずれの対応も増加している。平成25年度で
「特に何もしていない」と回答した管理組合は29.2%であり、平成20年度よりも10%近く減
少している。
35
15
29.2 26.9 30
20
38.9 37.7 33.3 40
25
N=2,324
大規模災害への対応状況
%
18.6 25.1 22.9 19.0 17.2 13.7 11.8 8.8 5.0 10
8.3 5.5 5.4 3.9 7.8 5
3.1 4.0 0
防
災
用
品
を
準
備
し
て
い
る
非
常
食
を
備
蓄
し
て
い
る
災
害
時
の
避
難
場
所
を
周
知
し
て
い
る
8
自
主
防
災
組
織
を
組
織
し
て
い
る
ハ
ザ
す
る
情
報
を
収
集
・
周
知
し
て
い
る
ド
マ
ッ
プ
等
、
平成25年度
定
期
的
に
防
災
訓
練
を
実
施
し
て
い
る
ー
平成20年度
災
害
時
の
対
応
マ
ニ
ュ
ア
ル
を
作
成
し
て
い
る
防
災
・
災
害
対
応
策
に
関
名
簿
を
作
成
し
て
い
る
高
齢
者
等
が
入
居
す
る
住
戸
を
記
し
た
防
災
用
そ
の
他
特
に
何
も
し
て
い
な
い
不
明
(重複回答)
(4)トラブルの発生状況〔管36(1)〕
平成20年度と平成25年度を比較すると、特にトラブルがないマンションは26.9%に増加して
いるものの、依然として65.6%のマンションが、何らかのトラブルを抱えている。発生したトラブル
については、居住者間のマナーをめぐるトラブルが55.9%と最も多く、次いで建物の不具合が3
1.0%、費用負担が28.0%となっている。
トラブルの発生状況
%
90.0
79.4
76.4
80.0
70.0
63.4
60.0
55.9
52.2
47.2
50.0
39.4
36.8
40.0
35.0
31.0
28.4
30.0
20.0
20.0
12.6
10.0
32.0
28.0
31.9
26.9
22.3
18.4
9.7
3.8
1.9
13.1
12.8 14.712.2
13.7
2.1
3.0
12.9
9.6
9.7
8.0
12.9
7.1
1.9
0.0
平成11年度:N=907 平成15年度:N=1,058
平成11年度
平成20年度:N=2,167 平成25年度:N=2,324(重複回答)
平成15年度
平成20年度
平成25年度
(5)居住者間のマナーをめぐるトラブルの具体的内容〔管36(2)〕
いずれのトラブルもほぼ減少傾向となっている。平成25年度は、違法駐車・違法駐輪が40.1%
と最も多く、次いで生活音が34.3%、、ペット飼育が22.7%となっている。
居住者間のマナーをめぐるトラブルの具体的内容
%
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
52.8 52.7
36.4
40.1
50.2 49.6
46.6
45.4
34.8
37.1
34.3
22.7
20.5
16.2 15.2
13.1
平成11年度:N=907 平成15年度:N=1,058
平成11年度
平成20年度:N=2,167 平成25年度:N=2,324
平成15年度
平成20年度
*平成15年度以降の「違法駐車」には「違法駐輪」も含む。
9
12.5
10.9
5.4 5.9
26.8
18.7
18.4
(重複回答)
平成25年度
(6)管理費等の滞納戸数割合〔管23①〕
平成20年度と平成25度を比較すると、管理費等の滞納が発生しているマンションの割合は減少
しており、滞納が発生していないマンションは56.1%となっている。
管理費等の滞納戸数割合
%
56.4 53.1 60.0 56.1 51.9 48.4 50.0 48.3 40.0 41.4 30.0 20.0 38.5 37.0 平成20年度
N=2,167
平成25年度
N=2,324
26.7 10.0 0.0 平成5年度
N=980
平成11年年度
N=907
平成15年度
N=1,058
滞納がない管理組合
滞納がある管理組合
(7)トラブルの処理方法〔管36①〕
平成20年度と平成25年度を比較すると、マンション管理士に相談した割合が増加し、管理組合内
*不明なし
で話し合った割合及び当事者間で話し合った割合が減少している。
%
トラブルの処理方法
90
80.7
80
75.7
69.2
70
60
50.9
50.0 48.0
50
36.7
40
28.8
30
20
10
25.4
7.6
8.3 6.8
10.8
11.5 9.8
1.1
2.1
2.1
0.7
0.4
3.2
1.0 0.3 0.1 1.4 1.6 3.4 1.6 0.3 1.6
9.0
8.6 7.6
3.9
3.4
1.0
0
( N:不明を除く)
一
社
マ
ン
シ
ョ
ン
管
理
業
協
会
に
相
談
し
た
)
平成15年度:N=870
平成20年度:N=1,494
平成25年度:N=1,439
公
財
マ
ン
シ
ョ
ン
管
理
セ
ン
タ
ー
平成25年度
地
方
公
共
団
体
に
相
談
し
た
に
相
談
し
た
10
)
平成20年度
国
に
相
談
し
た
(
平成15年度
民
事
調
停
に
よ
っ
た
(
訴
訟
に
よ
っ
た
マ
ン
シ
ョ
ン
管
理
業
者
に
相
談
し
た
弁
護
士
に
相
談
し
た
マ
ン
シ
ョ
ン
管
理
士
に
相
談
し
た
管
理
組
合
内
で
話
し
合
っ
た
当
事
者
間
で
話
し
合
っ
た
そ
の
他
(重複回答)