KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL The expression of co-stimulatory molecules and their relationship to the prognosis of human acute myeloid leukaemia : poor prognosis of B7-2-positive leukaemia( Abstract_要旨 ) Maeda, Akinori Kyoto University (京都大学) 1999-07-23 http://hdl.handle.net/2433/181239 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University 氏 名 嘉 島 窮 鼠 ( 医 学) 学位( 専攻分野) 博 士 学 位 記 番 号 医 博 学位授与の日付 平 成 1 1年 7 月 2 3日 学位授与の要件 学 位 規 則 第 4 条 第 1項 該 当 研 究 科 ・専 攻 医 学 研 究 科 内 科 系 専 攻 学位論文題 目 Theexpr e s s i onofc o-S t i mul at or ymol e cul e sandt he i rr el at i ons hi pt ot he 51号 第 21 pr ognos i sofhumanacut emye l oi dl eukaemi a:poorpr ognos i sofち7-2pos i t i vel e ukaemi a ( 急性骨髄性 白血病 にお ける c o-s t i mul at or y分子 の発現 および予後 との相関 の 検討 論文調 査委員 : B7-2陽性 白血病 は予後不良 である) 芽 ㌔ ) 湊 長博 鎗 教 授 淀 井 淳 司 文 内 容 の 要 教 授 内 山 卓 旨 近年の化学療法の進歩等 により急性 白血病の完全寛解率 は 8割近 くに達する。 しか し,治癒 に至 るのはその うちの半数以 下であり,完全寛解か ら治癒への到達が臨床的に重要な課題 とな っている。 腫癌の完全な排除には,実験動物を中心 とした検討か ら免疫学的機構が重要であ り,細胞傷害性 T細 胞 ( CTL)が中心的 な役割を果たす と考え られている。T細胞が十分に機能を発揮す るためには T細胞 レセプター ( TCR)か らの シグナルに加 えて c o s t i mul a t o r yシグナル と呼ばれ る第二の シグナルが必要である。T細胞上の CD2 8は代表的な c o s t i mul a t or y分 子であり,その リガ ン ドは B7-1,B7-2である。なお これ らの B7分子 に対応す るレセプターとしては CD2 8のほかさら に CTLA-4があ り, CD2 8とは逆に抑制性 シグナルを入れることがわか っている。 そ こで急性骨髄性 白血病症例 における B7分子の発現を調べ,L その発現が予後 にどのように関わるかを検討 した。 2例 につ き, 白血病細胞 における B7-1および B7-2分子の発現を FACSにて解析 したO すべ 成人急性骨髄性白血病 5 0 % 以上が白血病芽球であ ったo また B712の陽性例 と陰性例 における生存曲線 は Ka pl a nMe i e r法 に ての検体はその 8 よって評価 したO また両群の有意差 は l o gr ank法 によって検討 したo B7-1分子 は解析 した 2 3例全例陰性であった0-万 B7-2分子 は 5 2例中 2 6例 ( 5 0 . 0 %)で陽性であ った。FAB分類別 では,単球 の性格を有する M4,M5の症例 は全例 B7-2陽性であ ったが,その他の病型 においては B7-2陽性率 は概ね 同様であったoB7-2陽性例 と陰性例では,年齢,性別,血液学的所見 ( 白血球数,血色素量,血小板数など) ,染色体異常 症例の割合等 に有意差 はな く, また治療方法 ( 用 いた薬剤種やスケジェール) は全例 において J ALSGプロ トコールに従 っ たものであ ったo B7-2陽性 白血病の_ ove r al ls ur vi va lは 1-2 4ヶ月 ( 平均 1 2ヶ月)で,B7-2陰性 白血病 (1- 7 1ヶ月以上,平均 3 5 ヶ月)より有意に短か った ( p-0 . 0 0 8 0 ) 。 また完全寛解に到達 した症例について di s e a s e f r e es ur vi va lを検討 したところ, それぞれ 1-2 3ヶ月 ( 平均 1 1ヶ月) , 3-6 6ヶ月以上 ( 平均 3 1ヶ月)であ り,B7-2陽性 白血病が有意 に短か った ( p- 0 . 0 2 1 ) 。また FAB分類の M l,M2に限定 して解析 したところ,やはり B7-2陽性白血病 のo ve r al l s ur vi valは 2- 2 2ヶ 2ヶ月)で,B7-2陰性白血病 (2- 7 1ヶ月以上,平均 4 2ヶ月)より有意 に短か った ( p-0 . 0 0 8 8 ) oまた完全寛 月 ( 平均 1 i s e a s e f r e es ur vi va lについて も, それぞれ 1- 2 1ヶ月 ( 平均 1 0ヶ月), 3- 6 6ヶ月以上 ( 平均 3 5ヶ月) 解到達症例 の d で.B7-2陽性 白血病が有意 に短か った ( p-0 . 0 1 9 ) . 今回の検討で,B7-2陽性 白血病 は予後不良であることが明 らかにな った。その理 由としてい くつかの可能性が考え られ る。 ①B7-2陽性白血病 における腰痛抗原の発現低下, ②抑制性サイ トカイ ンや抑制的に作用す る分子の産生克進, ⑧Th -4 9 3- 1,Th2バ ランスの Th2偏位,④CTLA-4中心の シグナル導入などである。 本研究は急性白血病の病態解明な らびに急性白血病における煙癌免疫機序の解明に結びつ く重要な所見である。さらに, -2陽性白血病の予後が悪いのかが解明されることは,白血病に対す る免疫療法の確立にとっ 今後の研究において何故 B7 て重要である。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 腫湊の完全な排除には免疫学的機構が重要であり,細胞傷害性 T細胞が中心的な役割を果たす こと,そ して T細胞が十分 に機能を発揮す るためには T細胞 レセプターか らの シグナルに加 えて c o s t i mul a t o r yシグナルが必要 とされている。 T細 D2 8は代表的な c o s t i mul a t o r y分子であり,その リガ ンドは B7-1,B7-2である.そこで成人急性骨髄性白血 胞上の C 病症例における B7分子の発現を調べ,その発現が予後にどのように関わるかを検討 した。 B7-1分子 は解析 した全例に陰性であり,一方 B7-2分子 は 5 2例申2 6例 ( 5 0 . 0 %)で陽性であった。B7-2陽性群 と陰 ALS Gプロ 性群では,年齢,性別,血液学的所見,染色体異常症例の割合等 に有意差はな く,また治療方法は全例において J トコールに従 った。 B7-2陽性群の o ve r a l l s ur vi v a lは 1-2 4ヶ月 ( 平均 1 2ヶ月)で,B7-2陰性群 (1-7 1ヶ月以上,平均 3 5ヶ月)よ i s e a s e f r e es u r vi v a lも B7-2陽性群が有意に短かった (p-0 . 0 2 1 ) 0 り有意 に短か った。また完全寛解 に到達 した症例の d また病型を Ml , M2に限定 した解析で もB7-2陽性群の o ve r a l ls ur vi v a lは B7-2陰性群より有意に短かった (p0 . 0 0 8 8 ) 。以上の成績か ら B7 -2陽性白血病は予後不良であることが明 らかになった。 本研究は,急性白血病の病体解明に貢献 し,急性白血病における腫癌免疫機序の解明に寄与するところが多い。 したが って,本論文 は博士 ( 医学)の学位論文 として価値あるものと認める。 なお,本学位授与申請者 は,平成 1 1年 6月 3 0日実施の論文内容 とそれに関連 した試問を受 け,合格 と認め られたもので ある。 -4 9 4-
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