スライド - 緑地環境科学専攻

2014年5月22日
緑地環境科学実習演習ⅡA
気象・水文観測実習
屋上緑化による熱環境への影響評価
~データ解析~
生態気象学・植山雅仁
水環境学・中桐貴生
大阪府立大学・生命環境科学域・緑地環境科学類
目的
観測したデータを解析する事で...
地表面熱収支に関する理解
微気象データの扱い方
表計算ソフトの使い方
1
緑化すると熱環境はどう変わるか?
屋上面
緑化面
(L↓
↓)
放射収支の概念 下向き長波放射
(大気放射)
下向き短波放射
(日射
日射)
↓)
日射 (S↓
上向き短波放射
(S↑
↑)
上向き長波放射
(L↑
↑)
反射
Rn = S↓ - S↑ + L↓ - L↑
2
熱収支の概念
Rn ≒ H + lE + G
水を蒸発させる
大気を暖める
潜熱フラックス
純放射量
(≒蒸発散量)
(Rn)
顕熱フラックス
(llE)
(H)
地中熱流量 (G)
地中を暖める
どうやって測定したか?
純放射計
純放射量
(Rn)
3
どうやって測定したか?
地中熱流板
地中熱流量 (G)
どうやって測定したか?
TDR(時間領域反射測定)法
(時間領域反射測定)法
TDR:Time Domain Reflectometer
潜熱フラックス (≒蒸発散量)
4
熱収支法 Rn ≒ H + lE + G
TDRセンサー
センサー
Rn-LE-G
潜熱フラックス
純放射量
(≒蒸発散量)
(Rn)
顕熱フラックス
(llE)
(H)
純放射計
地中熱流量 (G)
地中熱流板
反射率の測定
短波放射下向きは、気象Gのデータを使用する
短波放射下向きは、気象Gのデータを使用する
屋上面 緑化面
Rn = S↓ - S↑ + L↓ - L↑
5
表面温度の測定
銅ーコンスタンタン熱電対
屋上面
緑化面
雨量計
一般気象の測定
Rn = S↓ - S↑ + L↓ - L↑
温湿度計
6
グループA
グループB
2014年
2014年4月17日
17日
7
解析データ
生態気象GのHPより配布
http://www.envi.osakafu-u.ac.jp/atmenv/
ココ
解析データ
Group A (屋上面)
Group B (緑化面)
T_a
RH_a
Ts_a
Rs_up_a
G_a
Rn_a
Rain_a
T_b
RH_b
Ts_b
Rs_up_b
G_b
VWC_b
気象G
気温
相対湿度
地表面温度
短波放射量↑
地中熱流量
純放射量
雨量
Rs_down
気温
相対湿度
地表面温度
短波放射量↑
地中熱流量
土壌体積含水率
下向き短波放射量
8
作業1
(
緑化面の潜熱フラックスの計算
)
E30 = vwcprevious − vwccurrent × Dsoil
当該ランの
土壌水分量
(m-3)
緑化基盤の厚さ
-1
蒸発量 (mm 30-minute )
150 mm
一つ前の
土壌水分量
(m-3)
E = E30 (30 × 60)
蒸発量 (mm s-1)
作業1
E = E30 (30 × 60)
緑化面の潜熱フラックスの計算
蒸発量 (mm s-1)
蒸発量 (kg m-2 s-1)
1 mm
1m
1m
0.001 m3 = 1 L
1 kg
9
作業1
緑化面の潜熱フラックスの計算
lE = l × E
気化潜熱
(2.5 × 106 J kg-1)
潜熱フラックス (J m-2 s-1 → W m-2)
W = J s-1
作業1
400
潜熱フラックス (W m-2)
300
3
200
2
100
1
0
4/18
2014
4/19
降水量 (mm)
4
潜熱フラックス-30分値
潜熱フラックス-1.5時間移動平均値
降水量
0
潜熱フラックスと降水量の時間変化
10
作業2
顕熱フラックスの計算
Rn ≒ H + lE + G
H ≒ Rn – lE – G
作業2
顕熱フラックスの計算
エネルギーフラックス (W m-2)
500
400
(a) 屋上面
純放射量
顕熱フラックス
潜熱フラックス
地中熱流量
300
(b) 緑化面
200
100
0
-100
0:00
6:00
12:00
18:00
0:00
0:00
6:00
12:00
時間
18:00
0:00
時間
屋上面と緑化面における平均的なエネルギーフラックスの日変化
11
作業3
アルベドの計算
短波
長波
Rn = S ↓ − S ↑ + L ↓ − L ↑
= (1 − ref )S ↓ + L ↓ − L ↑
アルベド
ref ≒ S↑
↑/ S↓
↓
作業3
アルベドの計算
1.0
屋上面
アルベド
0.8
緑化面
0.6
0.4
0.2
0.0
0:00
6:00
12:00
時間
18:00
0:00
屋上面と緑化面における平均的なアルベドの日変化
12
作業4
正味長波放射の計算
短波
長波
Rn = S ↓ − S ↑ + L ↓ − L ↑
同じとみなせる
作業4
正味長波放射の計算
ステファン・ボルツマンの法則
L = εσTsurf
長波放射量
(W m-2)
4
表面温度 (K)
ステファン・ボルツマン定数
5.67 × 10-8 W m-2 K-4
射出率
屋上面 (0.96)、 緑化面 (0.98; 近藤, 2000)
13
作業4
正味長波放射の計算
800
エネルギーフラックス (W m-2)
700
屋上面(Rs↓-Rs↑)
屋上面L↑
緑化面(Rs↓-Rs↑)
緑化面L↑
600
500
400
300
200
100
0
0:00
6:00
12:00
時間
18:00
0:00
屋上面と緑化面における平均的な正味短波放射量と上向き長波放
射量の日変化
作業5
緑化効果の計算
Ef = Egreen − Eroof
屋上面で計測された
要素
緑化面で計測された
要素
負:緑化によって要素が小さくなった。
正:緑化によって要素が大きくなった。
14
作業5
緑化効果の計算
80
緑化効果 (W m-2)
40
0
-40
-80
Rn
H
LE
G
Rs net
Rl net
屋上緑化に伴う熱収支・放射収支の変化量
表紙不要・4枚以内
序論 : 明快な目的、仮設設定
原理 : 熱収支について簡潔に
全部で
1ページ以内
対応
レポート
手法 : 具体的に、かつ簡潔に
結果 : 具体的に (数値、統計値)
図表は丁寧に
考察 : 論理的な解釈 (感想ではない)
不確実性・問題点
結論 : 得られた知見を簡潔に; 提言
15
表紙不要・4枚以内
レポート
引用文献 : すべて記載
感想
: もし書きたければ
提出期限・場所
: 2014年6月6日 18時
B11 239号室 植山居室まで
考察のポイント
日中、夜間のいずれがどのように?
放射収支と熱収支のつじつまは?
屋上緑化するとどのようなことが期待?
評価方法に問題・不確かさはないか?
16
世界的な微気象観測ネットワーク
現在は、全世界で400サイト以上
(Baldocchi, 2008)
http://fluxnet.ornl.gov/
フラックスネット計画
微気象観測
アラスカ州フェアバンクス クロトウヒ林
17
微気象観測
アラスカ州バロウ 湿性ツンドラ
微気象観測
北海道 カラマツ林
18
微気象観測
滋賀県 ヒノキ林
アラスカ州 森林火災跡地
微気象観測
19
堺市 都市
微気象観測
微気象観測
岸和田市 ため池
20
微気象観測
インドネシア・バリ島
棚田
微気象観測
インドネシア・南スラウェシ州 水田
21
熱収支法の問題点
600
y = 0.76x + 5.87
R2=0.84
H+λE (W m-2)
500
400
300
200
100
0
-100
0
100 200 300 400 500 600
Rn - G (W m-2)
エネルギー・インバランス問題
22