働き方改革(企業でのワーク・ライフ・バランス)

仕 事 と 暮らし の 両 立 を 支 援
ワーク・ライフ・バランス
企業 のWLB
働 き 方 改 革 推 進 プ ロ グ ラム
お問い合わせ先
三重県雇用経済部雇用対策課 TEL 059-224-2454
三重労使雇用支援機構 TEL 059-228-3557
三重県経営者協会 次世代育成支援対策推進センター TEL 059-228-3557
いい仕事
い い 暮 らし
発 行
平成26年3月
三重労使雇用支援機構
〒514-8691 津市丸之内養正町4-1 森永三重ビル3階
TEL 059-228-3557 FAX 059-228-3710
■三重労使雇用支援機構(三重県経営者協会・連合三重) ■三重労働局 ■三重県
ワーク・ライフ・バランス
働き方改革(W LB)推進プログラム
パンフレット発行にあたって
ヒアリング調査結果や検討会議をもとに「働き方改革( W L B )推進プログラム」
を作成いたしました。
ER
SW
N
ワーク・ライフ・バランス
QUESTION
A
このたび三重労使雇用支援機構では、平成24年に実施された県内企業等への
ワーク・ライフ・バランス
働 き方 改 革( W L B )とは?
仕事と暮らしの相乗効果を高める
考え方と取り組みのことです。
ワーク・ライフ・バランス
「働き方改革( W L B )」とは、仕事上の責任を果たしつつ、
「仕事」と「仕事以外の
ワーク・ライフ・バランス
このパンフレットには、働き方改革( W L B )とは何か、なぜ重要なのか、とい
生活(子育て・介護・自己研鑽・地域活動など)」のバランス(調和)がとれ、その両方
うことから、改革の進め方やその効果、参考事例を記載しています。
が充実している状態をいいます。つまり、仕事と生活の配分時間が、個人の環境やライ
職場環境を整えることは、優秀な従業員の定着、新たな次代を担う従業員の採
用、生産性の向上や業務効率の改善などにつながります。企業の経営者・人事労
フサイクルに応じた、自分が希望する配分で
生活できていることを指します。
ワーク・ライフ・バランス
務担当の方には、ぜひ働き方改革( W L B )を取り入れていただき、今後ますま
すの発展にお役立ていただければ幸いです。
※
「ワーク・ライフ・バランス」は、これまでの
働き方を見直し、短時間で同じ効果をあげ
平成26年3月
三重労使雇用支援機構
ることを目指すため、
「働き方」の改革とも
言われています。
ワーク・ライフ・バランスの効果
CONTENTS
03 働き方改革(W LB)とは?
ワーク・ライフ・バランス
04 働き方改革(W LB)がなぜ必要なのか?
ワーク・ライフ・バランス
06 働き方改革(W LB)をどのように進めていくの?
ワーク・ライフ・バランス
10 働き方改革(W LB)推進企業の成功事例報告
ワーク・ライフ・バランス
2
企業において従業員のやる気を引き出しつつ、業務体制を見直すことで、個人
ワーク・ライフ・バランス
と組織の効率性
(生産性)
の向上を目的とする働き方改革( W L B )。そのメリット
は、従業員・企業ともに相乗効果を生み出します。
に
従業員
とって…
●生 活(心と身 体)に
ゆとりが生まれる
●質の高い仕事や意欲
向上につながる
企業に
とって…
●生 産性が向上
●従 業 員 の 職 場 に 対 する
満足度が向上
●従 業員の定着につながる
●優 秀な人材が確保しやす
くなる
3
ワーク・ライフ・バランス
仕事と生活を充実させることで、個人も企業も幸せになる。
ワーク・ライフ・バランス
これが働き方改革(W LB)の本質です。
企 業の
課題
ER
SW
N
1
経済や社会環境の変化へ対応するためです。
A
A
N
SW
ER
QUESTION
働 き方 改 革( W L B )が
な ぜ必 要 なのか?
改革
働き方 )
●経 済のグローバル化の進展に対
企 業の
課題
(WLB
若者・女性・高齢者など
の実施
多様な働き方のニーズを持
応し続けられるか
3
仕事への意欲が高まり、
能力発揮の向上や業績アッ
プにつながるほか、働きや
すい職場環境で、従業員の
定着につながる。
員が退職していく
また、女性従業員の退職
者が減少することで、女性
る人は少数派に
管理職を増加できる。
改革
働き方 )
●長 時間の労働により、従業員の
心と身体に悪影響が及ぼされる
●企業として優秀な人材を失うきっ
かけに
(WLB
の実施
長時間労働が改善し、時
間外勤務と経費の削減、業
務効率の向上、従業員の健
康保持、長期休業者の減少
が図れる!
SW
N
長時間労働の見直しと
業務効率(生産性)の向上を図るためです。
ER
増加し、働くことだけに専念でき
A
ER
SW
N
A
企 業の
課題
の実施
●結 婚、出産を機に女性従業
●働きながら育児・介護を担う人が
2
●従 業員の職場への満足度の低下
(WLB
心が損なわれる
活かすことが可能に!
は減少傾向に
改革
働き方 )
により、意欲や職場に対する忠誠
つ人たちを企業で積極的に
●少 子高齢化により、労働力人口
従業員の意欲向上と
職場への定着を図るためです。
4
企 業の
課題
優秀な人材の確保を行うためです。
改革
働き方 )
●仕事と生活が両立できる環境で
ないと、若い世代の人材確 保が
難しい
●職 場に対する満足度が低いと、売
上低下や人材の流出につながる
(WLB
の実施
子どもが できても働き
続けるという考えを持つ女
性や、若手人材の確保につ
ながるとともに、仕事と生
活の両立支援 策と従 業員
の人材育成 政 策の実 施で
企業業績に好影響が 期待
できる。
4
5
取り組みを継続していくためには、従業員への丁寧な周知
ワーク・ライフ・バランス
が欠かせません。さまざまな角度から周知を図るほか、従業員
からの質問や相談にもできる限り対応しましょう。
SW
ER
ワーク・ライフ・バランス
N
1
まずは自社の現状と課題を把握します。
A
A
N
SW
ER
QUESTION
働 き方 改 革( W L B )を
どのように 進 めていくの?
2
現状・課題をもとに、
具体的な体制をつくります。
ワーク・ライフ・バランス
働き方改革( W L B )を進めていくためには、改革に向けた姿勢を示すことが必要です。
体制づくりには、経営者・管理職・従業員がそれぞれ働き方改革( W L B )の必要性
そのために経営者や管理職の方は、従業員を対象に次のチェックを行い、同時に自社
を認識した、取り組みやすい環境づくりが必要です。前項(P.4-5)
であげた働き方改革
の課題を整理しましょう。
企業風土チェック
企業全体の風土や現状を把握します。
従業員が仕事や各部署について、
現在どのように考えているのかを
改めて認識しましょう。
課題発見チェック
従業員の勤務状況や休暇・休業などの
取得状況、各種制度等の整備状況を
把握します。自社の課題を改めて
認識しましょう。
ワーク・ライフ・バランス
(W L B)
の必要性を充分に周知し、浸透させておきましょう。
「企 業 風 土チェックシート」
をご活用ください
ワーク・ライフ・バランス
1
業務の見直し
U R L http://www.AAAAAAAAAA.jp
※従 業員が自分の職場を、仕事を、ほかの従業員のこと
をどのように考えているかを改めて認識することがで
きます。
「課 題 発 見チェックシート」
をご活用ください
働き方改革( W L B )
に取り組めるよう、まずは業務のムダ探しや見直
し、
タイムマネジメントなどを行い、環境を整えましょう。
就業規則の制度や慣習的に行っているものが、法律を踏まえた適正な
2
制度の見直し
内容になっているか確認しましょう。また、活用されていない制度は、な
ぜ活用されていないかをアンケート調査や従業員へのヒアリング等で
確認し、新たな制度の検討を行いましょう。
3
優先順位の
決定
確認できた状況を踏まえ、
「 利益」
と
「費用」
2つの視点から、実行しやす
い取り組みに優先順位をつけていきます。
まずは無理せずにできるところから始めましょう。
U R L http://www.BBBBBBBBBB.jp
※自 社の数値と全国の平均数値と比較して、低い項目や
よくないと思うものを確認することができます。
計画・
4 スケジュール
の作成
優先順位が決まったら、実施計画や取り
組みスケジュールを作成しましょう。
右記の項目が盛り込まれていることが
重要です。
・なぜ(目的)
・誰が対象か
・どのように進めるか
・どこが実施するか
・どのように行うか
Plan
取り組みをスタートさせた後も、アンケー
5
進捗管理
点検・評価
ト調査や従業員へのヒアリング等で、進捗
状況を点検・評価することが重要です。
右記のサイクルで、一層の改善を図りま
しょう。
6
(計画)
Action
Do
(改善)
(実行)
Check
(評価)
7
ワーク・ライフ・バランス
どのように働き方改革( W L B )を
進めていくの?
A
N
SW
ER
QUESTION
3
課題別の対応・対策を考えます。
課題6
対応・対策
従業員の残業が多く、
仕事の生産性や効率が低い
課題1
対応・対策
社風や従業員の
意識改革を進めるには?
課題2
従業員の仕事に対する
意欲、満足度が低い
が必要です。さらに、経営者が企業の目的や方針、目標を理解
し、
従業員に伝えていくように取り組みましょう。
対応・対策
原因を見つけるために、
ヒアリング等で各従業
課題3
従業員の長期休暇、
どのように対応したらよい?
ストレスなどで、休みがちな
す。部署内での人間関係を改善していくには、管理職が中心と
従業員が増えている
うかを考えます。ムダな業務の削減やマニュアル化を進める
課題8
職場での従業員の
助け合いを高めたい
対応・対策
しょう。部署内では、各従業員が全体の業務内容を見えるよう
にし、
どんな業務でも行えるよう、マニュアル化に取り組みま
しょう。
また、休暇等の計画的な取得を推進していくことは、従業員間・
従業員のまとまりが
悪く、雰囲気が良くない
対応・対策
まず、アンケートやヒアリング、意見交換会等で
従業員の不満を把握することが重要です。その結果を課題別
にまとめ、管理職が中心となって従業員個人やグループでの
話し合いから、
認識を共有化しましょう。
また、
計画的な休暇取得や、課題4 の対策も有効です。
8
企業に対する満足度の把握や、企業の方針・制
があります。従業員のニーズに基づく対策の検討や、説明会
若い従業員を定着させたい、
採用募集で人を集めたい
や部署ミーティング、社内報などを通じた情報提供を丁寧に
行いましょう。
また、採用募集など対外的なPRに対しては、自社ホームペー
ジやパンフレットに各種制度や従業員アンケートの結果を掲
載したり、国や県が実施している認定・表彰を受けたりするこ
とで効果的なアピールにつなげることができます。
課題9
対応・対策
出産などを契機に辞める
女性従業員が多い
職場内での助け合いの風土づくりにつながっていきます。
課題5
ることが有効です。
度の周知が不足していることが課題につながっている場合
管理職と従業員でミーティングや親睦イベント
を行うことで、
日常的に話し合いやすい雰囲気を作っておきま
なって積極的に従業員間の話し合いが行いやすい雰囲気を作
対応・対策
機会ととらえ、
取り組みを進めましょう。
課題4
係や業務量などにストレスを大きくする原因がないか検討しま
見直しも改善につながる対策です。
職場内で、業務内容や業務の効率化、応援体制
また、代替要員の確保や、
ほかの部署でも対応できる仕事かど
ヒアリングや意見交換会を行い、職場の人間関
また、業務分担や従業員間での助け合いを含めた業務運営の
を整理します。課題に対応する制度や慣習的に行っているもの
について話し合いが必要です。
また、マニュアル作成による業務削減・効率化や、従業員の配
対応・対策
状況など)
と、
ニーズや不満を把握し、
どのような課題があるか
対応・対策
土の見直しが必要です。
課題7
員の基礎的な状況
(勤続年数・時間外勤務・有給休暇の取得
を洗い出し、
見直しや検討を行いましょう。
か、長く働くことを美徳としていないかなど、企業や職場の風
置や業務配分の見直しを進めましょう。
アンケートやヒアリングを通じて従業員意識の
把握を行い、その結果を課題別にまとめ、明確化しておくこと
管理職が帰らないと帰りづらい雰囲気がない
育児休暇が利用しやすい環境にあるか見直し
ましょう。全従業員への制度周知、助け合いの雰囲気づくり、
代替要員の確保が必要です。
また、復帰時の支援も重要です。従業員の休業中、企業や職場
のようすが分かる定期的な情報提供や、面談の実施、短時間勤
務や子どもの看護休暇の導入・充実などに取り組みましょう。
課題10
対応・対策
親の介護で悩んでいる
従業員がいる
出産・育児とは違い、急な対応が必要となり、期
限も分かりません。従業員にとって負担が大きくなることが予
想されるため、介護支援制度を利用しやすい職場環境づくりと
助け合いの雰囲気づくりに努めましょう。急な休業に対しての
備えもしておきましょう。
9
ワーク・ライフ・バランス
働 き方 改 革( W L B )
推 進 企 業 の成 功 事 例 報 告
A社
子育て中の女性や、近隣で農業を兼業する従業員が多くいたA社
では、育児や学校行事、農繁期を理由とした休暇・休業の取得や職
の場合
場復帰も当然のようにできる雰囲気になっていました。そのため、
ワーク・ライフ・バランス
ほかの従業員に負担が増すことを懸念して、働き方改革( W L B )
取り組み
の経緯
に取り組むことになりました。
企業の改善提案を月1回、
事務局に提出できるようにした。各部署が採点し、
採用される
とポイントがたまり、
商品券と交換できる。
事例 3枚複写式の経費伝票をエクセルで入力できるように改善し、
時間短縮、紙代の削
減など大きな成果を得た。
の場合
職場風土の改革や従業員間のコミュニケーションを深めるため、
ワーク・ライフ・バランス
平成20年から働き方改革( W L B )に取り組むことになり、職場の
活性化を図るようになりました。
取り組み
の経緯
業務の簡素・効率化
業務の簡素・効率化
◆業務効率の向上を図るために
B社
◆部門間の合理化を図るために
◆業務効率の向上を図るために
無駄な時間がどれだけ削減できるか目標を立て、すべての業務の洗い直しを行ったこ
とで、無駄に気づくようになった。
また、それを積み重ねることで、些細なことでも変えていく意識が生まれてきている。
◆育児休業の取得について
QC
(品質管理)
活動を行い、
各グループで合理化を図るように改善した。
育児休業、短時間勤務は3歳まで取得できるよう改善したところ、女性は育児休業をほ
ぼ100%取得。また、子育てサポート企業として認定される
「くるみんマーク」
を企業と
◆休暇の取得について
また、男性の育児休暇は、計画的な申し出であれば取得しやすく改善した。
(制度を利用
して、
1週間休業した従業員もいる。)
◆資格の取得について
社長決裁を得た後、技能検定や各種資格に合格した従業員には、自己啓発助成金とし
て費用を全額負担するよう改善した。資格ランクにより、商品券を出す場合もある。
◆残業について
週 末は定時退社日となるよう改善し、残業が必要な場合、週末以外は各部署のリー
制度・取り組みの改革
制度・取り組みの改革
育児休業は法定どおりであるが、
介護休業は365日取得できるように改善した。
◆有給休暇の取得について
マネージャー会議で有給休暇の目標を立てるようにし、誕生日や飛び石連休などの連
休間の出勤日には有給休暇を取得するよう促進している。有給休暇30日分を積み立て
て育児休業、介護休業などに充てられる保存有給制度や勤続20年には特別休暇など
毎週水曜日をノー残業デーとし、残業する場合は事前に申し出をすることで不必要な
残業をチェックできるよう改善した。業務に無理がある部署は、チーム内でフォローし
長期間において休業する場合には、職場復帰がスムーズにできるよう、情報誌の送付
仕 事の平準化、合理化、見える化を進め、引き継ぎにあたっては業務基準に基づいて
マニュアルを作成するよう改善した。
また、手順書の見直しを随時行うようにもした。
◆従業員のコミュニケーションを図るために
年末の最終出勤日に終業式を行い、
全体集会が終わったあと、
一年を振り返って社内で
インパクトのあったニュースを発表したり、
ゲーム、
会食等を行ったりするよう改善した。
助け合いの促進
助け合いの促進
また、業務に関する研修も復帰後に実施するようにしてサポートしている。
工化が図れるように改善した。 10
やサークル活動の案内等を行うように改善した。
現場は派遣社員で対応していたが、正規の従業員がなるべく応援に入り、現場の多能
◆事務部門間で助け合うために
合って、夜間働いた場合は翌日に振り替えるなどの取り組みを進めている。
◆長期休業について
◆現場の多能工化を進めるために
もある。
◆残業について
ダー決裁でよいが、週末は社長決裁が必要となるようにした。
また、各部署それぞれ業務の状況によりノー残業デーを実施するようにした。
して取得に際して短期間
(1日)
ではあるが1名取得した。
◆現場の多能工化を進めるために
業 務に支障がないように仕事の平準化を進めた結果、以前は作成していた引き継ぎ
ノートも現在では必要ないほどうまく行くようになった。
また、長期休業中の従業員の代わりには派遣社員、配置換え等で対応できるようにしている。
◆従業員のコミュニケーションを図るために
フットサル、
バスケット、料理教室等のサークル活動にほとんどの従業員が所属。サーク
ル活動を支援することにより、他部署との交流が図れている。
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