技術研究組合の状況 2014/03/17 次世代宇宙システム技術研究組合 Next-generation Space Systems Technology Research Association 山口 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 耕司 超小型衛星プロジェクト ☆内閣府 最先端研究開発支援プログラム 『日本発の「ほどよし信頼性工学」を取り入れた超小型衛星による新し い宇宙開発・利用パラダイムの構築』 中心研究者 東京大学 中須賀真一 2010年4月~2014年3月 ☆ほどよしPJ 50Kgクラスの衛星4機を開発 ☆文部科学省 平成22年度超小型衛星研究開発事業 『日本主導の超小型衛星網UNIFORMの基盤技術研究開発と海外への 教育貢献』 和歌山大学・東京大学・NESTRA・北海道大学・東北大学 2010年10月~ ☆UNIFORM PJ 50Kgクラスの衛星1~2機を開発 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 2 衛星名 a 打上げ予定 ミッション機器 ほどよし3号 ほどよし1号 2014 5m分解能(RGB,近赤外)光学センサー ほどよし2号 2015 サイエンス機器(海外公募) ほどよし3号 2014 簡易カメラ、S&F、機器搭載スペース ほどよし4号 2014 5m分解能(RGB,近赤外)光学センサー S&F、 機器搭載スペース 、イオンエンジン UNIFORM 2014 ボロメータ、光学センサー ほどよし1号 2014/5/16 ほどよし4号 ほどよし2号 INSTEC / NESTRA UNIFORM 4 産業化のためには… ほどよしPJの目指すもの 宇宙の産業化 (超小型衛星を利用した) 宇宙利用ビジネスの開拓 超小型衛星の開発 Satellite x 4 (System, Components….) ほどよし信頼性工学の確立 先端技術、民生技術、標準化 2014/5/16 INSTEC / NESTRA グローバルマーケッテイング • 産業化・事業家のための • 利用市場開拓 • ビジネスモデル構築 サプライチェーン • 低コスト化のための • 品質・信頼性 [QCD]のほどよし • 企業クラスター化・産業構造の革新 • アンカーテナシー • 共通資材のストック化 技術イノベーション •先端技術の実用化 •要素技術の製品化 •民生先端技術の実用化 •魅力ある製品 5 産業化のための川・谷・海 … 魔の川とは、大学や企業の研究所における成果を製品化・事業化する過程において、基 礎研究と開発研究の間に存在するギャップ(障壁)を指す。このほか、開発と事業化の間に 存在するギャップを「死の谷」、事業化と産業化の間に存在するギャップを「ダーウィンの 海」と呼ぶ。 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 体制 超小型衛星戦略研究センター (中須賀:東京大学) ・ 戦略立案・研究全体の統括 ・①信頼性工学と実衛星開発を通した衛 星開発・試験・運用・利用手法 (東大、組合、アクセルスペース) 戦略・ロードマップ、 各種研究依頼 拠点大学群 緊密な連携 ミッション開拓 面での連携・ 技術交流 研究成果、新規ア イデア、提案等 ③先進的超小型衛星 設計論と要素技術(理 ④革新的光学・情報処 科大、東工大、北大、 理技術 (東京大、ジェ 日大、愛知工、東北大、 ネシア) 九大) ⑤地上局と運用法 ⑥地上試験手法 (神戸大、九大) (九工大、京大) 技術研究組合(理事長:山口) ・産業化に向けた各種方策の実施 ・②産業化を目的とする超小型衛星 技術の実用化ともの作りインフラ USEF 開発マネジメント、設計 力、技術指導、サプ ライチェーン、販売のブ ランド、販促 技術面での 各種依 頼、 共同検討 技術力、製 作、コンサル テーション、各 種アイデア 技術力提供、 製作、各種ノ ウハウ・アイデア 組合参加企業群 ・衛星開発への参加 機器開発への参加 各種技術サポート 商業化・産業化推進 外部の連携組織 ⑦実践的宇宙教育・ 人材育成 (和歌山大、UNISEC) ⑧科学への応用法と 先進インターフェース (京大,東北大,北大) 科学コミュニティとの連携 本プロジェクトで構 築する組織 太字:サブテーマ 超 小型衛 星の普 及啓蒙・ 利用開拓、利用コミュニティ の構築と展開 超小型衛星利用コミュニティ(一部実在、今後プロジェクトの中で開拓) ・宇宙科学・工学 ・宇宙実験 ・エンターテインメント ・リモートセンシング ・監視 ・教育 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 7 技術研究組合制度 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 法人格があります 法人格があるので、技術研究組合の名義で、不動 産の登記、特許権の登録、銀行取引、行政許認可 の取得などを行うことができます。 事業化に向けて、特許権を一元的に管理できます。 責任の所在を明確にすることができます。 財務の健全性を確保できます 技術研究組合の運営費は、メンバーの賦課金によ りまかなわれます。技術研究組合に欠損金が累積 せず、財務の健全性を確保できます。 メンバーは、賦課金を自社の研究開発費用として 処理でき、税負担を軽減できます。 営利会社化できます 研究開発終了後は会社化し、研究成果を散逸さ せずに、そのまま事業化できます(会社の資本は 再評価後の純資産額となります。)。 大学発ベンチャーや、事業化の準備組織として利 用できます。 産学官連携に利用できます 大学や公的研究機関がメンバーになれるので、産 学官連携が強化されます。 賦課金の設定は自治に委ねられます。出資金なく メンバーになれます。 農業や医療に関する技術を研究することもできま す。 2者だけで、創立総会なく設立できます 企業と企業、企業と大学など、2者間で行う共同研 究にも利用できます。 創立総会を経ずに、非公開で、簡易迅速に設立で きます。 メンバーの2/3以上が中小企業なら、助成金や 特許料の減免を受けられます。 http://www.meti.go.jp/policy/tech_promotion/kenkyuu/01.html 8 やまずみの課題! • 設計の考え方 • 品質の考え方 • 新しい技術 • 新しい宇宙利用 • 試験の考え方 B to C • 材料 • 加工方法 • 組立 • サプライチェーンのありかた 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 9 SECIモデル(イノベーションのための活動) 暗黙知 共同化 表出化 共体験などによって、暗黙知を 獲得・伝達するプロセス Externalization 得られた暗黙知を共有で きるよう形式知に変換す るプロセス 内面化 連結化 Internalization Combination 利用可能となった形式 知を基に、個人が実践 を行い、その知識を体 得するプロセス すべての知の源泉は個々人 の体験に基づく暗黙知であり、 まずそのレベルで相互理解 (OJTや手取り足取りなどの 経験伝授、以心伝心など)を 進める(共同化)。 • しかし個人に属する暗黙知 は、そのままでは他者と共有 しにくいため、言語や図表、 数式などによって形式知に変 換する(表出化)。 • 言語化することでよりコンセ プチュアルになり、本質理解 が進むことも期待される。 • 形式知となった知識を材料 にしてより体系的、総合的知 識を作り出す(連結化) 形式知 暗黙知 Socialization • 形式知同士を組み合 わせて新たな形式知 を創造するプロセス 形式知 出所: 野中郁次郎・紺野登著『知識創造の方法論』(2003年、東洋経済新報社) 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 低コスト開発のためのサプライチェーンの構築 宇宙航空機器産業分野での国際競争力の強化を目標とし、現状の制約となって いる以下の課題を改善するためのサプライチェーンを構築中 組合企業8社 組合企業8社 • コスト競争力の強化 協力企業116社 協力企業116社 (平成24年6月現在) • 先端技術の製品化(死の谷の克服) (平成24年6月現在) 機器産業従事企業絶対数の不足 新規参入障壁の低減: 宇宙航空分野の特殊要求事項 (使用環境・品質管理・特殊工程・評価試験技術) 産学連携機会・場所の不足 宇宙関連の既存企業は高コスト。低コストの企 業の新規参入を目標とし、低コストを維持し、 宇宙用製品の製造ノウハウや信頼性・品質を どう担保するかが課題 • サプライチェーンのクラスター化 • ハブ機能のとしての技術研究組合の構築 専門に特化し、不得意な部分は専門企業へ 製造各工程のロバスト性評価から、協力企業の発掘・育成 産学共同利用開発の拠点・設備の構築 品質マネージメント手法の構築 ・設計ガイドライン、品質プログラムの制定 ・特殊試験(放射線試験、熱真空試験等)の支援 ・特殊工程の標準化、講習会の実施 ・共通部品、特殊材料のストック化 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 設計 宇 宙 機 器 産 業 材料 加工 組立 部品 衛星システム 部品販売 衛星販売 打上 宇 宙 利 用 産 業 打上運用 データ加工 データ販売 サプライチェーンの流れ 11 どのように品質とコストを両立させるか – 品質管理プログラム • 本当に必要なことを洗い出しながら作成 • QRコードとスマホを使用して、識別管理とトレーサビリティを確立 (ISO9100を要求しない) – 設計マニュアル • 新規に作成・随時見直し – 特殊工程 • 必要な特殊工程をマニュアル化 • できる限り実地教育を実施 半田付け・接着、ポッテイング等々 • BGA (Ball grid array)プロセスの構築 品質マニュアル 文書管理規定 OE-QC-1000 OE-QS-2100 文書の作成、受領、保管、返却に関する管理方法 書類、図面等の貸出及び返却に関する管理方法 ・文書管理台帳 ・図面文書貸出票 ・文書配布先一覧表 全体規定文書 外注先管理規定 外注先の管理方法及び指導 ・作業指示書 OE-QS-2200 受入管理規定 OE-QS-2300 製品、購入品、支給品に関する受入れ方法 支給品の受入れ、保管、在庫、返却に関する管理 方法 識別管理規定 ・受入れ台帳 ・支給品受払台帳 ・測定データ ・識別札(ラベル) 材料・製品関する識別の管理方法 OE-QS-2400 標準製造規定 製造に係わる管理方法 OE-QS-2500 社外加工規定 社外工程に於ける、一連の管理方法 OE-QS-2510 標準検査規定 OE-QS-2600 梱包・出荷規定 検査の方法及び基準 検査機器の保守・検定方法 梱包、出荷の方法 OE-QS-2800 不具合管理規定 不具合処理に関する規定 ・作業日報 ・作業工程表 ・作業チェックリスト ・社内検査リスト ・測定データ ・出荷チェックリスト ・不具合報告書 ・技術連絡書 ・検査成績書 ・出荷チェックリスト ・出荷明細書 ・検査成績書 ・納品書 ・不具合報告書 OE-QS-2900 品質プログラム・設計標準等の制定 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 12 どのように品質とコストを両立させるか • 製造工程・設計の見直し – 共通プロセスの一元化 – 衛星構体 • ハニカムパネルを最初から自分たちの手 で製造 (どうすればコストを落とせるか: 現状 数分の1までダウン) • 接着剤、ねじサイズ、インサート構造等々 – 太陽電池パネルアッセンブリ • 溶接機材を整備 • 特殊工程をメンターから技術継承 • パネル全体での構成・構造を見直しコスト ダウンを目指す • 資材の共有化 – コネクタ、ハーネス、接着剤、RTV、コーティ ング材、塗料等々 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 13 製造技術例 太陽電池電極溶接 RTV接着 ハニカムパネル製造 機器筐体加工 塗装処理 ベーキング 計装配線 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 14 品質管理システムの構築 • 品質管理システムの構築 –ISO9100の重点である、識別管 理・トレーサビリティに注目した、 携帯アプリを開発 –企業間をペーパレスで情報を入 力・共有化 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 15 その他の設備 太陽電池ASS’Y設備 Xバンド受信設備(北海道大樹町) • その他 – 3Dプリンタ – 温度サイクル槽 – エアベアリング姿勢制御試験装置 機器開発試験室 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 16 喜久井町キャンパスの衛星組立サイト • 衛星・機器の組立及び環境試験を行える ことを目的とし、2011年より「次世代宇宙 システム技術開発」PJとして整備を開始 熱真空試験装置 クリーンブース 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 電波暗室 17 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 18 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 19 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 20 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 21 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 22 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 23 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 24 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 25 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 26 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 27 3号機の組立 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 28 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 29 今後の体制 超小型衛星コミュニティ NESTRA INSTEC 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 30 組合の目指す 利用ビジネス 衛星のS&F(ストアーアンドフォワード)ミッションの地上センサーネットワーク 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 31 利用実験 予定 S&F FLUX( ) 20 S&F PAGASA) LGU OCD JICA ASEAN LLDA JICA UPLB JICA JICA REDD+ JICA ERIA 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 32 無線センサーネットワーク • オープンソースハードウエアを利用 することで低コスト(1万円以下) • 作り方、ソフトウエアを公開(オープ ンにすることで利用の拡大を目指 す) • 地上のデータを衛星で受信すること で、さまざまな地域での利用が可能 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 34 ありがとうございました。 次世代宇宙システム技術研究組合 www.nestra.jp [email protected] 4月に横浜東神奈川駅の そばに移転します。 2014/5/16 INSTEC / NESTRA 35
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