験震時報第5 1巻 ( 19 8 7 )1 5-2 0頁 帯広における地震の最大動振幅特性について* 小林政樹林 ~ 1 . はじめに 2 . 2 調査の対象とした地震 帯広における 5 9型地震計 (VI ) と5 2型強震計 (8)の 帯広の地盤は,主に砂磯と火山灰からなる沖積層 によって構成され軟弱な地盤に属している.乙のた N 1 0 0 aM=ー0 . 3 9 C J=0 . 2 4 め,帯広で観測される地震動の振幅は,標準的な地 (α) 盤上で観測された振幅(標準振幅)より著しく増幅 されている. 乙の増幅された振幅を補正するための係数(振幅 係数)が勝又 ( 1 9 5 4 ),矢久保・大西(1 9 8 4 ) らによ って求められ 0 .4なる数値が得られている. しかし地震計に記録される最大振幅はいろいろ 50 な要素によって影響を受けているので,その値は地 震の震源位置によっても違ってくるはずである. し たがって,振幅係数を単一な値とするのには多少疑 問がある.これまでの調査では,地震の発生地域を 分割していないか,分割していても大ざっぱである ため,ここでは震央分布の地域を細分化し,震央距 離,震源の深さ,地震計の種類および成分の相違な どを考慮して帯広における振幅との関係について調 査した ~ (b) 40 aM= ー0 . 4 7 C J=0 . 2 5 (c) 40 aM= ー0 . 3 0 d= 0 . 2 8 2 . 調査方法および調査の対象とした地震 2 .1 調査方法 気象庁で決定したマグニチュードを Mj,帯広で観 測された水平動の最大振幅から求めたマグニチュー ドを Mo,振幅係数を Kとすると,乙れらの聞には次 式が得られている. 去=JM 日 - l o gK=l o g . . . . . . . . . .( 1 ) aM JM=MjーMo,Aj,A。はそれぞれ Mj, MoI C対応する振幅を表わす.また, M。は深さ 7 0 k m 以浅の地震を坪井(19 5 4 ), 7 0k m以深の地震を勝又 ただし, ) . 4) . 2 )・0-0 80 .60 .40 . 2 0 0 . 2( ) . 40 6 第 1図 ムMの頻度分布 6M=Mj- Mo, Mj:気象庁のマグニチュー ド Mo 帯広の観測値から求めたマグニチュ ( 19 6 4 )から算出した. したがって, JMがわかれば振幅係数が求められ ード る. ここでは,振幅係数の代りに JMを用い,各要 ( a ) 59型地震計 CVI) H<70km 素と JMの関係について検討した ( b ) 5 2型強震計 ( c ) VIと8 cS) H<70km H孟 7 0 k m o b a y a s h i MaximumA m p l i t u d eC h a r a c t e r sr e c o r d e da tO b i h i r oC R e c e i v e dJ u l y3 ,1 9 8 7 ) *M部 品dK * * 劃1路地方気象台 4EA -hd 験震時報第 5 1巻 第 1-2号 16 地震記象を対象とした.なお,期間は次のとおりで 以上言及しない. しかし, ( c )では乙の不連続はみら ある. れない. ( c )におけるム>9 00kmでは,震源が深い短 VI:1 9 7 6年 4月 , . . . . , 1984年 1 0月 周期の卓越する地震が含まれていることが影響して S :1 9 6 5年 1月 , . . . . ,1 9 8 4年 1 0月 いるものと思われる. 調査対象としたのは, VIで全振幅孟 3 m mの地震で‘ t . M 04 あるが, VIが振り切れたものは Sの記象によった. • 1 α ) ( ) -ーーー」ーー ~ 3 . 各要素とL1Mの関係 : 主 宰 ぷ 三 ・ 二 ・ ・・_.・三百吾首唱......~-..・・・ ー . . . ・ 咽 ・ ・ ・ . . . . ・ ・ . . . , . ・ ・ ・ 『 ー ・ 干 高 官 官 . . . . ・ ー ・ ・ . , . . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ー.-,.-.・・・噌句・・・・・・ ・ , . . .. .. -041 3 . 1 ~M の頻度分布 制 ω 示すと第 1図のようになった. H<70km!C発生する地震のム Mの平均値は, VIで -1). 3 9, Sではー 0 . 4 7となる. 乙れは, (0) 斗叶羽ザ 帯広で観測された地震を深さ (H)70kmを境界とし て , H<70km, H孟7 0 k m l (分けて 6 Mの頻度分布を Sで観測さ 比べて 2割程度大きく記録されて れる振幅は, VII( 1 α J O -L- いる乙とを示している.一方,乙れらの 6 Mの標準 偏差は VIで 0 . 2 4, Sでは 0 . 2 5の値を有する.つま t . M り,ム Mは平均値の周囲にかなりの幅をもって分布 している乙とを示している. また, ・-K神 間 ∞ 4∞ 2 0 0 -w-~,.-・ー-'------< H孟70切に発生する地震の L 1Mの平均値は -凶苓3Z4日~ . ∞ 買' J O ∞ ー ・6 3 .2 ご圃で一一よ一一一一・ 第 2図 6 Mと震央距離は)との関係 図中の曲線は計算値による重回帰曲線 ( a ),( b ),( c )は第 1図と同じ 61乙対する 6 Mの分布を第 2図 l 乙示す. 自のこで と対する 6 Mの値のばらつきは大きく, ムl 3 . 3 両者を直線関係で結びつける乙とは無理である. し かし 6の増大に伴い右下り,すなわち Mj<Mol乙 注目すべきことは, 震央の分布と ~M の関係 震央地域と 6 Mとの関係を検討するために,細分 した地域区分を第 3図に示す.。乙れは,気象庁で用 なる傾向は認められる 61(対応する 6 Mの分布は, ム <500kmで非常にばらつきが大きく (a図 ) , いている震央区域名を参考に 6が 0 ) ,MjとMoの相関係数 ( r ) 平均値 (6M),標準偏差( を計算したものを第 1表に示す. 乙の表 l とは更に現 6が減少するほど 6 Mが震源の深さ,発震 機構による地震波の進入経路など,種々の影響が大 きくなっていることを示している.つまり, 便宜上 1 3の区域に分 割したものである. 乙の細分した地域ごとに 6 Mの 増大するほどぱらつきが小さい乙とである (b図) 乙れは . . ・・・. (c) ー 1 . 2 震央距離 (L1) と ~M の分布 みると, ∞ αJO 1 1 一 一」 t . :km ・ .二 : の増幅度は小さい.乙の乙とは,震源の深さによっ ても振幅係数が異なることを示している. ・切 ・.・ ..一一ー一ー--'-ヱ -e ・:~:. -0.30となり, H<70切に発生する地震に比べ振幅 ま氾 業作業の利便を考慮し 水平 2成分の振幅のうち, いずれか大きい方を用いて算出した値をム Mm とし 6 Mは て記した. 地震の発生地域によっても大きく影響を受けている 第 1表によると 乙とを意味している. なお,第 2図( b )でははっきりしないが, ( a )におい 1)全地域のム M は , KI乙換算すると勝又,矢久保 て 6= 主9 00kmで 6 Mの分布に不連続がみられる. 乙 らが求めた調査結果と一致する? れは,震源が遠距離となるために,周期の長い表面 2) 6 Mは,地域によってかなりの相違がある. 波の影響を受けていると思われるが,乙乙では乙れ 3) 1区(内陸で L 1 <100km) における 6 Mは 事勝文と矢久保らの K値は,調査方法が多少異なるため,閉じ 0 .4の値でも内容的には若干の相違がある。乙の < :,矢久保らのは 6Mm ( S ) 1乙対応する. 場合, H<70km において勝文のはど~M(V I) 1 H 4EA F0 帯広における地震の最大動振幅特性について <70kmの場合,他の地域と大きく異なっている. 4) 4,5区では, H<70kmとHミ7 0 k mとではム M きな違いがみられる などが自につく. 乙こでは,第 4図i 乙H孟 7 0 k mの地震の 3区と 4, 5区におけるム Mの分布を示す. 乙の図から,両地 K大差がみられる. 5) 3区と 4,5区の H孟 7 0 k mの地震の場合, 同じ 太平洋側に位置しながら C L1も同程度),ム MIC : 大 ふ 〆 r~ 1 7 域における違いが明瞭である. と,地域ごとに求められたム M と,そ乙に存在 次l 〆 。ーム M)から個々の地 する地震の M。との差 CMc=M 震についての補正を試みた 8 その補正値 McとM j との差(ム Mc=Mj-M )を求め,その頻度分布を第 c 0 5図に示した.乙れは 第 1図と同じ意味をもっ図 であるが,両図を比較すると帯広の M。がかなり改 善されている乙とがわかる 4﹁トトト d 内 'E E ・nunυ 1 1 , 4+5 5 9 0 . 80 . 60 . 40 . 2 0 . 0 0 . 2 0 . 4aM SOOkm 第 4図 3区と 4・5区との H孟 7 0 k mの地震におけ るム Mの比較 第 3図 地 域 区 分 第 1表 地 域 区 分 に よ る 各 要 素 の 値 N:地震数, . 6M:地域の.6Mの平均, σ: . 6Mの標準偏差, r:M jとM。の相関係数, . 6Mm :水平成分のいずれか大きい方の振幅から求めたム Mの平均 r - 凪 型 空E 1 12 13TOTAL 2 3 4 5 6 7 8 9 101 28 1 1 4 37 54 84 5 1 1 1 83 21 28 11 8 585 0 . 6 4ー0.39 4 6-0 . 5 5-0 . 3 0ー0 . 2 5ー0 . 3 4ト 0 . 6 0-0. . 80 .350 .430 .30f o .386M喝 09ー0 σ 22 . 1 7 26 0 . 2 70 . 2 30 . 1 9 0 . 24 . 1 80 . 2 20 0 . 1 90 .29 22 0 .06 0 r 79 . 8 5 97 0 0 . 9 1 0 . 9 00 . 7 50 . 9 30 . 9 3 .84 0 . 8 80 . 9 00 . 66 0 (H< 7 0 ) 0 .7 ト 品 n0 0 . 4 7ト 0 . 5 3-0.28 . 4 5ー0 . 2 0f 0 . 1 4. 2 7ト 0 .32叫49.03 自 0 .38ー0 0 .24ト 0 . 20 0 5 9 45 9 3 4 234 N 16 6 52 21 41 23 0 . 3 90 . 5 70 . 3 0-0.47 9 5ー0 . 4 2ト0 . 4 7f . 4 8 o .46ト0 f 0 . 5 7ー0 . 6 30 . 2 1 -0. 0 . 346Mσ 1 4 08 0 22 09 0 . 25 . 2 00 . 1 90 . 0 5 0. 07 0 .29 0 .19 . 08 0 .27 0 S r 0 . 9 9 . 8 40 0 . 9 50 . 9 70 . 9 90 . 9 7 99 0 . 9 4 . 94 0 . 9 00 0 . 9 0 0 . 9 9 く7 0 ) ( H 必命引 . 2 0-0.39 0 . 4 7ー0 . 3 8-040 . 2 3ー0 . 2 8Q . 85ト 0 . 3 1-039ー0 f 0 . 4 70 .52ー0 0 .1 1ト N 38 o 74 1 1 9 30 13 ゐ 9 1 1 34 14 21 268 0 . 3 20 ・ 0 . 2 1 ー0 6Mー0 . 0 5ー0 . 3 5ト . 3 1 -0.30 0 . 5 6-046ー0 061. 05 03ト 0 .48. 1 4 σ 0 . 1 8 . 1 70 . 2 4 0 . 1 7 0 0 . 2 00 .1 4 24 0 . 28 . 1 80 . 1 90 . 3 00 . 1 6 0♀4 0 S r 0.97 90 0 0 . 9 1 0 . 9 6 0 . 9 6 0 . 7 8 0 . 9 7 . 9 5 0 . 9 0 0 . 9 0 0 . 9 3 0 . 9 6 (H~70) 2ト 0 . 1 1 0 0 . 5 1ー . 2 40 . 4 0ト 0 . 45ト . 20 ー0 . 2 9 14 1 . 04 0 凪 n崎03 0 .38 引 ー0 N V I 。 。 。。 。 VI 申 。 。 。 。 。。 。。 。。 。 r o 4Ei 可 - 1 8 験震時報第 5 1巻 第 1- 2号 N (α) ~M=ー 0.004 σ=0 . 2 2 1 0 0 6 .Mの震央分布 (VI,H < 7 0 k r n ) 左上図 .:ム M孟 0 . 0 0:0 . 5壬ム M<O.O 第 6図 5 口:6.M豆 0 . 6 右 下 図 ・ : ム M孟 0 . 0 0:ム M<O.O 3 . 4 震源の深さ及び震央距離と6.M 第 1表から 4, 5区の6.Mは震源の深さによって , 大きな差のあることがわかった.乙乙ではまず, 4 (b) 50 5区において H< 7 0 k r nの地震についても深さによっ てム M に違いがあるのかどうかを検討する 0 . 0 1 d =0 . 2 2 ~M= 第 6図は, 4, 5区を対象 !(H< 7 0 k r nの地震にお ける個々のム M の分布を示したものである. これに よると,数個の例外はあるが,震央が陸地ζ l近い地 震はム M>OI となり 陸地から遠い地震は6.M<O l となる傾向がみられる.一般に, 乙の地域の地震は, 海溝から陸地側に近づくにしたがい震源が深くなる 乙とが知られている. したがって,第 6図の6.Mの (c) 分布は,震源の深さの違いによっても影響を受けて 50 いると言ってよい. aM=ー0 . 0 8 d =0 . 2 2 前述の乙とを確かめるため 4・5区を震源とす る全ての地震についてム M と震源の深さ (H),震央 距離は)の関係を調べた.その結果を第 7図に示す. a ) 乙の図から, 6 .M は震源が深くなるほどプラス側 ( に, L 1が大きくなるほど、マイナス側(叫に傾く乙とが 0 . 6 0 . 4 0 . 2 00 . 20 . 40 . 6 AMc ー 瞭である. と,第 6図での6.Mの分布をもとに 次l 4, 5区 l分割する乙とを試みた(第 6図参照). を A, B区ζ 第 5図 補 正 後 の ム Mcの頻度分布 H<70krnの地震について それぞれの6.Mの平均値 を求めると,第 2表のような値が得られた乙切結 。 。 βMc=Mj-Mc ,Mc=M。ーム M, E扇:地域ごとに求められたム Mの平均値 ( a ),( b ),( c )は第 1図と同じ 認められる.すなわち, 6 .MとH, L 1との対応は明 0 )は , A, B区に分 果 , 乙の区域における標準偏差( BA 噌 19 帯広における地震の最大動振幅特性について H o o 6 金 色 6 企 4 0 ‘~今o 60 6 0 -4ト │ o f f ' ふ Q o l ~鉛伊ゐ\、 。 覇2I卜 ・ 0 -41 Q " tO 0 o ゅ ∞ 。 C : eO ~æ80 Q 0 0 m 鵠 出 、 呼 ¥ o 4 品 0、 ¥ o ¥o α o コ00 ト ー0 . 8 I J . ー 6 Mzと震央距離は)との関係 (VI,H < からマグニチュードを求める乙とによって, MjlC近 い値が得られる乙とが考えられる.そ乙で, H<70 企l e 6必 炉 心 会 巳 ¥。会 6 Mの地震について調べてみた. 1) VIの上下動振幅と a M 66 66 ¥ d I : J . ¥ 6 まず,震央距離は)とム Mzの関係について検討 ¥ 00 ¥ ¥ a する.ただし,ム Mzは上下動振幅から求めたマグ ニチュード (Mz)とMjとの差 (Mj-Mz)を表わす. jI と対応する 6 Mzの分布を第 8図 l と示す.全体的に (b) 第 7図 4,5区のム M と震源の深さ (H)および ムM と震央距離 (j)の関係 (VIの全地震) ( a )は 6 Mと H,( b )は 6 Mと dとの関係を示す. 0: 4区の 6 M ム 5区のム M 6 Mzの分布はど" > Mz=0の周辺にばらつい L対してム Mがマイナス側に分 ている. 乙れは, j I みると 布している水平動の場合とは大きく異なっている(第 2図参照 ) 0 さらに,第 8図では 仁7 0 8 れている. したがって,帯広における上下動の振幅 6 A ω S Z : O _ ¥00 L iM 0 6 5 ) によって調べら 幅されていない乙とが勝又(19 666 ¥∞ 00¥ お で oa : io o - 。 包 。 @ 目 。 3 . 5 上下動の最大振幅と企 M 企 0 0 6 dd6 6 、コ∞ 第 2表 00 0 著しく増幅されているのに対し,上下動はさほど増 凸 0 . 6 包 囲 軟弱な地層上にある観測所では,水平動の振幅が ¥ q o . 0p oα o0企a a 0 ) x 泊品 ー0 4 。。包毎回 ∞yomoo冊。。園。"'Il日 ~唖野田_'11"宅。園田8'時間@旬 6 Mz 帯広の上下動の最大振幅から求めたマ グニチュード 0 . 4, .¥ 0 o 。ω O C DQ) i j J ' 。 8-~ ー。ー由一四←一一。一一。一 7 0 k r r i ) ¥ aM 0 . 2 。 目 皿 O ¥ (a) 0 . 0 句F 第 8図 コ 、 1 -0 0 . 80 .6 0 . 40 . 2 0 . 0 0 . 2 0 . 2 0 。 。帯。"甲山刷 < I f f ' ¥ ¥ o6 ¥ 6 1 0 0 0 OO ・ 噛 。0 . . . . . ." ' 0。 0 -6 ¥¥fP∞企¥ ¥6 0 唖Olf' 。。ト一回ー。oa;,'k. O'~--<)ー吋砂明暗r目-."平司咽 0 6 6 0 a a 80 一 一 田守由。ロ目。 宅押田雫唱。'i' 0 ヘ 0 0 0 -2卜曲。1F"8JD唱。。噌11' 、\伊ff'fP∞嘗~.\ o e 0 . 6ト。曲。旬。。 企 、 6、 0 f Fl!O ∞ o ' . 0 0 . 8← ¥ 201¥¥ d I : J . 企6 企¥‘ aMz へ ∞ι 4,5区と A,B区の 6 Mの比較 41K 512-~ A区 = 0の周囲 l とほぼ一様に分布している乙とがわかる. B l l 1 1 l したがって, j >2 0 0 k mの地震の 6 Mzは,0に近づ き上下動振幅から求めた MzとMjとの差は小さくな -0.30 -0.38 -0.09 -0.42 0 . 0 9 0 . 2 9 0.22 0 . 1 6 0.22 6 Mzが j<200km、 で6M> Oになる傾向を示しているが, j >200kmで・はム Mz ることが予想される. 0 . 2 2 いま,上下動の最大振幅を Azとすると 6 Mzは 割する乙とによってかなり小さくなる乙とがわかる. 次式から得られる. すなわち, 4,5区においては, A,B区に分割した ムMz=Mj-Mz= l o g A jー logAz ……… ( 2 ) と乙ろで, 帯広の上下動振幅 (Az) と水平動振幅 方が妥当と考えられる. また, A区のム Mが 1区と同じ数値になる乙とは 6 5 ) 興味深い乙とである.と乙ろで,佐田・加藤(19 (Ao)との聞には, Ao/Az=3 . 0の関係が得られて 2 )式に代入すると いる(図は省略). 乙れを ( 記象型であると言われている. 1区と A区における ムMz; : :logAj一 logAo+l o g3 . 0 ・ ・ ・ … ・ ・ ・ ( 3 ) となる. 乙乙で, l ogAj-logAo=ー 0 . 3 9( 第 1表 ムMが等しい乙とは,その事実を裏付けているのか 参照)であるから,結局 6 Mz=0 . 0 9となる. によれば,帯広の地震記象型は 1区と A区では同じ 乙の計算結果を実際の上下動振幅の観測値から統 もしれない. -1 9- 20 験震時報第 51 巻第 1~2 号 刷, Rlv'u﹃ 司 3 l-nununununu な場合など役に立つものと思う. ~ 4 . / - M 6 9 vr S司z=ー0.02 むすび と次のようになる. n u ﹃ = dz , 司 a unu JはR u ' TE¥ 側一恥一制 、 、 、 L'a ・今 /¥¥¥ 以上,帯広における地震の各要素と振幅係数(ム Mで代用)との関係を検討したそれらを要約する ( l ) 帯広の振幅係数は,観測された H<70kmの全て の地震について平均すると, 乙れまでの調査結果 AMz ~O とほぼ一致する. しかし 地震の発生地域を細分 すると振幅係数の地域差が非常に大きくなる乙と 第 9図 ムMzの頻度分布 (VI,H<70krn) 破線:上下動の振幅から求めた全ての地震の 企 M ,実線: . : 1> 2 0 0 k r nの地震のム M,縦軸は ノマ一セント がわかった. ( 2 ) 4区と 5区に発生する地震の振幅係数は,陸地 に近い所と遠い所ではかなりの違いがみられる. これは,震源、の深さによる相違が大きく影響して 計的 l 乙求められた 6 Mzとの比較を行なった.第 9図 いることがわかった. したがって (破線)に観測値から求められた 6 M . zの分布を示す. 乙分割する乙とが妥当である. 地と平行な A, B区i 4, 5区は陸 . 0 7,a=0.27とな すなわち,乙のム Mzの平均値は 0 ( 3 ) H<70 切において VIで . : 1> 2 0 0 k r n,Sで . : 1>150 . 0 9とほぼ一致する. 乙れは,水 り,上述の計算値 0 加の上下動振幅は標準振幅と一致する. したがっ 扇 =-0.39と比較すると, 平動振幅から求められた Z て,乙の点を考慮するなら,緊急時において Mの かなり MjlC近い値である. しかし,これらの値は前 推定が可能である. に述べたように.:1<2 0 0切で系統的に 6M>0にな 参考文献 る地震を多数含まれた結果である.そ乙で,ム Mzが ムM = Oの周囲 l とほぼ一様に分布している.:1>200 1 9 5 4 ):地震動振幅の地盤係数(その 1),験 勝又護 ( Mの地震について同様の検討を行った.その結果, : 1 >2 0 0 )=-0 . 0 2, a=0 . 2 1となり,ム Mz(. : 1 ムMz(. 勝又護(19 6 5 ):地震動振幅の地盤係数(その 2),験 >200)は更に MjlC近い値となった(第 9図実線). したがって, VIで . : 1> 2 0 0 k r nの地震の場合,上下 震時報, 1 9, 7 1 0 震時報, 3 0, 1--8 市川政治(19 5 8 ):日本の各地震観測点における地震 動振幅を用いる乙とによって,ほぼ妥当な Mを見積 の規模 Mの系統的な偏差について,験震時報, 22, れる乙とがわかった. 23--30 2 ) Sの上下動振幅と企 M 佐田喜雄・加藤公司(19 6 5 ):帯広の観測資料からみ Sについても VI同 様 に 上 下 動 振 幅 の 観 測 値 か た北海道周辺の地震活動について,験震時報, 3 2, 9--16 ら6 Mzを求めてみた(ただし,この場合上下動振幅 2 0 0 μ 以上の地震 88個について検討した).乙の結果, 矢久保敏雄・大西功一 ( 1 9 8 4 ):津波予報技術の検討 . 0 4, a=0.32が得られた. ムMz ムMzの平均はー 0 (その 3),札幌管区気象研究会誌, : 1 >1 5 0事切 と dとの関係におけるム Mzの分布は , . 気象庁(19 6 8 ):地震観測指針(参考編) 197--198 : 1< 1 5 0 k r nで 6 Mz= 0付近にばらつ で 6 Mz> 0, . いている(図は省略).そ乙で 6 3 . : 1> 150kmの地震 ( 個)について 6 Mzの平均を求めると ,6M(. : 1>150) =ー 0 . 12, a=0 . 2 6となった. 乙れは Sの場合, Mを多少大きく算出する乙とになる. し か し 坪 井 . 3 )を考慮すると Sの上下動振 式の Mの精度(土 0 幅は.緊急時において大ざっぱな Mを知りたいよう 本 Sの.1ζ 1対する 6M 5 0 1 叩を境にして VI( . : 1:2 0 0 k m )と同様の分布を zの分布は,VIの場合と若干異なり dが 1 示す乙とが確かめられた. - 20一
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