カレッジマネジメント186号 「親子一体化」が進む

全国高等学校 PTA 連合会・小社合同調査
報告 第6回「高校生と保護者の進路に関する意識調査」結果より
「親子一体化」が進む進路選択
グローバル化社会を見据えた高校生と保護者の進路意識の変化
(よく話をする~時々話をする/複数回答)
高校生
図1 進路についてどんな話をしているか
70
(%)
60
2013 年全体
2011 年全体
2009 年全体
男子
30
20
経済や社会の動き
保護者の進路選択の話
その他
無回答
28.9
29.0
26.1
24.1
23.4
20.4
18.1
18.2
17.0
17.4
17.9
18.4
17.4
16.0
15.7
11.8
13.2
11.2
9.9
8.8
6.8
8.9
9.3
11.4
6.3
7.1
6.0
0.8
1.0
1.0
0.7
0.8
1.4
【回答者プロフィール】
■高校生
●性 別 男子45.9% 女子52.6% (無回答1.6%)
●高校タイプ 普通科 68.1% 専門学科 26.8% 総合学科 5.0%
●高校卒業後の希望進路
大学進学59.4% 短大進学 3.6% 専門学校進学
15.9% 海外の大学等への進学0.4% 就職18.2%
パート・アルバイト0.3% その他1.9% (無回答
0.2%)
■保護者
●続 柄 父親11.4% 母親 86.0% その他0.6% (無回答
2.0%)
●子どもの性別 男子43.9% 女子54.0% (無回答 2.1%)
●子どもに対する高校卒業後の希望進路
大学進学46.4% 短大進学 2.6% 専門学校進学
9.7% 海外の大学等への進学0.4% 就職14.7%
その他1.1% 子どもが希望する進路なら何でもい
い22.9% (無回答2.2%)
686
889
1038
978
60
248
335
1266
54.4
65.4
65.8
65.8
65.0
56.5
70.7
57.6
49.1
52.8
47.6
47.9
43.3
52.8
56.4
49.7
38.6
49.9
45.5
44.4
63.3
54.8
59.4
41.4
42.9
43.0
46.7
47.1
40.0
33.5
52.5
40.6
28.3
29.4
27.6
27.9
23.3
27.4
39.7
26.0
27.8
20.9
24.0
24.2
20.0
21.4
36.1
20.9
15.6
20.1
19.5
19.5
18.3
23.8
23.9
16.5
16.2
18.3
15.9
15.6
20.0
15.7
26.6
15.0
15.2
19.1
16.1
16.2
15.0
15.3
26.3
15.1
12.5
11.1
14.3
13.8
21.7
12.9
17.3
10.3
8.6
10.8
11.8
12.2
6.7
7.3
15.2
8.5
11.1
7.3
9.2
9.1
11.7
6.9
14.3
7.5
6.4
6.2
6.1
6.0
6.7
6.9
8.7
5.7
1.0
0.7
0.7
0.7
―
0.4
2.4
0.4
1.0
0.4
0.4
0.4
―
1.2
0.3
0.9
※
「2013年全体」
降順ソート ※
「経済や社会の動き」
は2011年以前は
「経済や企業の動き」
で回答 ※
【2013年属性別】
は、
「2013年全体 」より5ポイント以上/10ポイント以上高い数値に網掛け
100.0
「2013年全体」
より10ポイント以上高い より5ポイント以上高い
100.0 「2013年全体」
図 2 進路について、
相談する相手 (全体/複数回答)
高校生
100
(%)
【注】2009 年
(第 4 回調査)
と 2011年
(第 5 回調査)
の調査概要はそれぞれ、
162 号 P40、
174 号 P30 を参照。
80
2013 年全体
今どきの 進路にまつわる親子コミュニケーションは良好
親子像 悩みや不安、
希望進路を共有し、
進路に関する具体的なアドバイスを保護者に求める
進路を考えるうえで相談する相手
位(44%)に変わりはないが、父親が 2
具体的にどんな話をしているのか
は(図 2)
、
「母親」が 1 位。前回調査よ
位(31%)に上昇し、前回調査より2.5
を見てみると(図 1)
、卒業後の具体的
り4.6ポイント伸ばし、ついに8 割を超
ポイント増加。
「やりたいことを職業
な 進 路(60%)
、将 来 就 き た い 職 業
えた。
「一番の理解者であり、一番近
にしていて尊敬する」というコメント
(51%)
、将来の自分の夢(45%)
、現在
くにいる存在」というコメントに象徴
に、進路選択を控えた自分を重ね合わ
の成績(43%)と、志望校選択や受験
されている。以下「友人」
「父親」
「担任
せる子どもの心境が窺える。
40
リクルート カレッジマネジメント186 / May - Jun. 2014
無回答
増加していることがわかった。
相談相手はいない
ねたところ、相談相手と同様、
母親の1
その他
する内容も幅広いことが分かる。
先輩
前回 2011 年の調査よりも3.5ポイント
友人
に影響を与えている人についても尋
その他の大人
高校生は全項目でスコアが高く、会話
2043
1959
1953
83.3
78.7
77.5
41.0
39.8
40.1
33.4
31.5
28.8
16.6
17.5
18.1
11.3
8.0
8.3
6.5
5.8
4.8
5.1
6.0
5.5
4.4
4.3
4.9
3.8
5.2
5.4
1.9
1.9
1.8
2.3
2.1
2.9
46.9
49.1
51.7
14.0
12.8
14.0
1.3
1.3
2.3
2.9
3.0
2.9
0.1
0.7
0.9
937
1074
1287
1214
73
325
1601
436
79.2
86.9
83.5
83.5
83.6
84.3
90.3
57.8
50.1
32.8
41.6
42.1
32.9
39.4
44.4
28.4
34.9
32.1
37.9
38.9
21.9
24.6
33.9
31.7
13.8
19.2
16.1
16.3
12.3
17.8
17.2
14.4
11.3
11.5
16.8
17.5
4.1
1.5
12.1
8.5
6.8
6.1
5.7
5.4
9.6
5.8
6.8
5.3
5.2
5.1
5.5
5.8
1.4
4.3
4.9
5.7
4.6
4.3
3.8
3.5
8.2
4.0
4.7
3.4
5.0
2.7
3.9
3.8
5.5
2.8
3.8
3.9
1.2
2.4
1.7
1.6
2.7
1.5
2.0
1.1
2.2
2.2
1.6
1.6
1.4
2.5
2.1
2.8
39.6
53.2
45.6
44.8
58.9
54.2
47.5
45.6
15.7
12.8
13.2
13.0
16.4
14.2
13.3
16.7
1.4
1.2
0.7
0.7
―
1.8
1.2
1.4
4.1
1.9
3.0
3.1
1.4
2.5
1.3
8.7
―
0.2
0.1
0.1
―
―
0.1
0.2
調査数
2013 年全体
2011年全体
2009 年全体
【2013 年属性別】
男子
性別
女子
大学+短大進学
大学進学
希望
進路別 短大進学
専門学校進学
進路対話 話す・計
頻度別
話さない・計
小・中学校時代の先
生
生が保護者と会話していると回答。
進路指導の先生
さらに、進路を考えるうえで高校生
その他の親戚
別に見てみると(*印)
、よく会話する
担任・進路指導以外
の先生
るかという質問に対し、
約78%の高校
0
祖父・祖母
子では友人が 2 位となる。
20
女子
塾・予備校の先生
れている。また、保護者との対話頻度
男子
兄姉
の進路について保護者と会話してい
40
担任の先生
の先生」
と続くが、男子では父親が、女
2009 年全体
60
父親
に向けた高校生の気持ちが写し出さ
2011 年全体
母親
高校 2 年生の時点において、卒業後
保護者の高校時代の話
【調査概要】
●調査実施者 一般社団法人全国高等学校 PTA 連
合会・株式会社リクルートマーケテ
ィングパートナーズ
●調査対象 全国の高校 2 年生とその保護者
(全国高等学校 PTA 連合会より依頼
した 9 都道府県の公立高校 27 校:
2 年生 2 クラス分の高校生と保護者)
●調査期間 2013 年 9 月 24 日〜 10 月 31 日
●調査方法 ①高校生:ホームルームにてアンケ
ートに回答
②保護者:高校生から保護者へアン
ケートを手渡し
③学級担任が高校生分と保護者分を
取りまとめ、その後学校責任者が学
校分として返送
●回 収 数 高校生 2,044、保護者 1,704
●有効回答数 高校生 2,043、保護者 1,696
保 護 者の 大 学・短 大・専 門
学校時代の話
43.1
45.2
43.1
調査数
2013 年全体
2011 年全体
2009 年全体
【2013 年属性別】
男子
性別
女子
大学+短大進学
大学進学
希望
進路別
短大進学
専門学校進学
進路対話 よく話をする
*
頻度別
時々話をする
上級学校(大学・短大・専門
学校)
の動向
45.2
42.2
43.2
保護者がどう関わっているのか、高校生の心境と保護者の言動、そしてグローバル化
保護者の(現在の)仕事の
話
51.1
53.3
55.3
第 6 回を迎えた。ここでは、調査結果の中から、高校生の進路選択の意思決定に、
進学費用について
60.3
62.3
58.7
合会と小社で合同調査を行ってきた「高校生と保護者の進路に関する意識調査」も、
リクルート『キャリアガイダンス』編集長 山下真司
将 来 どんな 生 き 方 をし た
いか
現在の成績について
1601
1468
1468
関係性にどんな変化が起こっているのだろうか。2003 年より、全国高等学校 PTA 連
社会に向けた意向について報告する。
将来 どんな 生 活 をし たい
か
将来の自分の夢
10
0
高校卒業後の具体的な進路
(学校
学
について
・部学科 就
・職先)
先行き不透明といわれる社会の中で、進路選択に関する親子のコミュニケーションや
40
将 来 どんな 職 業 に 就 き た
いか
女子
50
※
「2013年全体」
降順ソート ※
【2013年属性別】
は、
「2013年全体 」より5ポイント以上/10ポイント以上高い数値に網掛け
より10ポイント以上高い より5ポイント以上高い
100.0 「2013年全体」
100.0 「2013年全体」
リクルート カレッジマネジメント186 / May - Jun. 2014
41
第6回「高校生と保護者の進路に関する意識調査」結果より
進学に 7 割の高校生が進路を考えるとき「不安な気持ち」
まつわる
気持ち 最大の気がかりは「学力不足」
高校生に進路を考えるとき、どん
うか」
(45 %)
「職場の人間関係がうま
校生(15.4 ポイント増)
、保護者(9.7 ポ
いて気がかりなことがあるかを尋ね
くいくだろうか」
(41 %)と、
「働く」と
イント増)共に大きく増加している。
ると、高校生・保護者共に約 7 割が
「あ
いう未知な世界への不安が多い。一
その理由には、
「アベノミクス」
「東京
る」と回答している。具体的に気が
方、保護者は、
「 就きたい職業が思い
五輪」の言葉が多く見られ、より良い
希望進路別でみると、大
かりな項目として最も多かったのは
浮かぶだろうか」
(29 %)
、
「 歳をとっ
社会への期待や願いが込められてい
学進学希望者は「学力不
(図 5)
、
「 就きたい職業に就くことが
ても働き続けられるだろうか」
るように思われる。
いことが見つからない」
(図 3)
、
「不安な気持ち」
(30 %)
、
「どち
と、適性や目標が分からな
ると全体の約 7 割の高校生が不安を
抱いていることが分かった。一方、
「楽しい気持ち」
(8 %)
、
「どちらかと
いうと楽しい気持ち」
(17 %)は、両者
を足し合わせても3 割に満たない。
そんな高校生に、
「進路選択につい
高校生・保護者共に、
「就きたい職業に就くことができるだろうか」
が最も不安
次に、高校生が将来働くことにつ
のがわからない」
「やりた
な気持ちになるかを質問したところ
らかというと不安」
(40 %)を合わせ
社会の景況感と裏腹の親子の不安感
就業に
関する
気持ち
図 3
高校生 進路を考えるときの気持ち
(高校生/単一回答)
考えたことがない 4.6
いという回答が続く。
無回答 0.5
足」
を、短大進学希望者、専
楽しい気持ち 7.8
どちらかというと
楽しい気持ち
17.0
不安な気持ち
30.2
2013年 全体
門学校希望者は「自分で決
(n=2043)
断する自信がない」
「経済
(%)
的な理由で自分の希望が
て気がかりなこと」
(図 4)を全て選
かなわないかもしれない」
んでもらったところ、
「学力が足りな
という不安を抱えている
いかもしれない」
(59 %)が突出して
実情が浮き彫りになって
トップ。以下、
「自分に合っているも
くる。
どちらかというと不安
40.0
できるだろうか」が両者共にトップ。
(16 %)のように、長い人生の視点か
その一方で、過半数以上の高校生・
特に保護者は 75 %を超える高い回答
らわが子の将来を不安視している姿
保護者は「好ましくない社会」と回答
率となっている。また、高校生と保
がそこに窺える。
しており、社会全体での景況感とは
護者の傾向の違いに着目すると、高
未来社会への認識(図 6)について
校生は「十分な収入が得られるだろ
は、
「 好ましい社会」という回答が高
高校生
80(%)
(n=1168)
(n=1510)
60
40
20
0
60
(%)
41.4
職場の人間関係がうまくいくだろうか
そもそも就職することができるのだろうか
8.6
すぐ辞めさせられるのではないだろうか
11.5
11.1
歳をとっても働き続けられるだろうか
10.6
仕事がつまらないのではないだろうか
無回答
特にない
その他
経済的な理由で自分の
希望がかなわない
かもしれない
自分で決断する
自信がない
知りたい情報を
集めたり、
選んでいく
方法がわからない
社会に出ていく能力が
あるか自信がない
やりたいことが
見つから ない、わから
ない
自分に合っている
ものがわからない
学力が足りない
かもしれない
9.3
5.4
4.2
5.8
16.0
2.8
体力的に厳しいのではないだろうか
7.3
勤め先が倒産してしまうのではないだろうか
仕事内容や報酬に男女格差がないだろうか
5.3
2.3
図 6 これからの社会は高校生にとって好ましいか
高校生
2043
1959
1953
58.6
55.4
53.9
37.2
35.6
36.5
32.5
31.2
31.5
22.1
23.8
24.6
19.3
17.5
19.8
18.0
18.5
19.5
11.6
12.3
14.8
2.8
1.7
1.5
7.6
8.5
7.5
0.4
1.1
1.4
937
1074
1287
1214
73
325
58.9
58.7
65.8
66.1
61.6
48.0
34.2
39.9
34.0
34.2
30.1
34.8
33.8
31.1
32.2
32.6
24.7
21.2
19.9
24.0
20.4
20.1
26.0
23.1
18.5
19.6
17.8
18.1
12.3
19.4
15.6
19.7
16.8
16.2
26.0
19.7
8.8
13.9
10.2
9.6
19.2
16.9
2.9
2.7
2.8
2.9
1.4
2.5
8.3
7.0
6.0
5.8
9.6
10.5
0.5
0.3
0.3
0.2
1.4
0.3
※
「2013年全体」
降順ソート ※
【2013年属性別】
は、
「2013年全体 」より5ポイント以上/10ポイント以上高い数値に網掛け
より5ポイント以上高い
100.0「2013年全体」
5.7
0.9
毎朝、時間どおりに起きられるだろうか
14.1
調査数
2013 年全体
2011 年全体
2009 年全体
【2013 年属性別】
男子
性別
女子
大学+短大進学
大学進学
希望
進路別 短大進学
専門学校進学
29.3
11.0
遊ぶ時間がとれるだろうか
14.4
10
41.4
仕事を覚えられるだろうか
15.5
(%)80
24.6
自分にできる仕事があるだろうか
20.5
20
0
保護者
60
75.7
就きたい職業が思いつくだろうか
26.0
30
女子
40
26.1
40.7
40
2009 年全体
20
十分な収入が得られるだろうか
50
男子
0
就きたい職業に就くことができるだろうか
44.6
(全体/複数回答)
図 4 進路選択についての気がかり
高校生
2011 年全体
るには至っていない。
図 5 働くことについての気がかりの内容 (高校生・保護者:気がかりが 「 ある 」 回答者/ 5 つまで回答)
57.0
2013 年全体
別に、個人レベルの不安感を払拭す
(n=2043)
(%)
無回答 3.4
非常に
好ましくない 6.3
保護者
とても好ましい 3.6
(n=1696)
とても好ましい 0.9
非常に好ましくない
5.0
まあまあ好ましい
好ましくない
38.3
社会だ
54.8(▲12.4ポイント) あまり好ましくない
48.5
好ましい
社会だ
41.9(+15.4ポイント)
好ましくない
社会だ
61.1(▲8.9ポイント)
(%)
無回答
12.5
まあまあ好ましい
25.5
好ましい
社会だ
26.4(+9.7ポイント)
あまり好ましくない
56.2
※カッコ内は前回調査比
42
リクルート カレッジマネジメント186 / May - Jun. 2014
リクルート カレッジマネジメント186 / May - Jun. 2014
43
第6回「高校生と保護者の進路に関する意識調査」結果より
(進学希望者/複数回答)
保護者
図 9 進学先検討で重視すること
100
(%)
保護者の 「アドバイス」から「行動する」保護者へ
進路選択
保護者が増加する兆候も
への関与 “出しゃばる”
子どもに進学を希望する保護者に
ジ」
(47 %)
、2 位「高校の担任の先生」
80
60
きる。過去の調査と比較してみると、
り、
「学校発信の情報」
「高校を基点と
「各学校の説明会やオープンキャン
入手先について回答してもらったと
した情報」そして「リアルな学校情
パス」も 2009 年の調査から増加傾向
ころ
(図 8)
、1 位
「各学校のホームペー
報」の 3 つに大別して捉えることがで
にある。後述するが、保護者の積極
(進学希望者/ 5 項目まで複数回答)
保護者
表 7 特に重要な進学情報
調査数
進学費用(学費・ 現在の入試制 学 部・学 科 将来の職業 就職の状況
資格取得の 奨学金の種類
入試の内容
生活費など)
度の仕組み
の内容
との関連
(実績)
状況
(実績) と採用条件
難易度
校風・雰囲気
2013年全体
996
53.0
51.7
43.8
43.1
36.5
31.4
26.2
25.2
21.0
13.9
2011年全体
852
52.3
42.7
38.6
51.9
38.6
23.9
25.8
25.9
23.2
8.3
60
(%)
50
2011 年全体
47.1
56.9
52.8
46.3
52.9
52.8
43.7
49.9
45.2
43.3
50.9
51.4
40.0
51.6
47.7
39.7
51.9
54.3
38.2
51.8
45.5
36.4
38.7
40.5
35.8
39.2
36.4
30.4
39.3
35.8
29.2
34.0
37.2
118
854
443
535
831
787
44
165
67.8
83.1
78.8
83.2
83.0
83.4
77.3
66.7
44.9
63.0
60.3
61.1
61.1
61.4
56.8
54.5
50.0
56.4
53.0
57.6
54.3
53.7
63.6
57.6
42.4
50.7
48.5
50.7
48.4
48.5
45.5
53.3
34.7
49.5
46.5
48.6
47.7
48.3
36.4
44.2
39.0
47.7
38.6
53.5
42.1
40.9
63.6
67.3
37.3
45.7
43.8
44.9
46.1
46.6
36.4
31.5
32.2
45.7
42.2
45.2
44.6
44.6
45.5
36.4
31.4
41.7
39.1
41.3
41.6
42.6
25.0
31.5
39.8
40.3
39.5
40.7
38.5
38.5
38.6
45.5
33.9
39.6
35.9
40.9
40.9
41.7
27.3
24.2
28.0
38.1
32.3
40.7
38.3
38.4
36.4
27.3
33.9
36.8
36.1
36.4
34.7
35.3
22.7
41.8
23.7
32.0
28.9
32.3
31.6
31.8
29.5
24.2
28.0
30.1
25.7
32.9
27.9
26.9
45.5
35.8
的な行動がこれらの数字からも窺え
え、社会へのスムーズな移行を願う
過去の調査結果と比較しても増加傾
る。
保護者の気持ちが窺える。
向にある。
では、なぜ子どもの進路選択に保
30
検討において重視することは何だろ
としてどう関わっている、
もしくは今
護者は具体的に関わろうとしている
20
うか(図 9)
。該当するものを全て選
後どうしたいかという問いに対して
のだろうか(図 11)
。その理由のトッ
んでもらったところ、
「子どもの学び
は、最近の保護者の特徴的な気持ち
プは、
「 子どもと一緒に考えたいか
たい学部・学科・コースがあること」
が表れている
(図 10)
。
ら」
(69 %)
。次いで、
「 具体的な情報
10
子どもが持ち帰る塾・予
備校で配布された資料
塾・予備校の先生
41.3
45.5
44.9
38.8
30.6
22.7
28.5
27.5
26.1
28.5
24.5
9.0
20.9
14.2
1.8
20.5
13.6
0.8
16.1
20.8
11.1
14.9
16.7
15.8
14.2
14.1
15.2
13.9
14.0
10.9
9.8
12.1
10.2
7.5
8.3
6.1
118
854
443
535
831
787
44
165
50.8
47.5
45.1
49.9
49.8
50.2
43.2
34.5
39.8
45.8
42.4
47.3
47.3
47.5
43.2
33.9
33.9
42.9
38.1
44.9
40.6
39.6
56.8
45.5
38.1
42.3
43.3
40.2
43.4
43.8
36.4
30.3
30.5
40.3
29.3
46.9
40.2
39.5
52.3
31.5
24.6
29.2
32.1
25.6
31.9
33.0
11.4
11.5
26.3
29.4
23.3
33.6
30.1
30.1
29.5
20.6
16.9
21.8
16.7
24.9
21.9
21.7
25.0
15.8
15.3
21.5
16.0
24.7
21.3
21.2
22.7
16.4
9.3
17.1
16.3
15.9
16.1
16.4
11.4
15.8
8.5
15.7
17.2
12.9
15.5
15.6
13.6
11.5
22.0
13.3
15.3
13.6
14.9
15.1
11.4
10.3
13.6
13.9
14.0
13.6
16.5
17.2
4.5
0.6
11.9
9.8
11.7
8.6
10.0
10.4
2.3
9.1
8.5
7.6
8.8
6.7
8.8
8.9
6.8
1.2
リクルート カレッジマネジメント186 / May - Jun. 2014
職場の同僚
高校の進路指導の先生
41.4
39.8
39.1
他の保護者
45.1
42.6
43.1
ブログやSNS
47.3
43.0
29.1
高校での進路行事
家族
(配偶者・親戚)
メールマガジン
学校に関する情報が
のっているWEB サ イ
ト
(進学情報サイト)
各学校の説明会や
オープンキャンパス
子どもが持ち帰る
高校で配布された資料
各学校の学校案内やパ
ンフレット
高校の担任の先生
996
852
924
0
※
「2013年全体」
降順ソート ※
【2013年属性別】
は、
「2013年全体 」より5ポイント以上/10ポイント以上高い数値に網掛け
より10ポイント以上高い より5ポイント以上高い
100.0 「2013年全体」
100.0 「2013年全体」
44
49.2
59.3
57.5
また、子どもの進路選択に保護者
調査数
2013 年全体
2011 年全体
2009 年全体
【2013 年属性別】
続柄別 父親
母親
子ども 男子
性別
女子
大学+短大進学
大学進学
希望
進路別 短大進学
専門学校進学
54.8
66.3
66.6
では、保護者が子どもの進学先の
各学校のホームページ
専門学校進学
60.0
69.2
67.7
40
2009 年全体
大学+短大進学
80.3
82.2
84.2
※
「2013年全体」
降順ソート ※
【2013年属性別】
は、
「2013年全体 」より5ポイント以上/10ポイント以上高い数値に網掛け
より10ポイント以上高い より5ポイント以上高い
100.0 「2013年全体」
100.0 「2013年全体」
(進学希望者/複数回答)
保護者
図 8 進学情報の入手先
2013 年全体
996
852
924
調査数
2013 年全体
2011 年全体
2009 年全体
【2013 年属性別】
父親
続柄別
母親
子ども 男子
性別
女子
大学+短大進学
大学進学
希望
進路別 短大進学
専門学校進学
(80 %)
、
「子どもの興味や可能性が広
調査時期である高校 2 年生の時点
を知らないと進路についての会話が
げられること」
(60 %)
、
「 就職に有利
で行ったことがあるのは、
「子どもに
できないから」
(54 %)となり、他の項
であること」
(55 %)
、
「 社会で役立つ
合う分野をアドバイスする」
(58%)
、
目を大きく引き離している。続柄別
力が身につくこと」
(49 %)
、
「 卒業後
「将来の職業をアドバイする」
(53 %)
、
にみると、
「子どもと一緒に考えたい
に社会で活躍できること」
(47 %)な
「就職か進学かを選ぶ際にアドバイ
か ら 」は 父 親(61 %)よ り も 母 親
どの項目が上位に並び、上位 10 項目
スする」
(51%)
のように
「アドバイス」
(70 %)の意向が多く、子どもと共に
の中には教育内容や制度、卒業後の
に関する項目が多いが、今後は「興味
進路検討したい意向が突出し、
「一体
就職に関する内容が多いことに気づ
をもった学校の入試方法を調べる」
、
化」傾向にある保護者の姿が浮かん
く。子ども自身の希望や興味関心を
「興味をもった学校の資料請求をす
でくる。さらに、父親に見られる傾
重視しようとする保護者のスタンス
る」
、
「 興味をもった学校の見学に行
向としては、
「大人の目で判断した方
と、入口(入学)と出口(卒業/就職)
く」など、具体的な進路検討に「行動
が良いから」と、保護者として指導的
のギャップとしての“教育成果”を捉
する」傾向が強く表れており、これは
な関与の意向も窺える。
リクルート カレッジマネジメント186 / May - Jun. 2014
45
交通の便が良いこ
と
また、進路を考えるための情報の
活 気 がある感じ
がすること
が増加している様子も窺える。また、
専門分野を深く
学べること
プンキャンパス」
(39 %)となってお
教 育 方 針・カ リ
キュラムが魅力的
であること
り、ネットから情報収集する保護者
勉強するのに良い
環境であること
あった。
(41 %)
、5 位「各学校の説明会やオー
学費が高くないこ
と
(52 %)が共に 50 %を超える回答が
将 来の選択肢が
増えること
ジン」のスコアが大幅に増加してお
0
学生生活が楽し
めること
ち帰る高校で配布された資料」
専門学校進学
20
校風や雰囲気が
よいこと
(53 %)と「現在の入試制度の仕組み」
大学+短大進学
資格取得に
有利であること
サイト」
「ブログや SNS」
「メールマガ
卒業後に社会で
活躍できること
ンフレット」
(41 %)
、4 位「子どもが持
社 会 で 役 立つ 力
が身につくこと
について尋ねると(表 7)
、
「進学費用」
40
就職に有利であ
ること
「各学校のホームページ」
「進学情報
2009 年全体
子 どもの興 味や
可能性が広 げら
れること
(45 %)
、3 位「各学校の学校案内やパ
2011 年全体
子どもの学びたい
学部・学科・コース
があること
進路選択において重要だと思う項目
2013 年全体
第6回「高校生と保護者の進路に関する意識調査」結果より
(進学希望者/各単一回答)
保護者
図 10 子どもの進路選択行動へのかかわり方
経験意向・計
行ったことがある
(%)
(2013 年 n=996 2011 年 n=852)
どんな学部、学科、コースがあるかを調べる
44.1
2013 年
38.9
41.2
2011年
子どもに合う学校にどんな学校があるかを
調べる
2013 年
28.3
2011年
26.5
49.1
41.1
2013 年
興味をもった学校の見学に行く
(オープンキャンパス・学校見学会を含む)
具体的な受験校を子どもにアドバイスする
2011年
興味をもった学校の資料請求をする
28.2
33.6
37.4
22.9
19.8
58.6
13.8
51.1
2011年
19.3
62.1
(26 %)
、専門学校(32 %)進学希望者
たい」
(23 %)と「できればなりたい」
75.6
ローバル化の影響をどう捉えている
よりも高い。また、続柄別にみると、
(32 %)を合わせた「なりたい・計」で
だ ろ う か。 高 校 生(50 %)
、保 護 者
父親(62 %)
の方が母親(47 %)
より高
は過半数を超える 54 %、大学進学希
い傾向にある。
望者では 65 %と意向の高さが窺え
80.0
9.2
8.0
82.9
回答。次いで「わからない」が高校生
7.4
74.7
(38 %)
、保護者(46 %)
となっている。
67.0
8.2
73.3
希望進路別に掘り下げてみると、大
10.1
71.0
7.6
73.0
67.1
21.4
8.0
70.6
18.9
8.7
72.4
8.4
70.4
9.2
74.4
16.4
(48 %)ともに約半数が「影響ある」と
10.0
9.5
21.2
12.3
どもの将来)に対する社会・経済のグ
7.8
23.4
21.8
81.2
12.1
19.4
48.8
まず高校生から見ると、
「ぜひなり
80.8
18.9
47.3
学 進 学 希 望 者(60 %)の 方 が、短 大
78.8
18.5
50.1
高校生や保護者は、自分の将来(子
7.4
23.0
2011年
2011年
10.1
17.9
42.8
42.1
2013 年
就職か進学かを選ぶ際にアドバイスする
46.5
24.2
2013 年
7.5
19.0
31.2
2011年
大学か短大か専門学校かを選ぶ際に
アドバイスする
26.6
2013 年
2013 年
11.2
13.1
63.8
2013 年
83.6
11.7
36.7
53.4
2011年
81.9
7.6
8.1
39.8
42.0
2011年
78.8
8.8
14.3
グローバル化 グローバル化社会に対する意識に親子のギャップ
社会における
高校生の54%がグローバル人材になりたい、
保護者は不安視する傾向が強い
意識
82.9
7.2
19.0
52.9
6.9
9.4
経験
意向
・計
10.8
24.4
64.6
2013 年
将来の職業をアドバイスする
11.9
57.5
2011年
興味をもった学校の入試方法を調べる
10.1
37.6
2013 年
子どもに合う分野をアドバイスする
行ったことはなく
行ったことはないが、 今後も行うつもりはない
今後行いたい
無回答
る。グローバル人材になりたい理由
用する人材になる意向についてはど
については、
「将来の職業選択の幅が
う考えているのだろうか。
広がるから」
「通用する人間でないと
(全体/単一回答)
図 12 将来、グローバル社会で通用する人材になりたいと思うか
高校生
なりたい・計
ぜひなりたい
なりたいと思わない・計
できればなりたい
2013 年 全体
性 別
80
(%)
希望進路別
60
22.7
(n=2043)
男子
(n=937)
女子
(n=1074)
31.6
24.9
29.1
34.3
大学進学
(n=1214)
30.1
短大進学
(n=73)
11.0
(n=325)
11.7
47.9
23.7
0.6
56.6
11.0
2.8
52.5
11.7
5.4 3.6 1.3
63.4
9.0
5.5 3.3 1.1
65.2
8.8
4.1
34.2
12.3
44.3
7.4
35.4
16.3
4.8
8.2
8.9
5.5
4.0
※
【2013年属性別】
は、
「2013年全体 」より5ポイント以上/10ポイント以上高い数値に網掛け
100.0 「2013年全体」
より10ポイント以上高い
より5ポイント以上高い
100.0「2013年全体」
2011 年全体
20
大学+短大進学
(全体/単一回答)
保護者
図 13 子どもにグローバル社会で通用する人材になってほしいか
14.7
16.2
21.8
12.8
10.8
12.6
8.6
7.6
10.1
7.8
7.9
7.8
6.9
6.0
4.9
4.0
3.9
4.9
2.8
3.7
3.3
1.6
1.5
1.4
0.8
0.4
0.7
1.9
0.9
2.6
3.7
4.4
3.3
続柄別
109
776
401
490
759
718
41
141
811
86
60.6
70.0
70.1
68.2
70.1
70.5
63.4
62.4
70.7
52.3
56.9
53.7
58.9
50.0
54.7
55.2
46.3
50.4
54.1
53.5
13.8
18.4
17.5
18.2
17.7
18.0
12.2
19.1
17.3
24.4
15.6
15.2
16.5
14.1
15.7
16.0
9.8
11.3
15.0
15.1
14.7
14.8
15.5
14.1
13.4
13.2
17.1
21.3
13.9
22.1
12.8
13.0
16.7
9.8
12.8
12.8
12.2
12.8
11.0
30.2
5.5
9.1
6.0
10.8
8.7
8.6
9.8
7.8
8.9
4.7
19.3
6.2
6.5
9.0
7.9
7.8
9.8
7.1
7.5
10.5
10.1
6.6
7.2
6.7
7.2
6.8
14.6
5.0
6.8
8.1
5.5
3.7
3.0
4.9
3.8
3.8
4.9
5.0
3.7
5.8
5.5
2.4
2.7
2.9
3.2
3.3
―
0.7
2.6
4.7
1.8
1.5
2.0
1.2
1.4
1.4
2.4
2.1
1.5
2.3
―
0.9
1.0
0.6
0.9
1.0
―
―
0.7
1.2
2.8
1.8
1.5
2.2
2.0
1.8
4.9
1.4
2.1
―
4.6
3.5
2.2
4.7
3.2
2.9
7.3
6.4
3.7
3.5
子ども性別
無回答
周りの保護者が
やっているから
15.0
18.2
20.4
その他
高校の先生に
薦められたから
17.9
22.0
21.8
最近の進路選択は
子どもには荷が重
過ぎる
子どもよりも情報
収集が得意だから
54.0
52.9
51.6
保護者の方が子ど
もの適 性 をわかっ
ているから
大人の目で判断し
た方が良いから
68.9
66.7
67.4
子どもに
求められたから
よりよい選択肢があ
るのに子どもが気づ
いていないから
2013 年全体
2011 年全体
2009 年全体
【2013 年属性別】
父親
続柄別
母親
子ども 男子
性別
女子
大学+短大進学
大学進学
希望
進路別 短大進学
専門学校進学
進路対話 話す・計
頻度別 話さない・計
子どもが進 路につ
いて 行 動 しないか
ら
子 どもがやりたい
ことを見つけられ
ていないから
900
751
854
調査数
子どもの考えが
甘いから
具体的な情報を知ら
ないと進 路について
の会話できないから
0
子どもと一緒に
考えたいから
専門学校進学
46
25.0
23.3
11.3
6.9
26.3
35.0
54.3
4.9 6.1
33.0
なりたい
なりた
と思わな
い・計
い・計
2.2
5.9 5.4
31.8
31.7
大学+短大進学 (n=1287)
専門学校進学
32.2
31.7
20.9
なりたいと思わない
無回答
どちらでもよい
40
2009 年全体
あまりなりたいと思わない
(%)
(進学希望者:いずれか進路選択行動を行っている・今後行いたい/複数回答)
保護者
図 11 進路選択行動にかかわる理由
2013 年全体
では、グローバル化する社会で通
なってほしい・計
なってほしいと思わない・計
できればなってほしい
ぜひなってほしい
2013 年 全体
※
「2013年全体」
降順ソート ※
【2013年属性別】
は、
「2013年全体 」より5ポイント以上/10ポイント以上高い数値に網掛け
100.0「2013年全体」
より10ポイント以上高い
「2013年全体」
より5ポイント以上高い
100.0
リクルート カレッジマネジメント186 / May - Jun. 2014
希望進路別
10.6
父親
(n=193)
母親
(n=1459)
男子
(n=744)
12.6
女子
(n=916)
9.2
28.0
9.8
大学進学
15.4
専門学校進学
(n=44) 4.5
(n=165) 4.8
50.7
47.3
27.3
50.9
34.4
41.3
35.5
15.9
17.0
40.4
56.8
61.8
なってほし
いと思わな
い・計
38.6
5.2
3.1 3.1 5.2
47.7
6.2
2.8 2.3 6.4
37.8
5.1
2.0 1.7 6.7
42.2
3.8
3.7 2.9 6.0
36.5
6.7
1.8 2.5 5.2
49.2
4.3
1.5 2.2 5.1
50.8
3.7
20.5
15.9
21.8
6.7
2.9 2.4 7.6
40.9
29.6
14.8
(n=787)
30.6
28.0
大学+短大進学 (n=831)
短大進学
48.6
17.1
なって
ほしい・計
なってほしいと
思わない
無回答
どちらでもよい
(%)
(n=1696)
あまりなって
ほしいと思わない
6.8
9.1
6.8
4.2 2.4 9.7
※
【2013年属性別】
は、
「2013年全体 」より5ポイント以上/10ポイント以上高い数値に網掛け
100.0 「2013年全体」
より10ポイント以上高い
より5ポイント以上高い
100.0「2013年全体」
リクルート カレッジマネジメント186 / May - Jun. 2014
47
第6回「高校生と保護者の進路に関する意識調査」結果より
生き残れないから」などの意見が挙
「グローバル化への対応」に加えて、
がった一方で、なりたくない理由と
「視野の広い考え方・働き方をしてほ
がってきた。
子どもの留学意向については(図
もの成長を願う一方で、海外の治安
た。決して保護者も好んで望んでい
る保護者の叫びがあった。シャワー
に不安を抱く保護者としての葛藤が
る訳ではない。
「入試が複雑すぎて、
のように情報が降り注がれる中、高校
到底子どもだけでは理解できない」
生や保護者に提供する情報の質(内
しては、
「 日本のために働く人も必
しい」という意見が挙がっている。
15)
、
「 留学させたい」
「できれば留学
浮かび上がってくる。
要」や、
「英語が苦手」などの語学面で
なってほしくない理由としては、
「子
させたい」を合わせて 22 %の保護者
●
の 不 安と、
「 自 分 には 関 係 な い 」と
どもが希望していない」
「地元で働い
が留学に積極的。
「自分の視野や考
いった関心の低さが挙がっている。
てほしい」
という意見が見られた。
え方が広がる」
「英語(外国語)で会話
保護者についてはどうか。子どもに
さらにグローバル社会で通用する
ができるようになる」
「外国の価値
グローバル化社会で通用する人材に
人材に必要な力は何か尋ねたところ
観・文化などを理解できる」などの意
なってほしいと思うかと尋ねたところ
(最大 3 項目)
、
「コミュニケーション
(図13)
「
、ぜひなってほしい」
(11%)
「
、で
きればなってほしい」
(28%)と合わせ
「語学力」が必要と回答した高校生の
留学させたいと思わない」をあわせ
て 39%が「なってほしい」と回答。保
うち、その能力を「もっている」と回
ると 42 %にのぼり、その理由として
護者の場合「どちらでもよい」が約半
答したのはわずか 7 %に留まり(折れ
は「海外の治安に不安があるから」が
数を占めており、高校生と比べて積極
線グラフ)
、語学力の必要性を感じな
トップ。次いで「そもそも留学を考
的な意向者が少ない。
がらも、実際に能力をもっているの
えたことがない」
「費用が高い」
「英語
は 1 割に 満 たない 実 態 が 浮 か び 上
が苦手だから」となっている。子ど
それぞれの理由を探ってみると、
■ぜひなりたい/できればなりたい
■ぜひなってほしい/できればなってほしい
●価値観や考え、
文化が異なる人々と共に仕事をするのは自分に
●世界のあらゆる問題を自分の問題として考え、
捉え、解決していきたいという高い
とってプラスになると思うから[ 東京 / 女子 / 大学 ]
志で生きてほしい [ 富山 / 母親 / 男子 ]
更に増えると思うから[ 岩手 / 男子 / 専門学校 ]
●世界には多種多様の生き方があり、
それを実感する事で自分の役割を探してほし
いから[ 東京 / 母親 / 女子 ]
●社内公用語が英語の会社が増えつつあるから[静岡/男子/大学]
■どちらでもよい/あまりなりたいと思わない/思わない
●外国が怖いイメージ。あまり興味がない[ 東京 / 女子 / 大学 ]
●英語が得意で本人は望んでいるが、
海外には治安が不安定な国があり、積極的に本
●日本の人口は減る一方で海外との交流が不可欠
人の思いを叶えたいと思えない [ 富山 / 母親 / 女子 ]
●そんな企業は大手だけ [ 香川/ 男子 / 就職 ]
●子どもにそこまでの力がない、
あまり遠くに行かないでほしい
●国内を良くしなければ話は始まらない[ 神奈川/ 男子 / 大学 ]
●女性だし、
地元で働いてほしいから
図 14
[ 滋賀/ 母親 / 男子 ]
[ 静岡 / 母親 / 女子 ]
76.3
20
29.1
37.6
40
60
50.4
12.7
18.5
26.2
5.4
62.1
32.6
13.7
19.1
11.9
プレゼンテーション力
父親
(n= 193) 5.7
母親
(n=1459) 5.6
16.0
32.8
11.9
26.4
17.5
36.8
16.9
5.3
ディベート力
他人に働きかけ巻き込む力
4.7
4.8
宗教や文化、歴史に対する教養
4.7
※
(力の程度)は(必要と思われる能力)で選択した能力についてのみ回答
※
「もっている・計」
=
「十分もっている」
・
「まあまあもっている」の合算値
22.4
21.3
3.6
28.5
1.6
18.1
24.2
2.5
(保護者:図 15 = 「留学させたい」「できれば留学させたい」 回答者/複数回答)
保護者
図 16 留学させたい理由
0
20
40
60
55.8
71.6
66.0
61.5
49.4
46.2
いろいろな国の人と交流できる
海外での生活を体験できる
26.6
21.2
30.8
就職の時に役に立つ、有利になる
将来、海外出張や転勤などで困らないように
4.5
85.6
65.2
63.0
47.3
46.5
22.3
17.3
26.0
9.6
9.6
42.3
50.0
100(%)
80
87.2
84.6
自分の視野や考え方が広がる
子ども性別:男子(n=156)
子ども性別:女子(n=208)
9.5
全体(n=368)
5.4
将来、海外の企業で働くため 5.8
20
42.7
53.0
40.2
36.7
26.5
26.7
費用が高いから(費用がかかるから)
21.4
14.0
子どもは英語(外国語)が苦手だから
15.4
19.2
11.5
12.6
子どもがやりたい分野は日本で勉強するのが一番だから
必要と思われる能力
全体 (n=1696)
力の程度
「子どもがもっている・計」
6.2
9.5
5.5
5.2
2.3
在学している学校を休学しなければならないから 2.9 2.6
就職活動に支障があるから
0.9 0.5
1.2
48.5
38.4
26.5
17.4
17.4
15.5
12.7
17.5
将来、海外で仕事をさせたいと思わないから
60(%)
40
そもそも留学ということを考えたことがないから
子どもに一人で生活していく自信がないから
36.0
30.4
無回答
24.4
15.5
32.8
日本で勉強できれば十分だから
36.7
5.9
2.9
留学させたいと
思わない
続柄別
海外留学の必要性を感じないから
54.9
18.6
5.0
リクルート カレッジマネジメント186 / May - Jun. 2014
42.2
35.6
異文化・多様性を理解する力
論理的思考力
69.1
13.3
相手を理解する力
16.8
16.4
20.4
語学力
80
(%)
46.3
チャレンジ精神
24.1
27.6
20
自己主張する力
28.1
50.3
力の程度
「もっている・計」
7.4
24.2
29.3
必要と思われる能力
全体 (n=2043)
0
コミュニケーション力
63.1
48
0
(n=1696) 5.7
あまり留学
させたいと思わない
どちらでもよい
海外の治安に不安があるから
保護者
40
2013 年 全体
できれば
留学させたい
留学させたい
0
高校生
60
(保護者/単一回答)
保護者
図 15 子どもの留学についての考え
(保護者 : 図 15 = 「どちらでもよい」「あまり留学せさせたいと思わない」「留学させたいと思わない」 回答者/複数回
保護者
図 17 留学させたくない理由
グローバル社会で通用する人材に必要と思われる能力 (高校生・保護者/ 3 つまで回答)
高校生がもっている力の程度 (高校生・保護者:各能力 「必要」 回答者/各単一回答)
80(%)
さらに高まってくるだろう。
外国人の友達ができる
[ 静岡 / 母親 / 男子 ]
■どちらでもよい/あまりなってほしくない/なってほしくない
●
「グローバル社会」
が何なのか分からないから[岩手/女子/就職]
い」など、子どもの進路選択に苦悩す
外国の価値観・文化などを理解できる
保護者
●自分が海外に行かなくても海外から来る人はいるし、
これから
ングを考慮した広報戦略の重要性が
英語(外国語)で会話ができるようになる
グローバル社会で通用する人材になりたい・なりたくない理由
高校生
分からない、アドバイスすらできな
の進路選択の実態が浮き彫りになっ
(%)
反面、
「留学させたくない」
「あまり
容)と、進路選択状況に応じたタイミ
今回の調査を通じて、
「親子一体化」
見があがっている
(図16)
。
力」
「語学力」の 2 項目が突出(図 14)
。
「学部学科の多様化で名前だけでは
12.2
8.1
5.3
子ども性別:男子(n=565)
子ども性別:女子(n=692)
全体(n=1267)
リクルート カレッジマネジメント186 / May - Jun. 2014
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