PCI-20-13

PCI-20-13
移乗動作における移乗支援ロボットの有効性
The effectiveness of transferring function with Roboticbed
○中村美緒 (OT) 1,2),井上 薫 (OT) 2),硯川 潤 (エンジニア) 1),河上日出生 (エンジニア) 3),
井上剛伸 (エンジニア) 1)
1)
国立障害者リハビリテーションセンター 研究所福祉機器開発部,2)首都大学東京健康福祉学部 作業療法学科, 3)パナソニック株式会社モノづくり本部 新規事業推進プロジェクト
Key words: Innovations and challenges,Daily activities,IT and/or Adapted equipment
【目的】本研究では,移乗支援ロボットの有効性に関して評価する目的で,ロボティックベッド(以
下,RB)(パナソニック株式会社)を対象に,模擬環境評価を行った.
【方法】被験者は,8名の想定利用者とその介助者とした.方法は,移乗時間の計測と移乗の負担度
に対する質問評価とした.移乗時間の計測では,在宅でのベッドから車いす間の移乗と,設定した模
擬環境にてRBを使用したときの移乗時間を計測した.移乗に関する負担度調査は,リッカートの11
段階評価スケール(0:とても大変,5:ふつう,10:とても良い)を用いて,在宅,模擬環境での各動作後
に,想定利用者とその介助者それぞれに負担度の評価を行った.尚,本実験は,国立障害者リハビリ
テーションセンター倫理審査委員会並びに首都大学東京倫理審査委員会の承認を得て実施した.
【結果】RBの移乗と在宅の移乗を比較すると,RBを使用した方が介助者の負担度は軽減していた.
また,リフト移乗にて脚分離形のスリング使用者は,RBを使用すると時間が減少し,利用者と介助者
の負担度も軽減した.
【考察と結論】RBの使用により,介助者の負担は軽減できることが示された.また,重度障害者の移
乗動作において,RBはより有効に使用できるものと考えられる.今後,自立もしくは少ない介助によ
る移乗を実現するためには,より一層,障害者の身体機能や生活に基づいた改良が必要である.