成 膜 大 学 理 工 学研 究 報 告 J.Fac.Sci.Tech,SeikeiUniv. Uo1.49No.2(2012)pp.45-50 らせ ん 不斉 を有 す る(Z)一ア ゾベ ンゼ ンの 合 成 と絶 対 立 体 配 置 高石 和 人*1 SynthesisandAbsoluteConfigurationofHelical(Z)-Azobenzenes KazutoTakaishi*' ABSTRACT:Theconformationofseveralbinaphthyl-azobenzenedyadsandoligonaphthyl-azobenzene dyadswi廿1anemphasison廿ietwistpatternof廿iehelical(Z)-azobenzenemoietywasresearched. 2,2'-Linked-(R)-binaphthylinduced(乙P)-azobenzene,whereassymmetrically7,7'-linked-(翠)-b血aphthyl induced(Z,M)-azobenzene.Asystematicandsimpleinductionofasymmetricalazobenzeneswas structuredus血gcommonbinaph廿iylskeletons. Keywords:Azobenzene,Binaphthyl,Helicity,Axialchilality (ReceivedJuly25,2012) 1.は N=NN=N じめ に σ・ ・ も6・H℃ ア ゾ ベ ゼ ン 骨 格 は 光 照 射 に よ り任 意 に(動 一 体,(Z)一 体 (Z,P)-azobenzene(Z,M)-azobenzene Figure2.(Z,P)-and(Z,躍)-azobenzenes. の ど ち らか へ 異 性 化 させ る こ と が 可 能 で あ る(Figuエel)。 そ の た め,分 子 ス イ ッチ や 分 子 マ シ ンの 光 駆 動 部位 と し 一方 て よ く使 用 さ れ て い る 。1) 〈}℃ ÷N-N ,軸 性 不 斉 ビ ナ フ チ ル は,軸 方向には剛直であ る が 軸 周 りは 柔 軟 で,広 大 な 不 斉 空 間 を有 して い る。 そ の た め 有 機 不 斉 触 媒,分 子 認 識,液 晶 の キ ラル ドー パ ン ト な ど と して 使 用 され て い る。 〈E)-azobenzene(Z)-azobenzene これ ら の 背 景 の 下,ア Figure1.Photoisomerizationof(E)-and(Z)-azobenzenes. ゾベ ン ゼ ン を軸 性 不 斉 ビ ナ フ チ ル に 結 合 させ る4)こ とで,ビ ナ フ チ ル か ら(の 一 ア ゾベ ン ゼ ンへ の 分 子 内 不 斉 移 動 が 起 こ り,容 例 え ば ア ゾ ベ ン ゼ ン 部 位 の 光 異 性 化 に よ る 吸 収,蛍 光, 易 に らせ ん 不 斉 を ゲ ス トに 対 す る 会 合 定 数 の 変 化 が 達 成 さ れ て い る 。z)ま 発 現 させ られ る の で は な い か と 考 え,そ た 近 年 で は,ア 造 解 析 を行 っ た の で 報 告 す る。4e) ゾベ ンゼ ンの 側 鎖 に 中心 性 不 斉 を有 す る 光 学 活 性 体 が 報 告 さ れ 始 め て い る 。 しか しな が ら,ア ゾ 2.分 ベ ン ゼ ン そ の も の が キ ラ リテ ィ ー を 持 っ 例 は 限 られ て い る 。(Z)一ア ゾベ ン ゼ ン は2っ の らせ ん 不 斉 を 持 っ(Figuエe2)。 こ の らせ ん 不 斉 の 制 御 に っ い て は,HaberktauerとKallweitに よ って 報 告 さ れ た,4っ 化 合 物 は ま ず,光 *1'成 よ び,ビ ナ フ チ ル の7,7'一 位 で ア ゾ ベ ン ゼ ン を 連 結 した2を した 。ま た3,3'一位 に 種 々 の 置 換 基 を 持 っ3-7を 設計 目的物 と した 。 さ ら に 軸 性 不 斉 が 連 続 した ナ フ タ レ ン 四 量 体,八 の み で あ っ た 。3) 践 大 学 理 工 学 部 物 質 生 命 理 工 学 科 学 活 性7,7'一 二 置 換 一1,1'一 ビナ フチ ル の2,2'一位 で ア ゾ ベ ン ゼ ン を 環 状 に 連 結 した1お の 不 斉 点 を 持 っ 環 状 テ トラ ペ プ チ ド連 結(Z)一 ア ゾ ベ ン ゼ ン の1例 子設計および合成 の ベ ンゼ ン環 の 立 体 障 害 に よ っ て ね じれ て お り,そ の ね じれ の 方 向 に よ っ て(P)ま た は(砂 の 合成 お よび構 量 体 を骨 格 と して 持 っ8,9も 助 教 化 合 物3-7の takaishi(cDstseikei.ac 物1,2は AssisFantProfessor,DepartmentofMaterialsandLifeScience 一45一 タ ー ゲ ッ ト と した 。 合 成 はSchemelに 従 い 合 成 した 。化 合 別 途 調 製 した ビ ナ フ チ ル の 位 置 異 性 体5)を 用 成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告 い て,同 様 の 手 法 に よ り合 成 し た 。 ナ フ タ レ ン 四,八 量 体 に 偏 っ た 。3付 体 の ジ オ ー ル 体 は 以 前 の 報 告 例 に 従 い 合成 した 。 OBn ク π一 π 獣 で ・ ・炉 ・N. 西O の 一体,(紛 あ っ た)。 ビ ナ フ チ ル 骨 格,オ 骨 格 の 吸収 帯 は NO 粉 一ア ゾ ベ ン ゼ ン の 分 析 に よ る と異 性 化 効 率 は も に8で 乳9 晒ζ ⊃∵ づ 近の吸収 は 遷 移 に 由 来 す る た め,異 性 化 効 率 の 指 標 の 一 つ と な る 、3 OBu B… Vo1.49No.2(2012.12) 一 体 と リゴナ フ チル 以 下 の 波 長 で あ る た め,異 性化 が 効 率 的 に 起 き た と 考 え られ た 。 OBu OBu 湊 \ / e e M M O O グ OBn O炉O o西O \ グ クNN zoo (S,S,S)-8 ∠ \ 0Bn OE (R)-2 一zoo ク \ミ ORS 2x105 (c)UV-Visl OBu 込・/チO炉O 乳々 Nぐ N ζ 冷>oる 西O =R2=MeR (R)-3 =R2=HR (R)-4 =R2=BnR (R)-5 =R2=BnR (S)-5 (R)-6 R=R2=CHPh2 (R)-7 R=Bn1R2=H x104r・. E 1x105 NO OBu OBu 0250 350450 Wavelength(nm) Figureb) 550 ofR)-1 After spectraR)-1 OBn irradiationafter (S,S,S,S,S,S,S)-9 Figure 黛 ク \ エ OBn a-。 ∠ \ / グ \ ー OH Conditions:,4-dioxane length10iation 1-9 Figurebは ρ 十 OBn晦 (R)-5 分 裂 型 はR)-1,1'一 ℃ (R)-10 X-5 t 2 ength 各 光 異1生化 後 の 付 近 の負 の ビ ナ フ チ ル のIBb遷 移 に 由 来 す る典 型 的 な も の で あ る 。7)し か し な が ら こ の 短 波 長 領 域 は ア 11 ゾ ベ ン ゼ ン 骨 格 の 吸 収 帯 で も あ る た め,詳 難 で あ っ た。 一 方 で 長 波 長側 (c)(R) , ス ペ ク トル で あ る。 両 異性 体 に共 通 して 見 られ た N◇(a) N 〇H dline) nm 細 な解 析 は 困 で は,(粉 一体 -3 で は 不 活 性 で あ る が,(Z)一 体 で は 負 の シ グ ナ ル が 現 れ た 。 (b)(d)(R) -6(R)-4 この領 域 は ア ゾベ ンゼ ン部 位 の π 遷 移 に 由 来 して い 上L(R)-7 る 。 こ の た め,化 合 物R,Z)-1の ア ゾ ベ ン ゼ ン 部 位 は, SynthesisR)-3-7.zCO3,MF, ビ ナ フ チ ル の 軸 か ら の 不 斉 移 動 に よ っ てPま た は TiCl4izClz,1%.zCO3,MF,.t. (Mい 64%.a-bromodiphenylmethane,ZCO3,, ず れ か の らせ ん 不 斉 を 有 し て い る こ と が 示 唆 され た 。 な お,IHl3Cに 37%.e)KzCO3,, 3.化 よ り,(R④ 一1は 一 種 類 の ジ ア ス テ レ オ マ ー か ら成 る こ と が 示 され て い る 置 合 物R,Z)-1 DFT らせ ん 不 斉 ア ゾベ ン ゼ ン が 形 成 され て い る か,ま ずR)-1を 光 異 性 化 させ 定 し た4d)。365の ンゼ ン部位 は 一Vス 形 成 さ れ て い る の で あ れ ばP),Mの ペ ク トル を 測 有 し て い る か を 決 定 す る た め,各 光 を 照 射 す る とア ゾベ 勾一 体 に,の っ た 。8) 光 を 照 射 す る とE)一 一46一 た, どち らの 不 斉 を 種 計 算 に よ り予測 を行 。 成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告 ま ず,R,Z,P)-1お テ レ オ マ ー に つ い て,最 5)0 安 定 構 造 を 求 め た び蒋 4.化 操憾 ム メ 合 物R,Z)-2の 上 述 のR,η (Figure。 (a) (R,Z,凡の一1 FigureOptimized r\ es1∼,Z,P)-1d1∼,Z,ル1)-1 obtainedyations せ YP/6-31 ぎ 製、 一 、 蟹 次 い で 得 ら れ た そ れ ぞ れ の 最 安 定 構 造 を 用 い て,ア ベ ン ゼ ン 部位 た6)。 の 果 を 示 し,(1∼,Z,ル0-1で ゾ 妄幽 ∼ \一 乱 ㌦ 一{、 し ス ペ ク トル を 予 測 し そ の 結 果,(R,Z,P)-1で 一2が 優 先 し て い る こ と が 冥 しt (R,Z,P)-1 ス ペ ク トル 計 ゾベ ンゼ ン 部 位 の らせ ん 不 斉 を予 測 した そ の 結 果,(R,Z,劫 遷鰍 し.{. . 一2に つ い て もR,Z,P 強 く示 唆 され た 。 、 5益 ぜ 一1と 同 様R,η (R,Z,M)一体 そ れ ぞ れ の 最 安 定 構 造 計 算 ∼ ぐ セ,.. 絶 対 立体 配置 算 を 行 い,ア τ ン∼ 優 先 し て い る こ と が 示 され た 。 器 `R) 窒\ が 予 測 され た 。 実 測 値 と比 較 す る こ と で,(R,Z,P)-1が そ れ ぞれ の ジ ア ス よ びR,Z,五4)一 Vo1.49No.2(2012.12) (R,Z,P)-2 は 負 の コ ッ トン 効 (R,Z,M)-2 (b) はIEの コ ッ トン 効 果 を 示 す こ と m O200も mU O2。 も 。 04s 琵 U 言 U DE a-zoo O 岩 9ヒ 10 じ D U (a)N 一10 400500 400500 も 600 Wavelength(nm) ー200 (c) 600 Wavelength(nm) 4.Ox103 (b) E 4.Ox103 2.Ox103 E 2.Ox103 400 400500600 Wavelength(nm) Figure the (aCD YP/6-31G(d) lines),and irradiarion QC) binaphthyl QC). weretor spectraR)-1 izedructuresR,Z,P)-2 Figurea) latedye yFTlculationse (R,Z,M)-2 R,Z,P),R,Z,M)-1 B3LYP/6-31G(d)el entalectra)-1after inecircles,_5M (R,Z,P)一,R,Z,NI)-2es), R)-7,T-dibenzyloxy-2,2'-dihydroxy-1 (R)-afteradiation -5 ees,X CZsymmetry.Dculated YP/6-31G(d)f bye e 500600 Wavelength(nm) 1,4-dioxane,0°C).ands 1 ×-5 一band _i half-bandof cm冒lce calculated AbsorptionR)-2ter teradiationx冒5 10.5ioxane, 1,4-dioxane 一47一 C adiarion 成 践 大 学 理 工 学 研 究 報 告 5.化 合 物3-9の と 考 え られ る 。 絶対立体配置 上 述 の 化 合 物1に Vo1.49No.2(2012.12) 加 え て3-9に つ い てZ)一 ア ゾ ベ ン ゼ ン 部 位 の ら せ ん 不 斉 を 予 測 し た も の をblelに 6.ま とめ ま 軸性 不斉 ビナ フ チル お よび オ リ ゴナ フ チル 連 結 ア ゾベ とめ た。 ン ゼ ン を合 成 し,の Tableatedestimated の 予 測 を 行 っ た 。 の 一ア ゾ ベ ン ゼ ン部 位 の らせ ん 不 斉 helicaliralitofZ)-azobenzeneoietin1-9 ((Pま mCalcd ental-(P た はMは ビナ フチ ル の軸 性 不 斉 とア ゾベ ンゼ ン の連 結 位 置 の み で決 ま り,側 鎖 の種 類 や 位 置 とは 無 関 △ εa Compd 一ア ゾベ ンゼ ン部 位 の 絶 対 立 体 配 置 CalcdChirality -(Mazobenzene[c] (R)-1 (P (R)-2 (M (R)-3 (P (R)-4 (P (R)-5 (P (R)-6 (P (R)-7 (P (S)-5 (M 係 で あ る こ とが示 され た。 この 単純 で 系統 立 て られ た不 斉 移 動 の 手 法 を用 いれ ば,こ れ ま で に報 告 され て い る膨 大 な数 の ア ゾベ ンゼ ン の研 究 に 『不斉 』 の概 念 を加 え る (ss,め all-(S)-9[d] a)alzani,M.eMolecular andesWiley-VCH,einheim, 1-7,chiralities CompletelyRevisedndnlargedd.; For S,S,S,S,S,S,め a)S. Bittermann, .L.R., nEd.200948 T.rizawa, Komiyama.Angewem. eeterminedycompari G. Angew. , a) eeerimental Ed.2010 T.WaChem.ommun. 2007 一9 Takaishi,oto, Tsubaki, その adaJ.g.200974,5726; M. 点 の知 見 が 得 られ た 。 ビナ フチ ル の軸 性 不 斉 がRで oto,Tatra.T.Yama Chem. 位 でア ゾ 201046,8346;a Molecules2011,16 ベ ンゼ ン を連 結 した場 合,(勾 一ア ゾベ ンゼ ン の らせ ん 不斉 はPに d.2009 49, and これ らの結 果 か ら以 下 の a Angew 48, esehiralites iley We2011 YP/6-31G(d). expe any,2003 b)W.Molecular th m. TD-DFT effect. 参考文献 (M [a]4s 89, と考 え て い る。 (M 一8 between こ とが で き る た め,今 後 の応 用 が 大 い に期 待 で き る もの Takaishi, な る。 ビナ フチ ル の 軸 性 不 斉 がsで その aTsT.ya Muranaka, 位 でア ゾ ベ ンゼ ン を連 結 した場 合 ,(紛 一 ア ゾベ ンゼ ン の らせ 1778-1782; ん 不斉 はMに M. aChem.ur.J201117 な る。 ビナ フチ ル の 軸性 不 斉 がRで その .Takaishi, hiyama.J.g. Takaishi, 位 でア ゾ ベ ンゼ ン を連 結 した場 合 ,(紛 一 ア ゾベ ンゼ ン の らせ Org. ん 不 斉 はMに Kawamoto, な る。 ま た,ナ フ タ レ ン四 量 体,八 量 体 に つ い て は ア ゾ ベ ンゼ 14, ンが 結 合 して い る位 置 の 軸性 不 斉 の み が反 映 され て い る a) uranaka,chiya 201214, Takais UchiyaOrg.2012 erich, Chem.1988100, 一48一 201176,8; awamoto, , yeki,Angew. chi, Vol.49 No.2(2012.12) htC~~_S~ Takaya 325-328; Chem. Terahedeon; eeder, 1994 . o, Proni, Tokitoh, a) Eur. uruta, . . asolari, . hem. 2000 rg. anaka K. uji, . J. awabata. a asamo rg. 2006 Acc. D. Am. 2000 71 . 1972 citelli, Computational 5 etti, . 122, e med Gaussian H. . Ta . Tanaka T. , hmohel, m Tsubaki, 5 J. M. 59 Tagliavini, 1994 . Trucks .E. Cheesem Scalmani, cc one, Li, Hratchian, . zmaylov Zheng, Sonnenberg Toyota, Hasegawa, H. shida, akai, . reven, F. Kudin, . . ajima, . ukuda, . . ontgomery, Bearpark, . r., . . Peralta, Heyd . a Raghavachari, . endell, . . Burant, yengar, To Knox, s, . . Adamo, en, Yazyev, Cammi, elli,. Morokuma, . Zakrzewski, J. L. oth, D. g artin ador a B. Gaussian, Wallingford T —49—
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