家族で気持ちのいい快適な暮らしを過ごす家づくりがはじまった。 足立の陽器な家 室温の移りかわり 住まいの快適性を得るため、パッシブデザインを住まいに取り入れたい。 住まいを南に向ければ、太陽熱や光を多くつかまえることができる。敷地 実測 [室温] 考察 の境界線は真南にそっぽを向いていたけれど、建物はできるだけ南に向け 1階LDKと2階デスクコーナーの実測温度とシミュレーションした室温 の比較を、冬と夏とも晴れの日と曇りの日について行なった。シミュレー て、大きな南面開口とその内側に大きな吹抜を設えた。その様子は、まさ シミュレ-ション [室温] 1F LDK ふゆ 晴れ 2F ですくコ - ナ- 外気温 シミュレ-ション [熱流] 1F LDK エアコン 換気 蓄熱 透過日射 室内発熱 20 +20 35 +20 15 +10 30 +10 25 0 なつ 晴れ ションソフトは、[SimHeat]を使用した。あわせてシミュレーションで計 算した熱流の状態を棒グラフにて表示した。 ℃ に「陽射しを注ぐ器」の様。住まいの断熱性能をあげ、コストが許す限り ふゆの結果 の蓄熱容量をあげる。通風や日射遮蔽、採光にも考慮し、程良くパッシブ 0MJ/h 10 ℃ 5 10 20 10 0 20 15 20 MJ/h 南面に対した開口部が30 振れている住宅の配置ではあったが、日照に よる効果があることがわかった。蓄熱土間が朝方への室温低下をある程度 デザインを取り入れることで気持ちのいい家ができあがった。 防いでいる。家全体の蓄熱容量を129kJ/℃・㎡にしたことも室温低下 を防ぐことに影響したと思われる。暖房の一次エネルギー消費量は7.1 一方、ゼロ・エネルギー住宅の政策があり太陽光発電を乗せることで、エ 00:00 12:00 00:00 00:00 12:00 00:00 GJと設計1次エネルギー消費量15.8GJより大きく下回る。Eさん の生活が暖房に頼らなく、服装で暖かさを得ていることがヒアリングにて ネルギーを生み出し、省エネ生活をしっかりとサポートしている。 20 +20 35 +20 15 +10 30 +10 25 0 明らかとなった。 なつの結果 夏の晴れの日、朝6時の気温が32℃と高く、16時に34℃を超え非常 なにより実生活のエネルギー消費量に注目してほしい。パッシブデザイン ℃ に暑い室温であった。子が帰宅しお昼寝のため2時間程度エアコンをつけ ecoな暮らしを実現している。暮らしにも注目することで、パッシブデ 0MJ/h 10 ℃ MJ/h たが、33.5℃まで室温がさがり室温は1日を通して高い温度で推移し ている。曇の日は、外気温も低く室内温度は28.5℃近辺で一定であっ ザインとの関係を紐解いた。紐解きには温熱シミュレーションソフトSim た。夏の場合は実測とシミュレーションの予測がうまく合わなかった。大 きく合わなかった要因として、実際の生活では通風の排熱効果が出ていな Heatを使用し、暮らしの温度と熱流の関係を分析した。 いようであった。 ふゆ 曇り 5 10 20 10 0 20 15 20 00:00 12:00 00:00 00:00 12:00 なつ 曇り 00:00 くらしのリズム エネルギーの使い方 ちち 起 はは 起炊 食 ふたご 起食 食 食 浴 遊 勤 掃 洗 勤 炊 浴 食 園 遊 浴 食 片 寝 楽 寝 (GJ) 1次エネルギーの消費量 100 ガス 一次エネルギー消費量を示した図である。基準一次エネルギー消 費量と設計一次エネルギー消費量、電気とガスの使用量から推定 90 した一次エネルギー消費量、最後に実生活の聞き取り調査と電気 80 87.7GJ ー消費量は基準値の79%であった。実生活での電気とガスの年 60 寝 06:00 12:00 18:00 00:00 暖房 20.0 とガスの年間使用量(推定)、シミュレーションを組合せて分析 70 遊 電気 00:00 を行なった一次エネルギー消費量の図である。設計一次エネルギ 遊 53.4GJ 太陽光発電の削減効果 冷房 15.8 16GJ 換気 5.5 53.2GJ 照明 5.2 4.3 間使用量(推定)から割り出した一次エネルギー消費量は39.7 12.6 50 GJと基準値の45%、設計値の57%と大きく低い消費量であ った。これはEさんの省エネな生活が大きく反映している。 39.7GJ 7.5 40 暖房と冷房は使用時間が少ないことから一次エネルギー消費量は 太陽光発電の削減効果 24.6 給湯 39.7GJ 7.1 3.9 30 とても少ない。ガスは給湯のみの使用であるため、給湯の一次エ 太陽光発電の効果 2.3 16GJ 17.3 太陽光発電機器を4.75kWを設置している。太陽光発電のエネ 家電等 1.4 2.3 である。実生活を考えるとEさんの太陽光発電を加味した年間一 7.5 ネルギー消費量は8.9GJと設計値の半分程度であった。家電の 一次エネルギー消費量も計算した。設計値が21GJに対して1 消費量の中に調理で使用するIHクッキングヒーターも含まれて 8.9 30.8 推定で4,920kW(生活分を除く)。Eさんの年間電気使用量は 21 21 10 2.5GJと60%程度の消費量であった。家電の一次エネルギー 次エネルギー消費量は23.7GJとなる。年間の太陽光発電量は 23.7GJ 20 ルギー削減効果は、一次エネルギー消費量計算によると16GJ 2,370kWに比べ発電量がとても大きい。実生活の光熱費は電 12.5 結びに 気・ガス・水道費用を太陽光発電の売電収入でまかなうことがで 0 基準一次エネルギー消費量 いる。 設計一次エネルギー消費量 実生活での電気とガスの使用量 シュミレーションと実生活を組合わせた分析 きる。 ※換気と照明は設計一次エネルギー消費量を抜粋 冬の生活(1月 3月)ではLDKの平均気温が17.3℃、最低気温が12.7℃、2階の子 供室の平均気温が17.6℃、最低気温が13.0℃と各階の温度差が少ない生活ができている 。Eさんの省エネな生活から暖房時間が少なく、設定温度が低いのもあり、一般的な室温が低 めであった。Eさんご家族はとても健康な生活が過ごしているので、省エネと健康を今後も継 続してほしいと思う。 暖房なしのシミュレーションと暖房なし+南東・南西側開口部に外付ブラインドを設置し日射 を遮った状態でのシミュレーションを行なった。日射による室温上昇は2℃程度と影響がある ことがわかる。南側開口率は13%としている。 設計では南面開口部の方向と南面開口率を工夫すると、日射の影響をもう少しあげられること がわかった。家全体の蓄熱容量を上げることで、温度差を予想通りに少なくすることできた。 また蓄熱容量を上げるため厚み21㎜の石膏ボードを内壁に採用した。このことは建築コスト を抑えることにとても貢献した。 夏の生活(6月 7月)では在宅時のLDKの平均気温が27.7℃、最高気温が34.2℃、 2階の子供室の平均気温が27.7℃、最低気温が34.6℃と冬と同等に各階の温度差が少な い生活となっている。夏の場合も冷房の使用時間が少ない。日中の室内は外気温に影響し、高 い室温で生活をしている。 夏の晴の日の風速を示した。また冷房なしでの通風を有無にて、シミュレーションした図であ 温熱環境のスペック 熱損失係数 る。実測した室温推移が、冷房なし・通風なしの推移にほぼ一致した。実際の生活では、通風 の排熱効果が出ていないことがわかる。通風の排熱効果は、今後の課題である。 (Q値)2.0 (W/㎡K) 夏期日射取得係数(μ値)0.039 一次エネルギー消費量については、とてもecoな暮らしと太陽光発電が住まいの省エネルギ ー性能に大きく貢献している。Eさんにはこれからもとても素晴らしく、省エネな生活を是非 単位温度差あたりの外皮熱損失量 へ と ち り ぬ 8500 1F 1820 い ろ は に 600 2130 2730 2F 1820 ほ へ と 8500 4860 1820 ち り ぬ 600 1820 ¥ ∫› 食洗器 1350W ダイニング 生∫fi‒処理機 850W 10 ですくコナ ≤イ⁄ 135kWh/年 20W ¥ ∫› 135kWh/年 5 void 寝間 void パ でん 43W 単位日射強度あたりの暖房期日射熱取得量 ふゆ 晴れ 第1位!! エアコン(3台) 729kwh 3 3040 3640 1820 15 30 シーリングファン 温熱の均質化 バルコニ ですくコナ 0 蓄熱容量 ハニカムブラインド 必要に応じて とじたり ひらいたり… 第2位!! 冷蔵庫 590kwh 00:00 129kJ 4720 第3位!! 保冷米びつ 490kwh 全体の蓄熱容量 天井 :石膏ボード 厚21 かべ (家中ぜんぶ) 蓄熱量のUP ダイニング 2090 第4位!! 電子ジャー 404kwh リビング 2240 ハニカムブラインド 12:00 00:00 /℃・㎡ なつ 晴れ 大きな吹抜 100 % 90 80 風速 外気温度 冷房あり・通風あり 冷房なし・通風あり 冷房なし・通風なし (℃) 風速 (m/s) 35 20 30 15 25 10 20 5 15 0 内装壁 石膏ボド 70 1階マツ材フローリング 60 50 40 大きな マド Here! 10 5 まわりの街の様子 敷地面積:192.57㎡ 建築面積:71.71㎡ 延床面積:99.98㎡ 地域区分:6地域 建設地 :東京都足立区 ℃ 大きな マド 1 600 ロフト 夏の排熱 910 1820 暖房なし+外付ブラインド設置 22 冬の陽射し 2 910 910 910 910 3 2 910 3640 外気温度 暖房なし ¥59,200-/年 扇風機 1 3040 暖房あり (℃) ¥ ∫› 2.2kW (mH値)6.59 W/W/㎡) ネル で 売 さんご家族に感謝をいたします。 (mC値) 6.14 W/(W/㎡) 20 4 空気清浄機 つ 光は 太陽 とも継続していただきたいと思います。最後に心よく献身的に調査へご協力したいただいたE 買でん量 2730 2730 たたみ コナ 4 リビング 2730 5 116W ¥ 18 単位日射強度あたりの冷房期日射熱取得量 北側のハイサイド窓 2.2kW TV 55型 2730 ≤イ⁄ DVD 7280 米Àfi¬ 490kWh/年 9 クロ ゼット 1820 1820 7 冷蔵庫 590kWh/年 扇風機 3640 キッ 1450W チン 2.2kW 8 1230W 洗濯 230W 洗濯 850W 7280 6 ¥ ∫› PC 家電の使い方 ん量 7,1 ( 7 電子 ⁄›ºfi ∫-À- 電気 -∂- π Ÿ 1000W 1300W 1820 浴室 IHÀ-¿- 炊飯器 1820 1000W 0.7W 1820 暖房 1220W 換気 7W 8 9 1820 TEL 夏の陽射し 6 10 2.8kW -Ω¿- /年 0 5 25 4,9 2575 ほ 2210 に 360 は 1400 ろ (q値)172.1 W/K 290 い h) kW 30 1階床リノリウム 1階床タイル敷 2階+ロフトマツフローリング 20 蓄熱量のUP タイル にわ コンクリート 245 少しでも真南に向けるために、 建物の配置は敷地に対して捻る。 第5位!! IHヒーター 389kwh ゆか:マツ材 厚20 蓄熱量のUP 2階リノリウム 10 0 天井 石膏ボド 00:00 12:00 00:00 S □ID:00680920 □所属/氏名:参創ハウテック(尾崎誠一)・カサボン住環境設計(田村貴彦)
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