ちょまど問題(12手) Version 3 森勢将雅(山梨大学) ちょまど問題とは •4択の問題が10問(全て正答は不明) •解答者は10問同時に提出し「正答数」の みがフィードバック •10問すべての回答を得るための「最少提 出回数」は? •執筆者の直感では「11回」 •ヒット・アンド・ブロー(マスターマイン ド)と似ている(性質は異なる) 1 予備知識:問題数が1の場合 パターンA パターンB ○ 1 ○ 2 3 パターンC 4 パターンD ○ ○ •パターンA, B, Cは「1, 2, 3」と順番に提出するこ とで確定(3手) •パターンDも「1, 2, 3」が不正解ならば自動的に 4で確定する(3手) これを「メソッド1」と定義 2 メソッド1の拡張(問題数10) •初手は「全て1」で提出(1手) •(1) 1問目を2にして提出 – +1ならば1問目は2で確定 – -1ならば2問目は1で確定 •(2)正答数が±0ならば3にして提出 – +1ならば1問目は3で確定 – ±0ならば1問目は4で確定 •以下(1), (2)を問題数10まで繰り返す 初手+2×10=21手 ※結城先生の回答と同一です.以下からの引用 https://note.mu/hyuki/n/n7b3e0c44aedf 3 問題数2の解法のコンセプト •結城先生方式であれば問題数2は5回 – 1問×2で解く考え •ここでは,2問の全パターンを探索し,最 少回数が5以下となるメソッド2を提案 •初手は(1, 1)で確定し2手目以降を示す ○ ○ この場合正解は(1, 2)と定義 4 問題数2の場合の解法 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 以上4つは(2, 2)→(3, 3)の3手で確定 5 問題数2の場合の解法 ○ •2手(2, 2) ○ ○ ○ – 正答数が±0 •3手(3, 3) – 正答数が-1 •4手(1, 2) 2手目,3手目で正答数の変動が ±0→-1のパターンは上記2パ ターンのみ – 正答数が+2なら(1, 2)が正解 – 正答数が±0なら(2, 1)が正解 4手で確定 6 問題数2の場合の解法 ○ •2手(2, 2) ○ ○ ○ – 正答数が+1 •3手(3, 3) – 正答数が±0 •4手(2, 3) 2手目,3手目で正答数の変動が +1→±0のパターンは上記2パ ターンのみ – 正答数が+1なら(2, 3)が正解 – 正答数が-1なら(3, 2)が正解 4手で確定 7 問題数2の場合の解法 ○ •2手(2, 2) ○ ○ ○ – 正答数が±0 •3手(3, 3) – 正答数が+1 •4手(3, 4) 2手目,3手目で正答数の変動が ±0→+1のパターンは上記2パ ターンのみ – 正答数が+1なら(3, 4)が正解 – 正答数が-1なら(4, 3)が正解 4手で確定 8 問題数2の場合の解法 ○ •2手(2, 2) ○ ○ ○ – 正答数が-1 •3手(3, 3) – 正答数が+1 •4手(1, 3) 2手目,3手目で正答数の変動が -1→+1のパターンは上記2パ ターンのみ – 正答数が+1なら(1, 3)が正解 – 正答数が-1なら(3, 1)が正解 4手で確定 9 問題数2の場合の解法 ○ •2手(2, 2) ○ ○ ○ – 正答数が+1 •3手(3, 3) – 正答数が-1 •4手(2, 4) 2手目,3手目で正答数の変動が +1→-1のパターンは上記2パ ターンのみ – 正答数が+2なら(2, 4)が正解 – 正答数が±0なら(4, 2)が正解 4手で確定 10 問題数2の場合の解法 ○ •2手(2, 2) ○ ○ ○ – 正答数が-1 •3手(3, 3) – 正答数が±0 •4手(1, 4) 2手目,3手目で正答数の変動が -1→±0のパターンは上記2パ ターンのみ – 正答数が+2なら(1, 4)が正解 – 正答数が±0なら(4, 1)が正解 4手で確定 11 メソッド2の拡張 •2問の全パターンを最多4手で確定 •結城先生と同様の考え方を10問の場合に当 てはめると – 初手は全て1 – 2手目以降は2問ずつメソッド2を当てはめる – 2問回答は4手だが初手の1を引くことが可能 初手1+3手×5ペア=16手 12 これで終わりか? •メソッド2を4問(2問×2問)に拡張 – パターン1群は3手なので除外 •メソッド2は3手目の段階で2パターンに分 類可能 •2手目3手目の正答数の変動を – 「0→-1」「+1→-1」「-1→0」 – 「+1→0」「0→+1」「-1→+1」 •の2グループに分類する. – 前者をグループA,後者をグループB. 13 メソッド3 •前提知識 – グループAの場合は4手目で「+2 or 0」グル ープBの場合は4手目で「±1」が確定 •メソッド3はこの性質を利用 – 初手(1, 1, 1, 1)から(2, 2, 1, 1), (3, 3, 1, 1) までは固定 – この段階で1, 2問目はグループA, Bのどちら かが確定する 14 4手目 •4手目は – 問題1, 2はメソッド2の4手目と同様 – 問題3, 4は(2, 2)とする. •パターンAの場合は – +2 or 0(問題1, 2)に-2, -1, 0, 1, 2が加算 •パターンBの場合は •±1(問題1, 2)に-2, -1, 0, 1, 2が加算 15 4手目の結果(パターンA) •+4の場合 – 問題3,4で+2が確定するので終了 •+3の場合 – 問題1,2が+2,問題3,4で+1が確定 •-1の場合 – 問題1,2で0,問題3,4で-1が確定 •-2の場合 – 問題1,2で0,問題3,4で-2が確定 16 4手目の結果(パターンA) •+2の場合 – 問題1, 2が0,問題3, 4が+2 – 問題1, 2が+2,問題3, 4が0のどちらか •5手目で問題3, 4を(3, 3)にして提出 – -2であれば前者で確定 – それ以外であれば後者で確定 17 4手目の結果(パターンA) •+1の場合 – 問題1,2で0,問題3,4で+1 – 問題1,2で2,問題3,4で-1のどちらか •5手目で問題1, 2を4手目の逆((X, Y)なら (Y, X))に,問題3, 4を(3, 3)で提出 – 前者ならば問題1,2は+2,問題3,4は0 か-1なので,全体では「+1,+2」 – 後者ならば問題1,2は-2,問題3,4は 0,+1なので,全体では「-2,-1」 18 4手目の結果(パターンA) •±0の場合 – 問題1,2で2,問題3,4で-2 – 問題1,2で0,問題3,4で0の可能性 •5手目で問題1, 2を4手目の逆((X, Y)なら (Y, X))に,問題3, 4を(3, 3)で提出 – 前者ならば問題1,2は-2,問題3,4は0 なので「-2」で確定 – 後者ならば問題1,2は+2,問題3,4は -1,0,1,2のどれかなので,+1~4のど れかとなる(続く) 19 4手目の結果(パターンA) •-2の場合は確定 •それ以外の場合は問題3,4の結果は「0 →結果-2」で確定 4問6手で確定 20 4手目の結果(パターンB) •変動の候補は-3から+3まで •-3の場合 – 問題3, 4で-2が確定するので終了 •+3の場合 – 問題3, 4で+2が確定するので終了 •-2の場合 – 問題1, 2で-1,問題3, 4で-1が確定 •+2の場合 – 問題1, 2で+1,問題3, 4で+1が確定 21 4手目の結果(パターンB) •+1の場合 – 問題1, 2で+1,問題3, 4で0 – 問題1, 2で-1,問題3, 4で+2の可能性 •5手目で問題3, 4を(3, 3)で提出 – 前者の場合:-1~2の範囲 – 後者の場合:-2なので分離可能 22 4手目の結果(パターンB) •-1の場合 – 問題1, 2で-1,問題3, 4で0 – 問題1, 2で+1,問題3, 4で-2の可能性 •5手目で問題1, 2を4手目の逆((X, Y)なら (Y, X))に,問題3, 4を(3, 3)で提出 – 前者の場合:問題1,2は+2,問題3,4は -1~2の範囲.全体で+1~4の範囲. – 後者の場合:問題1,2は-2,問題3,4は0 なので「-2」で確定 23 4手目の結果(パターンB) •±0の場合 – 問題1, 2で+1,問題3, 4で-1 – 問題1, 2で-1,問題3, 4で+1の可能性 •5手目で問題1, 2を4手目の逆((X, Y)なら (Y, X))に,問題3, 4を(3, 3)で提出 – 前者の場合,問題1, 2は-2,問題3, 4は0 or +1なので,-2 or -1 – 後者の場合,問題1, 2は+2,問題3, 4は0 or -1なので,+2 or +1 •(続く) 24 4手目の結果(パターンB) •続き – 前者の場合,問題1, 2は-2,問題3, 4は0 or +1なので,-2 or -1 – 後者の場合,問題1, 2は+2,問題3, 4は0 or -1なので,+2 or +1 •-2の場合:問題3,4は「-1→0」 •-1の場合:問題3,4は「-1→+1」 •+2の場合:問題3,4は「+1→0」 •+1の場合:問題3, 4は「+1→-1」 25 メソッド3の特徴 •問題を2問ずつ分割し,メソッド2を順番 に適用 •前半のメソッド2の4手目と後半のメソッ ド2の2手目を同時に進めることで,後半 の手順を1手削減 •6問の場合も3グループに分割し, •1,2グループのオーバーラップで1手, 2,3グループのオーバーラップで1手, 合計2手得することが可能. 26 結論 •問題数が10の場合, – 2問のグループが5つあると考える – 「1,2」,「2,3」,「3,4」,「4, 5」それぞれで1手ずつ稼ぐことが可能 •よって,16手から4手引き12手で探索 できる 27
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