(No.1,440)〈マーケットレポートNo.3,838〉 2014年10月24日 IR(統合型リゾート)推進法案(日本) カジノを含めた統合型リゾートの整備を推進するための法案の一つで、「特定複合観光施設区域 の整備の推進に関する法律案」が正式名称です。これは日本でカジノを解禁する基本法にあたり、 実際のカジノ建設には、同法案成立後1年以内をメドに策定される、「IR実施法案」による詳細な制 定が必要です。これが可決されることで日本でのカジノ建設が本格的にスタートする見込みです。 法案成立に遅れも ギャンブル依存症の防止などが課題 ■「IR推進法案」は、現在行われている臨時国会(11月30日まで)で可決されるかが、やや不透明に なってきました。女性2閣僚の辞任問題で審議に遅れが出ていることに加え、連立与党の公明党が 「ギャンブル依存症の問題など議論が十分でない」などと慎重論に変わってきたことが背景です。同 法案は共産党、社民党などを除く超党派議員による「国際観光産業振興議員連盟」(IR議連、2013年 11月時点で171名の国会議員が所属)が原案を考案したことなどから賛成派が多く、最終的には採 決される可能性は高いと思われますが、来年の通常国会に持ち越される可能性も出てきました。 詳細は「IR実施法案」で決定 東京都は誘致に対し消極的に ■統合型リゾート(カジノを含む)を建設するためには、「IR推 進法案」だけではなく、同法案成立後1年以内をメドとして「IR 実施法案」が策定され、これが可決されることが必要となり ます。「IR推進法案」の焦点はカジノの合法化です。ギャンブ ル依存症への対策などは、同法案成立後の「IR実施法案」 に委ねられます。 ■従来、東京都は統合型リゾートの有力候補地の一つと見ら れていました。しかし、2014年2月に都知事が変わり、またオ リンピック開催の費用負担などから、誘致には消極的になっ てきました。現在では横浜、大阪、沖縄などが有力候補地と なっています。 東京オリンピックの2020年に間に合うか? ■開業には「IR推進法案」成立後5~6年 ■外国人旅行者増の目標達成にも必要 2020年の東京オリンピック開催に合わせ、統合型 リゾートを開業させるには、遅くとも来年の通常国 会までに「IR推進法案」を可決する必要があります。 今後のスケジュールは、次の「IR実施法案」成立 に1年、場所、事業者選定に1~2年、建設に3~4 年かかり、トータルで5~6年の期間が必要と見ら れます。 政府は、2020年に外国人旅行者を現在の約2倍 の2,000万人への目標を掲げています。統合型リ ゾートの建設は政府目標達成に欠かせない案件 の一つです。また、ホテルや劇場、ショッピングセ ンターなどの開業により、雇用や消費への効果も 大きいと見られ、法案成立の行方が注目されます。 2014年10月22日【キーワード No.1,438】全国百貨店売上高(2014年9月)(日本) 2014年10月16日【キーワード No.1,434】国家戦略特区(日本) ■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘す るものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のもので あり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想で あり、今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完 全性を保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者お よび許諾者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
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