バルサルタン錠 80mg「アメル」の安定性に関する資料 2014 年 7 月改訂 共和薬品工業株式会社 VAS-D-8(4) 目 次 1.総合評価 ························································································································ 1 2.湿度に対する安定性 ·········································································································· 2 3.温度に対する安定性 ·········································································································· 4 4.光に対するの安定性 ·········································································································· 9 5.分割品の安定性················································································································ 9 6.粉砕品の安定性··············································································································· 13 7.PTP 包装時の安定性 ········································································································ 15 ________________________________________________________________ 総合評価分類 分類 ◎ ○ △ 分類基準 全ての試験項目で変化を認めない いずれかの試験項目で「規格内」の変化を認める いずれかの試験項目で「規格外」の変化を認める 評価基準 【外観】 分類 評価基準 判定 変化なし 外観上の変化を、ほとんど認めない場合 ◎ 変化あり(規格内) わずかな色調変化(退色等)等を認めるが、品質上、問題とならない程度の変 化であり、規格を満たしている場合 ○ 変化あり(規格外) 形状変化や著しい色調変化を認め、規格を逸脱している場合 △ 【溶出性】又は【崩壊性】 分類 評価基準 変化なし 規格値内の場合 変化あり(規格外) 規格値外の場合 判定 ◎ △ 【含量】 分類 評価基準 変化なし 含量低下が 3%未満の場合 変化あり(規格内) 含量低下が 3%以上で、規格値内の場合 変化あり(規格外) 規格値外の場合 判定 ◎ ○ △ 【硬度】 分類 評価基準 変化なし 硬度変化が 30%未満の場合 変化あり(規格内) 硬度変化が 30%以上で、硬度が 2.0kg 重以上の場合 変化あり(規格外) 硬度変化が 30%以上で、硬度が 2.0kg 重未満の場合 判定 ◎ ○ △ 【その他の試験項目】 分類 評価基準 変化なし 規格値内の場合 変化あり(規格外) 規格値外の場合 判定 ◎ △ 平成 11 年 8 月 20 日付「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性試験法について(答申)」(日本病院薬剤師会)一部改変 1.総合評価 保存条件 湿度 温度 光 25±2℃ 75±5%RH 40±2℃ 30 日目 60 日目 90 日目 遮光・開放 ◎ ◎ ◎ 分割 遮光・ グラシンラミネート紙 ◎ ◎ ◎ 粉砕 遮光・ グラシンラミネート紙 ◎ ◎ ◎ 錠剤 遮光・気密容器 ◎ ◎ ◎ 検体 包装形態 錠剤 25 日目 気密容器 ◎ グラシンラミネート紙 ◎ グラシンラミネート紙 ◎ 錠剤 25℃ (曝光量) 60万lux・hr※ 分割 ※病院薬局における調剤時の保存条件を反映し、500lux の明るさの場所で 1 日 8 時間、1 ヵ月 25 日間照射され るとして 6 ヵ月間に相当する。(500lux×8 時間×25 日間×6 ヵ月=60 万 lux・hr) 保存条件 湿度 25±2℃ 75±5%RH 検体 包装形態 PTP 遮光・PTP 30 日目 60 日目 90 日目 ◎ ◎ 120 日 150 日 180 日 ◎ 無包装状態の場合 無包装状態における安定性は、いずれの試験項目においても規格値の範囲内だったことから、90 日 間は品質上特に問題はないと判断される。 分割状態の場合 分割状態における安定性は、いずれの試験項目においても規格値の範囲内だったことから、90 日間 は品質上特に問題はないと判断される。 粉砕状態の場合 粉砕状態における安定性は、いずれの試験項目においても規格値の範囲内だったことから、90 日間 は品質上特に問題ないと判断される。 PTP 包装状態の場合 PTP 包装状態における安定性は、いずれの試験項目においても規格値の範囲内だったことから、90 日間は品質上特に問題はないと判断される。 1 2.湿度に対する安定性 【検体】 ・ バルサルタン錠 80mg「アメル」:LOT No.1302(共和薬品工業株式会社) 【包装形態】 ・ 遮光・開放で保存 【保存条件】 ・ 平成 11 年 8 月 20 日付「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性試験について(答申)」(日本病 院薬剤師会)にある 25±2℃、75±5%RH に設定した恒温恒湿器内に保存。 【試験項目および試験時期】 ① 外観 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ② 溶出性 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ③ 含量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ④ 純度試験(類縁物質) ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ⑤ 純度試験(光学異性体) ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ⑥ 硬度 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ⑦ 乾燥減量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ⑧ 吸湿水分量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 【試験方法】 ① 外観:性状(形状、色調)について室温保存品と比較し、規格に適合するか確認した。 ② 溶出性:日本薬局方一般試験法溶出試験法パドル法により試験を行った。 ③ 含量:バルサルタン錠 80mg「アメル」の規格及び試験方法により測定した。 ④ 純度試験(類縁物質):HPLC 法により測定した。 ⑤ 純度試験(光学異性体):HPLC 法により測定した。 ⑥ 硬度:硬度計を用いて測定した。 ⑦ 乾燥減量:105℃で 30 分間乾燥し、乾燥減量(%)を測定した。 ⑧ 吸湿水分量:試験開始時からの増加重量を吸湿水分とした。 【結果】 ① 外観 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 白色の割線入りの フィルムコーティング錠 変化なし 変化なし 変化なし 判定 ◎ ◎ ◎ 規格値:白色~帯黄白色の割線入りのフィルムーティング錠である ② 溶出性 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 91.9~94.6 (93.2) 89.2~93.7 (90.9) 90.1~93.5 (92.1) 87.9~93.8 (91.6) 判定 ◎ ◎ ◎ 規格値:30 分=80%以上、最小値~最大値、( )内は 6 ベッセルの平均値(%) ③ 含量 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 98.4 (100.0) 100.7 (102.3) 98.0 (99.6) 97.4 (99.0) 判定 ◎ ◎ ◎ )内は開始時を 100%として換算した値 3 回の平均値(%) 規格値:95.0~105.0% ( 2 ④ 純度試験(類縁物質) 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 RRT0.8 QL QL QL QL 個々(RRT0.8 以外、 最大値) ND ND ND ND 合計 0.0 0.0 0.0 0.0 ◎ ◎ ◎ 判定 参考値:RRT0.8:0.2%以下、個々:0.1%以下、合計:0.3%以下 ND:未検出 QL:0.1%未満 ⑤ 純度試験(光学異性体) 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 0.06 0.05 0.06 0.06 判定 ◎ ◎ ◎ 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 8.0~9.0 (8.4) 6.2~7.9 (7.0) 7.5~8.8 (8.2) 7.4~9.0 (8.3) 判定 ◎ ◎ ◎ 参考値:1.0%以下 ⑥ 硬度 )内は 10 錠の平均値(kg) 設定値:19.6N(2.0kg)以上、最小値~最大値、( ⑦ 乾燥減量 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 0.88 6.63 6.44 6.37 判定 ― ― ― 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 ― 5.75 5.56 5.49 判定 ― ― ― 5 錠の平均値(%) ⑧ 吸湿水分量 5 錠の平均値(%) 【考察及び結論】 バルサルタン錠80mg「アメル」は無包装状態において、90日間の安定性はいずれの試験項目においても 規格値の範囲内であった。 以上の結果より、バルサルタン錠80mg「アメル」の遮光・開放保存品は、25±2℃、75±5%RH、90日 間の保存であれば品質上特に問題はないと判断された。 3 3.温度に対する安定性 【検体】 ・ バルサルタン錠 80mg「アメル」:LOT No.1302(共和薬品工業株式会社) 【包装形態】 ・ 遮光・気密容器で保存 【保存条件】 ・ 平成 11 年 8 月 20 日付「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性試験について(答申)」(日本病 院薬剤師会)にある 40±2℃に設定した恒温恒湿器内に保存。 【試験項目および試験時期】 ① 外観 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ② 溶出性 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ③ 含量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ④ 純度試験(類縁物質) ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ⑤ 純度試験(光学異性体) ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ⑥ 硬度 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ⑦ 乾燥減量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ⑧ 吸湿水分量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 【試験方法】 ① 外観:性状(形状、色調)について室温保存品と比較し、規格に適合するか確認した。 ② 溶出性:日本薬局方一般試験法溶出試験法パドル法により試験を行った。 ③ 含量:バルサルタン錠 80mg「アメル」の規格及び試験方法により測定した。 ④ 純度試験(類縁物質):HPLC 法により測定した。 ⑤ 純度試験(光学異性体):HPLC 法により測定した。 ⑥ 硬度:硬度計を用いて測定した。 ⑦ 乾燥減量:105℃で 30 分間乾燥し、乾燥減量(%)を測定した。 ⑧ 吸湿水分量:試験開始時からの増加重量を吸湿水分とした。 【結果】 ① 外観 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 白色の割線入りの フィルムコーティング錠 変化なし 変化なし 変化なし 判定 ◎ ◎ ◎ 規格値:白色~帯黄白色の割線入りのフィルムーティング錠である ② 溶出性 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 91.9~94.6 (93.2) 87.6~92.7 (91.0) 91.5~96.2 (94.7) 90.9~96.0 (94.2) 判定 ◎ ◎ ◎ 規格値:30 分=80%以上、最小値~最大値、( )内は 6 ベッセルの平均値(%) ③ 含量 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 98.4 (100.0) 100.6 (102.2) 98.2 (99.8) 97.0 (98.6) 判定 ◎ ◎ ◎ )内は開始時を 100%として換算した値 3 回の平均値(%) 規格値:95.0~105.0% ( 4 ④ 純度試験(類縁物質) 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 RRT0.8 QL QL QL QL 個々(RRT0.8 以外、 最大値) ND ND ND ND 合計 0.0 0.0 0.0 0.0 ◎ ◎ ◎ 判定 参考値:RRT0.8:0.2%以下、個々:0.1%以下、合計:0.3%以下 ND:未検出 QL:0.1%未満 ⑤ 純度試験(光学異性体) 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 0.06 0.06 0.07 0.06 判定 ◎ ◎ ◎ 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 8.0~9.0 (8.4) 7.7~8.5 (8.1) 8.2~8.9 (8.5) 7.9~9.3 (8.6) 判定 ◎ ◎ ◎ 参考値:1.0%以下 ⑥ 硬度 )内は 10 錠の平均値(kg) 設定値:19.6N(2.0kg)以上、最小値~最大値、( ⑦ 乾燥減量 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 0.88 0.76 0.58 0.61 判定 ― ― ― 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 ― -0.12 -0.30 -0.27 判定 ― ― ― 5 錠の平均値(%) ⑧ 吸湿水分量 5 錠の平均値(%) 【考察及び結論】 バルサルタン錠80mg「アメル」は無包装状態において、90日間の安定性はいずれの試験項目においても 規格値の範囲内であった。 以上の結果より、バルサルタン錠 80mg「アメル」の遮光・気密容器保存品は、40±2℃、90 日間の保存 であれば品質上特に問題はないと判断された。 5 4.光に対する安定性 【検体】 ・ バルサルタン錠 80mg「アメル」:LOT No.1302(共和薬品工業株式会社) 【包装形態】 ・ 気密容器で保存 ・ グラシンラミネート紙で保存 【保存条件】 ・ 平成 11 年 8 月 20 日付「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性試験について(答申)」(日本病 院薬剤師会)にある 25℃、1000Lux/hr に 25 日間に保存。(曝光量 60 万 lux・hr) 【試験項目および試験時期】 ① 外観 ・・・開始時、25 日目 ② 溶出性 ・・・開始時、25 日目 ③ 含量 ・・・開始時、25 日目 ④ 純度試験(類縁物質) ・・・開始時、25 日目 ⑤ 純度試験(光学異性体) ・・・開始時、25 日目 ⑥ 硬度 ・・・開始時、25 日目 ⑦ 乾燥減量 ・・・開始時、25 日目 ⑧ 吸湿水分量 ・・・開始時、25 日目 【試験方法】 ① 外観:性状(形状、色調)について室温保存品と比較し、規格に適合するか確認した。 ② 溶出性:日本薬局方一般試験法溶出試験法パドル法により試験を行った。 ③ 含量:バルサルタン錠 80mg「アメル」の規格及び試験方法により測定した。 ④ 純度試験(類縁物質):HPLC 法により測定した。 ⑤ 純度試験(光学異性体):HPLC 法により測定した。 ⑥ 硬度:硬度計を用いて測定した。 ⑦ 乾燥減量:105℃で 30 分間乾燥し、乾燥減量(%)を測定した。 ⑧ 吸湿水分量:試験開始時からの増加重量を吸湿水分とした。 【結果】 ① 外観 包装形態 開始時 60 万 lux・hr 気密容器 白色の割線入りの フィルムコーティング錠 変化なし 判定 ◎ 白色の割線入りの フィルムコーティング錠 変化なし 判定 ◎ グラシンラミネート紙 規格値:白色~帯黄白色の割線入りのフィルムーティング錠である ② 溶出性 包装形態 開始時 60 万 lux・hr 気密容器 91.9~94.6 (93.2) 91.2~97.0 (94.0) 判定 ◎ 91.9~94.6 (93.2) 91.9~96.1 (94.4) 判定 ◎ グラシンラミネート紙 規格値:30 分=80%以上、最小値~最大値、( )内は 6 ベッセルの平均値(%) 6 ③ 含量 包装形態 開始時 60 万 lux・hr 気密容器 98.4 (100.0) 99.2 (100.8) 判定 ◎ 98.4 (100.0) 100.2 (101.8) 判定 ◎ グラシンラミネート紙 規格値:95.0~105.0% ( )内は開始時を 100%として換算した値 3 回の平均値(%) ④ 純度試験(類縁物質) 包装形態 気密容器 60 万 lux・hr 開始時 RRT0.8 QL QL 個々(RRT0.8 以外、最大値) ND ND 合計 0.0 0.0 判定 グラシンラミネート紙 ◎ RRT0.8 QL QL 個々(RRT0.8 以外、最大値) ND ND 合計 0.0 0.0 判定 ◎ 参考値:RRT0.8:0.2%以下、個々:0.1%以下、合計:0.3%以下 ND:未検出 QL:0.1%未満 ⑤ 純度試験(光学異性体) 開始時 60 万 lux・hr 0.06 0.06 判定 ◎ 0.06 0.06 判定 ◎ 包装形態 開始時 60 万 lux・hr 気密容器 8.0~9.0 (8.4) 8.0~9.4 (8.7) 判定 ◎ 8.0~9.0 (8.4) 6.9~9.4 (8.3) 判定 ◎ 包装形態 気密容器 グラシンラミネート紙 参考値:1.0%以下 ⑥ 硬度 グラシンラミネート紙 )内は 10 錠の平均値(kg) 設定値:19.6N(2.0kg)以上、最小値~最大値、( 7 ⑦ 乾燥減量 包装形態 気密容器 グラシンラミネート紙 開始時 60 万 lux・hr 0.88 0.77 判定 ― 0.88 1.57 判定 ― 開始時 60 万 lux・hr ― -0.11 判定 ― ― 0.69 判定 ― 5 錠の平均値(%) ⑧ 吸湿水分量 包装形態 気密容器 グラシンラミネート紙 5 錠の平均値(%) 【考察及び結論】 バルサルタン錠80mg「アメル」は無包装状態において、光(曝光量60万lux・hr)に対する安定性はい ずれの試験項目においても規格値の範囲内であった。 以上の結果より、バルサルタン錠 80mg「アメル」の気密容器、グラシンラミネート紙保存品は、光照射 保存下で 60 万 lux・hr までは品質上特に問題ないと判断された。 8 5.分割品の安定性 (1)湿度に対する安定性 【検体】 ・ バルサルタン錠 80mg「アメル」:LOT No.1302(共和薬品工業株式会社) 【包装形態】 ・ 遮光・グラシンラミネート紙で保存 【保存条件】 ・ 平成 11 年 8 月 20 日付「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性試験について(答申)」(日本病 院薬剤師会)にある 25±2℃、75±5%RH に設定した恒温恒湿器内に保存。 【試験項目および試験時期】 ① 外観 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ② 含量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ③ 純度試験(類縁物質) ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ④ 純度試験(光学異性体) ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ⑤ 乾燥減量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ⑥ 吸湿水分量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 【試験方法】 ① 外観:性状(形状、色調)について室温保存品と比較し、規格に適合するか確認した。 ② 含量:バルサルタン錠 80mg「アメル」の規格及び試験方法により測定した。 ③ 純度試験(類縁物質):HPLC 法により測定した。 ④ 純度試験(光学異性体):HPLC 法により測定した。 ⑤ 乾燥減量:105℃で 30 分間乾燥し、乾燥減量(%)を測定した。 ⑥ 吸湿水分量:試験開始時からの増加重量を吸湿水分とした。 【結果】 ① 外観 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 白色のフィルムコーティング 錠の分割品 変化なし 変化なし 変化なし 判定 ◎ ◎ ◎ 規格値:白色~帯黄白色のフィルムコーティング錠の分割品である ② 含量 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 98.4 (100.0) 101.0 (102.6) 98.5 (100.1) 98.0 (99.6) 判定 ◎ ◎ ◎ 規格値:95.0~105.0% ( )内は開始時を 100%として換算した値 9 3 回の平均値(%) ③ 純度試験(類縁物質) 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 RRT0.8 QL QL QL QL 個々(RRT0.8 以外、最大値) ND ND ND ND 合計 0.0 0.0 0.0 0.0 ◎ ◎ ◎ 判定 参考値:RRT0.8:0.2%以下、個々:0.1%以下、合計:0.3%以下 ND:未検出 QL:0.1%未満 ④ 純度試験(光学異性体) 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 0.06 0.05 0.06 0.06 判定 ◎ ◎ ◎ 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 0.88 7.83 8.05 7.34 判定 ― ― ― 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 ― 6.95 7.17 6.46 判定 ― ― ― 参考値:1.0%以下 ⑤ 乾燥減量 5 錠の平均値(%) ⑥ 吸湿水分量 5 錠の平均値(%) 【考察及び結論】 バルサルタン錠80mg「アメル」は分割した場合において、90日間の安定性はいずれの試験項目において も規格値の範囲内であった。 以上の結果より、バルサルタン錠 80mg「アメル」の分割品の遮光・グラシンラミネート紙保存品は、 25±2℃75±5%RH 、90 日間の保存であれば品質上特に問題はないと判断された。 10 (2)光に対する安定性 【検体】 ・ バルサルタン錠 80mg「アメル」:LOT No.1302(共和薬品工業株式会社) 【包装形態】 ・ グラシンラミネート紙で保存 【保存条件】 ・ 平成 11 年 8 月 20 日付「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性試験について(答申)」(日本病 院薬剤師会)にある 25℃、1000Lux/hr に 25 日間に保存。(曝光量 60 万 lux・hr) 【試験項目および試験時期】 ① 外観 ・・・開始時、25 日目 ② 含量 ・・・開始時、25 日目 ③ 純度試験(類縁物質) ・・・開始時、25 日目 ④ 純度試験(光学異性体) ・・・開始時、25 日目 ⑤ 乾燥減量 ・・・開始時、25 日目 ⑥ 吸湿水分量 ・・・開始時、25 日目 【試験方法】 ① 外観:性状(形状、色調)について室温保存品と比較し、規格に適合するか確認した。 ② 含量:バルサルタン錠 80mg「アメル」の規格及び試験方法により測定した。 ③ 純度試験(類縁物質):HPLC 法により測定した。 ④ 純度試験(光学異性体):HPLC 法により測定した。 ⑤ 乾燥減量:105℃で 30 分間乾燥し、乾燥減量(%)を測定した。 ⑥ 吸湿水分量:試験開始時からの増加重量を吸湿水分とした。 【結果】 ① 外観 開始時 60 万 lux・hr 白色のフィルムコーティング 錠の分割品 変化なし 判定 ◎ 規格値:白色~帯黄白色のフィルムコーティング錠の分割品である ② 含量 開始時 60 万 lux・hr 98.4 (100.0) 99.5 (101.1) 判定 ◎ 規格値:95.0~105.0% ( )内は開始時を 100%として換算した値 ③ 純度試験(類縁物質) 60 万 lux・hr 開始時 RRT0.8 QL QL 個々(RRT0.8 以外、最大値) ND ND 合計 0.0 0.0 判定 ◎ 参考値:RRT0.8:0.2%以下、個々:0.1%以下、合計:0.3%以下 ND:未検出 QL:0.1%未満 11 3 回の平均値(%) ④ 純度試験(光学異性体) 開始時 60 万 lux・hr 0.06 0.06 判定 ◎ 参考値:1.0%以下 ⑤ 乾燥減量 開始時 60 万 lux・hr 0.88 2.52 判定 ― 5 錠の平均値(%) ⑥ 吸湿水分量 開始時 60 万 lux・hr ― 1.64 判定 ― 5 錠の平均値(%) 【考察及び結論】 バルサルタン錠80mg「アメル」は分割した場合において、光(曝光量60万lux・hr)に対する安定性は いずれの試験項目においても規格値の範囲内であった。 以上の結果より、バルサルタン錠 80mg「アメル」の分割品のグラシンラミネート紙保存品は、光照射保 存下で 60 万 lux・hr までは品質上特に問題ないと判断された。 12 6.粉砕品の安定性 【検体】 ・ バルサルタン錠 80mg「アメル」:LOT No.1302(共和薬品工業株式会社) 【包装形態】 ・ 遮光・グラシンラミネート紙で保存 【保存条件】 ・ 平成 11 年 8 月 20 日付「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性試験について(答申)」(日本病 院薬剤師会)にある 25±2℃、75±5%RH に設定した恒温恒湿器内に保存。 【試験項目および試験時期】 ① 外観 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ② 含量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ③ 純度試験(類縁物質) ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ④ 純度試験(光学異性体) ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ⑤ 乾燥減量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 ⑥ 吸湿水分量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目 【試験方法】 ① 外観:性状(形状、色調)について室温保存品と比較し、規格に適合するか確認した。 ② 含量:バルサルタン錠 80mg「アメル」の規格及び試験方法により測定した。 ③ 純度試験(類縁物質):HPLC 法により測定した。 ④ 純度試験(光学異性体):HPLC 法により測定した。 ⑤ 乾燥減量:105℃で 30 分間乾燥し、乾燥減量(%)を測定した。 ⑥ 吸湿水分量:試験開始時からの増加重量を吸湿水分とした。 【結果】 ① 外観 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 白色の被膜及び 白色の粉末 変化なし 変化なし 変化なし 判定 ◎ ◎ ◎ 規格値:白色~帯黄白色の被膜及び白色の粉末である ② 含量 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 98.4 (100.0) 98.1 (99.7) 95.8 (97.4) 96.8 (98.4) 判定 ◎ ◎ ◎ 規格値:95.0~105.0% ( )内は開始時を 100%として換算した値 3 回の平均値(%) ③ 純度試験(類縁物質) 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 RRT0.8 QL QL QL QL 個々(RRT0.8 以外、最大値) ND ND ND ND 合計 0.0 0.0 0.0 0.0 ◎ ◎ ◎ 判定 参考値:RRT0.8:0.2%以下、個々:0.1%以下、合計:0.3%以下 ND:未検出 QL:0.1%未満 13 ④ 純度試験(光学異性体) 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 0.06 0.06 0.07 0.07 判定 ◎ ◎ ◎ 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 0.88 7.52 7.16 7.78 判定 ― ― ― 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 ― 6.64 6.28 6.90 判定 ― ― ― 参考値:1.0%以下 ⑤ 乾燥減量 5 錠の平均値(%) ⑥ 吸湿水分量 5 錠の平均値(%) 【考察及び結論】 バルサルタン錠 80mg「アメル」は粉砕した場合において、90 日間の安定性はいずれの試験項目におい ても規格値の範囲内であった。 以上の結果より、バルサルタン錠 80mg「アメル」の粉砕品の遮光・グラシンラミネート紙による 90 日 間の安定性は、品質上特に問題はないと判断された。 14 7.PTP 包装時の安定性 【検体】 ・ バルサルタン錠 80mg「アメル」:LOT No.1302(共和薬品工業株式会社) 【包装形態】 ・ 遮光・PTP(アルミピローなし)で保存 【保存条件】 ・ 平成 11 年 8 月 20 日付「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性試験について(答申)」(日本病 院薬剤師会)にある 25±2℃、75±5%RH に設定した恒温恒湿器内に保存。 【試験項目および試験時期】 ① 外観 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目、120 日、150 日、180 日 ② 溶出性 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目、120 日、150 日、180 日 ③ 含量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目、120 日、150 日、180 日 ④ 純度試験(類縁物質) ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目、120 日、150 日、180 日 ⑤ 純度試験(光学異性体) ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目、120 日、150 日、180 日 ⑥ 硬度 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目、120 日、150 日、180 日 ⑦ 乾燥減量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目、120 日、150 日、180 日 ⑧ 吸湿水分量 ・・・開始時、30 日目、60 日目、90 日目、120 日、150 日、180 日 【試験方法】 ① 外観:性状(形状、色調)について室温保存品と比較し、規格に適合するか確認した。 ② 溶出性:日本薬局方一般試験法溶出試験法パドル法により試験を行った。 ③ 含量:バルサルタン錠 80mg「アメル」の規格及び試験方法により測定した。 ④ 純度試験(類縁物質):HPLC 法により測定した。 ⑤ 純度試験(光学異性体):HPLC 法により測定した。 ⑥ 硬度:硬度計を用いて測定した。 ⑦ 乾燥減量:105℃で 30 分間乾燥し、乾燥減量(%)を測定した。 ⑧ 吸湿水分量:試験開始時からの増加重量を吸湿水分とした。 【結果】 ① 外観 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 白色の割線入りの フィルムーティング錠 変化なし 変化なし 変化なし 判定 ◎ ◎ ◎ 120 日 150 日 180 日 120 日 150 日 180 日 150 日 180 日 規格値:白色~帯黄白色の割線入りのフィルムーティング錠である ② 溶出性 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 91.9~94.6 (93.2) 92.7~ 94.9 (93.6) 91.8~ 95.8 (94.6) 92.8~ 94.7 (93.9) 判定 ◎ ◎ ◎ 規格値:30 分=80%以上、最小値~最大値、( )内は 6 ベッセルの平均値(%) ③ 含量 30 日目 開始時 98.4 (100.0) 90 日目 101.0 99.1 (102.6) (100.7) 判定 規格値:95.0~105.0% 60 日目 ◎ ( ◎ 120 日 98.3 (99.9) ◎ )内は開始時を 100%として換算した値 15 3 回の平均値(%) ④ 純度試験(類縁物質) 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 RRT0.8 QL QL QL QL 個々(RRT0.8 以外、最大値) ND ND ND QL 合計 0.0 0.0 0.0 0.0 ◎ ◎ ◎ 判定 120 日 150 日 180 日 120 日 150 日 180 日 120 日 150 日 180 日 120 日 150 日 180 日 120 日 150 日 180 日 参考値:RRT0.8:0.2%以下、個々:0.1%以下、合計:0.3%以下 ND:未検出 QL:0.1%未満 ⑤ 純度試験(光学異性体) 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 0.06 0.05 0.06 0.06 判定 ◎ ◎ ◎ 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 8.0~9.0 (8.4) 7.6~8.7 (8.2) 8.0~9.2 (8.5) 8.1~9.6 (8.7) 判定 ◎ ◎ ◎ 参考値:1.0%以下 ⑥ 硬度 )内は 10 錠の平均値(kg) 設定値:19.6N(2.0kg)以上、最小値~最大値、( ⑦ 乾燥減量 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 0.88 4.22 4.86 5.10 判定 ― ― ― 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 ― 3.34 3.98 4.22 判定 ― ― ― 5 錠の平均値(%) ⑧ 吸湿水分量 5 錠の平均値(%) 【考察及び結論】 バルサルタン錠80mg「アメル」はPTP包装状態において、90日間の安定性はいずれの試験項目において も規格値の範囲内であった。 以上の結果より、バルサルタン錠 80mg「アメル」の遮光・PTP 包装保存品は、25±2℃、75±5%RH、 90 日間の保存であれば品質上特に問題はないと判断された。 16
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