本人確認等に関する会則・規程基準に関するQ&A QI 会則で司法書士

本人確認等に関する会則・規程基準に関するQ&A
QI
A
Q2
A
Q3
会則で司法書士業務全般の本人確募・意思確認の義務を定めるのはなぜですか。
司法書士法上の職責を明確にし、依頼者(対外的)にも理解していただくためです。
司法書士は、平成 14 年司法書士法の改正、平成 15 年不動産登記法の改正により、
簡裁代理権の付与、資格者代理人として本人確認の作成権限の付与等、法律家とし
ての位置づけならびに業務権限の拡大がなされ、それに伴う業務責任として、本人
確認・意思確認の重要性が増し、法務大臣による「司法書士等に対する懲戒処分に
関する副令(法務省民二副第 1081 号)」により示された意思確認・本人確募の量定
(2年以内の業務の停止又は業務の禁止)からも、その重要性が増したためです。
さらに、会則化によって木人確認義務違反についての調査、意見具申を制度化し、
法務局の懲戒処分の公正・妥当についての手続保障を図るためでもあります。
また、犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下「犯罪収益移転防止法」とい
う。)が立法化され、司法書士業務の一部(特定業務)について、司法書士も特定事
業者として本人確認・記録保存の義務が課せられることになったので、外的に本人
確認等を強制されるのではなく、自主規範・自治規範として会則に明記し、職責と
しての本人確認等の実績を積み、犯罪収益移転防止法における司法書士の規定除外
を求めるためでもあります。
司法書士法上の職責としての本人確認ならびに意思確認について説明してください。
司法書士の職責として行う本人確認は、対象となる依頼者あるいは代理人等が実在
しており(実在性の確認)、なりすましでなく本人確認資料と同―人であること(同
一性の確認)、さらに依頼者が依頼した事務の追格な当事者であることならびに代理
人等が適格な代理権限を有していること(適格性の確認)が必要とされます。
犯罪収益移転防止法の本人確認は、実在性と本人性の確認であり、適格性の確認ま
で要求していません。
意思確認については、司法書士法上の職責として、意思能力の有無の確隠、依頼の
趣旨及び事実関係の確認、手続の選択と選択した手続についての依頼意思の確認が
必要となります。
犯罪収益移転防止法では、意思確認についての規定はなく、選択された手統の代理
または代行した内容を取引記録として残さなければならないことになっています。
犯罪収益移輯防止法における特定業務とは何ですが。
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A
Q4
司法書士業務(司法書士法第3条及ぴ第 29 条)のうち、特定受任行為の代理等とし
て、下記についての一定の行為又は手続の代理または代行のことです。
(1)宅地又は建物の売買に関する行為又は手続
(2)会社(法人等)の組織、運営又は管理に関する行為又は手統
(3)狽金、預金、有価証券その他の財産の管理又は処分
特定業務のうち、「宅地又は建物の売買に関する行為又は手続」とは、具体的に何で
しょうか。
A
売買を登記原因とする所有権移転登記のことです。
1号仮登記は当然に含まれ、停止条件付売買あるいは売買予約による2号仮登記も
含まれます。
なお、連件一括処理事案では、売買による所有権移転登記を除き、名変、抹消・設
定の各登記は特定業務に入りません。
また、登記(取引)の立会業務(決済宣告)もアドバイス的なものとして、売買に
関する行為又は手続を代理・代行するものではないので、特定業務に含まれません。
Q5
銀行等の金融機関から受託する担保権の設定・変更・抹消の登記は、特定業務には
含まれないと解釈してよいですか。
A
Q6
A
特定業務には含まれません。
Q3のAで述ぺたように、銀行等の担保関係の登記は特定業務ではありません。
銀行等の担保関係の登記が特定業務でないとすれば、銀行の担当者の本人確認の協
力は得られるのでしょうか。
当然に得られます。
本人確認等の義務は、司法書士法上の職責から当然に求められるものであり、法務
大臣の訓令にその義務進反に対する厳しい懲戒処分の量定が示されているように、
司法書士法から導き出されるものです。
今回の会則一部改正は、本人確夥等の義務を明確にし、司法書士のコンプライアン
スとして位置づけ、司法書士法第 23 条の会則遵守義務と相まって法律根拠を示すも
のとして、銀行協会等にご理解いただき、具体的な課題や方法についての検討を行
い、全国の銀行に通途していただく予定です。
また、法務省からも全銀協に対して、司法書士の本人確認に協力するように要請(行
敦指導)をしていただいております。
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Q7
A
不動産業界は、司法書士の本人確認等に協力的なのでしようか。
不動意取引業者は、犯罪収益移転防止法において特定業者とされ、不動産敗引が特
定業務となっているので、また、司法書士の売買による所有権移転登記は、特定業
務に含まれるので、当然に協力していただけます。
なお、不動産取引業者の全国組織に対しても、連合会として、司法書士の本人確豚
等への協力要購を行います。
Q8
供託手続において、200 万円を超える金額の供託金を預かり、指定金融機関に払い込
みをする行為は特定業務に該当しますか。
A
該当しません。
預金その他の財産の管理又は処分する行為の代理または代行は特定業務とされ、財
産の価額が 200 万円以下の場合は特定業務から除外されていますが、200 万円を超え
た現企を預かり、処分行為を代行する場合は特定業務とされています。
供託金の払い込みは供託手続きに付随する業務として、支局の取り扱いでは供託所
で現金を取扱わず、指定金融植関の窓ロで現金の払い込みをすることになりますが、
特定業務には該当しません。
Q9
債務整理で、預かった過払金の総額が 200 万円を超える楊合は特定業務に該当しま
すか。
A
該当しません。
債権の管理・回収は特定業務に該当しますが、司法書士が簡裁代理権を有して行え
る代理行為は 140 万円以下の事件であり、この額は1事件あたりとされるので、相
手方(貸金業考)が数社あって、その過払金の総額が 200 万円を超えても1社あた
りの額が 200 万円を超えない限り特定業務となることはありません。
Q10
A
本人確認と意思確認は一体的に行うべきものではないでしょうか。
依頼者本人(法人の場合その代表者)から直接業務の依帳を受ける場合は、当然に
本人確認・意思確認は一体的に行われますが、私権の拡張である代理人から業務を
受託する場合は、依頼者本人の本人確認と代理人の木人確認及び意思確認とは別個
のことになります。
代理人の言動、持参書類の内容等から、代理権を疑うに足る事情が窺える楊合には、
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依頼者本人の意思確認もしなくてはなりません。
Q11
A
Q12
A
法人の場合の本人確認・意思確認について特別なことはありますか。
法人の本人確認については、登記事項証明書又は代表者の印鑑証明書により、実在
性・同一性の確認は可飽であり、登記情報その他の資料により適格性の確認も可能
となります。
愈思確認については、自然人たる代理人等の意思を確簒することになります。
金融機関等の一般に信頼おける店舗(事務所)にいる祖当者であれば、商業使用人
として、その祖当事務についての代理権を当然に有している者として、その担当者
の本人確露及び意思確認を行えば足ります。
しかし、初めての依頼等で、法人の代表者以外の者から業務を依頼される場合は、
慎重に対応すぺきであり、場合によっては、その法人の代表者に電話を入れるとか、
少なくともその法人の代表者あてに、依頼された事務の内容についての報告文書を
送付するべきと思います。
依頼された事務が特定業務に該当する場合は、前記の文書送付をしなければ本人確
認が十分でないことになります。
会則上、本人確認ならびに意思確認についての記録を残さなければなりませんが、
その理由は何ですか。
まずは、依頼者等の本人確罫と依頼された事務の内容について適正に処理した事実
を記録することにより、依頼者の権利の保饅に寄与するためです。
また、依頼者は時間がたつと自己に有利なことは記憶が鮮明で、不利なことは不鮮
明な記憶となり、また都合によって記憶がなくなったり、変容して事実と祁違する
こともあるので、司法書士自身が紛争に巻き込まれることもあり、後目の証拠とし
てできるだけ正確な記録が望まれます。
権利義務の存否は、要件事実に該当する事実の有無に他なりません。審理の対象と
なる事実は、過去における事実であり、過去の事実は、記憶と証拠(記録)によっ
てしか再現はできません。
記録されるものは、再現すぺき事実を推認できるものでなければならないので、本
人確認については、住所・氏名・生年月日を、本人を特定する基本的な事項として
記録しておかなければなりません。
意思確認については、その内容について、前記のとおり、意思能力、依頼内容、依
頼の意思について、できるだけ多くの情報を記録することが望まれますが、その質
量については会員の自己裁量にゆだね、規程基準では必要最小限度にとどめていま
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す。規程基準の記録事項は、犯罪収益移転防止法の規定する記録事項も充たすこと
ができるようにしています。
Q13
A
会則では記録の保存櫨関を 10 年としていますが、何故でしょうか。
登郭には公信力がなく、本人確蕗・意思確蕗に瑕疵があると権利関係が覆る危険性
を孕んでいるので、登馳の真実性を祖保するものとして、適正な実体確認資料の制
度的保管が求められ、少なくとも登記所の添付情報の保管期間と同様に10年は必
要と考えるからです。
懲戒事例では平成 10 年に死亡していた登記義務者について、平成 11 年に死亡者か
ら委任を受けたとして、1週間の業務停止になったものがあります。登記所に 10
年間保管されている申請情報及び添付情報から代理人が特定されるために、処分さ
れた例です。
もし記録保存槙関を犯罪収益移転防止法の定める7年間として記録削除していたら、
本人確認した事実を立証することは難しくなります。
裁判事務では、利益相反行為を禁じていますが、利益相反しているか否かにいては、
本人確認記録と依頼された事務の内容が記録されていないと判断手段がありません。
また、利益相版の有無については、免責の期間の定めがないので、相当長期の記録
保管が必要と思われます。
会則では相談業務についての本人確認及び記録保存を除外しておりますが、利益相
反に関しては、相談業務についても別個に何らかの記録は必要と思います。
Q14 本人確認資料について、印鑑証明書の有効期限を3ヶ月にするなど、少し限定的で
はないですか。
A
登記では、登記義務者の印鑑証明書の有効期限を3ヶ月としており、通常の売買で
は登記権利者も融資を受けることから発行から3ヶ月以内の印鑑証明書を取得する
ことは比較的に容易と思われます。手続上の混乱を避けるためにも統一しておいた
ほうがよいと判断したからです。
昨今は、印鑑証明書の偽造も少なくないので、できるだけ直近のものを入手するほ
うがよいと思います。
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