Kobe University Repository : Kernel

 Kobe
University Repository : Kernel
Title
作物根の代謝に及ぼす無機栄養の影響 (II) : 里芋切断根の
呼吸 (1)
Author(s)
岡本, 三郎 / 伊沢, 悟郎
Citation
兵庫農科大學研究報告. 農芸化学編, 7(1): 1-5
Issue date
1965
Resource Type
Departmental Bulletin Paper / 紀要論文
Resource Version
publisher
URL
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/81006253
Create Date: 2015-02-01
作物根の代謝に及ぼす無機栄養の影響
里芋切断根の昨吸
(
I
I
)
(1)
岡本三郎・伊沢悟郎
Effect of Mineral Nutrition on Metabolic Change
I
I
)
.
lnduced in Crop Plant Roots (
R
e
s
p
i
r
a
t
i
o
ni
ne
x
c
i
s
e
dr
o
o
t
so
ft
a
r
op
l
a
n
t
s (1)
S
a
b
u
r
oOKAMOTOandGoroIZAWA
植物根は土壌から 1
1分を吸収する器官としてのみでな
砂を半々に混合したもの 5kgを充填しておいた.施肥
く,種々の有機化合物の合成掠官としてかなり古くから
.
6
g,過燐酸石灰 0
.
8
g,塩化加
畳はポット当り,尿素 0
研究されているがρ代謝センターとしての根の機能を切
旦 0
.
4
g,塩化マグネシウム '
0
.
0
5
g及び塩化カルシウム
断根を用いて探究したものが極めて多数発表されている.
0
.
0
5
gで,水溶液の形で 5月末から 8月半迄の期間 l
乙5
然し一方では根の有機物質の合成機能や根から地上部へ
分の l宛分施した.栽培管理法は既報7) の通りにした.
の物質移動の機作の解明に,地上部切除により溢出する
C用いた材料は板端,根元及び支根の根
根の呼吸測定 I
締i
の三部 I
C分け,何れも 2cmの長さのものを切断した.
b
l
e
e
d
i
n
gs
a
p
) を用いて好結果を得た論文も年
溢泌液 (
々多数にのぼっている
2_り
特i
乙種々の栄養条件下にお
これらの切断部分を数分間流水(水道水〉で洗い,数回
0
.1<気を切った.
蒸溜水で濯ぎ,1'紙で十分 1
ける溢泌汲の量的及び質的変動(日変化・季節的変化或
g
eによる差異)を調べる事は,無機態室菜の同化と
はa
呼吸は最終濃度 0.067M燐酸緩衝液を用いてワー Jレプ
有機態窒素化合物への転化の生化学的過程を明らかにす
Jレグ‘検圧法 l
とより測定した.容器の主室に
る重要な知見を与えるちのと期待されている .5)
衝液 1ml と切断根 100~200mg (根端及び根元は通常
0.2M燐酸緩
7木,支恨は 5
0
本)とを入れ,副室 l
こは上辺 l
乙浅い切込
そこで著者等は里芋を材料植物として選びその滋泌波
の窒素成分含量の日変化 I
C及ぼす加盟栄養の影響を調ぺ,
を 2mm間隔につけた 18mmX25mmのl'紙片に 20%
既にその結果の一部を発表した.')同時に切断根を用いて
根の呼吸作用について調べて,溢沼、淡を用いて得た結果
C2
2
4
KOH0
.
2
m
lを吸収させたものを入れ,第 1側室 I
μgN相当の NaN03溶液 0
.
3
m
lを,第 2側室 l
乙0
.
0
1
の考案 l
とも役立てたいと思った.木報はそれら一連の研
.
3
m
lを入れ,全反応液量が 3mlになるよ
M 恭憾波 0
究の予報に該当し,先ず毘苧切断根の呼吸測定 I
L際して
う蒸溜水を添加した.毎分 1
2
0回振盗,気相は空気,温
の基準の設定を目標として地上部切除後の根における呼
50C で行った. 1
5分間の温度平衡及び 6
0分間の自家
度 2
吸変動及び根の各部位における呼吸速度の差異を調べ,
呼吸を行わせた後,側室の内容物を主室 l
己注入し更に 1
8
0
と若干の
又その結果から既報6)8)めの里芋に関する結果 l
分聞に亘って呼吸を測定した.呼吸は Q02(F)(
0.吸
考察を試みたものである.
収 μ
!
/
g新鮮宣j
h
r
)文は Q02(02吸収
f
.
'l
/
g乾物室
第 1表 培 養 液 の 組 成
材料及び方法
使 用 塩 釘i
要素畳
里芋(石)
1
1早生程)の種芋を 1
9
6
2
年 5月 1
6日に 1
1
1砂を
入れたノ fット l
己植え毎日適量の水道水を補給し第 1葉が
N
完全に開いて後,苗を選択して一部は水耕,他は土耕 l
乙
よってポット栽培した.7
.1<耕栽培した植物は 6月 3日5
0
万の 1アールポット l
乙移植しガラス室内において第 1表
l
乙示すような培養液 (pH5
.
6
) を用いて栽培を続けた.
2
時間通気し,週 2回培養液を更新し
エアポンプで 1日2
た.土耕栽培のポットは水耕用と同型で,園場の土と川
l
p
2
0
pm
m
g
/
l
NaN03
1
21
.4
Na2
HPO
・
,12H,
O
1
0
0
.
8
P2
0S
K2
0
2
0
CaO
2
CaCl2
2H,
O
・
5
.
2
MgO
2
7H,
O
MgSO.・
1
2
.
2
Fe,
03
1
F
e
C
l
a・
6H,
O
2
0
K2
SO.
3
7
.
0
3
.
4
;'i7巻第 1号
兵Ji11皮科大学研究報告
/
h
r
)で表わした.
QO
,
結果及び考察
70
pHと根の呼吸
里芋根の呼吸 l
乙最適な pH範囲を知る目的で,最終濃
度 0.067M燐酸緩衝液の pHを 5,6,7の三段階とし,
6
0
〔実験1)
実験1. 培地
そ¥
一方水耕した里芋の根を若い根 (10cm,支根なし〉と古
い根 (20cm以上,支根多数あり) I
己群別し,何れもそ
の根端 2cmを切断して供試した.
培地
5
0
pHが根端の Q
0
2
(
F
)I
乙及ぼす影響について 7
月から 9月にかけて生育期を追って調べた結果を第 1図
I
C示した.一般的に,若い根は古い根 I
C較べて何れの pH
4
0
又何れの生育期においても高い呼吸能を示している.一
方最適 pHは 7であり,以下 6,5 と順次何れの根にお
いても呼吸能は{尽くなっており,
pH7 の呼吸は 2カ月
3
0
乙示す培
聞に約 35%減少している.との傾向は第 2図 l
地 pHと根端の Q
02との関係図により一層明隙 l
己認め
1
0
,
'
¥
られる.尚両図に共通して見られる 8月 1
0日のピーク I
C
o pH7
1
) との時期にば地上部の生育が急
づいて考察すれば,
上昇し,同時に根の発育もそれと対応して旺盛である .8)
X pH6
ご一一若い根
'
2
)既報6)の研究において溢泌液中のアミノ態窒素の溢出
第 2図 培 地
ム
ーー『古い根
pHの根端の Q02に及ぼす影響
量が 8月前半 I
C最高を示した. 3
) 第 1図と第 2図の差
述からも類推できるように根端の乾物合有量はとの頃一
QO
,
(F)
時高まつでいる.以上の事実からこの時期には根の代謝
∞
3
C旺盛であり,それが呼吸 (02吸収)の測定結
全体が特 !
E
実験1)
。
果にも反映されたのであろう.
.の結果 l
己基づき以下の実験では pH7の燐酸綬
実験 1
~j液を用いることとした.
実験
2
. 地上部切除後の根の呼吸
乙の実験は地上部を切除した際出てくる溢泌液中の窒
∞
.
2
1
素化合物の変動から推定される根から地上部への物質移
I
~乙,.._--A....\J、司A_ーー
→
動の活性における経時的減衰が根の呼吸能の減衰と関連
性があるか否かを確かめるために行ったものである.里
7日l
己切除して後第 3図!L示す所定の日
芋地上部を 9月 1
--A
数経過後!L,根長 20~25
cm で多数の支根を有する根
(実験 1の古い根 l
乙相当)の根材12cmを切断して供試
した.
。pH 7
図から切らかなように何れの処理区も最初の 2日聞に
呼吸は急激に減少したが,その後 9日迄漸減した.乙の
ー一一一一若い根
Xp
H6
最初の急減は溢泌液による根の活性の変動 6) とよく一致
ーーーーー古い根
している.又燐酸緩街波 (
pH7,0.067M) よりも Na
O
.
O
O
I
M
)
N03(
2
2
4
μ
g
N
)を添加した区,更に又際糖 (
T
. pH5
V
J
[.
第
V
I
V
l
I
を添加した区と順次呼吸能が高くなっている.燐酸緩衝
1
2日
1
x
月
液区では 2日で 45%減
, 4日で 60%減少し以後は殆
1図 培 地 pHの 根 端 の Q
0
2
(
F
)!己及 l
ます影響
ど減少しなかった.切断 i
直後は
2
NaN03による塩呼吸は
廿胃
XII,1
9
6
5
農
化
学 紛
第 2表地上部切除後新生した恨の呼吸
QO.(F)
j
g新鮮重j
h
r
)
〔実験 3) (0.吸収 μ!
z
ω
\(;Ir~ 2)
1
非政緩衝液
(pH7,O
.
0
6
7
M
)
h
、
、
、
、
、
、
。
』
~~\\。
∞
、
¥ ーーーーー-ー『
1
16 日根円2S*~
1
出
f
在
I85
I109
I (100) I (100)
I87
I136
,
,
+NaNOJ
(224μgN)、 I
..
(
10
2
)
"
+
,,+駕糖
(O.oolM)、
1'
8
8
I
(
1
2
5
)
1136
(
1
0
4
) 1
(
1
2
5
)
狼端 2cmを供試した. ( )内の数字は燐酸緩衝液
区の QO.(F) を 1
0
0・として表わした値.
乾物
ー
2
"
o "
4日自の値に近かったが, NaN03或はそれに更に熊根i
を添加しでも呼吸の増加は殆ど見られなかった.これは
4
7
H
J近いことを忠
似が既に活力を火い,その組織の崩壊も I
ム 燐 酸 緩 衝 液 (pH7,O
.
0
6
7
M
)
x
.
)の
においては燐酸緩街液のみでの呼吸は略々〔実験 2
ω
。o
N畑 山 山
。
ー
ー ー-由、
g
e の差が鋭敏に呼吸能I
C反映されていた. 1
6日根
の a
口
2日根では燐酸緩衝液のみでも〔実験 2
.
)
わせる.他方 1
+NaNOJ (
2
2
4pgN)
の 2日自の値より僅かに高く. 1
6日根にくらべ.て 28%も
+NaNOJ十際紛 (
O
.
O
O
l
M
)
向かった. しかも NaNOJ 添加によって 25%呼吸が促
進され,この増加率は〔実験 2
.)の 2日目の松同i
の 2倍
i
:
j
'
)3凶地上部切除後の里芋根椛i
の呼吸ζ
l及ぼすr.w.
以上 l
と相当する.然し耳石泌を更に追加しでも全く効果が
糖添加の効果
見られなかったのは基質が十分であったというより., 1
6
認められるが薦、糖添加の効果は余り認められなかった.
日収型への移行の途中にあったと見るべきであろう.従
これは根端に呼吸基買が十分存在し活力が旺盛であった
ってこの実験の結果から,地上部の再生(或は通常の発
NaN03による呼吸促進は 7日目迄はご
台)の原動力を担う似は絶えず新生してくるおーい t
l
iであ
ためであろう
く僅かながら漸増し以後一定であった.一方乙れに]
!
!
i
泌
り,虫芋を水緋した場合辺気条件の如何に拘らず古い以
を添加した場合の効果は 4日目が最高であった.これを
と新しい松の交替が激しかったのも当然であると云える.
4
. 根の各部における呼吸
NaN03 区の変動及び凶示した乾物パーセントの支劫と
実験
考え合わすと
4日目迄は呼吸基質は急激に消耗して行
同一組織(本研究では収端)における呼吸が age に
くが未だ諜糖添加による呼吸回復力が潜在していること,
より大きく変動することが確認されたので,同一器官
並びにその後は根端組織の構成水分の減少からも推定さ
(根〉において新!日組織で呼吸能に差があるかどうかを調
れるように最高 0.001M程度の薦糖添加のみでは図にみ
べるため, 1
0
月初旬根長約 20cm,支根多数の古い根を
られる低水準から回復する能力を失ってしまう
ζ と等が
選び,文根の根端,根部の根端及びtiI,元の 3部に分け,
推定される.従ってこの結果は N03-N吸収と呼吸エ
各 2cmの切断娘を供試した.
m
3表IC示す結果から凡て本実験の似端の 呼吸能は約
ネルギーの関連位を十分証明しているものと考える.
実験
l
I
3
. 地上部切除後新生した根の呼吸
3 :ì!昼間前(~験2.) の 4 分の 11ζ 落ちている.乙れは植
尖験 2. で従た結果 IC基づいて,地上部切除後trr~ して
物自体の age が既 l 乙~殖~長米期 IC 近く,桜本米の機
くる棋の呼吸が僅かの age の差によって奥るか否かを
能が急速に減退している乙とを物語っているのであろう.
l地よ部を切除し 1
0
月 3日第 2
調べる目的で, 9月中旬ζ
唄に
又培地の如何によらず呼吸能は支根>根端>根元の l
表ζ
l示すように新生した支根のない 1
2日根(約 5cm)と
なっているのは,組織の新旧の差を反映しているものと
16 日根 (5~ lO cm) の根端 2cm を用いて培地を変えて
忠われる.又文根がt
M
部より格段と大きな呼吸能を示し,
呼吸を測定した.
しかも〔実験 3
.
) の1
2日根の根端と同様際結添加の効果
生育期としては既に地上部も根も次第に活力が減衰し
こも未だ基質レベルは
を現わさなかったのは,乙の時期 l
芋部の発育最盛期 l
こ入っていため勾ので新生根の発生も
かなり高いことを推定させる.然し根部における際糖添
少く又発育も遅かったが,表から明かなように僅か 4 日
加による日子吸促進率が 40%を越えたのは,前の実験と
3
第 7巻 第 1号
兵庫農科大学研究報告
第 4表 基 質 澗 渇 根 の 呼 吸
第 3表 根 の 各 部 に お け る 呼 吸
〔実験 4)
i
也
ネ
培
(0,吸収 ,l
p/
g新鮮重/
h
r
)
1
艮
部
4
8
(
3
9
)
2
7
(
2
2
)
燐酸緩街液
Na
糖
1
2
7
(
1
0
0
)
6
8
(
5
4
)
3
9
(
3
1
)
同上+熊
iW糖の効果
+4%
+42%
+44%
+NaN03
向上+熊
支恨
+NaN03
糖
iw.糖の効よf
h
*培地の濃度は第 2表と同じ.
部
根
地*
培
文根
1
2
2
(
1
0
0
)
燐酸綬街N
液a
(0,吸収 ,l
p/
g新鮮重/
h
r
)
〔実験 5)
根端
根元
4
8
.
0
(
1
0
0
)
2
0
.
3
(
4
2
)
2
0
.
6
(
4
3
)
4
9
.
6
(
1
0
0
)
4
6
.
4
(
9
4
)
2
2
.
2
(
4
5
)
+3%
+129%i
+8%
*培地の濃度は第 2表と悶じ.
( )内の数字は文恨の QO,
(
F
)を 1
0
0とした値.
(
F
)を 1
0
0とした値.
( )内の数字は文根の QO,
は臭った条件即ち地上部が健全なままに存在していて,
であるから,土壌からの物質の吸収やエネルギー代謝に
t
R
部ζ
l基質を利用する能力が未だ残存していたことの証
おける根の機能は低下の一途を辿り,本実験 l
と見られる
拠である.これらの結果は,従米の里芋の生育状況に関
l残存している訳ではない.根長 25cm
活性が根系全体ζ
する観察 7_りにおいて旦芋地上部が 1
0
月上句迄続いた迎
以上の般は半ば褐変し,新しい文恨のない根も数が少い
山の一部を説明しているようである.
ことからすれば,供試材料は平均値以上の呼吸能を示し
実験
ていたと忠われる.
5
. 基質 j固渇根の呼吸
基質を人為的に溜渇させて松の各部の呼吸 I
C及ぼす基
以上の実験結*から根における呼吸能を測定して犯々
乙近い条件下
質添加の効果を一層明確にし,併せて園場 l
の外的条件下での根の活性の動向を推定する手段として
0
の収穫期における根の活性の程度を観察するために, 1
は,先ず根部の根端 2cm(分裂域+伸長域の一部)を供
月3
1日,ポットで土耕栽培した里芋から約 20cmの根長
試するのが適当と思われる.又根端の呼吸測定の際に用
を有 L,又文根を多数つけている古い根を選ぴ,文根の
.
0
6
7M 程度で
いる場地としては燐酸緩街放の濃度は 0
根端,桜部の根端及び根元の各 2cm 切断肢を供試した.
pH7 を基準とするのが望ましい.然しその後の同種の
50C の通気蒸溜水中 l
ζ
2
4時 W
Jイ
基質溜渇処理は試料を 2
尖験において,ワ-)レフールグ検圧言│ーでの呼吸測定に適す
2
5C)
ンキユベイトして行った.尚,途中で 3回蒸溜水 (
る温度は盟芋切断根では 3
00C,呼吸測定は温度平衡後9
0
を克新して汚染を少しでも防ぐようにした.
分で十分であることが分った.町尚,僅かの外四条件の
0
第 4表の数値を第 3表のものと直接比較するのは当を
己反映することを確認できたの
差が迅速に切断恨の呼吸 l
得たものとは云えないが,水耕と土耕との差を無視すれ
乙及ぼす影響を研究
で,その後特に加盟栄養が根の呼吸 l
0
月上句の値の
ば,この収穫期の基質沼渇根の呼吸能は 1
し若干のデーターを発表した .11,
1
りその聞の経験から,供
l低下していると云えよう.然し詳細に検討す
半分以下ζ
試根の育成法,切断根の調製法等について若干の改良法
る迄もなく各部の呼吸能は依然として 1
0
月上旬のレベル
を見出したが,新旧の根の交替の激しい里芋根を植物栄
を維持していることが推定される .t
占質を j
固#
Jさせた場
養学の研究材料に選ぶことは甚だ興味あることと言えよ
合は文根が圧倒的に大きな値を取るが,以部の根端と羽.>l
っ
.
元では差がなくなっており,
x(尖験4
.
)の結果ζ
l岐ベ
要 約
て似元の文似 l
乙対する比が約 2f
;
qにもなっている.これ
らから澗渇処迎による+&中の 1
志賀の消耗皮は文根>収紘j
里子(石)
1
/早生極)を水耕又は土耕によりポット栽地
〉根元の)l
j
i
Hとなっていることが推定される.熊糖添加の
し,その根の根端,根元及び文根の根端の各 2cmを用
効果は支根と根元ζ
l殆ど見られないのに,根端において
いワー Jレフツレクボ検圧法により呼吸 (0,吸収)を測定した.
は約 130%もあった乙とは注目に値する.即ち乙の収穫
供試最は 100~200mg (根部は 7本,支根部は 5
0
本).
適期 l
乙は最早根部の根端以外は呼吸基質(特 l
乙地上部よ
燐酸緩街液最終濃度 0.067M(pH は 5
,
6
,
7の 3段階),
り送り込まれる基質)を利用する能力が弱いともいえる.
又 224μgN相当の NaN03 更には O.OOlMiW糖を添
根の活力が最後まで残存するのはこの根端部であると推
加し全反応液量を 3ml とした.毎分 1
2
0回振塗,温度
定できる.但し前にも述べたように根系全体としては発
2
50C,温度平衡1
5分,自家呼吸 6
0
分,呼吸測定 1
8
0
分.
育は 1
0
月に入ってからは停滞するより寧ろ劣化する一方
呼吸は QO,
(
F
) (0,吸収 μl
/
g新鮮重/
h
r
)又は QO,
4
農
芝
山
XII,1
9
6
5
化
学
編
NaukSSSR,6,1
3(
1
9
5
9
)
.
(
0
2吸収 μZ
j
g乾物重j
h
r
)で表わした. 1
)培地 pHは
o
i
lS
c
i
.andP
l
a
n
t
6
) S
.OKAMOTOandG.lzAwA,S
7が最適であり,若い根の方が高い値を示じた. 2
)地
1
9
6
3
)
.
N
u
t
r
i
t
i
o
n,9,8(
上部切除後根端の呼吸は 2日間 I
C 45% も急減しその後
S
o
i
landP
l
a
n
tFood
,
7
) G.IZAwAandS
.OKAMOTO,
9日目迄漸減した.一方 NaN03による呼吸促進は 7日
4,1
6
3(
19
5
9
)
.
目迄まで微増を続け,震糖添加の効果は 4日目が最高で
あった. 3
)地上部切除後新生した根では,若い根端で
8
) G.IZAwAandS.OKAMOTO,i
b
i
d
.,6,1
2
7(
1
9
6
1
)
.
は NaN03により 25%増進した呼吸は際糖を更に添加
9
) 岡本三郎,伊沢倍郎,兵庫農大研報,農化編, 6,
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しでもそれ以上の増迭を示すことはなく.古い根では両
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) 岡本三郎,伊沢f
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) 岡本三郎,伊沢f
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おいて 40%以上あったのに反し文根部は数 %
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こ数%であったが,根端については約 1
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以上の結果から,呼吸測定には pH7,0.067M燐酸
緩衝液が適当であるとと,呼吸能は若い根が古い根より
大きく,又 age の若い組織の方が大きい(文根>根端
>根元)乙と,収穫期前の 1カ月間根の呼吸能は殆ど変
らず最後迄基質利用の活性を保持しているのは根端部で
あるとと等が分った.又既報の里芋の生育期間中の有機
成分の変動 eのや地上部切除により溢出する溢泌液中の
成分の動向 7) と本研究の結果はよく一致していた.従っ
て植物栄養生理研究の材料として,この新旧根の交替の
搬しい里芋を選ぴ,その切断根の呼吸と培養中の栄養条
件とを対照してみるのは極めて興味あるものといえまう.
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〈植物栄養学講座,昭 4
文 献
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