Kobe University Repository : Kernel Title 作物根の代謝に及ぼす無機栄養の影響 (II) : 里芋切断根の 呼吸 (1) Author(s) 岡本, 三郎 / 伊沢, 悟郎 Citation 兵庫農科大學研究報告. 農芸化学編, 7(1): 1-5 Issue date 1965 Resource Type Departmental Bulletin Paper / 紀要論文 Resource Version publisher URL http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/81006253 Create Date: 2015-02-01 作物根の代謝に及ぼす無機栄養の影響 里芋切断根の昨吸 ( I I ) (1) 岡本三郎・伊沢悟郎 Effect of Mineral Nutrition on Metabolic Change I I ) . lnduced in Crop Plant Roots ( R e s p i r a t i o ni ne x c i s e dr o o t so ft a r op l a n t s (1) S a b u r oOKAMOTOandGoroIZAWA 植物根は土壌から 1 1分を吸収する器官としてのみでな 砂を半々に混合したもの 5kgを充填しておいた.施肥 く,種々の有機化合物の合成掠官としてかなり古くから . 6 g,過燐酸石灰 0 . 8 g,塩化加 畳はポット当り,尿素 0 研究されているがρ代謝センターとしての根の機能を切 旦 0 . 4 g,塩化マグネシウム ' 0 . 0 5 g及び塩化カルシウム 断根を用いて探究したものが極めて多数発表されている. 0 . 0 5 gで,水溶液の形で 5月末から 8月半迄の期間 l 乙5 然し一方では根の有機物質の合成機能や根から地上部へ 分の l宛分施した.栽培管理法は既報7) の通りにした. の物質移動の機作の解明に,地上部切除により溢出する C用いた材料は板端,根元及び支根の根 根の呼吸測定 I 締i の三部 I C分け,何れも 2cmの長さのものを切断した. b l e e d i n gs a p ) を用いて好結果を得た論文も年 溢泌液 ( 々多数にのぼっている 2_り 特i 乙種々の栄養条件下にお これらの切断部分を数分間流水(水道水〉で洗い,数回 0 .1<気を切った. 蒸溜水で濯ぎ,1'紙で十分 1 ける溢泌汲の量的及び質的変動(日変化・季節的変化或 g eによる差異)を調べる事は,無機態室菜の同化と はa 呼吸は最終濃度 0.067M燐酸緩衝液を用いてワー Jレプ 有機態窒素化合物への転化の生化学的過程を明らかにす Jレグ‘検圧法 l とより測定した.容器の主室に る重要な知見を与えるちのと期待されている .5) 衝液 1ml と切断根 100~200mg (根端及び根元は通常 0.2M燐酸緩 7木,支恨は 5 0 本)とを入れ,副室 l こは上辺 l 乙浅い切込 そこで著者等は里芋を材料植物として選びその滋泌波 の窒素成分含量の日変化 I C及ぼす加盟栄養の影響を調ぺ, を 2mm間隔につけた 18mmX25mmのl'紙片に 20% 既にその結果の一部を発表した.')同時に切断根を用いて 根の呼吸作用について調べて,溢沼、淡を用いて得た結果 C2 2 4 KOH0 . 2 m lを吸収させたものを入れ,第 1側室 I μgN相当の NaN03溶液 0 . 3 m lを,第 2側室 l 乙0 . 0 1 の考案 l とも役立てたいと思った.木報はそれら一連の研 . 3 m lを入れ,全反応液量が 3mlになるよ M 恭憾波 0 究の予報に該当し,先ず毘苧切断根の呼吸測定 I L際して う蒸溜水を添加した.毎分 1 2 0回振盗,気相は空気,温 の基準の設定を目標として地上部切除後の根における呼 50C で行った. 1 5分間の温度平衡及び 6 0分間の自家 度 2 吸変動及び根の各部位における呼吸速度の差異を調べ, 呼吸を行わせた後,側室の内容物を主室 l 己注入し更に 1 8 0 と若干の 又その結果から既報6)8)めの里芋に関する結果 l 分聞に亘って呼吸を測定した.呼吸は Q02(F)( 0.吸 考察を試みたものである. 収 μ ! / g新鮮宣j h r )文は Q02(02吸収 f . 'l / g乾物室 第 1表 培 養 液 の 組 成 材料及び方法 使 用 塩 釘i 要素畳 里芋(石) 1 1早生程)の種芋を 1 9 6 2 年 5月 1 6日に 1 1 1砂を 入れたノ fット l 己植え毎日適量の水道水を補給し第 1葉が N 完全に開いて後,苗を選択して一部は水耕,他は土耕 l 乙 よってポット栽培した.7 .1<耕栽培した植物は 6月 3日5 0 万の 1アールポット l 乙移植しガラス室内において第 1表 l 乙示すような培養液 (pH5 . 6 ) を用いて栽培を続けた. 2 時間通気し,週 2回培養液を更新し エアポンプで 1日2 た.土耕栽培のポットは水耕用と同型で,園場の土と川 l p 2 0 pm m g / l NaN03 1 21 .4 Na2 HPO ・ ,12H, O 1 0 0 . 8 P2 0S K2 0 2 0 CaO 2 CaCl2 2H, O ・ 5 . 2 MgO 2 7H, O MgSO.・ 1 2 . 2 Fe, 03 1 F e C l a・ 6H, O 2 0 K2 SO. 3 7 . 0 3 . 4 ;'i7巻第 1号 兵Ji11皮科大学研究報告 / h r )で表わした. QO , 結果及び考察 70 pHと根の呼吸 里芋根の呼吸 l 乙最適な pH範囲を知る目的で,最終濃 度 0.067M燐酸緩衝液の pHを 5,6,7の三段階とし, 6 0 〔実験1) 実験1. 培地 そ¥ 一方水耕した里芋の根を若い根 (10cm,支根なし〉と古 い根 (20cm以上,支根多数あり) I 己群別し,何れもそ の根端 2cmを切断して供試した. 培地 5 0 pHが根端の Q 0 2 ( F )I 乙及ぼす影響について 7 月から 9月にかけて生育期を追って調べた結果を第 1図 I C示した.一般的に,若い根は古い根 I C較べて何れの pH 4 0 又何れの生育期においても高い呼吸能を示している.一 方最適 pHは 7であり,以下 6,5 と順次何れの根にお いても呼吸能は{尽くなっており, pH7 の呼吸は 2カ月 3 0 乙示す培 聞に約 35%減少している.との傾向は第 2図 l 地 pHと根端の Q 02との関係図により一層明隙 l 己認め 1 0 , ' ¥ られる.尚両図に共通して見られる 8月 1 0日のピーク I C o pH7 1 ) との時期にば地上部の生育が急 づいて考察すれば, 上昇し,同時に根の発育もそれと対応して旺盛である .8) X pH6 ご一一若い根 ' 2 )既報6)の研究において溢泌液中のアミノ態窒素の溢出 第 2図 培 地 ム ーー『古い根 pHの根端の Q02に及ぼす影響 量が 8月前半 I C最高を示した. 3 ) 第 1図と第 2図の差 述からも類推できるように根端の乾物合有量はとの頃一 QO , (F) 時高まつでいる.以上の事実からこの時期には根の代謝 ∞ 3 C旺盛であり,それが呼吸 (02吸収)の測定結 全体が特 ! E 実験1) 。 果にも反映されたのであろう. .の結果 l 己基づき以下の実験では pH7の燐酸綬 実験 1 ~j液を用いることとした. 実験 2 . 地上部切除後の根の呼吸 乙の実験は地上部を切除した際出てくる溢泌液中の窒 ∞ . 2 1 素化合物の変動から推定される根から地上部への物質移 I ~乙,.._--A....\J、司A_ーー → 動の活性における経時的減衰が根の呼吸能の減衰と関連 性があるか否かを確かめるために行ったものである.里 7日l 己切除して後第 3図!L示す所定の日 芋地上部を 9月 1 --A 数経過後!L,根長 20~25 cm で多数の支根を有する根 (実験 1の古い根 l 乙相当)の根材12cmを切断して供試 した. 。pH 7 図から切らかなように何れの処理区も最初の 2日聞に 呼吸は急激に減少したが,その後 9日迄漸減した.乙の ー一一一一若い根 Xp H6 最初の急減は溢泌液による根の活性の変動 6) とよく一致 ーーーーー古い根 している.又燐酸緩街波 ( pH7,0.067M) よりも Na O . O O I M ) N03( 2 2 4 μ g N )を添加した区,更に又際糖 ( T . pH5 V J [. 第 V I V l I を添加した区と順次呼吸能が高くなっている.燐酸緩衝 1 2日 1 x 月 液区では 2日で 45%減 , 4日で 60%減少し以後は殆 1図 培 地 pHの 根 端 の Q 0 2 ( F )!己及 l ます影響 ど減少しなかった.切断 i 直後は 2 NaN03による塩呼吸は 廿胃 XII,1 9 6 5 農 化 学 紛 第 2表地上部切除後新生した恨の呼吸 QO.(F) j g新鮮重j h r ) 〔実験 3) (0.吸収 μ! z ω \(;Ir~ 2) 1 非政緩衝液 (pH7,O . 0 6 7 M ) h 、 、 、 、 、 、 。 』 ~~\\。 ∞ 、 ¥ ーーーーー-ー『 1 16 日根円2S*~ 1 出 f 在 I85 I109 I (100) I (100) I87 I136 , , +NaNOJ (224μgN)、 I .. ( 10 2 ) " + ,,+駕糖 (O.oolM)、 1' 8 8 I ( 1 2 5 ) 1136 ( 1 0 4 ) 1 ( 1 2 5 ) 狼端 2cmを供試した. ( )内の数字は燐酸緩衝液 区の QO.(F) を 1 0 0・として表わした値. 乾物 ー 2 " o " 4日自の値に近かったが, NaN03或はそれに更に熊根i を添加しでも呼吸の増加は殆ど見られなかった.これは 4 7 H J近いことを忠 似が既に活力を火い,その組織の崩壊も I ム 燐 酸 緩 衝 液 (pH7,O . 0 6 7 M ) x . )の においては燐酸緩街液のみでの呼吸は略々〔実験 2 ω 。o N畑 山 山 。 ー ー ー-由、 g e の差が鋭敏に呼吸能I C反映されていた. 1 6日根 の a 口 2日根では燐酸緩衝液のみでも〔実験 2 . ) わせる.他方 1 +NaNOJ ( 2 2 4pgN) の 2日自の値より僅かに高く. 1 6日根にくらべ.て 28%も +NaNOJ十際紛 ( O . O O l M ) 向かった. しかも NaNOJ 添加によって 25%呼吸が促 進され,この増加率は〔実験 2 .)の 2日目の松同i の 2倍 i : j ' )3凶地上部切除後の里芋根椛i の呼吸ζ l及ぼすr.w. 以上 l と相当する.然し耳石泌を更に追加しでも全く効果が 糖添加の効果 見られなかったのは基質が十分であったというより., 1 6 認められるが薦、糖添加の効果は余り認められなかった. 日収型への移行の途中にあったと見るべきであろう.従 これは根端に呼吸基買が十分存在し活力が旺盛であった ってこの実験の結果から,地上部の再生(或は通常の発 NaN03による呼吸促進は 7日目迄はご 台)の原動力を担う似は絶えず新生してくるおーい t l iであ ためであろう く僅かながら漸増し以後一定であった.一方乙れに] ! ! i 泌 り,虫芋を水緋した場合辺気条件の如何に拘らず古い以 を添加した場合の効果は 4日目が最高であった.これを と新しい松の交替が激しかったのも当然であると云える. 4 . 根の各部における呼吸 NaN03 区の変動及び凶示した乾物パーセントの支劫と 実験 考え合わすと 4日目迄は呼吸基質は急激に消耗して行 同一組織(本研究では収端)における呼吸が age に くが未だ諜糖添加による呼吸回復力が潜在していること, より大きく変動することが確認されたので,同一器官 並びにその後は根端組織の構成水分の減少からも推定さ (根〉において新!日組織で呼吸能に差があるかどうかを調 れるように最高 0.001M程度の薦糖添加のみでは図にみ べるため, 1 0 月初旬根長約 20cm,支根多数の古い根を られる低水準から回復する能力を失ってしまう ζ と等が 選び,文根の根端,根部の根端及びtiI,元の 3部に分け, 推定される.従ってこの結果は N03-N吸収と呼吸エ 各 2cmの切断娘を供試した. m 3表IC示す結果から凡て本実験の似端の 呼吸能は約 ネルギーの関連位を十分証明しているものと考える. 実験 l I 3 . 地上部切除後新生した根の呼吸 3 :ì!昼間前(~験2.) の 4 分の 11ζ 落ちている.乙れは植 尖験 2. で従た結果 IC基づいて,地上部切除後trr~ して 物自体の age が既 l 乙~殖~長米期 IC 近く,桜本米の機 くる棋の呼吸が僅かの age の差によって奥るか否かを 能が急速に減退している乙とを物語っているのであろう. l地よ部を切除し 1 0 月 3日第 2 調べる目的で, 9月中旬ζ 唄に 又培地の如何によらず呼吸能は支根>根端>根元の l 表ζ l示すように新生した支根のない 1 2日根(約 5cm)と なっているのは,組織の新旧の差を反映しているものと 16 日根 (5~ lO cm) の根端 2cm を用いて培地を変えて 忠われる.又文根がt M 部より格段と大きな呼吸能を示し, 呼吸を測定した. しかも〔実験 3 . ) の1 2日根の根端と同様際結添加の効果 生育期としては既に地上部も根も次第に活力が減衰し こも未だ基質レベルは を現わさなかったのは,乙の時期 l 芋部の発育最盛期 l こ入っていため勾ので新生根の発生も かなり高いことを推定させる.然し根部における際糖添 少く又発育も遅かったが,表から明かなように僅か 4 日 加による日子吸促進率が 40%を越えたのは,前の実験と 3 第 7巻 第 1号 兵庫農科大学研究報告 第 4表 基 質 澗 渇 根 の 呼 吸 第 3表 根 の 各 部 に お け る 呼 吸 〔実験 4) i 也 ネ 培 (0,吸収 ,l p/ g新鮮重/ h r ) 1 艮 部 4 8 ( 3 9 ) 2 7 ( 2 2 ) 燐酸緩街液 Na 糖 1 2 7 ( 1 0 0 ) 6 8 ( 5 4 ) 3 9 ( 3 1 ) 同上+熊 iW糖の効果 +4% +42% +44% +NaN03 向上+熊 支恨 +NaN03 糖 iw.糖の効よf h *培地の濃度は第 2表と同じ. 部 根 地* 培 文根 1 2 2 ( 1 0 0 ) 燐酸綬街N 液a (0,吸収 ,l p/ g新鮮重/ h r ) 〔実験 5) 根端 根元 4 8 . 0 ( 1 0 0 ) 2 0 . 3 ( 4 2 ) 2 0 . 6 ( 4 3 ) 4 9 . 6 ( 1 0 0 ) 4 6 . 4 ( 9 4 ) 2 2 . 2 ( 4 5 ) +3% +129%i +8% *培地の濃度は第 2表と悶じ. ( )内の数字は文恨の QO, ( F )を 1 0 0とした値. ( F )を 1 0 0とした値. ( )内の数字は文根の QO, は臭った条件即ち地上部が健全なままに存在していて, であるから,土壌からの物質の吸収やエネルギー代謝に t R 部ζ l基質を利用する能力が未だ残存していたことの証 おける根の機能は低下の一途を辿り,本実験 l と見られる 拠である.これらの結果は,従米の里芋の生育状況に関 l残存している訳ではない.根長 25cm 活性が根系全体ζ する観察 7_りにおいて旦芋地上部が 1 0 月上句迄続いた迎 以上の般は半ば褐変し,新しい文恨のない根も数が少い 山の一部を説明しているようである. ことからすれば,供試材料は平均値以上の呼吸能を示し 実験 ていたと忠われる. 5 . 基質 j固渇根の呼吸 基質を人為的に溜渇させて松の各部の呼吸 I C及ぼす基 以上の実験結*から根における呼吸能を測定して犯々 乙近い条件下 質添加の効果を一層明確にし,併せて園場 l の外的条件下での根の活性の動向を推定する手段として 0 の収穫期における根の活性の程度を観察するために, 1 は,先ず根部の根端 2cm(分裂域+伸長域の一部)を供 月3 1日,ポットで土耕栽培した里芋から約 20cmの根長 試するのが適当と思われる.又根端の呼吸測定の際に用 を有 L,又文根を多数つけている古い根を選ぴ,文根の . 0 6 7M 程度で いる場地としては燐酸緩街放の濃度は 0 根端,桜部の根端及び根元の各 2cm 切断肢を供試した. pH7 を基準とするのが望ましい.然しその後の同種の 50C の通気蒸溜水中 l ζ 2 4時 W Jイ 基質溜渇処理は試料を 2 尖験において,ワ-)レフールグ検圧言│ーでの呼吸測定に適す 2 5C) ンキユベイトして行った.尚,途中で 3回蒸溜水 ( る温度は盟芋切断根では 3 00C,呼吸測定は温度平衡後9 0 を克新して汚染を少しでも防ぐようにした. 分で十分であることが分った.町尚,僅かの外四条件の 0 第 4表の数値を第 3表のものと直接比較するのは当を 己反映することを確認できたの 差が迅速に切断恨の呼吸 l 得たものとは云えないが,水耕と土耕との差を無視すれ 乙及ぼす影響を研究 で,その後特に加盟栄養が根の呼吸 l 0 月上句の値の ば,この収穫期の基質沼渇根の呼吸能は 1 し若干のデーターを発表した .11, 1 りその聞の経験から,供 l低下していると云えよう.然し詳細に検討す 半分以下ζ 試根の育成法,切断根の調製法等について若干の改良法 る迄もなく各部の呼吸能は依然として 1 0 月上旬のレベル を見出したが,新旧の根の交替の激しい里芋根を植物栄 を維持していることが推定される .t 占質を j 固# Jさせた場 養学の研究材料に選ぶことは甚だ興味あることと言えよ 合は文根が圧倒的に大きな値を取るが,以部の根端と羽.>l っ . 元では差がなくなっており, x(尖験4 . )の結果ζ l岐ベ 要 約 て似元の文似 l 乙対する比が約 2f ; qにもなっている.これ らから澗渇処迎による+&中の 1 志賀の消耗皮は文根>収紘j 里子(石) 1 /早生極)を水耕又は土耕によりポット栽地 〉根元の)l j i Hとなっていることが推定される.熊糖添加の し,その根の根端,根元及び文根の根端の各 2cmを用 効果は支根と根元ζ l殆ど見られないのに,根端において いワー Jレフツレクボ検圧法により呼吸 (0,吸収)を測定した. は約 130%もあった乙とは注目に値する.即ち乙の収穫 供試最は 100~200mg (根部は 7本,支根部は 5 0 本). 適期 l 乙は最早根部の根端以外は呼吸基質(特 l 乙地上部よ 燐酸緩街液最終濃度 0.067M(pH は 5 , 6 , 7の 3段階), り送り込まれる基質)を利用する能力が弱いともいえる. 又 224μgN相当の NaN03 更には O.OOlMiW糖を添 根の活力が最後まで残存するのはこの根端部であると推 加し全反応液量を 3ml とした.毎分 1 2 0回振塗,温度 定できる.但し前にも述べたように根系全体としては発 2 50C,温度平衡1 5分,自家呼吸 6 0 分,呼吸測定 1 8 0 分. 育は 1 0 月に入ってからは停滞するより寧ろ劣化する一方 呼吸は QO, ( F ) (0,吸収 μl / g新鮮重/ h r )又は QO, 4 農 芝 山 XII,1 9 6 5 化 学 編 NaukSSSR,6,1 3( 1 9 5 9 ) . ( 0 2吸収 μZ j g乾物重j h r )で表わした. 1 )培地 pHは o i lS c i .andP l a n t 6 ) S .OKAMOTOandG.lzAwA,S 7が最適であり,若い根の方が高い値を示じた. 2 )地 1 9 6 3 ) . N u t r i t i o n,9,8( 上部切除後根端の呼吸は 2日間 I C 45% も急減しその後 S o i landP l a n tFood , 7 ) G.IZAwAandS .OKAMOTO, 9日目迄漸減した.一方 NaN03による呼吸促進は 7日 4,1 6 3( 19 5 9 ) . 目迄まで微増を続け,震糖添加の効果は 4日目が最高で あった. 3 )地上部切除後新生した根では,若い根端で 8 ) G.IZAwAandS.OKAMOTO,i b i d .,6,1 2 7( 1 9 6 1 ) . は NaN03により 25%増進した呼吸は際糖を更に添加 9 ) 岡本三郎,伊沢倍郎,兵庫農大研報,農化編, 6, 6 8( 1 9 6 4 ) . しでもそれ以上の増迭を示すことはなく.古い根では両 )支根の多い 20cmI ζ 者による効果は殆どなかった. 4 1 0 ) 岡本三郎,伊沢f 吾郎, (未発表). 達する根においては.根部が支根部の 20~40% の呼吸 1 1 ) 岡本三郎,伊沢f 吾郎,日土肥諮演集, 1 0, 5 7( 1 9 6 4 ) . 能を示したに過ぎなかったが,j,¥!i糖添加の効果は根部に 1 2 ) 岡本三郎,王子善清,伊沢悟郎, おいて 40%以上あったのに反し文根部は数 % 1 ζ停った. 日土肥講満集, 1 1,7 9( 1 9 6 5 ) . 5 )基質澗渇根(収穫期ζ i採取〉への蕉糖添加の効果は支 Summary こ数%であったが,根端については約 1 3 0 5 ぢに 根,根元 l う も透した. 以上の結果から,呼吸測定には pH7,0.067M燐酸 緩衝液が適当であるとと,呼吸能は若い根が古い根より 大きく,又 age の若い組織の方が大きい(文根>根端 >根元)乙と,収穫期前の 1カ月間根の呼吸能は殆ど変 らず最後迄基質利用の活性を保持しているのは根端部で あるとと等が分った.又既報の里芋の生育期間中の有機 成分の変動 eのや地上部切除により溢出する溢泌液中の 成分の動向 7) と本研究の結果はよく一致していた.従っ て植物栄養生理研究の材料として,この新旧根の交替の 搬しい里芋を選ぴ,その切断根の呼吸と培養中の栄養条 件とを対照してみるのは極めて興味あるものといえまう. 0 . 8 . 3 1受理) 〈植物栄養学講座,昭 4 文 献 1 ) W.THOMAS,S c i e n c e ,6 6,1 1 5( 1 9 2 7 ) . 2 ) O.N.KULAYEVA,E .1 .S I L 1 N AandA.L .KURSA. NOV,F i z i o l .r a s t . Akad. Nauk SSSR,4,5 2 0 ( 1 9 5 7 ) . . van D , : I l 3 ) J P r o c e e d .K OIl. NederZ. Akad. 1,5 7 2( 1 9 5 8 ) . W e t e n s c h .,6 4 ) U.M.MEVIUS,F l o r a,1 4 7 ,5 5 3( 19 5 9 ) . 5 ) 羽. rL .KRETOVICH,Z . G. EVSTIGNEEVA,K. B . ASEEVAand1 .G.SAVKINA,F i z i o l .r a s t .A正a d . F U Thee f f e c t so fNaN03o rNaNO.p l u ss u c r o s eon 巴 r e s p i r a t i o ni ne x c i s e dr o o t s( r o o tend,r o o tb a s e, t h and l a t e r a lr o o t end,e a c h 2cm l o n g ) .o ft h et a r o v a r i e t yI s h i k a w aWesewereexaminedbyt h eu s u a l Warburg's manometric m e t h o d . Thes a m p l e swere !e c t e dfrom t h et a r op l a n t swhichwere growing c ol i nap o tons o i lc u l t u r eo r onwaterc u l t u r 巴. W ith p h o s p h a t eb u f f e rs o l u t i o n, t h eoptimumpHo fmedium i nt h er e s p i t a t o r yd e t e r m i n a t i o nwasf o u n dt obea t 7 .R e s p i r a t o r ya c t i v i t i e swereh i g h e ri nyoungerr o o t s andi nyoungert i s s u e s( i . e .l a t e r a lr o o tend>rootend >rootb a s e ) . Attwod a y sa f t e rad e c a p i t a t i o no ft h e t o p s, t h er e s p i r a t i o no fr o o t sf e l lt oa b o u tah a l fl e v e l o ft h ei n i t i a loneo fthem, b u tt h e r e a f t e ri td e c r e a s e d s l o w l yu n t i lt h e9 t hd a y . Ar e s p i r a t o r ys t i m u l a t i o n by NaN03i n c r e a s e dg r a d u al ! yu n t i lt h e7 t h day, whereast h emaximals t i m u l a t i o nbys u c r o s ea d d i t i o n was o b s e r v e da tt h e4 t hd a y . Theser e s u l t swere c o n s i s t e n tw i t ht h ed a t ad e s c r i b e de l s e w h e r e . In October ,f o r one month p e r i o db e f o r et h eh a r v e s t s t a g e,t h er o o tr e s p i r a t i o nk e p ta c o n s t a n tl e v e l, though i n one s i x t ho ft h a ti n August,t h e most a c t i v ep e r i o di ng r o w t h . As u c r o s e s t i m u l a t i o no f r e s p i r a t i o ni nr o o te n d sa t t a i n e d130%a tt h eendo f October ,which maysuggest t h a tt h eo n l yt i s s u ei s t h er o o tt i pwhichwouldh o l da tah i g h e rl e v e lan a c t i v i t yt ou t i l i z es o m e .exogenouss u b s t r a t e sf o rr o o t r e s p i r a t i o nupt ot h eh a r v e s ts t a g eo ft a r op l a n t s .
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