オーディオ実験室収載 MYTEK DIGITAL 192-DSD の活用 (13) ―HQPlayer の Version 違い他(2)― 1. 始めに 前報(12)では HQPlayer の Version-up の違いを MYTEK DIGITAL 192-DSD との組 み合わせで検証しましたが、今回は城下工業の DAC の SWD-DA10 で同様の検証を 行いました。標題が MYTEK DIGITAL 192-DSD の活用のままとなっていますが、 SWD-DA10 と MYTEK DIGITAL 192-DSD の比較と言う意味でそのままのシリーズ としています。検証は前報(12)と同様に A 氏同席のもとに両者の PC を並べて相互に これらの問題の検証を行うことにしました。 2.検証の方法 2-1)再生ルート DSD 対応 DAC として城下工業の SWD-DA10 を使用し下記のルートで試聴しました。 PC→FIDELIX HiFi USB→SWD-DA10(なし/176.4KHz) こで、SWD-DA10 には GPS-777 から 176.4KHz のクロックを供給します。 さらに、入力信号のルートとして SWD-DA10 のアナログ出力を DA-3000 に入力す る次のルートでも試聴しました。 PC → FIDELIX HiFi USB → SWD-DA10 ( な し /176.4KHz ) → DA-3000 (44.1KHz)→MYTEK DIGITAL 192-DSD(DA-3000 からクロック供給) ここで、SWD-DA10 には GPS-777 から 176.4KHz のクロックを、DA-3000 には ABS-7777 から 44.1KHz のクロックを供給します。 2-2)PC と再生ソフトの設定 前報(12)の条件と同じで、拙宅の PC には HQPlayer v.3.3.1 がインストールされ、 A 氏の PC には HQ Player v.3.3.3 がインストールされています。 再生ソフトは、 それぞれの HQPlayer で QPlayer Desktop 3 ASIO と HQPlayer Desktop 3 を立ち上げて試聴します。 A 氏の PC で SWD-DA10 を認識させるために、付属の CD-ROM から SWD-DA10 のドライバーのみをインストールしてあります。 3.SWD-DA10 における DSD 再生の結果 A 氏の PC の HQ Player v.3.3.3 も拙宅の PC HQPlayer v.3.3.1 も、DSF, 5.6MHz の 音源の再生が問題なく動作しました。音質的には MYTEK DIGITAL 192-DSD は透 明感があってすっきり系の音がしますが、SWD-DA10 は湿度感のある音がして、特 に GPS-777 からの 176.4KHz のクロック入力の効果が大きくクラシック向きのよう に感じました。なお、HQPlayer v.3.3.3 と HQPlayer v.3.3.1 の違いはありますが、 外部クロック入力により、ともにグレードが上がって、音質が近似していく傾向があ ります。また、双方とも SWD-DA10 単独で使用するより、そのアナログ出力を DA-3000 に入力して、MYTEK DIGITAL 192-DSD に SDIF 伝送することにより顕 著な音質向上が認められました。 4.SWD-DA10 における DoP 再生の結果 A 氏の PC の HQ Player v.3.3.3 も拙宅の PC HQPLAYER v.3.3.1 も、HQPlayer Desktop 3 を立ち上げての DoP 再生が問題なく作動しました。 SWD-DA10 の単独使用では、HQ Player Desktop 3 による DoP 再生は、HQ Player Desktop 3 ASIO による DSD Native 再生よりやや大味なところがありますが、その アナログ出力を DA-3000 に入力して、MYTEK DIGITAL 192-DSD に SDIF 伝送す ることにより、DoP 再生も DSD Native 再生もともに音質が向上し、その差が近接 してきました。 5.まとめ SWD-DA10 の場合、A 氏の PC の HQ Player v.3.3.3 も拙宅の PC HQPLAYER v.3.3.1 も、HQ Player Desktop 3 ASIO による DSD Native 再生も、HQ Player Desktop 3 による DoP 再生も、ともに問題なく動作し、そのアナログ出力を DA-3000 に入力し て、MYTEK DIGITAL 192-DSD に SDIF 伝送することにより、満足すべきレベル に達しました。 SWD-DA10 はマニュアルと付属 CD-ROM により、foobar2000 のプラグインまで詳 細なガイダンスがあり、導入時のリスク軽減につとめています。メーカーに問い合わ せたところ HQ Player の動作確認はしていないとのことでしたが、今回、拙宅の Window7 機と同様、A 氏の PC の Window8.1 機の HQ Player v.3.3.3 でもすんなり と動作までもっていけました。foobar2000 ではメーカー側の道筋が示されていまし たが、HQPlayer はやってみなければ分からないという状況でした。この種の汎用 DAC では、少なくとも代表的な再生ソフトはいくつか動作確認をしておいて欲しい ものです。 以上
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