勉澤 ・基 払南 氏 名(本 籍) 士 学 位 の 種 類 博 学 位 記 番 号 農 博:第439号 学 位 授 与年 月 日 平 成4年3月27日 学 位 授 与 の要 件 学 位 規 則 第4条 研 究 科 専 攻 東北大学大学院農学研究科 (博士課程)畜 学位 論文 題 目 (農 学) 第1項 該当 産学専攻 寒 冷環 境 に おけ る ヒツ ジ の成 長 ホル モ ン お よび イ ン ス リ ン様 成 長 因 子 一1分 節 機 構 に 関 す る研 究 之 七 征 郎 夫 康 秋 原 葉 菅 授 木 佐 授 々 授 教 一99一 教 査) 教 論 文 審 査 委 員(主 泌 調 論 文 内 容 要 旨 寒 冷 環 境 にお い て反 劉家 畜 の生産 性 は 低下 す る。寒 冷 ス トレス に よ って泌 乳 量 は減 少 し、増 体 量 が 低 下 す る 。成 長 ホ ル モ ン(GH)お よび イ ンス リン様 成 長 因子 一1(IG F一 工)は 、 いず れ も生 物 生産 の効 率 に影 響 を与 え る重要 な ペ プ チ ドホル モ ン で あ る。泌 乳 反 翻家 畜 にGHを 投 与 す る とき 、乳 量 は著 し く増加 し、 ま た 、 内因 性GH分 乳 量 に密 接 に関連 す る。 一 方 、GHの F-1を 泌 機 能 は泌 間接 作 用 と して 知 られ て い る成 長促 進作 用 は 、IG 介 して発 現 す る。 寒 冷 環 境 にお いて 、動 物 は 外 部環 境 へ の熱 の放 散 を抑 制 し、熱 生産 を増 加 させ て体 温 を 一定 に保 っ た め に、 神経 ・内 分 泌系 の機 能 を変 化 させ る 。従 来 か ら、 交感 神 経 副 腎髄 質 系 、下 垂 体 甲状 腺 系 な どの機 能 が 、寒 冷 環 境 で活 性 化す る こ とは よ く知 られ て き た とこ ろ で あ る が 、 反 舞家 畜 の 生産 性 に深 く関わ る もの と考 え られ るGHお よびIGF-1・ 冷 環 境 に お け る分 泌 動 態 は殆 ど明 らかに され て いな い。特 に 、IGF-1分 の寒 泌 機 能 にっ い て は不 明 の ま ま で あ る。 そ こ で 、本 研 究 で は ヒツ ジを 供試 して 、まず 、 常温 お よび 寒 冷環 境 にお け るGHお よびIGF-1の 分 泌 動 態 を比 較検 討 し、 次 いで 、両 ホル モ ンの 分泌 調 節 に関 与 す るア ド レナ リン作 動 性 機 構 を明 らか にす る ため に一 連 の実 験 を行 っ た。 1.常 温 お よび寒 冷 環 境 にお け る ヒツ ジ のGHお よ びIGF-1分 泌動 態 以 下 、本 研 究で は 、常 温 環境 と して気 温20±2℃ 、寒 冷 環 境 と して0±2℃ に気温 を設 定 し、連 続 点 燈 下 に実 験 を行 っ た。 給 与飼 料 は 両環 境 ともア ル フ アル フ アヘ イキ ュ ーブ2 %体 重 を1日1回 給 与 し、飲 水 は 自 由 と した。 成 去 勢 雄 ヒツ ジ7頭 を供 試 し(給 餌 時 刻17時)、 時 間 にわ た っ て血 漿GHお よびIGF-1濃 常 温環 境 にお いて15分 毎 に24 度 を測 定 し、両 ホル モ ンの 日内分 泌 動 態 にっ いて 検 討 した 。血 漿 イ ン ス リンお よ び グル コ ース濃 度 につ いて も検 討 を加 え た。 常温 環 境 で の 実験 終 了2週 間 後 に動物 を舅 毛 し、寒 冷7日 目に常 温 と同 様 の 測定 を行 い、 両 環 境 で の ホ ル モ ン分 泌 特 性 を比較 検 討 した 。血 漿GH濃 してGHパ ル ス(図1*印)を 判定 し、GH分 常 温 環 境 にお いて 脈動 的 な血 漿GH濃 し、GHパ 度 変 動 をPULSARモ デル に よ り解析 泌 に関 す る各 種 パ ラ メ ータ ーを 計 算 した 。 度 の上 昇(GHパ ル ス)が 認 め られ た 。 しか ル ス発 生 周期 に規 則性 は認 め られず 、 パル スは個 体 間 で同 調 しな か っ た(図1 左)。 ラ ッ トや ヒ トで はGHパ ル ス は規 則 的周 期 で発 生 し、周 期 は個 体 間 で 同調 す る が 、 一100一 ヒツ ジ の 日内GH分 様 な脈 動 的GH分 た(表1)。 漿GH濃 泌 パ タ ー ンは この点 で 明 らか に異 な っ て いた 。寒 冷 環 境 に お い て も同 泌 が 観 察 され た が(図1右)、 寒 冷 環 境 にお いてGH分 パ ル ス発 生 数 は常 温 環 境 と同程 度 で あ っ 泌 は著 し く充 進 した(図1、 度 は 両 環 境 で 差 が な く、 一 方 、 パル ス高 お よび1日 のGHパ 環 境 にお いて 有 意 に高 い こ とか ら(表1)、 寒冷 環 境 にお け るGH分 表1)。 パ ル ス 間の血 ル ス持 続時 間 は寒冷 泌 充進 は 、GHパ ル ス の大 き さの 増 大 に よ る もの で あ る と考 え られ た 。 常温 環 境 にお いて採 食後 に一 時 的 な血 漿GH濃 度 の 低 下 が 観察 され た(図2)。 れ て お らず 、 採 食 に と もな うGH分 環 境 で はGH分 この よ うな 日内変 動 の 存在 は他 動物 で は報 告 さ 泌 の 低 下 は反 劉 動物 に特 有 の 現 象 と考 え られ た 。寒冷 泌 が 充進 す る た め に 、採 食後 のGH分 泌 低 下 は認 め られ な いも の と考 え ら れ た(図2)。 常 温 お よび 寒 冷 いず れ の環 境 にお いて も、血 漿IGF一 れ な か っ たが(図3)、 血 漿IGF-1濃 寒冷 環 境 で のIGF-1の 度 は 常温 環 境(52.1±7.4ng/ml)に 血漿 レベ ル は 低 く(図3)、1日 い る。 血 漿IGF-1はGH依 平均 比 較 して寒 冷環 境(35.3±5.3㎎/m1) にお いて 有 意 に低 か った 。 これ ま で寒 冷環 境 にお け るIGF-1分 っ たが 、 この結 果 は 、 寒 冷環 境 に お いてIGF-1分 工濃度 の 日内変 動 は 認 め ら 泌 動 態 は全 く不 明 で あ 泌 が 低 下 す る こ とを 明 らか に示 して 存 性 に 、主 と して肝 臓 か らの 放 出 を反 映 して変 動 す る こ と が 知 ら:れて い るが 、 寒冷 環 境 で は 、GH分 泌 が充 進 した に もか か わ らず 、血 漿IGF-1 は低 下 した。 イ ン ス リン分泌 は寒 冷 環 境 に お いて抑 制 さ れ 、血 漿 グル コ ース濃 度 は上 昇 した。 II.寒 冷 環 境 にお け る ヒツ ジ のGH、IGF-1分 泌 に お よぼ す ア ドレナ リン 作 動 性 受 容 体 遮 断 薬投 与 の影 響 寒 冷 環 境 にお いて 交感 神経 副 腎髄 質 系 機能 が活 性 化 す る こ とは よ く知 られ て い る。 ま た 、 中枢 神 経 系 の ノル ア ドレナ リ ン ・ア ドレナ リンニ ュ ーロ ン系 の機 能 が賦 活 化 され 、 これ らの ニ ュ ー ロ ン終 末 か らの ノル ア ドレナ リンの 放 出が 、寒 冷 環 境 にお いて増 加 す る こ とは充 分 に考 え られ る ところ で あ る 。一 方 、GH分 泌 が ア ドレナ リン作 動 性 調 節 を受 ける こ とは 、他 の 実 験 動 物 や ヒ トにお いて報 告 され て い るが 、 ヒツ ジの ア ドレナ リン作 動 性G H分 泌 調 節 に は不 明 の 点 が 多 い。 更 にIGF-1分 泌 につ い ては 、反 翻動 物 を は じめ 他 の 動 物 にっ いて も 、ア ドレナ リン作動 性 分 泌調 節 に関 す る報 告 はな され て い な い。 一101一 そ こで 、 ア ドレナ リン作 動 性遮 断薬 を投 与 す る実 験 を行 っ て 、寒 冷 環 境 にお け るヒ ツ ジ のGH、IGF-1分 泌 が 、 ア ドレナ リン作 動 性 に調 節 され る機 構 を検 討 した 。 ヒツ ジ6頭 を供 試 し、 常 温;生 理食塩水 寒 冷;生 理食塩 水 propranolol(ア phenoxybenza皿ine(ア 50nmol/kg/min ドレ ナ リ ン 作 動 性 α 遮 断 薬) propranolo1+phenoxybenzamine(β+α の 各 薬 物 を そ れ ぞ れ8時 100nmol/kg/min ド レナ リ ン作 動 性 β 遮 断 薬) 遮 断 薬) 間 頸 静 脈 内 に連 続 投 与 して 、 15分 100+50nmol/kg/min 毎 に血 漿GHお よ びIGF- 1濃 度 変 動 を 測 定 し、注 入 中の 平均 濃 度 か ら効 果 を検 定 した。 寒 冷 環 境 にお いて β遮 断薬 で あ るpropranolo1を 投 与 して 、 内因 性 の α刺 激 効 果 を高 め る とGH濃 度 は 上昇 した(図4)。 α遮 断 薬 で あ るphenoxybenzamine投 に よ りGH濃 度 は低 下 した 。 また 、両 遮 断 薬 の 同 時 投 与 に よ ってGH濃 与(β 刺 激 効 果) 度 はpropranolol投 与 時 と同程 度 に上昇 した 。 これ らの結 果 か ら、寒 冷 環 境 にお いて は 、ア ドレナ リン作 動性 α作 用 によ るGH分 泌 促 進 機構 と、 β作 用 に よ る抑 制機 構 とが 同 時 に作動 す るが 、 β作用 よ りも α作 用 が優 位 で あ るた め にGH分 血漿IGF-1濃 泌 の 充 進 が 生 ず る もの と考 え られ た 。 度 は 、常 温 ・生 理 食 塩 水投 与 に比 べ 、 寒 冷 ・生理 食 塩 水投 与 で有 意 に低 い値 を 示 した(図5)。Propranolol投 与(α 刺 激 効 果)に よ って 、更 にIGF-1 濃度 は低 下 した。 しか し、phenoxybenzamine投 与(β 刺激 効 果)で は 、寒 冷 ・生 理 食 塩水 投 与 との 間 に有 意差 が 認 め られ な か っ た こ と か ら、 寒 冷環 境 にお け るIGF-1分 泌 調節 には 、 α抑 制 作 用 のみ が 関 与す る も の と考 え られ た 。 これ らの 結 果 は 、寒 冷 環 境 にお ける IGF-1分 泌 抑 制が 、 ア ドレナ リン作 動 性 受容 体 を介 す る神 経性 調 節 を受 けて 生 じたこ とを示唆 して い る。 寒冷 環 境 にお け る イ ンス リン分 泌抑 制 は α刺 激 を介 し、 ま た、血 糖 値 の 上昇 も α刺 激 を介す る もの で あ っ た。 ア ドレナ リン作 動 性 α、 β受 容 体 は 薬 理学 的研 究 か らα1、 α2お よ び β1、 β2のサ ブ ク ラス に分 類 され てお り、 そ れ ぞれ に特 異 的 な ア ゴニ ス ト(刺 激薬)と ア ンタ ゴニ ス ト (遮断薬)が 得 られ て い る。寒 冷 環 境 にお け るGH分 泌 の促 進 、 お よ び 工G:F-1分 泌の 抑 制 が 、 α1も しくは α2作 用 の いず れ に よ る もの か を調 べ るた め に、 ヒツ ジ4頭 を 供試 し、 以 下 の 実験 を 行 っ た。 一102一 常 温;生 理食塩水 寒 冷;生 理食塩水 propranolo1(β 遮 断 薬)100㎜ol/㎏/min propranolol+yoh抽bine(β 遮 断 薬+α2遮 断 薬)100+10㎝ol/㎏/min propranolo1+prazosin(β 遮 断 薬+α1遮 断 薬)100+10m瓠01ノ 寒 冷 環 境 に お い て β 遮 断 薬 で あ るpropranololを GH濃 投 与(α 度 が 上 昇 した(図6)。propranolol+prazosin投 度 は 有 意 に 上 昇 し た が 、propranolol+yohimbine投 与(α2刺 与(α1刺 ㎏/min 刺 激 効 果)す 激 効 果)に 激 効 果)の る こ と に よ り' よ っ てGH濃 効 果 は 認 め られ な か っ た 。 こ の こ と は 、 α作 用 に よ っ て 促 進 さ れ た 寒 冷 環 境 に お け るGH分 泌 ま、 ア ドレナ リ ン 作 動 性 サ ブ ク ラ ス α2作 用 を介 す る もの で あ る こ と を 示 唆 し て い る 。 血 漿IGF一 工濃 度 はpropranolo1+prazosin投 し た こ と か ら(図7)、 寒 冷 環 境 で のIGF-1分 与(α2刺 激 効 果)に よ っ て 特 に低 下 泌 抑 制 は 、 ア ド レ ナ リ ン作 動 性 サ ブ ク ラ ス α2作 用 を 介 し て 生 じ た と考 え られ た 。 寒 冷 環 境 に お け る イ ン ス リ ン 分 泌 は 、 α2機 構 を 介 し て 抑 制 さ れ る こ と 、 ま た血 糖 値 の 上 昇 も α2機 構 を 介 し て 発 現 す る こ と を 示 す 結 果 が 得 ら れ た 。 lII.常 温 環 境 にお け る ヒツ ジのGHお よ びIGF-1分 泌 に お よぼ す ア ドレナ リン 作動性受容体刺激効果 寒 冷 環 境 で 見 いだ され たGH分 泌 に対 す る ア ドレナ リン作 動性 促 進 効 果 や 、 ま た、 これ まで い か な る動 物 種 につ いて も報告 さ れ て い な いア ドレナ リ ン作 動 性IGF-1分 泌 抑 制 機 構 が 、 常温 環 境 にお いて も作 動 す る こ とを検 討す る た め に、 ア ドレナ リン作 動 性 α1、 α2お よび β受 容 体 に対 して それ ぞれ 特 異 性 の 高 い刺 激 薬(ア ゴ ニ ス ト)を 投 与 し、 以 下 の実 験 を行 っ た 。 ヒツ ジ6頭 を 常温 環 境下 で供 試 した 。投 与 薬 物 は 生 理食 塩 水 p虹enylephrine(α1刺 激 薬)0。5nmol/kg/盛n clonidine(α2刺 激薬)0.5nmo1/kg/min isoprotereno1(β 刺 激 薬)0.511mol/kg/min を8時 間頸 静 脈 内 に連 続 投 与 して 、15分 常温 環 境 にお いて も、GH分 毎 に血 漿 ホル モ ン濃 度 を測 定 した 。 泌 は 、 ア ドレナ リン作 動 性 α2刺激 によ り促 進 され 、 β 一103一 刺激 によ り抑 制 され た 。す なわ ち、clonidine投 与(α2刺 激)に よ り、 血漿GH濃 入4時 間 後 か ら徐 々 に上 昇 し、特 に後半 で の 上昇 が 明 らか で あ っ た(図8)。 均GH濃 度 は注 注 入 中の 平 度 は 、 生理 食 塩 水5.8±0.1㎎/m1に 対 し、clonidine7.1±0.3ng/皿1で 有 意 に高 い値 で あ っ た。 ま た、isoproterenol投 与(β 刺 激)に よ りGH濃 度 は著 し く低 下 した(図8)。 一 方 、 工GF-1濃 度 はclonidine投 与(α2刺 激)に よ り低 下 した こ とか ら、寒 冷 環 境 で 観 察 され た ア ドレナ リン作動 性 α2刺激 を介 す るIGF-1分 いて も作 動 す る こ とが 明 らか にな っ た(図9)。 泌 抑 制 機 構 が 、常 温環 境 にお イ ン ス リン分 泌 も寒 冷 環 境 と同 様 、 α2刺 激 に よ る抑 制 、 β刺 激 に よる著 増が 確 認 され た 。血糖 値 は α2、 β刺 激 によ り共 に上昇 した が 、 そ の程 度 は α2刺激 が β刺 激効 果 を陵 駕す る もの で あ っ た。 ま ・ヒ ツジ のGH分 と め 泌 は他 動物 種 と同様 、脈 動 的 で あっ た が 、GHパ ル ス の 出現様 相 は ラ ッ ト、 ヒ トな どで認 め られ る よ うな規 則 的周 期 性 を持 たず 、GHパ ル ス の個 体 問 同 調 は認 め られ な か っ た。 ・寒 冷環 境 にお いてGH分 泌 が 充 進 した。 そ れはGHパ ル ス 高 お よび1日 の パル ス持 続時 間 の増 加 な ど、GHパ ル スの 大 きさが増 大す る こ と に よ る もの で あ っ た 。 ・寒 冷環 境 に お いて1GF-1分 泌 は、血 漿GH濃 度 が上 昇 し た に もか か わ らず 、 抑制 さ れ た。 ・寒 冷環 境 にお け るGHお 泌 促 進 お よ びIGF-1分 あ っ た。 ・GHお よびIGF-1分 よびIGF-1分 泌 は ア ドレナ リ ン作 動 性 に修 飾 され 、GH分 泌 抑制 は 、 いず れ もア ドレナ リ ン作 動性 α2作用 に よ る もの で 泌 は 、常 温環 境 にお いて も、 ア ドレナ リン作 動 性 α2作用 によ り、 それ ぞ れ 促 進 お よび 抑 制 され た。IGF-1分 泌 は 、栄 養 ・GH・ イ ン ス リンな どの液 性 因 子 に よ って修 飾 され る もの と考 え られ てお り、 神経 性調 節機 構 の存 在 は 知 られ て い な い。本 研 究 の結 果 は 、 これ らの液性 因子 以 外 に、 神経 性 調 節 、特 に ア ドレナ リ ン作 動 性 調 節機 構 が 、IGF-1分 泌 に対 して抑 制 的 に関 与す る こ とを示 唆 してい る 。 一104一 0 0 0 0 3 2 1 ** **** **** 360 ******* 360 *嶺***.** *********** ** 361 361 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 2 1 3 2 1 3 ( ∠ 11 0 0 0 0 0 0 0 0 3 2 1 . 3 2 1 (一 ∈ 、0 ⊂ ) Φ⊂OF こ 0 丈 £ ≧ O﹂O 0 0 0 0 3 2 1 **奪** ************ ******* 412 412 ****** **・**** ***** **起***** 411 417 *** ** *********** 423 423 ******* *紳*****・** * 426 426 レ ■ *** ▼ 「 ,,■ .▼ 「 ▼ ▼7響 ▼ *********・***** *** 440 440 し 0913172101050909131721010509 WARM COLD Time 図1常 ofday(hour) 温 および寒 冷環境 における ヒッ ジの個体 別血漿GH濃 *印:GHパ ルス 一105一 度 の 日内変動 表1常 温 お よ び 寒 冷 環 境 にお け る ヒツ ジGH分 泌 に関 す る 各 種 パ ラ メ ー タ ーの 比 較 パ ラ メ ー タ ー GHパ ル ス 発 生 数(パ ル ス/24h) パ ル ス 高(ng/m1) パ ル ス 間GH濃 度(ng/ml) 1日 の 総 平 均GH濃 パ ル ス1個 度(ngノ 恥1)『 の 持 続 時 間(瞬n) 1日 の パ ル ス 持 続 時 間(min) PULSARモ WARM COLD 10.1ア1.2 12.9±1.1 4.7ア0.5 9.3ア1.3** 1.9ア0.3 1.6ア0.3 2.4ア0.3 4.0ア0.6** 47ア6 65ア9 478ア80 816ア23* デ ル に よ る 解 析 、mean±SE、n=7 *,**:常 温 と寒 冷 環 境 問 の 対応 す る パ ラ メ ー タ ーの 有 意 差 *:Pく0.05,**:Pく0.01 10 WARM COLD ↓ 1 5 (一 ξ 2 ) Φ⊂9ヒ ﹂O` ト**十**十**十**十**十*→ 0 £ ≧ O﹂O ト・b+a+c+b→ 一a+a一{}一a一+一a・ →一a+a+a+a→ 0913172101050909131721010509 Timeofday(hour) 図2 常 温 お よ び 寒 冷 環 境 に お け る ヒ ツ ジ血 漿 平 均GH濃 各 点 は7頭 a,b,c:4時 の平均値 間 毎 に 区 切 った 各 時 間 帯 間 の 同 一 環 境 内 に お け る有 意 差 異 な る ア ル フ ァ ベ ッ ト間 にP<0.05で *,**:対 度 の 臼内 変 動 有意差 応 す る 各 時 間 帯 で の 環 境 間 の 有 意 差*;P<0 矢 印 は 飼 料 給 与 を示 す 。 一106一 .05,**;P〈0.01 一 0 ト**+**+**+**+**+**→ 0 ノリ ↓L織lCOしD 0 (で ﹂、O⊂ )一1﹂O 一 嗣 ←a+a十a+a+a十a一{←a+a+a十a十a+a一{ 0913172101050909 .131721010509 丁lmeofdGy(hour) 図3 常 温 お よ び 寒 冷 環 境 に お け る ヒ ツ ジ 血 漿IGF-1濃 各 点 は7頭 a:4時 の平 均 値 間毎 に 区切 っ た各 時 間 帯 の同 一 環 境 内 の 比 較 同 じ ア ル フ ァベ ッ ト間 に 有 意 差 な し **:対 応 す る 各 時 間 帯 で の 環 境 間 の 有 意 差P〈0.01 矢 印 は飼 料 給 与 を示 す 。 一107一 度 の 日内 変動 b b 10 8 a 4 霞 C O 2 0 楚∴ a 6 (一ミ b 。口) 問 図4 寒冷環境 にお ける ヒツジの血漿GH濃 度 にお よぼす ア ドレナ リン作動性 αおよび β遮断薬投与 の影響 a,b,c:異 な る ア ル フ ァベ ッ トは 各 遮 断 薬 間 に 有 意 差 の あ る こ と を 示 す(P〈0。05) 一108一 0 8 噂 bb 0 6 (一霞\b◎¢) a C 噌 C 0 4 0 2 HI 山 { U H 一 一 oボ ノ〆〆凶 ト ーWARM-COLD一 図5寒 一 一 一1 冷 環 境 に お け る ヒツ ジ の 血 漿IGF-1濃 度 に お よ ぼ す ア ドレ ナ リ ン 作 動 性 αお よ び β遮 断 薬 投 与 の 影 響 a,b,c:異 な る ア ル フ ァベ ッ トは 各 遮 断 薬 間 に 有 意 差 の あ る こ と を 示 す(P〈0.05) 一109一 πり ■⊥ 2 ーム 9 (一ミ b。¢) 6 = O 挙 、 蓑 3 図6寒 聾購 0 蹴 3 卜WARM-COLD一 一 一 一1 冷 環 境 に お け る ヒ ツ ジ の 血 漿GH濃 度 に お よ ぼ す ア ドレ ナ リ ン作 動 性 α、 、α2お よ び β遮 断 薬 投 与 の 影 響 a,b,c:異 な る ア ル フ ァ ベ ッ トは 各 遮 断 薬 間 に 有 意 差 の あ る こ と を 示 す(P〈0.05) 一110一 80 (三 \b。¢) 60 Hi ﹄ O H 40 20 0 〆 へ窟 華 護ダ トWARM-COLD一 図7寒 一 一 一 一"「 冷 環 境 に お け る ヒ ツ ジ の 血 漿IGF-1濃 度 に お よ ぼ す ア ドレ ナ リ ン 作 動 性 α1、α2お よ び β遮 断 薬 投 与 の 影 響 a,b,c,d,e:異 な る ア ル フ ァベ ッ トは 各 遮 断 薬 間 に 有 意 差 の あ る こ と を 示 す(P<0.05) 一111一 生理食 塩水 あ る い は刺 激 薬 静 脈 内注 入 ⑩ (一 ξ O⊂) コ=5 0 0 23456 01 8 7 Tim「(hour) 図8常 温環境 にお けるヒツ ジ血 漿GH濃 度 におよぼす ア ドレナ リン 作動性 α、,α2お よび β刺 激薬投 与 の影響 ●:生 理食塩水投与 ▲:α 、刺 激 薬phenylephrine投 ■:α2刺 ▼:β 激 薬clonidine投 与 与 刺 激 薬isoprotereno1投 meanアSE,n=6 一112一 与 生理食 塩水 あ る い は刺 激薬 静脈 内 注入 0 4 0 3 (一 ∈ \2 ) 〒 L O H 20 78 23456 01 Timc(hour) 図9常 温 環 境 に お け る ヒ ッ ジ 血 漿IGF-1濃 度 に お よ ぼす ア ド レ ナ リ ン 作 動 性 α 、,α2お よ び β刺 激 薬 投 与 の 影 響 ●:生 理 食塩水投与 ▲:α 、刺 激 薬phenylephrine投 ■:α2刺 ▼:β 激 薬clonidine投 刺 激 薬isoprotereno1投 meanアSE,n=6 一113一 与 与 与 審査 結 果 の要 旨 成 長 ホル モ ン(GH)お よび イ ン ス リン様 成 長 因 子 一1(IGF-1)は,成 長 や 泌 乳 な ど家畜 の 生 産 性 に関 与 す る重 要 な ペ プ チ ドホ ル モ ンで あ る。 一 方,寒 冷 環境 に お い て反 劉 家 畜 の 泌 乳 量 お よ び増 体 が 低 下 す る こ とが 知 られ て い る。 しか し,GHお よびIGF一 亙の 寒冷 環境 に おけ る詳 細 な 分 泌 動 態 お よび 分 泌 調 節機 構 は,他 の動 物 種 につ いて も殆 ど明 らか に され て いな い 。 本 論 文 の 著者 は こ の こ とに 着 目 し,ヒ ツ ジ を供 試 して寒 冷 環 境 に お け る両 ホ ル モ ンの分 泌 調 節 機 構 を 解 明 す る ため に 以 下 の 研 究 を 行 った。 まず,著 者 は 常 温 環境 に お け るGHお よびIGF-1の 分 泌 動 態 を 精 査 し,ヒ ツ ジのGH分 泌は脈 動 的 な パ ル ス状 を呈 す るが,パ ル ス発 生 の 周 期 に規 則 性 は な く,パ ル ス 発 生 が個 体 問 で 同調 しな い こ と,採 食後 に一 時的 にGH分 泌 が 低 下す る 日内変 動 を 示 す こ と,IGF-1分 泌 に 日内変 動 は 認 め られ ず,ほ ぼ一 定 した 分 泌 状 態 を 維 持 す る こ と,を 明 らか に した 。 次 い で,寒 冷 環 境 に お い て GH分 泌 は著 増 す るが,GH依 存 性 で あ る と され る王GF-1分 泌 は抑 制 され る こ と を見 出 し た 。 パ ル サ ーモ デ ル を用 い た解 析 か ら,寒 冷 環 境 でのGH分 持 続 時 間 の伸 長 な ど,GHパ 泌 促 進 が,GHパ ル ス 高 の上 昇 お よびパ ル ス ル ス の大 き さの増 大 に よ る もの で あ る こ とを示 した 。 次 い で,寒 冷 環 境 で ア ドレナ リン作 動 性 ニ ュ ー ロ ンが 活 性 化 す る こ とに 着 目 し,種 々 の ア ンタ ゴニ ス トを用 い て,GHお 果,GHに よびIGF-1の ア ドレナ リン作 動 性 分 泌 調 節 機 構 を 検 討 した 。 そ の 結 関 して,α 受 容 体 を介 す る分 泌 促 進 と β受 容体 を介 す る分 泌 抑 制 とが 寒 冷 環 境 に お い て 同 時 に作 動 す るが,α 促進 作用 が優 位 で あ る ため にGH分 泌 は充 進 す る こ と,α 促 進 作 用 が α 2サ ブ タイ プ受 容 体 を介 す る も ので あ る こ とを 明 らか に した。 一 方,IGF-1分 低下 が,ア ドレナ リン作 動 性 α受 容 体 を介 す る抑 制 作 用 に 基 づ くもの で あ る こ とを 明 らか に した 。 上 記 の知 見 を,種 々の ア ゴ ニス トを用 い て,常 温 環 境 下 で 更 に追 究 した 結 果,ア 動性 α2受 容体 を刺 激 す る ことに よ ってIGF-1分 分泌 は,GH・ 泌 の寒 冷 環 境 で の ドレナ リ「ン作 泌 が 著 し く抑 制 され る こ とを見 出 した。IGF-1 イ ンス リン ・栄 養 な ど液 性 因 子 に よる調 節 を受 け る もの と考 え ら れ て きた が,著 者 の知 見 は,IGF-1分 泌 調 節 に 神 経 性 機 構 が 関与 す る ことを 強 く示 唆 した 。 以 上,本 論 文 に 見 られ る諸 成 果 は単 に家 畜 生 理学 の発 展 に貢 献 した のみ な らず,内 分 泌 生理 学 上 の貴 重 な 知 見 を与 え た もの で あ る。 よって 審 査 員 一 同,著 者 は博 士(農 学)の 学位 を授 与 され る に値 す る と判 定 した。 一114一
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