我社の方向性の確認 =

STEP 3 中期経営計画骨子(平成20年度~平成22年度) ☆我社は何を選択し、何を捨てるのか。
我社の方向性の確認
この方角に向かって、全員で走ろう。
我社の方向性を明確にするために、複数の角度(視点)から全社レベルでの目標を組み立てる。
目標は、次の5つで構成される。
中核となる 「1.戦略目標」 (さらにこれは商品力強化目標と営業構造改善目標とで構成される。)
その結果としての 「2.結果目標」 (財務体質強化目標とも呼ばれる。)
戦略目標の達成を支える 「3.能力向上目標」
経営資源の調達・配分についての 「4.人的資源目標」・「5.物的資源目標」
1.戦略目標 ( 商品力強化目標・営業構造改善目標 )
我社は、次の5つの戦略目標に取り組むことによって勝ち残りを図る。
戦略目標A.税理士業務の完璧履行
戦略目標B.経営改善支援サービスの提供
(税理士業務以外のサービス提供)
戦略目標C.顧客との人間関係強化
戦略目標D.顧客紹介の拠点開拓
戦略目標X.組織力強化
戦略目標A.税理士業務の完璧履行 について
税理士業務=法律業務であるという認識をもっているか? (Y/N)
税理士業務完璧履行への入口は、民法であることを理解しているか? (Y/N)
税理士業務が、訴訟のどの部分に関与しているかを理解しているか? (Y/N)
日常的に民法を学ぶ習慣ができているか? (Y/N)
実務経験を重ねるほど、「条文からのスタート」という基本姿勢から遠ざかってはいないだろうか?
経済的基準説に染まった解説書に答えを求めることの愚を知ろう。
ここは法治国家である。土俵を間違えてはいけない。
通達という中性脂肪を剥ぎ取って、法律という筋肉を身にまとうのだ。
法律解釈の問題なのか、事実認定の問題なのかを整理せよ。(前提は法的基準説)
事実の認定は証拠による。
その証拠の作成が適切に出来ていることを確認するのが月次巡回監査だ。
〔事実認定のプロセス〕
=
①認識 → ②分類 → ③測定 → ④記録(仕訳)
書面添付
証憑書類
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戦略目標B.経営改善支援サービスの提供 (税理士業務以外のサービス提供) について
[ 価値観の共有化へ向けて ] に示されている通り、我々の提供すべきサービスは二重構造をもつ。
「顧客満足のピラミッド」が、その二重構造を理解する上で役立つ。
< 顧客満足(CS)のピラミッド >
高
顧
客
満
足
度
ー
経
サ営
改
ビ善
ス支
援
税
理
士
業
務
お得意先企業に
とっては?
* お得意先企業によっ
て望む内容は様々。
*「そのお得意先企業」
が 「その時」望むサー
ビスを迅速に提供でき
れば、CSは高い位置
で保たれる。
*できて当たり前のサー
ビス。全てのお得意
先企業が当然に望ん
でいる。
* ピラミッドの土台部
分。ここが壊れると
(たとえ経営改善支援
ができる用意があった
としても)CSは失われ
てしまう。
経営改善支援サービス
(表層機能)
を提供することで
感じて頂ける満足
税理士業務
(本質的機能)
を提供することで
感じて頂ける満足
指導理念!
こだわり続けると?
標準化との関係は?
* こだわり続けることで、
CSをどこまでも向上
させ続けることができ
る。
* 標準化の対象ではな
い。(社員全員が全て
のサービス内容に精
通する必要はない。)
* 一人の社員が一つず
つ得意分野をもてばよ
い。IA全体では、社員
の数だけ特色ある
サービスがあることに
サ
ビスがあることに
なる。(これが「組織
力」の本質)
* できて当たり前の内容
なので、100点未満は
不合格。と同時に、
100点超もない。つま
り、この部分だけにこ
だわり続けても、CSを
向上させ続けることは
できない。
* 標準化の対象である。 (全員が同一レベル
『巧遅』
に達しておく必要が
ある。)
(スピードよりも正確さ
* 99点では不合格。
を優先せよ。)
100点で当たり前。
(サービス提供時の心構え)
『拙速』
(完璧なものを1週間
後に提供するよりも、
完成度7割のものを
今日提供した方が喜
ばれる!)
さて、顧客満足のピラミッドの分析から、次の結論が導き出される。
「 『経営改善支援サービスの提供』が戦略として意味を持つためには、
『IA社員一人ひとりが得意分野をもつ』 ことが絶対に必要である。 」
一人ひとりが、ひとつの分野について日本一の専門家になろう!
その専門家が集まることで、より質の高い経営改善支援サービスの提供が可能になる。
毎日、ワクワクするような仕事をしようではないか!
オンリーワン(これだけは誰にも負けないという得意分野)をもつことが、その必要条件である。
なぜなら、オンリーワン商品こそが付加価値を生む時代だからである。
(「誰にでもできる仕事」しかできない人は、誰にも(お客様にも・同僚にも)価値を感じてもらえない。
価格競争に巻き込まれていくだけ。これでは、ワクワクなんてできない。)
創造的な仕事をするか、事務作業屋になるのか、選ぶのはあなたです。
「あなたにしかできないことは、何ですか?」という問いに答えられますか?
厳しいようだけれども、もう待ったなしです。
オンリーワンが決まったら、あとは目の前にある営業網をフル活用しよう。
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戦略目標C.顧客との人間関係強化 について
真の「人間関係」は、誠実さからしか生まれない。
お得意先企業からの「反応」の全ては、私共の誠実さの度合いの投影です。
「一から学ぶ経営計画」講座をきっかけとし、後継経営者支援に継続的に取り組む。
お得意先企業の永続的発展を前提として、IAは存在を許される。
つまり、後継経営者支援は、IAの5年後を創り続ける活動である。
戦略目標D.顧客紹介の拠点開拓 について
現在、「理念を共有する」紹介拠点が7箇所。
全員で恩返しをしたい。
具体的にどう行動することが紹介拠点への恩返しになるのか、について全員で考え続けよう。
戦略目標X.組織力強化 について
一言で言えば、「1+1>2」の世界を作り上げること。
そのためには社員一人ひとりがオンリーワンを持つことが必要条件である、ということは既に述べた。
(「顧客満足のピラミッド」を、IA的に表現したものが「ARMモデル」である。)
次に必要なのは、そのこと(全社員がどのようなオンリーワンを持っているか)をお得意先企業に伝えること。
よい面ばかりではない。
組織力を高めようとすると、初めは生産性が落ちてしまう。
それを乗り越えて初めて、生産性は向上し続ける。だから途中で諦めてはいけない。
個人プレーでは生き残りが難しい時代。
「チームで仕事をする」という感覚。これが時代対応。
自分のノウハウを、惜しみなくいつでも公開する人。→そんな人が結局は一番成長し続けている。
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2.結果目標 ( 財務体質強化目標 )
上記の5つの戦略目標達成のため、各部署別の施策を実行に移した結果として、 《 3年間の目標損益計
算書 》 に掲げる業績達成が可能となる。
尚、目標損益計算書の算定根拠は以下の通りである。
売上高
人件費
他の固定費
…
…
…
拡大、報酬改訂等を考慮して作成した個人別計画の合計金額。
増員計画を考慮して算出。
科目毎に予測した金額。
また、結果目標の内、非財務数値については「業績評価指標一覧表」に目標及び実績値を示す。
3.能力向上目標 全社基本方針・各部署別の重点施策を踏まえ、個人別にたてた目標及びアクションプランを、各々の「力量
評価シート」「別冊 アクションプラン」に記載する。
4.人的資源目標
(1) 採用計画・配属計画
今後3年間の採用計画及び配属計画は、2014 Ruby Plan の通りである。
採用計画の実施については、所長が責任を持つ。
総務部 (総務部継続希望者)
勤続年数3年以上の正社員を常時3名以上確保する。
(監査部配属希望者)
総務部内に常時2名を確保し、毎年下半期には監査同行を開始する。
監査部GLは監査同行を通じて、各人につき成長度合いを把握。総務部GLとの協議の上、必要な能力
が備わっていると判断した時点で、所長に推薦。所長承認を経て代理監査を命ずる。
監査部 H20年1月1日に5グループ体制を目指す。
(2) 組織・業務分掌 ( H20年度の組織図を、《 組織図 》 に示す。 )
① 職位と職務
〔職位〕
〔 職 務 〕 a) 会長
・所長業務の後方支援を行う。
b) 所長
・会社を代表し、全般の業務を総覧し、その活動を統括する。
c) GL
・会社全体の事業方針の立案に参画し、またこれについて所長を補佐し助言を行う。
・会社全体の事業方針に基づき所管グループの事業計画を策定し、所長の決定を受け
てその実行及び管理を行う。
・所管グループ構成員の力量評価を行い、これをもとに教育訓練を行う。
・所管グループ構成員の戦略給評価を行う。(GL評価)
・所管グループの分掌及び定員の変更を所長に申請する。
・所管グループの事業計画の予算内の支出の承認を行う。
・予算外支出の稟議を所長に申請する。
・他のGLに対し業務上の助言を行う。
・幹部会議にて、所管グループの事業計画の進捗状況について所長に報告する。
d) 室長
・会社全体の事業方針の立案に参画し、またこれについて所長を補佐し助言を行う。
・会社全体の事業方針に基づき所管組織の事業計画を策定し、所長の決定を受け
てその実行及び管理を行う。
・所管業務の分掌及び定員の変更を所長に申請する。
・所管業務の事業計画の予算内の支出の承認を行う。
・予算外支出の稟議を所長に申請する。
・幹部会議にて、所管組織の事業計画の進捗状況について所長に報告する。
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e) 担当職
② 任命
GL
・担当業務の事業計画に沿い、適時に上位職位者の助言を受けながら、担当業務を
実行する。
次の条件を備えた者の中から、他のGL全員賛成の下、所長が任命する。
心 ・本気で部下を育成する強い意志(担雪埋井の精神)があること。
・社員からの信頼を得ていること。
技 ・「税理士業務の完璧履行」についてリーダーシップを発揮できること。
具体的には、TKC中(総務)上(監査)級試験合格およびマスター社員であること。
・‘オンリーワン’(得意分野)をもつこと。
具体的には、国家資格取得者(税理士・社会保険労務士・司法書士・行政書士・
中小企業診断士・ITコーディネーター)・資産税担当・医業コンサルタント。
体 ・IAの戦略を正しく理解し、実行に移す力を持っていること。
室長
組織横断的な内容の業務について、特に精通する者の中から、所長が任命する。
③ 責任と権限
全ての職位は、この経営計画書に記載する戦略遂行のために必要な権限を有し、その権限の行
使及び不行使によって生じた結果について責任を負う。
(3) 力量評価項目についての習熟計画
各社員のH21年度の力量評価項目に関する習熟計画を、各社員の「力量評価予実表」に記載する。
5.物的資源目標
(1) サ バ クライアントに いて
(1) サーバ・クライアントについて
サーバ及びクライアントの買い替え・新規購入については、㈱TKCからの適時(最低買い替えの半
年前まで)の提案に基づき、IT企画室が行う。
(2) 電子保存について
総務部主導のもと、全ての社内保存書類を電子保存する体制を整える。
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