WISE、WISE ブックの最新版 “Learning {Re}imagined”を発表

 2014 年 10 月 2 日
WISE、WISE ブックの最新版 “Learning {Re}imagined”を発表
世界各地で学習方法がテクノロジーによりどう変革するかを探求
世界の教育における革新と連携を推進する国際的イニシアチブである国際教育改革サミット(World
Innovation Summit for Education、以下 WISE)は、WISE ブックの 3 作目となる “Learning {Re}imagined:
How the connected society is transforming learning” の出版を発表しました。“Learning {Re}imagined”は、
Education Design Labs の創立者グラハム・ブラウン-マーチン氏(Graham Brown-Martin)によって執筆され、
数々の国際的な賞の受賞歴を持つ写真家ニューシャ・タバコリアン氏(Newsha Tavakolian)の写真と共に、デ
ジタル技術によってつながったコネクテッド社会において、人々の学習方法がどのように変わろうとしているかを
探究しています。
本書の刊行に際し、WISE 議長のアブドゥッラー・ビン・アリ・アール・サーニ博士は、「WISE ブックは、世界
の多様な環境の中で、今日の教育に突き付けられたさまざまなレベルの課題を取り上げ、世界各国の最も革
新的なアプローチを紹介し、独自の視点を提供しています。WISE ブックによって、教育界の最新の思想や、ク
リエイティブな活動モデルが幅広く周知されることを期待しています。」と述べています。
今回の新刊では、著者と写真家がブラジル、中国、ガーナ、インド、ヨルダン、レバノン、カタール、シンガポー
ル、アラブ首長国連邦、英国、米国を訪れ、現地の学校やプロジェクトで教育関係者や各界リーダーの取材を
実施し、インターネットで繋がるようになった社会における教育の内容や指導方法に関して現場の教師が直面
する課題を探っています。さらにテクノロジーを手掛かりに、それぞれの国で社会がどのように形成され、教育
がそこでどのような役割を担っているのか、今後想定されるさらに大きな課題に対応するために、どのような変
革が求められているのかといった幅広いテーマまで踏み込んでいます。
本書で特に強調されているのが、最新のテクノロジー技術を最大限に活用できる方法を見出す上で、人的要
素の果たす重要性です。著者のグラハム・ブラウン-マーチン氏は、「教育におけるテクノロジー活用についての
議論を深め、単に成功事例を紹介するだけでなく、教育現場で実際に何が機能し何が障害になっているのかを
把握して、それを改めて教育現場に伝えていくことが私たちの使命だと考えています」と述べています。
また、本書にカメラマンとして参加したニューシャ・タバコリアン氏は、「テクノロジーによって間違いなく、新た
なチャンスが無数に切り拓かれ、多くの人たちが豊富な情報やリソースに触れることができるようになりました。
しかし、教育の変革はテクノロジーだけによってもたらされたものではなく、テクノロジーはその一部に過ぎませ
ん。ファインダーを通して、人間同士の交流がいかに教育に大きな影響を与えているかを再実感しました」と述
べています。
本書を通じ、世界各国の教育現場におけるイノベーションに触れることができます。また、WISE ブック最新
版には無料のモバイルアプリが追加され、本書に収録されたコンテンツに加えて、さまざまな情報がインタラク
ティブな形で提供されるほか、4 時間以上に及ぶオリジナルビデオを見ることができます。
WISE では、これまでに以下の 2 冊の WISE ブックを発表しています。
Learning a Living: Radical Innovation in Education for Work
Innovation in Education: Lessons from Pioneers around the World
WISE および WISE ブックの最新刊の詳細については、www.wise-qatar.org をご参照ください。
なお、Learning {Re}imagined は Amazon(http://amzn.to/1saDXYh)でもご注文いただけます。
【国際教育改革サミット(WISE: World Innovation Summit for Education)とは】
WISE は、議長を務めるシェーハ・モザ妃殿下の後援の下、2009 年にカタール財団により発足されました。
WISE は革新的アプローチや各方面の連携を通じて教育の未来を拓くことを目的とし、建設的なアイデアやディ
ベート、目標達成のための具体的な行動を打ち出すための多角的なプラットフォームを提供する国際的な取り
組みです。毎年開催されるサミット会議やさまざまなイニシアチブを通じ、教育に関する新たなアプローチを世
界各国に広めています。
国際教育改革サミット「WISE 2014」は、11 月 4 日(火)から 6 日(木)までカタールのドーハで開催されます。
【WISE ブックについて】
WISE ブックは、教育における革新的な考え方やベストプラクティス(成功事例)を支援し、これを幅広く普及さ
せることによって世界の教育におけるイノベーションの推進を目指しています。これまでに、21 世紀の個人やコ
ミュニティが教育において直面する課題を探る WISE ブックを 2 冊発行しています。WISE ブックでは、著者と
写真家が世界中を巡り、さまざまな課題を解決するための革新的な解決策を見出し、各種プロジェクトやプラク
ティスが教育現場で実際に成果を生み出している事例を紹介しています。
グ ラハ ム ・ブラウ ン-マ ー チ ン(Graham Brown-Martin) - 主 執 筆 者
グラハム・ブラウン-マーチンは Education Design Labs(ED ラボ)および Learning Without Frontiers(LWF)
の創立者として、指導や学習方法を改善し、教育を根本から改革していくための新たなアイデアを生み出すこと
に焦点を当てた革新的なシンクタンクやプラットフォームを提供しています。
LWF を設立するまで、グラハムは教育工学やエンターテイメント・ソフトウェア業界など幅広い分野で活躍して
きました。クリエイティブや IT 関連で複数の会社を立ち上げて、後に Philips Electronics や Virgin Interactive
といった大企業に売却しているほか、複数の開発途上国で仕事をした経験も持っています。またその他、グラ
ハムは数々のアーティストの音楽ビデオのディレクターも務めています。The Fall、Malcolm McLaren、Salt
Tank and Future Sound of London 等、数々のアーティストのビデオを制作し、映画「Lost in Space」ではアー
ティストの Buggy G Riphead と共に船内のコンピュータの設計を担当しました。執筆活動や各種メディアでの
活動も積極的に行っており、これまで The Times Educational Supplement、Libération、The Assignment、
Trace、 Transculturalism、 BBC Money Programme、The Guardian、Management Today、The Times 等
への寄稿や出演の経験があります。グラハムは英国・サウスイーストロンドン在の 4 人の子供を持つ父親です。
ニ ュー シ ャ・タバ コリア ン(Newsha Tavakolian) -写 真 家
ニューシャ・タバコリアンは 1981 年イラン・テヘランに生まれ、16 歳からイランの通信社でカメラマンとして働き
始めました。当時、女性向け日刊紙 Zan にはプロの女性カメラマンが 5 人しかおらず、限りなく狭き門に思わ
れたものの、懸命な努力の甲斐あってフルタイムのカメラマンとして採用されました。1999 年、ニューシャが 18
歳の時に起こった学生蜂起は、1979 年のイラン革命以降、イラン国内で最も激しい民主化要求デモとなり、こ
こで並み居る男性カメラマンに交じって最年少のカメラマンとして現場からの報道を続けた彼女の写真は 1 週
間、改革派の最有力紙 Neshat の一面を飾り続けました。
21歳の時、ニューシャは仕事の場を国外に広げ、イラク、レバノン、シリア、サウジアラビア、イエメンの各国で
戦争や自然災害の報道のほか、社会派ドキュメンタリーの仕事を開始します。これらのドキュメンタリー写真は
Time Magazine、 Newsweek、Stern、Le Figaro、Colors、The New York Times、Der Spiegel、Le Monde、
NRC Handelsblad and the New York Times Magazineなど、世界各国の有力誌や新聞に掲載されました。
ニューシャは26歳の時にNational Geographic誌に採用され、2008年8月の同誌欧州版の表紙を彼女の写真
が飾っています。ちょうど同じ時期、写真家集団「RAWIYAH」も結成しています。2009年にはthe New York
Timesのカメラマンとしてイラン総選挙の報道に携わり、その後発生した暴動や混乱によって報道カメラマンの
イラン国内での活動は一層厳しさを増しました。このため、仕事の主体を報道写真からドキュメンタリーや芸術
写真に移し、女性に関連した問題に特に関心を寄せるようになりました。2012年にGilgamesh社から出版され
た初の写真集「The Fifth Pillar」はイスラム教徒としての彼女自身の巡礼の旅「Haji」で構成されています。過
去数年間、英国の大英博物館やヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、チェルシー・アートミュージアム等、さま
ざまな博物館で写真展を開催しており、大英博物館やヴィクトリア・アンド・アルバート博物館には彼女の作品
が収蔵されています。この後間もなく、やはり彼女の作品を複数収蔵するLACMA(ロサンゼルスカウンティ美術
館)での写真展が予定されているほか、ボストン美術館にも作品が貸し出され、展示会が開かれる予定になっ
ています。