品質マニュアル 製品実現

分類番号:
QM-01
文書名:
章番号:
標題:
7
品質マニュアル
版:
11.0
頁:
17/32
製品実現
7. 製品の実現
7.1
製品実現の計画
当社は、製品実現の為に必要なプロセスを「設計計画書(様 11)」
、
「施工品質計画書(様 18)」に
計画し、構築する。但し、役所工事等においては「施工品質計画書(様 18)」を作らず、目次によって
整理しても良い。
「設計計画書(様 11)」、「施工品質計画書(様 18)」の作成にあたり、各担当者は品質マネジメン
トシステムのその他のプロセスの要求事項と整合性をとる。
「設計計画書(様 11)」、「施工品質計画書(様 18)」の中で、設計責任者及び現場代理人は次の事
項について該当するものを明確にする。
a) 製品に対する品質目標は、仕様通りの工事を行い品質クレーム及び検査不良をなくすことで
ある。5.4.1 品質目標に従ってこれらの製品に対する品質目標の達成に取り組み、その方法・
過程は「品質計画書」の中に記録を残す。
製品に対する要求事項は「施工品質計画書(様 18)」、設計図書による。
b) その製品の為のプロセスと文書の確立(「施工品質計画書(様 18)」等)及び資源の提供の
必要性(「施工品質計画書(様 18)」に示す)
c) その製品の為の検証、妥当性確認、監視、測定、検査及び試験活動並びに製品合否判定基準
(「施工品質計画書(様 18)」、設計図書、共通仕様書等)
d) 製品実現のプロセス及びその結果としての製品が、要求事項を満たしていることを実証する
為に必要な記録(
「文書記録管理規定(PR-01)」C.品質記録 参照)
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QM-01
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品質マニュアル
7
7.2
版:
11.0
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製品実現
顧客関連のプロセス
次の 7.2.1~7.2.3 項に関する設計・施工(設計を含む工事)物件及び顧客が支給する設計図書に
基づく請負工事の手順を明確にする。手順は「顧客管理規定(PR-05)」による。
7.2.1
製品に関連する要求事項の明確化
当社は、次の事項を「顧客要求事項確認書(様 07)
」又は「要求事項確認書(設計施工)
(様 09)
」
に明確にする。
a) 顧客が規定した製品要求事項、これには引渡し及び引渡し後の活動に関する要求事項を含む
b) 顧客が明示してはいないが、製品本来の使用目的又は意図された用途に必要な要求事項
c) 製品に適用される法令・規制要求事項
d) 当社が必要と判断する追加要求事項すべて
顧客の要求事項が口頭であった場合には「打合せ議事録(様 08)
」又は「要求事項確認書(設計施
工)
(様 09)」を作成し、維持する。
7.2.2
製品に関連する要求事項のレビュー
当社は、顧客に製品を提供することについてのコミットメント(例:見積書の提出、契約又は注文
の受諾、契約又は注文への変更の受諾)をする前に製品に関連する要求事項を「顧客要求事項確認書(様
07)
」又は「要求事項確認書(設計施工)(様 09)
」に従ってレビューする。
レビューでは、次の事項を確実にする。
a) 製品要求事項が定められている。
b) 契約又は注文の要求事項が以前に提示されたものと異なる場合には、それについて解決され
ている。
c) 当社が、定められた要求事項を満たす能力をもっていること。
このレビューの結果の記録及びそのレビューによってとられた処置の記録を、「文書記録管理規定
(PR-01)」によって維持する。
顧客がその要求事項を書面で示さない場合には、当社は顧客要求事項の受諾前に顧客に確認する
(「打合せ議事録(様 08)
」等)。
契約締結後に製品要求事項が変更された場合には、当社は、関連する文書の修正を行い、変更後の
要求事項が関係する担当者に理解されることを確実にする。
7.2.3
顧客とのコミュニケーション
当社は、次の事項に関して、顧客とのコミュニケーションを図る為の効果的な方法を明確にし、実
施する。
a) 製品情報
b) 引合い、契約若しくは注文又はそれらの変更
c) 苦情を含む顧客からのフィードバック
①統括工事部長に連絡し、即対応する。
②部署長会議にて検討し、再発を防止する。
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品質マニュアル
7
7.3
版:
11.0
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製品実現
設計
7.3.1
設計の計画
(1) 設計責任者の決定
設計課責任者は「資格別有資格者リスト」に基づき、当該物件の設計責任者を指名する。設計責
任者の資格認定については、6.2.2 力量、認識及び教育・訓練に従う。設計課責任者は、入手資料
を設計責任者に引渡し、設計責任者は 7.2.2 製品に関連する要求事項のレビューに従って顧客の
要求事項を明確にした上で、「設計計画書(様 11)
」を作成する。
(2) 「設計計画書(様 11)」
設計責任者は「設計計画書(様 11)」を作成し、設計課責任者の確認、統括工事部長の承認を得
る。
「設計計画書(様 11)
」には、下記の事項を含める。設計の進展に応じて、必要な場合「設計
計画書(様 11)」を更新する。更新内容の確認は、設計課責任者が行う。
a)
設計・開発の段階
b)
設計・開発の各段階に適したレビュー、検証及び妥当性の確認の時期及び方法
c)
設計に関する責任及び権限
d)
起こり得るリスクを緩和するための予防処置
必要な情報は「顧客要求事項確認書(様 07)」企画時の「打合せ議事録(様 08)」等で参画者に
よる会議を開催して内容を確認、徹底を図る。
(3) 設計外注
①
設計外注の発注
「設計計画書(様 11)」に基づき、設計責任者は設計外注の「発注承認書(様 16)」を
作成する。
「要求事項確認書(設計施工)
(様 09)」に設計対象、要求する成果物を明記
し、必要な設計インプットと共に取引先に発注する。詳細は「購買管理規定(PR-04)」
による。
②
設計外注の検証
設計外注の成果物は、本章の手順に従って設計審査、設計検証、設計の妥当性確認を実
施する。
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7.3.2
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11.0
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20/32
製品実現
設計へのインプット(設計のための資料・情報)
設計責任者は、設計を進める過程で、製品要求事項を明確にし、妥当性を確認する。当社の設計イ
ンプットは以下の該当するものの組合せからなる。設計へのインプットには、契約内容の確認のすべ
ての活動の結果を考慮に入れる。適用する設計インプットは「設計計画書(様 11)」に明記する。
a) 顧客の要求事項等、建築物に要求される機能・性能に関する情報(企画図書、現地調査報告
書、
「打合せ議事録(様 08)」、官公庁等各種設計基準)
b) 適用される法令・規制要求事項(建築基準法を適用する。建築基準法以外で特に適用される
ものがあれば「設計計画書(様 11)」に明記する。
)
c) 適用可能な場合には、それまでの類似の設計から得られる情報
d) その他設計に不可欠な要求事項(製品本来の使用目的又は、常識的な使用に必要な要求事項、
及び当社による追加要求事項を含む。
)
不完全、不明確又は矛盾する要求事項は、顧客、関係者間で解決を図る。
7.3.3
設計からのアウトプット(設計成果物)
設計アウトプット(設計成果物)は、設計インプットに対して検証を行うのに適した形及び妥当性
確認ができる形で文書化する。設計アウトプットは、以下のものの組合せからなる。当該設計に必要
な設計アウトプットは、「設計計画書(様 11)
」に明記する。
設計アウトプットは発行に先立ち、設計課責任者の確認、統括工事部長の承認を得る。
・ 設計図書(意匠設計、構造設計、設備設計)
・ パース・スケッチ・グラフィック
・ 模型
・ その他
上記の設計アウトプットは、以下の条件を満たす。
a) 設計へのインプットの要求事項を満たす。
b) 購買、施工に関する適切な情報を提供する。
c) 製品の合格判定基準を含むか、又は参照できる。
d) 安全性及び適切な使用に不可欠な製品の特性を明確にしている。
7.3.4
設計のレビュー(設計審査)
設計責任者は「設計計画書(様 11)」に定めた時期に、設計審査を実施する。設計審査は、成果物
が要求事項を満たす能力があるか、又改善すべき点がないかを審査する。設計責任者は設計課責任者、
統括工事部長と共に設計成果物の文書審査を行い、設計課責任者が確認し、統括工事部長が承認する。
設計審査の結果は「設計レビュー記録(様 12)」に記入する。設計責任者は、是正項目があればそ
の修正を行い、
「設計レビュー記録(様 12)
」に記録の上、設計課責任者の確認、統括工事部長の承認
を得る。
「設計レビュー記録(様 12)
」は「文書記録管理規定(PR-01)」に基づき維持する。
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7
7.3.5
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製品実現
設計の検証
設計課責任者は、設計成果物が「設計計画書(様 11)
」に記載された設計インプットの要求事項を
満たしているかの検証を行う。設計検証の方法は、設計内容により以下のものがある。
・ 過去の類似の物件があれば、それとの比較評価
・ 発行前の設計アウトプットの確認
・ パース・模型製作
・ その他
設計検証の結果は「設計検証・妥当性確認記録(様 13)」に記入する。設計責任者は是正項目があ
ればその修正を行い、
「設計検証・妥当性確認記録(様 13)」に記録の上、設計課責任者の確認、統括
工事部長の承認を得て、
「文書記録管理規定(PR-01)」に基づき維持する。
7.3.6
設計の妥当性確認
設計責任者は、建築物が明確にされた顧客のニーズや要求事項に適合していることを確実にする為
に「設計検証・妥当性確認記録(様 13)」に基づき設計の妥当性を確認する。妥当性の確認の結果及
び必要な処置の結果は、設計責任者が「設計検証・妥当性確認記録(様 13)
」に記録し、
「文書記録管
理規定(PR-01)」に基づき維持する。
7.3.7
設計変更の管理
設計変更すべき内容は、現場代理人又は設計責任者が「打合せ議事録(様 08)
」に記録する。設計
責任者は「打合せ議事録(様 08)」に基づき、設計変更を設計アウトプット(設計成果物)に文書化し、
管理する。
変更について審査、検証及び妥当性確認を該当する場合に行う。これには使用する資材及び既に引
渡しされている製品(既に工事済みの部分)に及ぼす変更の影響の評価を含む。そして実施の前に変
更した設計成果物を設計課責任者が確認し、統括工事部長が承認する。
設計変更のレビュー及び必要な処置の結果は「設計検証・妥当性確認記録(様 13)」
、「設計レビュ
ー記録(様 12)」に記録し、
「文書記録管理規定(PR-01)」に基づき維持する。
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標題:
7
7.4
購
品質マニュアル
版:
11.0
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22/32
製品実現
買
7.4.1
購買プロセス
当社は規定された購買要求事項に購買製品が適合することを確実にする。
取引先(アウトソースを含む)及び購買した製品に対する管理の方式及び程度は、購買製品が、そ
の後の製品実現のプロセス又は最終製品に及ぼす影響に応じて定める。
当社は取引先が当社の要求事項に従って製品を供給する能力の判断の根拠として、評価及び再評価
の選定基準を定め、取引先を評価し、選定する。
この評価の記録、及びそれに基づく処置の記録は維持する(「文書記録管理規定(PR-01)」参照)。
以上に関する手順は「購買管理規定(PR-04)」による。
7.4.2
購買情報
購買製品に関して取引先に伝達する購買情報を明確にし、次の事項のうち該当する事項を含める。
a) 製品、手順、プロセス及び設備の承認に関する要求事項
b) 要員の資格を含む適格性に関する要求事項
c) 品質マネジメントシステムに関する要求事項
当社は購買プロセスに於いて購買情報を取引先に伝達する前に、購買情報が妥当であることの確認
を行う。
以上に関する手順は、「購買管理規定(PR-04)」による。
7.4.3
購買製品の検証
購買製品が、規定された購買要求事項を満たしていることを確実にする為に必要な検査又はその他
の活動を「施工品質計画書(様 18)」に定め、実施する。但し、検査機器については 7.6 監視機器及び
測定機器の管理、設計外注については 7.3.1 設計の計画による。
当社又は当社の顧客が、取引先で検証することにした場合は、その検証の要領及び製品のリリース
の方法を購買情報の中に明記する。詳細は「購買管理規定(PR-04)」による。
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QM-01
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品質マニュアル
7
7.5
施
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23/32
製品実現
工
7.5.1
施工の管理
一般
施工工程を計画し、管理された状態のもとで稼動することを確実にする為の手順を定め、維持する。
①
作業所における品質マネジメントシステムの徹底と妥当性の維持についての責任と権
限は、現場代理人にある。統括工事部長は工事毎に現場代理人を選任する。
②
現場代理人は、プロジェクト固有の品質業務活動を明確にし「施工品質計画書(様 18)」
に記載する。プロジェクト共通のものについては品質計画で整備された品質マニュアル
に基づき実施する。
a) ・顧客の要求品質の伝達
営業担当者は「顧客要求事項確認書(様 07)」、設計図書等により必要な引継書類を添付し
て、統括工事部長へ引継ぐ。
統括工事部長は現場代理人、品質保証部長、総務部長、必要に応じて他の関係者と施工委員
会を開催し、顧客要求事項の確認、取引先の選定、図面検討・工法検討を行う。施工委員会
の結果は「施工委員会議事録(様 19)」に記録する。
現場代理人は、これらを製品の特性を含めた情報として利用できる。
・設計図書の管理
現場代理人は次により設計図書を管理する。
①
現場代理人は、設計図書の原本を保管管理する。
②
現場作業所では、施工用原本の他に、設計図書(現場代理人用)を施工用として使用す
る。
③
取引先に配付(発行)する場合は、施工用原本から必要部数をコピーして配付する。
④
配付する設計図書には、配付日、配付先を「図面管理台帳(様 03)」に記録し、管理す
る。
⑤
設計図書が改訂された場合、以上の手順で最新版の設計図書を配付する。配付先の旧版
は、廃棄処分させるか、又は赤色で「×」マークをさせ、最新版との区別を明確にする。
b) 「施工品質計画書(様 18)」の作成
現場代理人は、当該工事の施工体制、施工設備及び施工工程、施工方法、適用する規格・仕
様書類等を含んだ「施工品質計画書(様 18)」を作成し、統括工事部長の確認・承認を得る。
「施工品質計画書(様 18)」は、当社における「品質計画書」に相当し(7.1 製品実現の計画
参照)又その内容にはどのように施工するかの要領を記述した施工方法を含む。
c) 施工機械の使用
現場代理人は、工程能力を適切に保つ為、品質に影響を与える施工機械として、該当するも
のを「施工品質計画書(様 18)」に明確にして使用する。作業用設備の維持点検については、
6.3 施設・設備・支援(インフラストラクチャー)による。
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QM-01
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品質マニュアル
7
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11.0
頁:
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製品実現
d) 監視機器・測定機器(検査機器)の利用と使用
現場代理人及び作業者は、施工工程管理の為に 7.6 監視機器及び測定機器の管理で規定する
検査機器を利用でき、使用する。
e) 施工工程管理
現場代理人は、設計図書、実施工程表、「施工品質計画書(様 18)」で引用する規格・基準
等への適合を確実にする為に、定められた工程・作業を作業員に指示し、実行させる。
作業員は「施工品質計画書(様 18)」の「施工方法」で指示する施工上の管理ポイント・留
意点(規定された監視及び測定に相当する)を遵守して施工しなければならない。
現場代理人は、作業員が適正な作業を実施しているか否かを適時監視し、管理する。
f) ・建設物の引渡し
完成した建設物の引渡し時には、引渡し書類と共に引渡す。引渡し書類は、顧客が官庁の場
合は官庁の定める様式で、顧客が民間の場合は当社の定める様式で作成する。引渡しは、当
社と顧客、又はその代理人が確認の上、行う。
・引渡し後の活動
当該工事における発注者との工事契約に下記の引渡し後の活動が含まれている場合、発注者
の完成確認認定後に実施する。
①
工事請負契約約款で規定する瑕疵担保
②
契約で定める保守・点検(ある場合は「施工品質計画書(様 18)
」に明確にする。)
引渡し後の活動の実施責任者は、原則として要求事項が工事完了後続けて実施するような事
項であれば、当該工事の現場代理人とする。但し、工事完了後、期間をおき引渡し後の活動
を実施する場合は、統括工事部長が実施責任者を選任する。
引渡し後の活動の内容及び実施手順については、工事請負契約約款の該当条項又は当該工事
の「施工品質計画書(様 18)」に記述する。
7.5.2
特殊作業に関するプロセスの妥当性確認
特殊作業(結果であるアウトプットが、それ以降の測定又は監視では検証することができないプロ
セス)に該当するものは、取引先が実施する溶接工事(軽微な溶接は除く)及び圧接工事である。
取引先が溶接工事(軽微な溶接は除く)、圧接工事、舗装工事を施工する場合は、外部調達したプ
ロセスの管理(4.1 一般参照)として、現場代理人は必要な資格、及び工程に適用する施工設備を「施
工品質計画書(様 18)」で明確にし、指定された設備を用いて設計図書に基づき、有資格者に施工さ
せる。
資格認定された要員及び設備の品質記録として、現場代理人は、該当する作業(特殊工程)の資格
証明書等を確認し、これを「文書記録管理規定(PR-01)」に基づき維持する。
仕様書に定められている場合及び長期又は要員若しくは設備の交代(変更)時に妥当性の再確認を
行う。詳細は「施工品質計画書(様 18)
」による。
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品質マニュアル
7
7.5.3
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11.0
頁:
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製品実現
識別及びトレーサビリティ
(1) 製品の識別
受入から施工の全段階において、誤使用を防止する為の識別として、下記の識別方法を定める。
①
製品名や品番の表示がされているものは、その表示で識別する。
②
製品名や品番の表示がされていないものは、ステッカー・タグ・置場所の区分・現品へ
の直接表示等のいずれかの方法で識別する。
ただし、現品の状態からその内容の分かるものについては、識別を行わなくて良い。
(2) 製品(資材及び建設物)の状態の識別
①
受入検査の状態の識別
受入検査で不適合と判定された購買品は受け入れず、検査担当者が原則としてその場で
取引先に返却する。やむを得ず、返却までの間、一時的に不適合製品を当社にて保管す
る場合は「返品」と赤字で記入した張り紙を不適合製品に添付し、適合品と混ざらない
ように赤字で「不適合製品置き場」と明示した場所に別置きする。
②
工程内検査及び完成社内検査の状態の識別
工程内検査及び完成社内検査に合格した場合、工程表等に進捗を記録することにより、
検査が実施済みで、かつ合格していることを識別する。
施工不良等の不適合が発見された場合、施工不良箇所にマークやマスキングテープ等を
施すことにより識別する。
(3) トレーサビリティ(追跡管理)
工事名称を記載したファイルに当該工事の品質記録を保管することにより、特定工事に関するこ
れらの品質情報へ追跡できるようにする。トレーサビリティは、施工委員会により管理する工程
を指定する。
これらの記録は、「文書記録管理規定(PR-01)」に従って維持する。
7.5.4
顧客の所有物
現場代理人は、顧客の所有物について、それが当社の管理下にある間、又は当社がそれを使用して
いる間は、注意を払う。
現場代理人又は受入検査員は、顧客支給品(使用する為又は建設物に組み込む為に提供される顧客
所有物)がある場合は、受入時に検証し、異常がある場合は、当社は顧客に報告し、処置に対する指
示を受けて「顧客所有物報告書(様 20)
」に記録する。
現場代理人は、顧客支給品を 7.5.3 識別及びトレーサビリティー項で規定する識別及び 7.5.5 製品
の保存項で規定する保管・保護を行う。
顧客より支給される設計図書の管理は 7.5.1 施工の管理に従って行う。
現場代理人は、紛失、損傷又はその他の使用に適さない顧客の所有物については、顧客に報告した
上で、顧客と協議して対応を決定し、「顧客所有物報告書(様 20)
」に記録する。
この項に関する記録は、「文書記録管理規定(PR-01)」に従って維持する。
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7
7.5.5
版:
11.0
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製品実現
製品の保存
現場代理人は、施工プロセスから顧客への引渡し日までの間、下記に従い要求事項への適合を維持
するように製品を保存する。
識
別:7.5.3 項識別及びトレーサビリティで規定する実施事項を維持する。
取 扱 い:建設物に取り付ける資機材等は、適切な養生を施し、損傷・汚染を防止する。重機によ
る取り付け、移動を行う場合は、当て物をする等、資材の保護の為、適切な養生を施す。
7.6
包
装:工事施工に使用する資材は、包装されているものは納入時の包装状態を使用前まで維持
し必要に応じて覆い等で適切に養生する。
保
管:工事施工に使用する資材の保管は、現場作業所の担当者が行い、指定場所に格納する。
保管に際しては、湿気、気温変化を嫌うものは、特に場所を選定の上、保管する。又、
汚染・退色・発錆等の恐れのある機器類は、養生を施すと共に、適切な場所を選び、損
傷を保護する保護処置を行い、保管する。
保
護:完成した建設物は、損傷・汚れ・退色・劣化等が起こらないよう、保護材の取り付け、
覆い等で適切に養生し、保護する。土木構造物も必要に応じて同様の保護手段を講じる。
監視機器及び測定機器の管理
定められた要求事項に対する建設物の適合を実証する為に必要な、実施すべき監視及び測定、及び
その為に必要な監視及び測定の機器(以下検査機器と称す)を明確にする。当社は、レベル、トラン
シット、光波距離計及び測距具(コンベックス、スチールテープ等)を使用する。
尚、当社では規定要求事項に関る監視及び測定にコンピュータソフトウェアは用いない。但し、検
査機器の内部に組み込まれているコンピュータソフトウェアについては、各検査機器の校正等により
機器と併せて精度を維持する。
監視及び測定の要求事項との整合性を確保できる方法で、監視及び測定が実施できることを確実に
するプロセスを定める。
測定値の正当性が保証されなければならない検査機器に関し、次の事項を満たす。
a) 校正
検査機器の校正は、計測制度について国家標準とのトレーサビリティーを確保する為、直接
に公的機関又はこれらと同等と認められる業者に「計測器管理台帳(様 21)
」に定める頻度
で定期的に校正を依頼する。
b) 検査機器の調整
検査機器の使用者は、使用時に以下の通り、検査機器の調整、又は必要に応じて再調整を行
う。
①
レンズの汚れ、傷、及び各部分にガタツキがないことを確認する。
②
円形気泡管と鉛直軸の直角の確認
・ 3 本の整準ネジで気泡管の泡を中央にする。
・ 機械を 180 度回転させる。この時、円形気泡管の泡が中央にあれば良い。
・ 泡が中央よりずれている場合は、メーカーに依頼し、臨時に校正する。
c) 校正状態の識別
校正で適合した検査機器の校正状態を明確に識別する為に、それぞれの検査機器にラベルを
貼り、有効期限を明示する。
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品質マニュアル
7
版:
11.0
頁:
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製品実現
d) 検査機器の不用意な操作からの防護
校正時以外は、検査機器の校正の設定を変更しない。
校正の為の調整つまみが露出する等不用意な操作の恐れがある場合には、テーピング又はペ
イントロック等を施して設定が変わらないよう防護する。
e) 取扱い・保守及び保管の管理
担当部は管理する検査機器を「計測器管理台帳(様 21)」に登録し、その取扱い、保守及び
保管にあたっては、次の通り行う。
①
衝撃、熱、湿気、塵埃等、有害な影響を避けるよう注意し、又、所在不明・破損等の事
故が発生しないようにする。
②
現場代理人は、検査機器(レベル・トランシット・光波距離計)を工事で使用する為に
持ち出す時及び返却する時に異常がないことを確認する。異常が発見された場合は、直
ちに使用を中止し、臨時の校正を受ける。
③
同一工事では、故障等止むを得ない場合を除き、同一機械を使用する。
④
三脚に取り付けたまま移動する場合は、抱くようにして、肩に担がない。
⑤
雨に濡れないように注意するが、万一濡れた場合は、直ちに柔らかい布で水分を拭き取
り、屋内で乾燥させる。
⑥
計測が終わったら、直ちに片付けるか、安全な場所に移動する。
校正の結果、そのままで使用することが不可と判定されたものについては、修理して再使用するか
又は廃棄する。工事部は、当該検査機器を使用した過去の測定した結果の妥当性を評価して「計測器
管理台帳(様 21)」に記録しなければならない。担当部は評価内容に基づき、影響を受けた建設物す
べてに対して必要な処置を講じる。
校正結果は「計測器管理台帳(様 21)
」に記録し、必要に応じて校正成績書等、校正の内容が分か
る記録を添付する。