発行元 2015.05 Vol. 65 税理士法人平岡会計事務所大阪市中央区天満橋京町 1 番 26 号尼信天満橋ビル７階 TEL06(6966)5858 FAX06(6966)5868 ht tp://w ww.hiraoka-kaikei.jp/ 過ごしやすい気候となりました。当事務所では去年の秋ごろからテニスやフットサルなどを職員で定期的に行っています。試合をするとやっぱり勝ちたいので、大人げなくムキになったり力が入ったり・・・。けがをしないように今後も継続していければいいなと思っています。さて、今月の平岡会計だよりは、「ふるさと納税について」、「自主点検チェックシートを利用して、有効な内部統制を！」、「エクセルの便利機能」などについてご紹介いたします。 ∼マイナンバーは法人にも導入されます∼ 先月は個人版のマイナンバー制度のあらましをお伝え致しましたが、法人にも個人と同様にマイナンバーが導入されます。法人は今年の１０月に国税庁より法務局に登記されている本店所在地に法人番号（マイナンバー）が書面で届きます。登記上の住所と実態が異なる場合には、郵便物が届くようにしておく必要があります。個人版のマイナンバーは個人情報として厳格な管理を求められていますが、法人版は商号、本店所在地、法人番号の３つがインターネットを通じて公表され、異動があった場合には履歴を含めて公表される予定です。これらの番号は、法人が税務署や年金事務所の申告や届出等の手続きに使われるだけではなく、企業間の取引にも利用することが予定されています。複数の支店がある法人でも番号は１つだけとなっています。税務署や年金事務所などの行政機関において、法人番号で個別の法人に関する情報が集約されれば、取引の紐付け作業が効率化されると期待しているようです。将来、このマイナンバーによって税務調査や年金の裏付けも行われることになると思われます。 − １ − イグアスの滝 ∼「ふるさと納税」について∼ 「ふるさと納税」は市町村等に対し寄附をした場合に、支出寄附金のうち 2,000 円を除く部分について、一定の上限まではその全額が所得税・住民税から控除されるものです。税制改正により平成２７年１月１日以降の「ふるさと納税」については控除の上限が約２倍に拡充されたこともあり、更に注目が集まっています。 ∼本当に全額控除されているの？∼ ふるさと納税をした方からは、「本当に全額が控除されているの？」との質問をよく受けます。ふるさと納税をすると①所得税の所得控除②住民税の所得控除③住民税の特別控除の 3 つの控除が適用され、①②③の合計で 2,000 円を除く支出寄附金の全額が控除されます。控除が所得税と住民税に分かれているので確定申告書を見てもスッキリしませんが、もちろん上限までの寄附であれば、2,000 円を除く全額が控除されています。 ∼上限を超えないための確認方法∼ （例）年収が 500 万のサラリーマン【手順①】所得税の税率を確認して下さい。妻が専業主婦で配偶者控除あり「課税される所得金額」が下記の税率表のどこ給与収入に当てはまりますか？ 5,000,000 給与所得控除額【所得税率表】 △1,540,000 基礎控除・配偶者控除 △760,000 2,700,000 課税される所得金額税率課税所得金額 195 万円以上 5％住民税所得割額 195 万円を超え 330 万円以下 10％ 330 万円を超え 695 万円以下 20％ 695 万円を超え 900 万円以下 23％ 900 万円を超え 1,800 万円以下 33％ 1,800 万円を超え 4,000 万円以下 40％ 4,000 万円超 45％ 282,500 【手順①】課税所得金額 2,700,000⇒ 「10％」【手順②】住民税所得割額 282,500 円【手順③】 282,500 円×20％ ÷(90％−10％)＋2,000＝72,625 円【手順②】住民税の納税通知書に記載されてい ⇒72,625 円以内の寄附であれば満額控除る「所得割額」(所得に対する税金)を確認して下 ※前年の金額を基に限度額を計算していますさい。が、実際には寄附をした年度の所得をもとに計市民税と府（県）民税に分けて記載されてい算されますので、ひとつの目安にして下さい。ますので、合計して下さい。平成２６年分の納税 ※この計算は復興税などを含まない簡易なもの通知書は平成２７年６月に交付されます。です。手元に納税通知書がなければ、多少のズレが生じますが、「【手順①】の課税される所得金額の 10％」でも概算計算できます。【手順②】の所得割額×20％ ÷(90％−【手順①】の税率)＋2,000 平成２７年４月１日以降の寄附金については、寄附が５か所までであれば、寄付をする際に申【手順③】下記の算式に当てはめて上限を計算して下さい。 ∼納税ワンストップ特例制度∼ 請書を提出することにより、確定申告をしなくても、所得税減額分も含めてお住まいの地方自治体の住民税から控除を受けることができます。確定申告の必要がない方も「ふるさと納税」を利用しやすくなりました。（作成辻川裕哉） − ２ − ∼自主点検チェックシートを利用して、有効な内部統制を！∼ 税理士会が監修し、全国法人会が作成した内部統制のための、自主点検チェックシートというものがあります。中小企業も内部統制を確立し、企業の発展と税務リスク軽減のために活用していきたいものです。今回はそれらチェック項目の中で、優先順位が高いものをピックアップし、平岡会計で多少加筆しております。基本的なことが中心ですので、今一度ご確認いただければと思います。項目【売掛金編】改善事項等チェック事項・回収が遅延しているものはありませ貸し倒れリスクを早期に発見できます。んか。すでに倒産しているにも関わらず放置された・遅延した理由を取引先に確認して売掛金は、貸倒損失として損金にならない可いますか。【棚卸編】能性があります。・実地棚卸は定期的に実施していま完成された棚卸表だけではなく、そこに至っすか。た経緯を説明するための原資記録も一緒に・棚卸の際の原資記録は廃棄せず保存してください。に保存していますか。【貯蔵品編】・商品券や高額印紙は受払簿を作商品券や高額な収入印紙は、受払簿等によ成していますか。り誰が何時、何の目的で使用したかを明確にしておくことが望まれます。【固定資産編】・固定資産について、付番管理を行税務調査では現物実査が行われることがありい配置場所を把握していますか。ます。台帳に計上されていない固定資産が・固定資産の現物と台帳は定期的ないか、また台帳には計上されているが、すに照合していますか。でに廃棄されたものがないかを確認されます。すでに廃棄されたものは減価償却費の計上ができません。【人件費編】・労働者名簿は作成していますか。氏名・生年月日、住所、業務内容、採用年月・出勤簿やタイムカードは適切に作日など適正に記載されていますか。成・保管されていますか。給料が支給されているのに、出勤簿等がない従業員はいませんか。役員についても出勤実績が明らかになっていますか。また、金額も妥当ですか。【交際費編】・交際の内容を明らかにしています得意先、仕入先、その他事業に関係のあるか。者等に対する費用ですか。宛名が自社以外・参加人員、相手先、支出内容が明になっている領収書はありませんか。らかにされていますか。 − ３ − ∼ エクセルの便利機能 ∼ 毎日の仕事で使用することが多いエクセルですが、全ての機能を覚えるのは大変です。そこで今回は知っていると便利なエクセル機能をご紹介します。表に素早くデータ入力（入力範囲を指定することでセル移動が選択範囲内だけになり効率的に）・データ入力したい範囲を左上から右下へドラックして選択・データ入力後に「Enter」キーを押すと下へカーソル移動。「Tab」キーをおすと右に移動 Enter Tab リストから選択して入力（リストからデータを選んで入力でき、入力ミスの防止に）・担当者のセルを選択し「データ」タブ→「データの入力規則」→「設定」タブで入力値の種類を「リスト」に、元の値に担当者名を半角カンマで区切って入力し、「OK」ボタンを押す。（元の値はリストが入力されているデータの範囲を選択してもよい）・担当者セルの右隣「▼」ボタンが表示され、クリックすると担当者リストが表示されます。（作成：福田恭子）『長友佑都体幹トレーニング２０』著者：長友佑都発行：ＫＫベストセラー階段を登っていると、以前より身体が重く感じたり、息が切れたりと、体力低下を感じるように・・・。そんな時に見つけたのが、サッカーの長友選手が実践している『体幹トレーニング２０』の一冊。効果として、①体の芯から痩せる向上するきる ②競技力が飛躍的に ③疲労をコントロールできる ④腰痛を解消で ⑤顔・姿勢が変わる。の５つが挙げられています。本書の中では、目的別に合わせたトレーニング方法が紹介されており、特に器具等も必要ないので、自宅で手軽に始める事が出来ます。なお、続けるコツとしては、どういう目標を実現したいのか、という事を実際に書き、毎回、トレーニング前に見てから始めるのが良いそうですよ。みなさんも、腰痛解消やゴルフのスコアＵＰのために、『体幹トレーニング』始めてみませんか？（上田寛実） − ４ − −編集後記− 体幹トレーニングに関して以前から少し興味がありました。“体幹を鍛える”などが表紙の雑誌を購入したことがあり、今月の図書で紹介されています体幹トレーニングをみて、今回あらためて読み直してみました。体幹を鍛えることはいろんな競技に共通して重要なようで、闇雲に筋トレを行うというのではないようです。今年、箱根駅伝を制した青山学院大学も体幹トレーニングを取入れた練習を行っているようです。もう一度本を読み直し毎日少しずつやってみようかな。（岩本哲雄）