10月29日課題解答

熱力学Ⅱ 10 月 29 日
下記の問題において空気のガス定数を R  0.287kJ / kgK ,定圧比熱を c p  1.005kJ / kgK とする.
1.ヘアードライヤーは電熱線が数層に配置されたダクトである.小さなファンが空気を吸入し,加熱させる
ために電熱線に送り込む.いま,100kPa , 20 ℃の空気が 1000W のヘアードライヤーに入り,80 ℃で出て行
く.このヘアードライヤーのダクトの直径は 9cm である.ファンによって消費される動力とヘアードライヤー
 と(2) 空気の出口における速度を求めよ.
壁面からの熱損失は無視し,(1)空気の質量流量 m
20℃
80℃
直径 9cm


1 2

2
  W  m 
熱力学第一法則 Q
c p T2  T1   w2  w1  g z 2  z1  で運動エネルギーと位置エネルギ
12
12
2



ー項を無視し,動力 W も無視する.熱の出入りは電熱線による加熱と壁面からの熱流出が考えられるが,題
 c p (T2  T1 ) と簡単化される.
意から壁面からの量は無視している. これから上式は Qヒ ー タ  m
3
  Qヒータ/ c p (T2  T1 )  1000  10 / 1.005  (80  20)  0.01658kg / s
(1) 質量流量は上式から m
(2)は出口での速度 w2 を求める
 / 2 A2
w2  m
p
100
2  2 
 0.987kg / m3
RT2 0.287  353
  wA から
m
密度は
断面積
A2  d 2 / 4    0.092 / 4  6.359  103 m2
これから出口流速は
 / 2 A2  0.01658 /(0.987  6.359  103 )  2.64m / s
w2  m
2.ある井戸の水の自由表面は地表から 20m 下にある.この水をポンプで地上 30m の高さまで定常的にくみ
3
上げる.(1)熱伝達や運動エネルギーの変化,および摩擦の影響も無視して, 1.5m / min の割合で水を定常的
に組み上げるのに必要なポンプの動力を求めよ.水の密度を   1000kg / m とせよ.(2)またポンプを設置す
3
る位置(高さ)はどこでもよいか.
Q  0 ,運動エネルギー変化→ 0 ,エンタルピ変化→ 0 とすると,
 g z2  z1 
第一法則は
と簡単化される.
 W12  m
  1000  1.5 / 60  25kg / s
  V
ここで質量流量=密度×体積流量であるから m
これを代入すると
 g z2  z1   25  9.8  (30  (20))  12250 J / s  12.25kW
W12  m
ポンプを回すには外部から仕事を加えるのであるから,答えはもちろん負の値になる.
答えは  12.25kW と書いてもよいし, 12.25kW でもよい.
(2)水面から 10m までの高さ内でないといけない.一気圧は 10m 水柱に相当するので,大気圧下ではそれ
以上の高さに吸い上げることはできない.(実際には蒸気が発生し 10m より低い位置で使用不可となる)
3.100 kPa ,27℃ の空気が質量流量 5000 kg / h で定常的に円形断面断熱ディフューザーに流入し,120kPa
で流出する.空気の速度はディフューザーを通る間に 200m / s から 50m / s に減少する.(1)ディフューザーの
入り口面積と直径,(2)空気の出口温度と(3)ディフューザーの出口断面積と直径を求めよ.
 / 1 w1
  wA から A1  m
m
p
100
1  1 
 1.161kg / m3
RT1 0.287  300
(1)
  5000kg / h  5000 / 3600kg / s  1.389kg / s
m
 /  w1  1.389 /(1.161 200)  5.982 10 m
入り口面積は A1  m
3
入り口直径は A1 

4
d1 から d1 
2
4

A1 
4

2
 5.982  103  0.0770m  7.7cm
(2)エネルギー保存則


1


Q12  W12  m C p T2  T1   w22  w12  g z2  z1  において
2



本問題はディフューザーであるので Q12  0, W12  0, z 2  z1  0 を代入すると


1


m C p T2  T1   w22  w12   0
2


w1  w2
(2002  502 )  103
これから T2 
 T1 
 27  45.7℃
2C p
2  1.005
2
 
(3) m
2
2 A2 w2 を用いる
  6000kg / h  6000 / 3600kg / s  1.667kg / s
質量流量は問題から m
出口での密度は 2  P2 / RT2  120 / 0.287  (45.7  273)  1.312kg / m
3
 / 2 w2  1.389 /(1.312  50)  0.0212m2
A2  m
故に出口面積は
A2 

4
d 2 から d 2 
2
4

A2  0.164m
4.ダクト内に置かれた 200W のファンと 2 kW の電熱ヒーターからなる電気暖房システムがある.空気はダ
3
クトの中を体積流量 0.06m / s で定常的に流れる.またダクト内の空気からの熱損失の割合は 300W と見積も
 kg / s と(2)ダクトの出口での温度を求めよ.圧力は 100kPa,
られている.(1 ダクトを流れる空気の質量流量 m
入り口温度 27℃とする.
開いた系の第一法則において運動エネルギー項と位置エネルギー項を無視すると
出口温度は T2 
(1)
Q  W
 T1
c p m
と表せる
1  P1 / RT1  100 /(0.287  300)  1.16kg / m3 から
  1V1  1.16  0.06  0.0696kg / s
質量流量は m
(2) これを代入して
T2 
Q  W
(2000  300)  (200)
 T1 
 27  54.2℃
c p m
1005  0.0696