2014講義内容(スライド)

計算応用科学概論
9回目 原子・分子の計算化学(II)
志田 典弘
19号館617号室
[email protected]
不確定性原理(I)
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)*
+*
,*
-*
$
.*
&*
/*
.物体の位置を測定する
.物体に光をあてる
.光のエネルギーの一部が物体に享受される
.物体のエネルギーが変わる
.物体のエネルギーはもはや正確には測れない
0*
+*
1
物体の位置とエネルギーは、
両方を同時に決められない。
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! x !p " h
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不確定性原理(II)
!"'($%&
)*+,-./0
12/0
!"#$%&
原子の内部構造
駄目
原子・分子の運動(原子核や電子の運動)
対象が非常に小さい
(観測との相互作用)
量子力学
HeisenbergのMatrix力学
不確定性原理
&
!!"!#"$"%
Schrödingerの波動力学
Diracの相対論的量子力学
原子・分子のSchrödinger方程式
H! = E !
"
H = " ,N
-
%
!, i
h2
%! 2M!
#! -
Z! e2
R! - ri
N
-
! " ! (r1,r2,
これを厳密に解く事
%
i<j
N
%i
h2 #
i
2m
"
Z! Z$ e2
e2
ri - rj ! < $ R! - R$
,rN,R1,R2,
%
,R#)
ほとんど絶望的
軌道近似
$"
!"#
%&!"
解析解が求まる
!"#$%&
駄目
!"#
大きく膨らんだ仮想的な原子核
各電子が独立に運動する
! 1,2,
$%&'!"
!"#$%&
,N = "1(1) "2(2)
"N(N)
スピン波動関数
磁場中の電子スペクトルに見られる微細構造
空間以外の変数の存在
電子の自転モデル(スピン)を空間の波動方程式に付加する
スピン軌道
!"#$%&'()*+'%+,-./0
Sz ! = 1 h !
2
Sz ! = - 1 h !
2
空間部分とスピン部分の
両方を考えた波動関数
例、
!1(1) " 1 !2(2) # 2
パウリの原理
ボーズ粒子
任意の粒子の入れ変えに対して波動関数が対称
フェルミ粒子
任意の粒子の入れ変えに対して波動関数が反対称
電子
反対称
どの電子のスピン軌道も全て異なる
エネルギー期待値
真の波動関数(Ψ)
近似波動関数(Φ)
H! = E!
H ! = " ! 駄目
!* H ! d"
E =
!* ! d"
変分原理
どんなΦを用いても、エネルギーの期待値は
真のエネルギーの上限を与える;
E ! E
変分法
Φを変化させエネルギーの期待値が極小となる点
(停留値)を最良の近似解とする。
Hartree-Fock方程式
・軌道近似
・電子スピン
・パウリの原理
Hi ! - 1 " 2
Jj !(") #
Kj !(") #
$#
変分原理
F !i
Z#
r - R#
!*j ("')!j("')
r - r'
!*j ("')!("')
r - r'
d"' • !(")
= "i ! i
1
E =
2
N
"i ( Hi - !i )
N
F = Hi +
d"' • !j(")
!j (Jj - Kj )
Self Consistent Field(SCF)
は一見i番目の軌道だけの式に見
F!i = "i !i
えるが
実はFの中に他の軌道の項が含まれている。
!1, !2,
, !N
!$%&'()
F !"#
234
!1, !2,
!*+,
!1, !2,
, !N
-./01
, !N
9:;
5678
ベンゼン分子のHOMOとLUMO
HOMO
LUMO
計算応用科学概論
9回目
完
レポート課題
「分子軌道」という概念を、簡単に説明せよ。
必ずしも講義内容に捕われず、インターネットで
調べて理解した内容でも良い。
提出期限: 6月23日(月)17:00
提出先: 19号館617号室
※レポートは、A4版レポート用紙に手書きで報告とすること。