JICA Climate-FIT 緩和策 Version 1.0 の主要な修正点

JICA Climate-FIT 緩和策 Version 1.0 の主要な修正点
2014 年 3 月
独立行政法人国際協力機構
(一般財団法人日本気象協会作成)
方法論(Version 1.0)
1.植林
2.森林保全
修正後(Version 2.0)
修正前
■書式
■書式を全体にあわせた。
■ベースライン排出量の算定方法
・ 1 人あたりの排出量ベースでの算定
■方法論の統合・再分類
・ 輸送対象(旅客/貨物)および目的(モーダルシ
フト/電化)により、方法論を以下のように再分
類
- 鉄道等・旅客(モーダルシフト)
- 鉄道等・旅客(電化)
- 鉄道等・貨物(モーダルシフト)
- 鉄道等・貨物(電化)
■ベースライン排出量の算定方法
・ 人キロあたりの排出量ベースでの算定
■電力の CO2 排出係数
・ 当該グリッドにおける既存の一般的な発電所(1
~2 カ所)の排出係数とする。
■電力の CO2 排出係数
・ CM(コンバインドマージン)
、OM(オペレー
ティングマージン)等のデフォルト値の提示
3.旅客/貨物輸送整備・強化
4.MRT( 大量高速輸送システ
ム)
5.モノレール、LRT
6.バス(BRT/基幹バス)
7.産業施設のエネルギー効率化
(省エネ)
8.産業施設の熱電併給
(廃熱・排ガス利用)
■方法論の統合
・ 8.と 11.は算定のロジックが同一のため統合
■事業が実施されない場合のボイラーの効率
・ デフォルト値を提示
■事業が実施されない場合のボイラーの効率
・ 以下の順でデータの入手可能性を検証し、用い
る。
i) 電力運営管理主体のインタビューによる当該事
業の固有データ
ii) 類似事例の実績値
1
修正の根拠
CDM 方法論、J-MRV 方法論等
を含む一般的な考え方
算定の容易性を考え、デフォル
ト値を設定
算定の容易性を考え、デフォル
ト値を設定
方法論(Version 1.0)
9.産業施設の燃料転換
修正前
修正後(Version 2.0)
修正の根拠
■ベースライン排出量の算定方法
・ 過去の燃料消費量および事業実施前後の生産規
模等を用いて算定
■ベースライン排出量の算定方法
・ 事業実施後の燃料消費量および事業実施前後の
ボイラー効率等を用いて算定
CDM 方法論等を含む一般的な
考え方
■方法論の統合・再分類
・ 燃料転換の場合、施設をよらずに排出削減のロ
ジックは、同様であるため、10 と 12 が統合さ
れた。
■ベースライン排出量の算定方法
・ 式を簡単化し、デフォルト値を活用。
・ 事業の燃料消費量と事前のボイラー効率からの
計算。
算定の容易性またデフォルト
値の活用の視点から
10.燃料転換をともなうエネル
ギー供給施設整備
■ベースライン排出量の算定方法
・ 10 の場合:計算式には、事業前後の熱量が用い
られた。
12 の場合:CDM 手法と同様、事業の前後の発
電量が用いられた。
11.火力発電の熱電併給
■方法論の統合
・ 8.と 11.は算定のロジックが同一のため統合
■事業が実施されない場合のボイラーの効率
デフォルト値を提示
■事業が実施されない場合のボイラーの効率
・ 以下の順でデータの入手可能性を検証し、用い
る。
i) 電力運営管理主体のインタビューによる当該事
業の固有データ
ii) 類似事例の実績値
12. 火力発電の燃料転換
■方法論の統合・再分類
・ 燃料転換の場合、施設をよらずに排出削減のロ
ジックは、同様であるため、10 と 12 が統合さ
れた。
■ベースライン排出量の算定方法
・ 式を簡単化し、デフォルト値を活用。
・ 事業の燃料消費量と事前のボイラー効率からの
計算。
■ベースライン排出量の算定方法
・ 10 の場合:計算式には、事業前後の熱量が用い
られた。
12 の場合:CDM 手法と同様、事業の前後の発
電量が用いられた。
2
算定の容易性を考え、デフォル
ト値を設定
算定の容易性またデフォルト
値の活用の視点から
方法論(Version 1.0)
修正前
修正後(Version 2.0)
修正の根拠
13.火力発電の高効率化
■ベースライン排出量の算定方法
・ 計算式は、効率向上のロジックに対応できてな
い。
■ベースライン排出量の算定方法
・ 事業実施後の発電量、実施前の発電原単位から
の計算(事業実施後の電力を得るために、従来
の施設で必要とする燃料消費量からの計算)
。
CDM 方法論等を含む一般的な
考え方。
14.送電網施設の効率化
15.配電設備の効率化
■電力の CO2 排出係数
・ 当該グリッドにおける抑制が見込まれる発電所
の排出係数とする。
■電力の CO2 排出係数
・ CM(コンバインドマージン)
、OM(オペレー
ティングマージン)等のデフォルト値の提示
算定の容易性またデフォルト
値の活用の視点から
16.地方電化
■ベースライン排出量の算定方法
■ベースライン排出量の算定方法
CDM 方法論の簡便化
・ ベースラインにおける燃料(ディーゼルまたは、 ・ ベースラインにおける利用者(一般家庭または、
ケロシン)消費量の実測値からの計算。
公共施設)の数とデフォルト値で計算する。
17.水力
18.風力
19.太陽光/太陽熱
20.地熱
21.バイオマス
■方法論の統合
・ 算定のロジックが同一のため統合
■ベースライン排出量の算定方法
・ 水力発電等による発電量が、当該グリッドにお
ける発電所により発電された場合の排出量とし
て算定する(グリッド電力排出係数はデフォル
ト値を設定)
。
■ベースライン排出量の算定方法
・ 水力発電等に代替することにより、既存電力施
設の電力供給が抑制されるので、燃料抑制量か
ら GHG 排出量を算定する。
■電力の CO2 排出係数
・ 当該グリッドにおける既存の一般的な発電所(1
~2 カ所)の排出係数とする。
■事業が実施されない場合のボイラーの効率
・ 以下の順でデータの入手可能性を検証し、用い
る。
i) 電力運営管理主体のインタビューによる当該事
業の固有データ
ii) 類似事例の実績値
■電力の CO2 排出係数
・ CM(コンバインドマージン)
、OM(オペレー
ティングマージン)等のデフォルト値の提示
■事業が実施されない場合のボイラーの効率
・ デフォルト値を提示
3
CDM 方法論、J-MRV 方法論等
を含む一般的な考え方
算定の容易性を考え、デフォル
ト値を設定
算定の容易性を考え、デフォル
ト値を設定
方法論(Version 1.0)
修正前
修正後(Version 2.0)
修正の根拠
22.廃棄物の埋立処分
■電力の CO2 排出係数
・ 当該グリッドにおける既存の一般的な発電所の
排出係数とする。
■電力の CO2 排出係数
・ CM(コンバインドマージン)
、OM(オペレー
ティングマージン)等のデフォルト値の提示
算定の容易性またデフォルト
値の活用の視点から
23.廃棄物の中間処理
■ベースライン排出量の算定方法
・ 廃棄物の嫌気処理、コンポスト化などを同時に
考えていた。
算定の容易性またデフォルト
値の活用の視点から
■電力の CO2 排出係数
・ 当該グリッドにおける既存の一般的な発電所の
排出係数とする。
■ベースライン排出量の算定方法
・ 概念の混乱を避けるために、この方法論を、廃
棄物の嫌気処理(18)とコンポスト化処理(19)
という二つの方法論にした。
■電力の CO2 排出係数
・ CM(コンバインドマージン)
、OM(オペレー
ティングマージン)等のデフォルト値の提示。
J-MRV 方法論等を含む一般的
な考え方
■プロジェクト排出量の算定方法
・ 事業実施後の電力及び化石燃料の消費による
GHG 排出量、事業実施後の廃水処理、汚泥処理
などからの計算。
■方法論番号
・ 19 の廃水処理対策(メタン回収)になった。
■プロジェクト排出量の算定方法
・ 事業実施後の廃水処理による GHG 排出量、い
わゆる、事業実施後のメタン回収・供給過程に
おける漏洩のみの計上。
24.廃水処理
■電力の CO2 排出係数
・ 当該グリッドにおける既存の一般的な発電所の
排出係数とする。
■電力の CO2 排出係数
・ CM(コンバインドマージン)
、OM(オペレー
ティングマージン)等のデフォルト値の提示。
■方法論番号
・ 21 の下水汚泥対策になった。
■ベースライン排出量の算定方法
・ 途上国において、下水汚泥の腐敗により発生す
る CH4 を法規制等により燃焼することは、基本
的に考えられないので、この項目を無視した。
■電力の CO2 排出係数
・ CM(コンバインドマージン)
、OM(オペレー
ティングマージン)等のデフォルト値の提示。
25.下水道
■ベースライン排出量の算定方法
・ 事業実施前において下水汚泥の腐敗により発生
する CH4 のうち、法規制等により燃焼されてい
る CH4 量も考慮された。
■電力の CO2 排出係数
・ 当該グリッドにおける既存の一般的な発電所の
排出係数とする。
4
算定の容易性またデフォルト
値の活用の視点から
JICA Climate-FIT 緩和策 Version 1.0 からのサブセクターの変更内容
サブセクター(Version 1.0)
セクター
森林・自然環境保全
交通運輸
省エネルギー(産業)
エネルギー
再生可能エネルギー
下水道・都市衛生
サブセクター(Version 2.0)
1.植林
1.植林
2.森林保全
2.森林保全
3.旅客/貨物輸送整備・強化
3.鉄道等・旅客(モーダルシフト)
4.MRT(大量高速輸送システム)
4.鉄道等・旅客(電化)
5.モノレール、LRT
5.鉄道等・貨物(モーダルシフト)
6.バス(BRT/基幹バス)
6.鉄道等・貨物(電化)
7.産業施設のエネルギー効率化(省エネ)
7.産業施設のエネルギー効率化
8.産業施設の熱電併給(廃熱・排ガス利用)
8.産業施設の熱電併給
9.産業施設の燃料転換
9.産業施設の燃料転換
10.燃料転換をともなうエネルギー供給施設
10.熱供給・火力発電施設の燃料転換
備考
火力発電含む
11.火力発電の熱電併給
8 に統合
12.火力発電の燃料転換
10 に統合
13.火力発電の高効率化
11.火力発電効率化
14.送電網施設の効率化
12.送電効率化
15.配電設備の効率化
13.配電効率化
16.地方電化
14.地方電化
17.水力
15.水力等
18.風力
15 に統合
19.太陽光/太陽熱
15 に統合
20.地熱
15 に統合
21.バイオマス
16.バイオマス
22.廃棄物の埋立処分
17.廃棄物埋立
23.廃棄物の中間処理
18.廃物中間処理・嫌気発酵
24.廃水処理
19.廃物中間処理・コンポスト
5
25.下水道
20.廃水処理対策
21.下水汚泥対策
6