第7回 (2014, 6/11)

確率・統計A演習問題 No. 7
(2014年6月4日配布)
1.
X1,..., X n の同時分布関数を FX ,...,X (x 1,..., x n ) , Xi の周辺分布関数を FX (x i ) ( i = 1,..., n )とする.こ
n
1
i
のとき以下を示せ.
(a) X1,..., X n が独立であれば, FX ,...,X (x 1,..., x n ) = i =1 FX (x i ) .
n
1
n
i
(b) FX ,...,X (x 1,..., x n ) = i =1 FX (x i ) であれば, X1,..., X n は独立.(ヒント: n 個の事象の独立性に
n
1
n
i
関しては定義1.5を参照.定義1.5より, FX ,...,X (x 1,..., x n ) = i =1 FX (x i ) であれば,任意の区間
n
1
n
i
I i = (ai , bi ] ( i = 1,..., m ) に対して, P(X1 Î I 1,..., X m Î I m ) = i =1 P(X i Î I i ) が成り立つこ
m
2.
とを言えばよい).
確率関数 f (x ) = p(1 - p)x ( p Î (0,1) ,x = 0,1, 2,... )を持つ確率分布を幾何分布と言い,G (p) と表す.
このとき以下の問い答えよ.
(a) 上記の f (x ) が確率関数になっていることを確かめよ.(ヒント:確率関数になっていることを
示すには, f (x ) ³ 0 , å x =0 f (x ) = 1 を示せばよい)
¥
(b) 成功率 p であるベルヌーイ試行において,成功するまで試行を繰り返したとする.このとき
失敗した回数 X とすると, X の確率分布が幾何分布になることを示せ.(ヒント:
P(X = x ) = f (x ) となっていることを示せばよい)
3.
幾何分布G (p) に従う確率変数 X に関して,P(X ³ m + n | X ³ m ) = P(X ³ n ) を示せ.ただし m と
n は正の整数とし,確率変数の条件付き確率は事象の条件付き確率と同様に
P(X ³ m + n | X ³ m ) = P(X ³ m + n, X ³ m )/ P(X ³ m ) で定義する.このような幾何分布の特
性は無記憶性 (以前の失敗回数はこれからの失敗回数と無関係) という. (ヒント:
P(X ³ m + n, X ³ m ) = P(X ³ m + n ) , P(X ³ m ) = 1 - P(X < m ) = 1 - P(X £ m - 1) である)
4.
確率関数 f (x ) =
C r -1p r (1 - p)x ( p Î (0,1) ,r は正の整数,x = 0,1, 2,... )を持つ確率分布を負の2
x +r -1
項分布と言う.このとき,以下の問いに答えよ.
(a) 上記の f (x ) が確率関数になっていることを確かめよ.(ヒント:確率関数になっていることを
示すには, f (x ) ³ 0 , å x = 0 f (x ) = 1 を示せばよい.そのためには, p-r = {1 - (1 - p)}-r の無
¥
限級数展開を利用すればよい)
(b) 成功率 p であるベルヌーイ試行において, r 回成功するまで試行を繰り返したとする.この
とき失敗した回数 X とすると, X の確率分布が負の2項分布になることを示せ.(ヒント:
P(X = x ) = f (x ) となっていることを示せばよい)
5.
負の2項分布において l = r (1 - p)/ p とおく. l を一定に保ちながら r  ¥ , p  1 としたとき,
負の2項分布は p(l) に収束することを示せ.
6.
確率関数 f (x ) = M C x ⋅ N -M C n -x / N C n ( max{0, n - (N - M )} £ x £ min{n, M } , M , N , n ,は正
の整数)を持つ確率分布を超幾何分布と言う.このとき, N  ¥ のとき M / N  q とすると,超
幾何分布は B(n, q) に収束することを示せ.
離散型確率変数 X の期待値を E{g(X )} = å x ÎD g(x )f (x ) で定義する.ただし D は X が取りうる値の集
合である.この期待値を使って確率変数 X の平均を E(X ) ,分散を Var(X ) = E(X 2 ) - {E(X )}2 で定義
する.
7. 確率分布が2項分布 B(n, q) である確率関数に持つ確率変数の平均と分散を求めよ.(ヒント:
å
n
x =0
x nC x q x (1 - q)n -x =
å
n
x =1
x nC x q x (1 - q)n -x =
n!
q x (1 - q)n -x =
(x - 1)!(n - x )!
n -1
= n q å x = 0 n -1C x q x (1 - q)n -x -1
= å x =1
n
å
m
x =0 m
å
n -1
x =0
å
n
x =1
x
n!
q x (1 - q)n -x
x !(n - x )!
n(n - 1)!
q x +1(1 - q)n -x -1
x !(n - x - 1)!
, さらに
C x q x (1 - q)m -x = 1 を使えばよい)
8.
確率分布がポアソン分布 p(l) である確率変数 X の平均と分散を求めよ.
9.
確率分布が幾何分布G (p) である確率変数 X の平均と分散を求めよ.(ヒント:すべての正数 r に
対して, å x =0 x +r -1C r -1pr (1 - p )x = 1 となることを用いて, å x = 0 x (1 - p )x , å x =0 x 2 (1 - p)x を計
¥
¥
¥
算すればよい)
t Î  として,離散型確率変数 X の期待値を使って積率母関数を mX (t ) = E(e tX ) で定義する.積率母関
数を用いれば, E(X k ) = d k mX (t )/ dt k
t =0
で期待値が計算できることが知られている.
10. 確率分布が 2 項分布 B(n, q) である確率変数 X に関して以下の問いに答えよ.
(a) X の積率母関数を求めよ.
(b) 積率母関数を使って, X の平均と分散を求めよ.